【ステップアップ】『バイトパターン』をイメージすればシーバスにもっと近づける!【第4回】

「ベイトが●●のときはこのルアーが効く!」という定型のパターン解説をしているメディアはたくさんあります。

しかし、ベイトが●●のとき、ある特定のルアーを使うにしても、シーバスの捕食方法を無視してルアーを使っていては、思うような釣果が得られないことがあります。

このページでは、シーバスの捕食方法に合わせた『バイトパターン』についてご紹介します。

ベイトによってシーバスの『捕食方法』は変わる

シーバスはベイトに合わせて捕食方法を変える

●●パターンに効くといわれるおすすめルアーをどれだけ投げ込んでも、想像したような釣果を得られないことは少なくありません。

それはなぜか?

実は、「●●パターンに効くおすすめルアーを投げて巻くだけ」という攻め方になっていることが多い、ということが理由に挙げられます。

しかし、ここで意識しておかなければならないのがシーバスの捕食方法です。

たとえば、ベイトがバチのとき。

コノシロのとき。

ハクやアミエビのとき。

これらのベイトを捕食するとき、シーバスの捕食方法は同じではありません。

そのため、いくら「これが効く!」といわれるルアーを投げ続けようが、シーバスのバイトパターンにハマらなければ、まったく釣果を得られないことがあります。

バチがベイトのとき

たとえば、ベイトがバチのとき。

シーバスは、軽い力で「シュパッ」と吸い込むバイトをします。捕食音もかなり小さいことがあります。

バチは、イワシやコノシロのように逃げ回ることはありません。

そのため、シーバスとしては、バチが流れてくるのを待ち構えて、流れてきたバチを軽い力で吸い込むだけでいいのです。

コノシロがベイトのとき

バチパターンと対照的なのが、コノシロパターンです。

シーバスが捕食するコノシロは最大で30cmクラスになります。

バチと同じように、このコノシロを、待ち構えて軽い力で吸い込む、という捕食方法が成り立たないのは明らかです。

シーバスはコノシロの群れを見定めながら、コノシロを捕食する瞬間、一匹のコノシロにターゲットを絞って全力で捕食します。

ハクやアミエビがベイトのとき

シーバスのベイトパターンの中でも指折りの難攻不落パターンがハクパターンやアミパターンです。

これらのベイトパターンが難しい理由としては「ベイトが小さいから」と語られるのが一般的です。

しかし、ハクパターンが難しい理由は、ベイトが小さいから…だけではありません。

シーバスがハクやアミエビのような小さなベイトを捕食するときは、特定の一匹のハクやアミエビを狙うわけではありません。

シーバスが小さなベイトを捕食するとき、シーバスはベイトの群れを襲います。

群れを形成している2~3cmのベイト一匹一匹を狙うような非効率的な捕食方法ではありません。

ショーカラ
シロナガスクジラが大量のオキアミを一気に捕食するようなイメージです

そして、誤解を恐れずにいうと、ハクパターンやアミパターンのときは

ルアーを狙ってバイトさせることがとても難しくなる

ということです。

シーバスは一匹ではなく『ベイトの群れ』を狙うわけですから。

仮に、ルアーを狙ってバイトしてくるのであれば、それをハクパターンと呼ぶべきかどうか…

そもそも疑問があります。

ハクパターンのシーバスを、ハクパターンじゃない方法で釣った、とも解釈できそうです。

いずれにしても、群れを捕食するというのがハクパターンやアミパターンに見られる特徴的なバイトパターンです。

おすすめルアーで釣れない人の特徴

実は問題はそれほど複雑ではない

●●パターンで定番といわれるルアーがあるとしても、そのルアーを使って上手く釣る人と、同じルアーを使ってもなかなか釣れない人とに分かれます。

なぜ、●●パターンで定番のおすすめルアーを使ってもなかなか釣れないのか?

人によっては

ビギナー
このルアーを上手く使いこなせない…

と、「ルアーそのものの使い方」という難しい問題意識を持つ人もいます。

でも、実は、ルアーそのものの使い方というよりも、●●パターンにおけるシーバスの捕食方法を意識したルアーの使い方ができていない可能性があります。

シーバスの捕食方法に合わせたルアーの使い方を考える

たとえばハクパターン。

50~60mmクラスのシンキングペンシルやバイブレーションが定番ルアーとされいます。

最近ではバグリースピン6のような40mmクラスの小さなルアーも人気です。

それじゃあ、バグリースピン6のような定番ルアーを投げて巻いていればハクパターンが攻略できるのか?

というと、そんなに簡単な話ではないことは、多くのシーバスアングラーが経験するところです。

たとえバグリースピン6をハクの塊の中に投げ込んでも、ハクがルアーから散って離れてしまうようでは、ハクパターンのシーバスは釣れません。

なぜなら、ハクパターンのシーバスはハクの群れを捕食するからです。

ハクパターンのシーバスを狙うためには、ハクの群れを散らすようなルアーの引き方は避けなければなりません。

あるいはサヨリパターン。

サヨリパターンで定番といわれるのは細身で表層を引けるルアーです。

それじゃあ、細身のルアーで表層を引いていればサヨリパターンが攻略できるのか?

