【入門者向け】適合ウエイトを超えるルアーを投げると折れる?

先日友人からロッド製作の依頼を受けたのですが、そのときにこんな要望を受けました。

友人
35gくらいまで投げられるロッド(を製作)できる?

実はロッド製作を依頼されたときにこの手の要望はとても多い。

確かにロッドを選ぶときは、普通は「〇〇gくらいのルアーまで使いたい」ということを想定してロッドを探します。

なので、使いたいルアーがあるのに

アングラー
ヤバッ、ウエイト超えてんじゃん
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

ってならないようにロッドを選びたいのは当然の話。

でも、適合ウエイトを超えることは本当に大きな問題なのか?

実はこれがなかなかに説明が難しい。

このページでは、知ってるようで知らない【適合ルアーウエイトの秘密】についてご紹介します。

適合ルアーウエイトとは?

ほとんどのルアーロッドには【適合ルアーウェイト】が表記されています。

Lure Wt:〇~〇〇g」って感じ。

一般的には、メーカーが推奨する

そのロッドで投げられるルアーのウエイト

といった意味合いで考えられていることが多いです。

適合ウエイトを超えたら折れる?

ロッドに関する質問板でよく見かけるのが、

質問者A
(適合ルアーウェイト7~21gのロッドについて)
5gのジグヘッドはキャストできますか?
質問者B
(適合ルアーウェイト7~21gのロッドについて)
26gのメタルバイブレーションはキャストできますか?

という類いの質問。

たしかに気持ちはよくわかります。

適合ルアーウエイト」という数字をメーカーが提示してしまうと、

アングラー
(それを)超えたらマズイんじゃないか?

という疑問があるのは当然です。

でも結論は出ています。

極端なウエイトオーバーでない限り普通は折れない

これが答えです。

適合ルアーウエイトの設定方法

そもそも、メーカーが製作するロッドにメーカーはどのように適合ルアーウエイトを設定しているのでしょうか?

この点については僕は正直全くわかりません。

でも、想像はできます。ここからは僕の想像です。

おそらく、ロッドの適合ルアーウエイトの数字の設定は「適当」です。

ここで「適当」というのは二つの意味合いで使っています。

1つは「適切」という意味。

メーカーがロッドを開発するときには破断テストや試投を行います。

このときに「だいたい〇〇gくらいのルアーなら快適に投げられる」というのを体感的にチェックするでしょう。

なので、まずは実際に投げてみて、無理なく投げられる範囲を体感的に設定しています。

もう1つは「いい加減」という意味。いわゆる「テキトー」という意味です。

ロッドの設計に関わっているわけではないので詳しいことは全くわかりませんが、ロッドのような工業製品をコンピューターのように1g単位で適合ルアーウエイトを設計・設定・製造できるということ自体がちょっと想像できません

それと、後述しますが、そもそもルアーというのは同じ重さであったとしてもルアーのサイズや形が違うと空気抵抗が全然違うものです。

ルアーの空気抵抗が違うと、同じ重さであったとしてもキャスト時にロッドに掛かる負荷が全然違います。

なので、ルアーの空気抵抗を無視して、キャストできるルアーのウエイトが決まるということは本来はあり得ません

これらの理由から、適合ルアーウエイトは「だいたいこのくらい」という感じでテキトーに設定されているのでは?と僕は考えています。

ルアーウエイトよりも大切なこと

ルアーの空気抵抗は超重要

適合ルアーウエイトを超えるどんなルアーでも投げられるか?と聞かれたら、答えは「No!」です。

ルアーを選びます

じゃあ「どんなルアーなら投げられるか?」といえば最も重要なポイントになるのが

ルアーの空気抵抗

です。

40gのタングステンメタルジグ
30gで160mmのフローティングミノー
【~28g】のロッドでキャストした場合、どちらがロッドが折れそうな感覚があるか?(どちらが気持ちよく投げられるか?)

