シーバス釣りを始めるにあたって最初に大きな投資をするのがロッドとリール。
そして、ロッドとリールに投資するにあたってけっこう大きな問題になるが
ということ。
正直なところ「迷ったらどちらもでしょ!」というのが僕の考えですが…
有限な資本だからこそこういう問題が起こるのであって、そんなことを言い出したら元も子もない。
ただ、この問題は、誰からアドバイスを受けるかによって答えが変わり得る「釣り人あるある」でもあります。
シマノにする?
と同じくらい意見の分かれる問題。
とはいえ、よくよく考えれば答えの出ている問題(特にビギナーにとっては)ともいえます。
このページでは「ロッドとリールのどちらにお金をかけるべき?」かについてご紹介します。
結論からいえば…
最初はリールにお金をかけるのがベター
これが結論です。
誤解のないように強調しておきますが「ロッドにお金をかける必要はない」という意味ではありません。
もちろん「ハイエンドロッドなんて必要ない!」というつもりも一切ありません。
ただ、有限の資本を有効に活用するのであれば、リールに余計なお金をかけないようにするために、リールには最初からお金をかけたほうがベターという意味です。
その方が将来的にみて無駄がなくなります。
ロッド選びはアングラーの『感覚』に影響を受ける
高いロッドには理由がある
第9回の記事でご紹介したとおり、ハイエンドモデルのロッドが高いのにはそれ相応の理由があります。
大型釣具店に行くと、実に多くのロッド(釣り竿)が並んでいます。シーバスロッドだけでも相当な数があります。そして、ロッドの値段も数千円から数万円するものまで。ビギナー高いロッドの方がいいんでしょ?と[…]
ロッドの価格と性能は(基本的には)一致しています。
高いロッドは、それに見合った性能を有しているといえます。
ロッドは「腕の延長」
じゃあ「ロッドは高い方がいいのでは?」といえば、そうとは言い切れない理由があります。
それはロッドは腕の延長というべきタックルだからです。
どういうことかといえば…
釣りをしている最中に、ロッドから手を放す瞬間というのはありません。
ロッドは常に握って操作します。
キャスト→リトリーブ→フッキング→ファイト→キャッチ(orバラシ)
という過程で、手からロッドを離す瞬間というのはあり得ません。
そのため、「ロッドは腕の延長」といわれているのです。
そして、ロッドが腕の延長である以上、アングラーの腕に大きな影響を受けることになります。
文字どおり腕(手)です。
手の長さ・リストの強さ・手のひらの大きさなどは人それぞれ
たとえば、腕の延長を選ぶうえで重要になるのが
・リストの強さ
・手のひらの大きさ
・握力
などです。
特に、リストの強さや手のひらの大きさというのは、グリップの長さ、リールシートの外径、ロッドの長さとリールシート位置のバランスなどに大きな影響があります。
リストが弱い人にとって、グリップエンドの短いロッドはとても扱いにくいものです。
手のひらが小さい人にとって、(外径の)太いリールシートのロッドはとても扱いにくいものです。
素材が高価だから、あるいは専用設計だから自分にフィットするか?といえば、そういうわけではありません。
ロッドというのは、性能以上に、使いやすさや使い勝手の良さといった感覚がとても大切になります。
ロッド選びには必然的にコストがかかる
厄介なのが、この『感覚』というのは、実際にそのロッドを触ってみて、使い込んでみなければわからないものです。
「こういうものか」というくらいにしか感じないはずです。
しばらく使ってみて、ようやく自分の体格やパワー、自分のよく行くポイントや自分の釣りのスタイルに合った使いやすさ(使いにくさ)が実感できるようになります。
つまり、ロッドは「お金をかける=良い性能を求める」ということではありません。
ロッドは「お金をかける=自分の感覚にあったロッドを探す」ことといえます。
そのため、ロッド選びというのは必然的にお金と時間がかかります。
リールは価格差=性能差≒使いやすさ
リールは、ロッドと違ってアングラーの身体的特徴の影響を受けにくいタックルです。
リール選びの分水嶺は
・金属ボディの重厚感 or 樹脂ボディの軽量感
という違いくらいしかありません。
確かに、ギア比、ハンドルの長さ、ハンドルノブの形状に違いはあります。これらも釣りに影響する重要な要素です。
でも、ロッドの個性・性格の差に比べたら、わずかな差といえます。
また、リールは、ロッドほど選択肢が多くありません。
そして、リールはハイエンドになればなるほど性能も使い心地も良くなっていきます。
ロッドと異なり、お金をかけた分だけ使い心地の良さと満足感を得られるのがリールです。
そのため、ハイエンドクラスのリールであればあるほど、アップグレード(=買い替え)の必要性が小さくなります。
「自分に合ったロッド選び」はビギナーでなくても難しい
◆ロッド選びはお金をかけたくなくてもお金がかかってしまう
◆ビギナーはリターンの得やすいリールにお金をかけるのがベター
リールは釣りに精通していないビギナーが触っても、リーリング精度の違いを体感することができます。
この点、ロッドはといえば、ハイエンドモデルとエントリーモデルを振り比べると、確かにその違いは歴然としています。
しかし、ロッドを腕の延長として考えたとき、ハイエンドモデルの方が「使いやすい」「使い心地が良い」とは限りません。
ロッド選びには、性能以上に(腕の延長としての)アングラーの感覚が大きく影響します。
ロッドの重量、グリップの太さ・長さ、リールシートの位置、これらすべてのバランス…
性能差・価格差とは関係のない釣り人の身体的特徴が大きく影響するのがロッドです。
ロッド選びは、ある意味、自分に合ったロッド探しの旅でもあります。
それがロッド選びです。
初めからお金をかけようと思うと、お金がいくらあっても足りないかもしれません。
シーバスフィッシングを始めたばかりで、好みのルアー・よく通うポイント・釣りのスタイルなどが定まっていない場合、今後の釣行によって好みのロッドはいくらでも変わる可能性がりあります。
ビギナーの頃はリールにお金をかけ、自分のスタイルが決まっていくのに合わせて(不満点を解消するような)ロッドを探した方が無駄がなくなるでしょう。