というと、これも、そんなに単純な話ではありません。

特にシーバスの捕食音が頻発するときは、表層よりもさらに上の『水面』をシビアに引かなければシーバスが反応してくれないときがあります。

水面というのは、ベイトフィッシュにとってはそれより上に逃げることのできないのような存在です。

その水面を意識してシーバスがサヨリを追い込んでいる場合、50cm前後も潜らせてしまうとシーバスがまったく反応しないことがあります。

一口に「サヨリパターンは表層を攻める」といっても、特に『水面』を意識しているシーバスを狙うためには、シビアに水面を攻めなければなりません。

シーバスの『バイトパターン』とは?

特定のパターンにあてはめてシーバスを狙おうとするとき、アングラーが意識しておかなければならないことが二つあります。

それは

シーバスが、どんなベイトを、どのように捕食しているか?

ということです。

ベイトパターンとは?

まず一つめに問題になるのが、「ベイトがなにか?」ということです。

これは、理解しやすいところです。

シーバスが捕食しているベイトが、バチなのか、サヨリなのか、サッパなのか…

シーバスが捕食しているベイトに合わせてルアーをセレクトするアプローチ方法をベイトパターンと呼んでいます。

いわゆる、バチパターンとか落ち鮎パターンなどと呼ばれるアプローチ方法です。

『バイトパターン』とは?

ビギナー
ベイトパターンは聞いたことあるけど、『バイトパターン』なんて聞いたことないけど?

と思われるアングラーもいることでしょう。

このウェブサイトでは何度もご紹介していますが、ルアーはエサではありません。

●●パターンにおすすめといわれるルアーを投げていればシーバスの方から寄ってきてくれる…なんてことはありません。

ルアーは、ロッドやリールと同じく、魚を釣るための道具です。

その道具をどのように使っていくかは、アングラー次第です。

そこで、ベイトを絞ったうえでさらに問題になるのが、「シーバスがそのベイトをどのように捕食しているのか?」ということです。

つまり、ルアーをどのようにシーバスの捕食に合わせていくのか?というルアーの使い方を考える必要があるのです。

すでに述べたとおり、2~3cmのボラの稚魚やアミエビを捕食するときと、20~30cmのコノシロを捕食するときとで、シーバスが同じ捕食方法をすることはありません。

また、シーバスがバチを捕食するときの捕食方法がとても小さいことは有名です。

そこで、アングラーは、ベイトに合わせてセレクトしたルアーを、さらに、シーバスの捕食方法に合わせて使っていく必要があります。

この捕食方法に合わせたアプローチ方法(ルアーの使い方)をバイトパターンと便宜的に呼んでいます。

ショーカラ
業界的な定型の呼び方がないので、便宜的にバイトパターンと呼んでいます

特定のパターンにあてはめて効率的にシーバスを狙おうとするときは、必ずこの二つの視点からアプローチする必要があります。

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バイトパターンで考慮すべき3つのファクター

シーバスの捕食方法を想定するうえでアングラーが考慮しておかなければならないファクターが三つあります。

①シーバスの目線
②『1匹』を捕食するか?
 『群れ』を捕食するか?

③ルアーを群れに同調させるか?
 群れから外すか?

大きく分けると、この三つです。

『シーバスの目線』を考える

シーバスに限らず、多くのフィッシュイーターにとって、『目線』というのは重要なファクターです。

フィッシュイーターが特定のベイトに狙いを定めた場合、そのベイトから離れた場所を泳ぐ別のベイトには意識が向きません。

たとえば、水面にサヨリを追い込んで捕食しているシーバスに対して、シーバスよりも下にルアーを通しても、シーバスは反応してくれません。

もちろん、何らかの拍子に、シーバスよりも下を泳ぐルアーにシーバスの意識が向くことはあるでしょう。

しかし、パターンにあてはめて効率的にシーバスを狙うことを考えた場合、シーバスの目線の先にルアーを通すということはとても重要です。

これを、アングラーの視点から表現するとルアーを通す『レンジ』ということになります。

ただ、レンジという視点で考えると、どうしても大雑把に考えがちになります。

『表層』とか、『中層』とか…。

そこで、レンジというのをさらに細かく、『シーバスの目線』という形でシーバスの視点に立って考えることで、アングラーは、より緻密にレンジを意識するようになります。

「群れを捕食する」場合を考える

シーバスが小魚を捕食するとき、群れの中の一匹に狙いを定めて捕食するものだと思い込んでいる人もいます。

しかし、シーバスがベイトを襲うときの捕食方法は、ベイトの種類や大きさによって異なります。

典型的なのがボラの稚魚(ハク)やアミエビなど。

いわゆるマイクロベイトです。

シーバスがマイクロベイトを捕食する場合、アミエビを一匹一匹捕食するわけではありません。

ボラの稚魚やアミエビの群れを目がけて捕食します。

このとき、ルアーを大きく動かしたり速いスピードで動かして群れが散ってしまうと、シーバスがバイトするチャンスを失わせてしまいます。

これでは、ハクやアミの群れを捕食するシーバスを狙うことは難しくなってしまいます。

反対に、シーバスがコノシロのような大型のベイトを捕食している場合、捕食の瞬間には特定の一匹にターゲットを絞ります。

群れに襲い掛かって捕食できるほどコノシロは小さくありません。

シーバスが特定の一匹を狙うか、群れを襲うかによって、ルアーの動かし方や動かすスピードが変わります。

あえて「群れから外す」ことを考える

シーバスの目線の先にルアーを通すことは大前提です。

そのうえで、ルアーをベイトの群れに同調させるべきか?

