
そういうシーバスアングラーの話を聞いたことはありませんか?
マイクロベイトやバチパターンと並んで難攻不落とされるサヨリパターン。
でも、僕からすると

これが答え。
もちろん『簡単に釣れる』という意味ではありません。
ただバズりやすいのも実はサヨリパターンの特徴です。
このページでは難攻不落のサヨリパターン攻略法をご紹介します。
サヨリパターンとは
サヨリとは

サヨリは日本全国の陸地近海に広く分布する細長い体型の魚です。
最大サイズは40cm程度とされていますが10~30cmほどのものがベイトとしては平均的です。
30cmといっても下あごが長く伸びているので体の大きさはもっと小さいです。
産卵期は晩春~初秋頃までで、水深の浅い藻場で産卵します。
晩夏から晩秋にかけて浅場を行き来するサヨリをシーバスが積極的に捕食するようになります。
これがサヨリパターンです。
サヨリパターンの特徴は?
サヨリはほぼ表層を群れで泳いでいるため、サヨリパターンでは(ほぼトップに近い)表層を攻めるのが基本中の基本です。
秋頃になると暗闇の中、水面でシーバスがサヨリを捕食する捕食音が響き渡ります。
このダイナミックな捕食音こそサヨリパターンの大きな特徴です。
サヨリパターンはなぜ難しい?

プロアングラーでも多くの人が口をそろえて『サヨリパターンは難しい』と言います。
捕食音が聞こえてもルアーを食わない…とか。
それはなぜか?
群れを襲うことができない
サヨリは細長い体型に加えて硬い下あごが長く伸びているので、サッパやハクのようにシーバスが群れを目がけて襲うことができません。
どれだけサヨリが群れていても、シーバスが捕食する瞬間は特定のサヨリに狙いを定めて後方から襲います。
そうしなければ硬い下あごが邪魔をしてシーバスがサヨリを上手く捕食することができません。
そのため、ルアーがサヨリの群れに紛れてしまうと、シーバスにルアーを見つけてもらえなくなります。
その結果、どれだけシーバスの捕食音が聞こえてきてもルアーを襲ってもらうことができなくなります。
特定のサヨリに狙いを定めにくい
サヨリの群れの様子を眺めているとわかりますが、アジやイワシと違って、サヨリの群れって個々のサヨリがとんでもなくバラバラな動きをしているんです。
『オーシャン』とか『ブループラネット』みたいなBBCのドキュメンタリー番組を見ていると、イワシやアジの群れってフィッシュイーターに襲われたときに一糸乱れぬ群れの動きで逃げていくのがわかります。
サヨリはこれとは対照的。
マジでバラバラだから(笑
このサヨリの群れの不規則性が、シーバスがある特定のサヨリに狙いを定めることを難しくしているといわれています。
サヨリパターン攻略の3つの鍵

シャローエリアで勝負する
他のベイトにはない特徴の一つとしてサヨリが接岸するエリアの水深の浅さがあります。
サヨリは夜になると水深20cmくらいのドシャローの藻場まで寄ってきます。
じゃあシーバスはどのくらいシャローまで入ってくるんだってことですが、シーバスもサヨリと同じくらいのドシャローまで入ってきます。
経験上、水深が30cmあれば70UPくらいまでのシーバスは釣れます。水深が50cmもあれば90UPくらいまで余裕で入ってきます。
このドシャローでサヨリを追いかけ始めたシーバスの食い気はハンパない。
1キャスト中に複数回バイトしてくることも当たり前にあります。
とにかくサヨリを食いたくて仕方ないっていう感じ。
なのでサヨリパターン攻略のためには水深30cmくらいのシャローエリアにポイントを絞って勝負すると、攻略の可能性がより一層高まります。
注意点としては、水深30cmくらいの藻場ってことになると、~30cm潜るルアーだと藻を拾ってしまって釣りになりません。
なので潜行レンジ~10cmくらいのルアーが理想です。(そんなルアーあんまりないけどね)
実はサヨリパターン攻略にはこれが一番近道じゃないかって思ってます。
魚が釣れるところで釣りをする
本来は魚釣りの全般において釣果を伸ばす核心はこれ↑なんですが、ムリゲーを選ぶアングラーも意外に少なくありません。
釣り人の釣行記で

とかって書かれていることがありますが、(移動手段がチャリというのならともかく)車で移動できるのであれば、釣れないポイントで粘るより釣れるポイントに行きなさいよって心の中で思うこともあります。