ルアーフィッシングに馴れてくると当たり前のことですが、160mmで30gのサイズのミノーってキャストするときにとんでもなく空気抵抗があります。

このルアーの空気抵抗がキャスト時にロッドのティップあたりに「ミシッ」という違和感(不安感)を生じさせます。

投げにくさの原因

ルアーをキャストするときは

テイクバックでロッドを後方へしっかり曲げる
後方へ曲がったロッドが前方へ返ろうとする反発を利用
ロッドの反発にルアーを乗せて前方へロッドを振り切る

言葉で表現するのは難しいですがキャストの流れはこんな感じ。

この一連の流れにおいてテイクバックでロッドをしっかり曲げられない(①)とか、ロッドを振り切るときのスイングスピードが遅い(②)と、ロッドにルアーの重みを上手く乗せられずロッドの反発を使ったキャストができません

ところが、ルアーがファットボディといった理由でルアーの空気抵抗が大きいと、ルアーの空気抵抗が邪魔をして、ロッドのスイングスピードが思ったほどは上がりません。

そうなると、ルアーの重みが十分にロッドに乗り切らないために、反発力の強いベリーやバットまで十分に曲がらず、反発力の弱いティップ付近(竿先)でルアーをキャストしてしまうことになります。

結果として、非常に投げづらさを感じることになります。

これとは反対に、たとえば60mm40gのメタルジグは、同じロッドで投げるとしても、160mmで30gのミノーよりもよっぽど投げやすいです。

メタルジグは重さに反して空気抵抗の少ないため、キャスト時にルアーの空気抵抗が邪魔にならず、ルアーのウエイトがしっかりとバット部分に乗ります

加えて、もともとルアーにウエイトがあるため、それほどスイングスピードを上げなくてもルアーの重みがベリー~バット部分に勝手に乗っかってくれます。

結果として、適合ルアーウエイト~28gのロッドで40gのメタルジグを投げるのと、160mm30gのミノーを投げるのとでは、ウエイトの重い40gのメタルジグの方がストレスなく投げることができます。

これに関しては、言葉で理解するよりも実際に投げてみた方が体感的にわかりやすいです。
適合ウエイト~28gくらいのロッドで40g程度のメタルジグとタイドミノースリム175フライヤーを、投げ比べてみるとよくわかります。
タイドスリムミノー175フライヤーは175mm27gなので適合ルアーウエイトの範囲内ですが、適合ルアーウエイトをオーバーするメタルジグの方が(だいたいの人にとっては)投げやすいはずです。

ロッドの破損の原因

キャストした際にロッドを折ってしまう原因はいくつか考えられます。

その中でもけっこう多い原因と思われるのが、この「ルアーの空気抵抗を無視したキャスト」に起因するケースです。

本来、ルアーロッドは、キャストの際にしっかりとロッドを曲げ、ルアーのウェイトをロッドのベリーからバットの部分にしっかり乗せ、ロッドのベリーからバットの反発力を利用して投げてやればそう簡単には折れません。

しかし、空気抵抗の大きいルアーを投げる場合には、ルアーの空気抵抗が邪魔をしてロッドのスイングスピードが思ったほど上がらず、ロッドをしっかりと曲げることができません。

また、ルアーの空気抵抗は大きいのにルアーのウエイトそのものはそれほど重くないので、ルアーの重さを利用してロッドを曲げることも簡単ではありません。

結果として、ロッドのポテンシャルが発揮できるほどロッドを曲げてやることができず、反発力の弱いティップで投げることになります。

ロッドの反発力の弱い部分にルアーの重さが乗ってしまうため、適合ウエイトの範囲内のルアーでも竿先が破損してしまいます。

実際にキャスト時にロッド(特にティップに近い部分)を折ってしまうケースというのは、ルアーの重さが適合ウエイトをオーバーしたことよりも、ルアーの空気抵抗を無視した結果、ティップに想定外の負荷が掛かる状況でキャストしてしまったことに起因するケースの方が多いといえます。

具体的な使用状況

僕の場合ワールドシャウラ2752R(7~20g)でだいたい40gくらいまでのルアーはフルキャストします。

もちろん折れたことはありません。

僕がよく乗せてもらうボートの船長はメバルロッドVJ28(30g以上)をブン投げていました。

他にも、(いま考えれば「やりすぎだったかな?」という経験ですが)以前はワールドシャウラ1652R(7~28g)70gのメタルジグをフルキャストしていました。

コレ↓は参考動画です。

こちらの動画ではワールドシャウラ2831R-2(5~15g)57gほどのオモックをキャストしています。

適合ルアーウエイトを超えるルアーを使っている人には「使えて当たり前」、使わない人にとっては「ホントに大丈夫?」

それが適合ルアーウェイトです。

何のためのルアーウエイト?