それとも、あえてルアーをベイトの群れから外すべきか?

「群れに同調させるか?群れから外すか?」というファクターも、実は、シーバスのバイトパターンを考えるうえではとても重要です。

たとえば、群れを捕食するハクパターンやアミパターンにおいて、そのパターンにあてはめてシーバスを狙うのであれば、「群れから外す」という選択肢はありません。

ルアーを群れから外すのであれば、ハクパターンやアミパターンのシーバスを、あえてパターンにあてはめないで狙う釣り方になります。

また、サヨリパターンのときにも、群れの中をゆっくりとルアーを通した方がシーバスのヒット率がいい印象があります。

これとは逆に、イワシパターンのとき。

一度いい思いをしたことがあるのが、あえて「群れから外す」方法です。

「群れから外す」というよりは、「群れを散らす」と表現した方が正確かもしれません。

狙い方としては↓こんな感じです。

①イワシの群れの中をルアーを通す。
②群れの中で大きくルアーを動かして、イワシの群れを散らす。

③イワシを散らしたら、ルアーを止める。
④すると、散ったイワシではなく、止めているルアーにシーバスがバイトしてくる。

というパターンがハマったことがありました。

このときのシーバスは、「イワシの群れの中の捕食しやすい個体を狙う」という捕食方法だったと考えられます。

他にも、切実な問題として、コノシロのような大型ベイトの場合、群れの中にルアーを通してしまうとコノシロがスレ掛かりして釣りにならない…ということもあります。

ベイトのスレ掛かりを避けつつ、シーバスの捕食しやすいコースにルアーを通すために、あえてルアーを「群れから外す」というのも、シーバスの捕食方法に着目したアプローチ方法です。

バイトパターンがほとんど語られない理由

シーバスの捕食方法なんてほとんど考えたことがない!

そう思うビギナーの方は少なくないでしょう。

シーバスフィッシングにおいては、バイトパターンについて語られることはほとんどありません。

これがなぜか?を考えたとき、一つの大きな理由として『ルアー=疑似餌』という考え方が定着していることが挙げられます。

ルアーは偽物のエサである

ということを前提にすると、確かに、おすすめといわれるルアーを投げて泳がせてさえいれば、シーバスの方からルアー(疑似餌)を喰ってきてくれると思い込んでも不思議ではありません。

このようなルアー=疑似餌というルアーフィッシングの土壌が、バイトパターンという不可欠な要素を包み隠してしまっているのかもしれません。

しかし、(繰り返しになりますが)ルアーはエサではありません。

ルアーは釣り道具です。

ただのプラスチックの塊です。

「その道具を、シーバスの捕食方法に合わせて使っていく」というのは、むしろ、発想としては自然な流れといえます。

「ルアーは疑似餌である」という固定観念に執着せず、ルアーという道具を使い切っていくことを考えましょう。

バイトパターンからルアーの使い方を逆算する!

シーバスフィッシングには、『パターンフィッシング』と呼ばれる効率的なシーバスの狙い方が存在します。

シーバスが、どんなベイト(エサ)を、どのように捕食しているか?

このベイト捕食方法に着目したアプローチ方法がパターンフィッシングです。

ベイトに着目したベイトパターンは、主に、ルアーをセレクトする場面で問題となります。

「バチパターンには〇〇系のルアーが効く」とか「落ち鮎パターンでは▲▲系のルアーがハマる」とか。

どんなルアーを使えばいいのか?ということ考えるうえでは、「そもそもベイトが何なのか?」を検討しなければなりません。

それじゃあ、ルアーを選んだあとは、ベイトが居そうなレンジをルアーを引いてくればいいのか?

…といえば、そういうわけではありません。

ルアーは、ロッドやリールと同じく、魚を釣るための道具です。

その道具をどのように使っていくかは、アングラー次第です。

そして、ルアーという道具の使い方を考えるうえでヒントとなるのが、捕食方法に着目した『バイトパターン』です。

シーバスの目線はどこを見ているのか?

1匹のベイトに狙いを定めて捕食するのか? 

ベイトの群れを襲うのか?

ルアーをベイトに同調させたほうがいいのか?

ルアーをベイトの群れからあえて外したほうがいいのか?

このようなことを意識することで、ルアーをどう使っていくかべきか、ということが自然と見えてきます。

ビギナー
●●パターンなのに、おすすめのルアーを投げていてもなかなかシーバスが釣れない

と感じて途方に暮れたときは、捕食する側の視点に立って、

そのルアーをどう使えば効果的にバイトを引き出すことができるか?

ということを考えてみるといいでしょう。

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