ルアーのスピードは超絶スロー
サヨリパターン攻略のうえで問題となるのがサヨリの群れの中でどうやってルアーを見つけてもらうかということ。
これは経験…というと大袈裟だし実験というほど形式ばったものでもないですが、いろいろ試してみた結果、超絶スローに巻いて魅せて食わすのが一番釣れる。
これは騙されたと思ってぜひ一度試して欲しい。
サヨリの逃げ惑うスピードを見てたら『けっこう早巻きでも釣れるんじゃないか?』とか思って少し早めに巻いてみたり、逃げ惑うサヨリを演出してみようとトゥイッチしてみたり、いろいろ試してみましたが、結論はこれだった。
超絶スロー
イメージとしては、逃げ惑うサヨリの中で『食いやすいサヨリがここに居るで~』って感じで逃げ惑うサヨリのスピードとは異質のスピードで誘う。

って思うかもしれませんが、サヨリの群れを襲撃してるって時点でそんなにセレクティブなシーバスじゃないし、むしろ食い気が立っているという表現の方が適切。
『自分、シーバスさんに喰われるために泳いでるんで(`・ω・´)ゞ』ってくらいのイメージで魅せた方が釣果は良好です。
勝負レンジは表層~70cmくらい
これはサヨリパターンに限られた話ではありません。むしろ●●パターン全般に共通する話です。
サヨリパターンではシーバスの目線は常に表層にいるサヨリの群れを下から捉えています。
なのでサヨリパターンでサーフィス~サブサーフィスより下のレンジを引っ張ってきてもシーバスの眼中には入りません。
サヨリパターンでは他のパターン以上にレンジにシビアです。
これはなぜでしょう?
先にも述べたように、サヨリを捕食するシーバスは逃げ場のない水面にサヨリを追い込んでサヨリを後ろから捕食します。
サヨリ特有の体型のせいで後ろからでなければサヨリを捕食しにくいためです。
つまりサヨリパターンのシーバスは、他のパターンとは比べものにならないくらいサヨリを水面へ追い詰めることを意識する傾向があります。
そのためサヨリパターンでは派手な捕食音がいろんなところから聞こえてきます。
サヨリパターンでは特にレンジにこだわって攻略に挑みましょう。
それでも釣れない時は…
トップウォーターを使用する
数あるシーバスのパターンの中でトップウォータープラグがもっとも効くのがサヨリパターンです(俺調べ)。
やる気のあるシーバスであれば1キャストで複数回のバイトがあります。

と日本全国に説いて回りたいくらい。それくらい効きます。
トップウォーターであればけっこう何でも使ってみた方がイイです。その時々によって反応が違うって感じなので。
水面で逃げ惑うサヨリを演出するためにはペンシルベイト。
シーバスにスイッチを入れるためのチャガー音系のポッパー。
水面でジャラジャラとアピールするスウィッシャー。
だいたい試してみましたが、一番使いやすいのはスウィッシャー。一番乗せやすいのがポッパーです。
スウィッシャーは超テロテロ巻きで使います。遅すぎるくらいで大丈夫。そうじゃないと後ろの引き波にバイトが出てしまって乗せにくいです。
ポッパーを使うときは捕食音をイメージして低く重い大きな音でワンアクション入れて、その後に少し長めにポーズをとるという感じ。
ワンドのシャローエリアを探してみる
ワンドとは湾や入り江状になった閉鎖水域のことです。
サヨリは夜になるとフィッシュイーターから身を守るために流れの少ないワンドのシャローエリアに入ってくることがあります。
でも実際はサヨリにとって逃げ場の少ないワンドのシャローエリアはシーバスの絶好の狩りの場になります。
こういうエリアでは脇目も振らずにサヨリを追いかけます。
ワンドのシャローエリアでボイル(捕食音)が聞こえてくれば必ずボイル撃ちをしてください。
サヨリパターンではボイルを撃っても釣れないってイメージが先行して、逆にシーバスがスレないようにボイル撃ちを避けるアングラーもいます。
でも、ワンドのシャローエリアでのボイル撃ちではバイトに持ち込める可能性がかなり高いです。シーバスにやる気があるから。
って感じです。
このときのアピール方法も超絶スロー。食わせやすいベイトを演出して魅せて誘います。
サヨリの量をチェックする
サヨリパターンで釣れない時は、念のためにそのエリアにいるサヨリの量をチェックしましょう。
デイゲームではできませんが、ナイトゲームでは簡単にサヨリの量をチェックすることができます。
ヘッドライトで水面を照らしてやるとサヨリが驚いて水面を跳ね回ります。
このとき、両手で足りるくらいの数しかサヨリが確認できなければサヨリパターンが成立するには数が少なすぎます。なのでポイントを移動しましょう。
理想としては、わけがわからないくらいの数のサヨリが水面を跳ね回るくらいがベストです。ただ、目視して(感覚的に)『わっ、スゲーたくさんいるなっ!』と思える程度であればOKです。
宍道湖・大橋川・中海で狙いなさい
もう、何をやってもサヨリパターンで釣れない人。