ロッドに表示された適合ルアーウェイト外のルアーも使えると言ってしまうと

アングラー
じゃあ、結局何のための表示なの?

という疑問が残ります。

これには主に2つの理由があります。

メーカーの責任の範囲を明示

メーカーがロッドを設計するときは、当然、ユーザーの使用目的を想定してロッドを設計します。

シーバスロッドであれば「シーバスを釣るためのルアーをキャストしてシーバスを釣る」。

メバルロッドであれば「ジグヘッドやマイクロプラグをキャストしてメバルを釣る」。

それぞれのロッドを設計するときに用途や目的を一応想定しています。

ところが、

アングラー
メバリングをしていたらメーターオーバーのアカメが掛かってロッドが折れてしまった!
これはロッドの初期不良じゃないか!?

とか

アングラー
(ライトクラスの)シーバスロッドでジョイクロ178をフルキャストしたらロッドが折れてしまった!
これはロッドの初期不良じゃないか!?

ってメーカー側が言われても、メーカーとしては「そんな使い方は想定していません」というしかありません。

でも、この「想定」というのはけっこう曖昧で、表現するのはなかなかムズカシイ。

そこで便利なのが、【メバルロッド】という括りをしたり、【適合ルアーウエイト】という括りで限界値を設定した方が、万が一ロッドが折れた時でも、「その使い方は想定していません」とメーカーは言いやすい。

適合ウエイト内のルアーを投げてロッドが破損した場合、メーカーは破損原因を検討しなければなりません。

でも、適合ウエイトを超えるルアーを投げてロッドを破損した場合、メーカーは「適合ルアーウェイトを超えているからです」と言いやすいです。

つまり

メーカー担当
アンタが悪い

と言いやすくなります。

したがって、【適合ルアーウエイト】はメーカーにとって非常に都合の良い数値なのです。

なお、ユーザーとして注意しておかなければならないのが、本来であればロッドに問題があって無償で交換してもらえるケースであっても、 適合ウエイトを超えるルアーを投げてロッドを破損した場合、保証書を使って直さなければならなくなる場合があります

ロッドの硬さを知るための参考値

ルアーロッドには、ロッドの硬さ示す参考値としてMLやL、MHといった表記がされています。

この表示は、当たり前のようにほとんどすべてのロッドに表示されています。

でも、このロッドの硬さの表記方法には一定の決まりがなく、メーカーや開発担当者によってマチマチです。

詳しくはコチラ↓

しかし、適合ルアーウェイトのように「数字」で表示されれば、基本的にはメーカーや開発担当者の主観に左右されることはありません。

「20g」は誰が量っても「20g」です。

したがって、僕の場合はロッドの硬さを想像するときには、MLやMHという表示ではなく適合ルアーウエイトから想像するようにしています。

まとめ

MEMO

★キャストできるかどうかは空気抵抗次第

★ロッドの硬さの参考値

ルアーの空気抵抗は超重要

何gのルアーまで投げられるか?を考えるにあたっては、ルアーの空気抵抗が必ず問題になります。

~15gのロッドで57gくらい投げられるルアーもあれば、~20gのロッドで20gがギリギリ(もしくはちょっとキツイ)投げられるルアーもあります。

適合ルアーウエイトを超えるルアーを投げるときは、必ずルアーの空気抵抗を考慮してください。

なお、適合ルアーウェイトを超えたルアーのキャストによりロッドが破損した場合には、メーカーの保証が受けられない場合もあるので、自己責任でお願いします。

ロッドの硬さの参考値

ロッドを購入するときには、適合ルアーウエイトのみならずロッドの硬さ(MLやMH)にも着目するアングラーがほとんどだと思います。

しかし、このML表記は、メーカーの方針や開発担当者の主観に大きく左右されます。

そこで、この適合ルアーウェイトを参考に、ロッドの硬さを考えれば、「MLなのにけっこう硬いな」とか「MHなのに柔らかくない?」ということも少なくなります。

ちなみに、管理人は~28gくらいのロッドをMLと(自分の中で勝手に)考えています。