どうしてもサヨリパターンで釣れないアングラーの最後の手段です。
宍道湖から中海にかけての汽水域はオカッパリで狙えるエリアは相当な範囲がシャローエリアなので、晩夏~晩秋にかけて何処かしらのポイントにはサヨリの群れが接岸してることが多いです。
『(その日その時に)釣れるエリア』を探して釣り歩く方がよっぽど楽です。
おすすめルアー
ソルトペンシル(ダイワ)
トップウォーターでもっともオススメなのが『餌』とまでいわれるダイワのソルトペンシル。
とにかく釣れる。
使えばわかる…いや、よくわからくても使えば釣れる。
ペンシルといえばこれ1種類あればいいんじゃね?って思えます、マジで。
スーパースプークJr.
へドンのスーパースプークはもはや説明不要。
釣れることは歴史が証明しています。
へドンのトップウォーターにはオリジナルザラスプーク(オリザラ)とかいろんな種類・サイズがありますが、僕が使った感じではサイズ感的に9cmで17gのスーパースプークJr.が最も使いやすい。
飛距離が出るので。
サヨリパターンでは遠くのボイルを撃つことも少なくないので飛距離は武器になります。
プロップダーターi-WAKE(メガバス)
メガバスのプロップダーターi-WAKEは超デッドスローのタダ巻き専用。
シャラシャラと音を立てながら水面をかき回しながら引き波を立てます。
いわゆるウェイクベイト。
以前はエバーグリーンのウェイクマジックを使用していました。
でもプロップベイトはペラが付いているのでそもそも飛びにくく、またウェイクベイトはその形状が特異な形をしているのであまり飛距離が出せません。
i-WAKEはLBOⅡシステムが搭載されたことでウェイクマジックと比べるとずいぶん投げやすくなりました。

最近復活しましたが、新しいものは使ったことがありません。
レスポンダー109(シマノ)
正直なところシャローランナーは『これでもか!』というくらい色んなルアーを試しました。
でも、僕がよく行くサヨリパターンのテッパンと言えるエリアでは、ほぼどんなルアーでも藻を拾うんです。
komomo(ima)とかi BORN shallow(ima)くらい潜ってしまうとガツンと根掛かりしてロストしたこともあります。
ダイワのショアラインシャイナーSSRなんかももちろん使いましたが、普通に藻を拾いました。
そんな中でレスポンダー109だけは一応海藻を拾わずにトレースすることができました。
ちなみにレスポンダー129になると(同じ潜行深度の表記ですが)やっぱり藻を拾います。
飛距離が出るシャローランナーで最も浅いレンジを引けるのは、僕が試した中ではレスポンダー109です。
しかもなぜかスゲー釣れる(笑
これはマジでおすすめです。
トライデント(シマノ)
トライデントは遠くのボイルを撃つのに必携のシンキングペンシルです。
シルエット的にもサヨリにけっこうマッチしています。
トライデントには90と115がありますが、90でも60mくらい飛ぶのでスゲー重宝します。
近距離ならトライデント90。
遠~くの方で捕食音が聞こえるときの長距離砲としてトライデント115。
弱点としては細身のシンキングペンシルのため大きいフックを付けると背中に回ってしまうので大きいフックが使えないということがあります。
特にトライデント90はフックが小さい。
背中にフックが回らないギリギリまでフックを大きいものに交換して使います。
まずは苦手意識をなくそう
業界的には『難しい』といわれるサヨリパターン。
でも日本全国を見渡せば、宍道湖・大橋川・中海のように『サヨリパターンこそバズるパターン』っていうエリアは少なくないでしょう。
ヒントはそういうエリアにあります。
シャローエリアで勝負すること。ルアーをゆっくりと魅せてアピールすること。
特に重要なのはシャローエリア。
膝くらいまで水深があれば『ちょっと深いな』って思えるほどに浅いエリアでサヨリ付きのシーバスを狙うと本当にイージーです。
そういうエリアも全国にはあるんです。
はじめからサヨリパターンに苦手意識を持つのではなく、もっとイージーに釣れるポイントを探してサヨリパターン攻略の糸口を掴みましょう。
