寒くなり、ターゲットが少なくなる冬。
ハイシーズンと比べると、釣果も渋くなってきます。
でも「真冬でも釣りがしたい!!」という釣り人の欲求があるのも事実。
このページでは厳冬期に釣りを楽しむ方法をご紹介します。
最近の釣りメディアでは、釣りに関する情報がメーカーのために中・上級者目線で発信されるようになりました。ナチュラルリリースでは、ビギナー目線で語られることが少なくなった「釣りに関する『キホンのキ』」をビギナー目線で発信しています。
釣り人の敵は「寒さ」と「ターゲットの少なさ」
厳冬期の寒さが釣り人にとって最大の敵
真冬をオフシーズンと決めつけてしまう釣り人は少なくないでしょう。
その一番の原因は真冬の寒さです。
実際、冬の寒さが身に染みるのは釣りだけではありません。
ゴミ捨て・玄関掃除・買い物など、こたつから出るのが億劫になる人の方が多いでしょう。
冬の寒さは、釣りにおいても、日常生活においても大きなハードルになります。
ターゲット(対象魚)が減る
釣りが億劫になるもう一つの要因がターゲット(対象魚)の減少です。
いろいろな魚が狙えた初夏~晩秋と比べると、狙える魚種が大幅に減少します。
ハイシーズンであれば、本命が釣れなくても、嬉しい外道が釣れることも少なくありません。
でも、冬になると、その外道すらなかなか釣れなくなります。
そのため、釣果はより一層厳しいものになります。
防寒対策と釣りの工夫次第で冬の釣りも楽しめる
これらの理由から、真冬はオフシーズンと決め込んでしまうアングラーも多いことでしょう。
でも、防寒対策と釣りの工夫をすることで、冬でも釣りを楽しむことができます。
そこで、冬に釣りを楽しむための防寒対策と釣りの工夫を考えてみます。
冬の釣りを快適にする防寒対策
防寒対策の基本はレイヤリング
レイヤリングとは適切な重ね着のことです。
防寒着の機能を最大限に生かすための基本的な考え方が3レイヤー方式(3層方式)と呼ばれるものです。
衣類をベース・ミドラー・アウターの3層に分類し、それぞれの層に適した衣類を着用することで防寒着の機能を最大限に発揮することができます。
ベース・ミドラー・アウター
です
肌に最も近いベースレイヤーは、肌をドライに保つために速乾性と保温性に優れたインナーを選びます。
ミドルレイヤーは多くの空気の層を構成し、体温に近い温度を保ちます。
アウトレイヤーは、ベース・ミドラーによって保った体温を、冷たい外気から守ります。
具体的には、冷気をシャットアウトするための防風・防水性能と、衣類内部の湿気を素早く外部に放出する透湿性能が求められます。
衣類の層ごとに役割があるため、それぞれのレイヤーの役割に合った性能の衣類を選ぶ必要があります。
長時間冬の釣りを快適に楽しむために、服装はとても重要です。防寒着はそれ自体が暖かいので、着るだけで安心感があります。でも、防寒着にはそれぞれに最適な役割があり、その役割をこなすための機能が備わっています。防寒着に備[…]
肌の露出は極力減らす
しっかりとレイヤリングができても、肌が露出している部分は寒さを防ぐことができません。
特に、手首・足首には太い血管が通っているので、この部分が冷えると手足の指先から冷えてきます。
また、耳が冷えると頭痛などの原因になることもあります。
そのため、ニット帽・イヤーウォーマー・グローブ(手首まで隠れるもの)は適切に着用しましょう。
最強の防寒対策は使い捨てカイロ
古今問わず最強の防寒対策は使い捨てカイロです。
特に使い捨てカイロが活躍するのが足の指先です。
最近ではウォームソックスのような電熱系の靴下もよく見かけるようになりました。
でも、「ベストはともかく、ソックスにまでバッテリーが付いてると気になってしょうがない」って人も少なくないでしょう。
靴の中敷きのつま先部分に靴下用の使い捨てカイロを貼り付けておくだけで、6時間程度はかなり快適に釣りができます。
天気予報をチェックして寒さ対策をする
冷えの原因になる「風」と「濡れ」
冬の寒さ対策で注意しなければならないのが風に晒されないことと雨に濡れないことです。
風に晒されると体感温度が下がります。
また、雨に濡れた体が冬の外気に触れると、それだけで体温を奪われます。
冬の釣りでは風と雨に特に要注意です。
風向きのチェックにアプリを活用する
冬になると大陸からの寒気の影響で、日本海側を中心に風が強まります。
初夏~晩秋のような感覚で同じ釣り場に立っても
という感じで、釣りにならない日も多々あります。
そのため、アプリで風向きをチェックしながら、風裏になるような場所を選びましょう。
風を正面から受けないだけで、釣りのしやすさが格段に上がります。
雨は×だけど雪は△
風のほかに冬の釣りのもう一つの天敵が雨です。
雨で濡れた体が外気に触れると、体温が一気に下がって、釣りを続けることはできません。
雨予報の日は潔く諦めることも大切です。
なお、雨の日に比べると、雪の日の方がよっぽど釣りがしやすいです。
衣類の濡れ具合が雨と雪ではずいぶん違うので、雪であれ風の具合を見て釣りに行くのもいいでしょう。
釣れる魚種を狙ってみよう!
ハイシーズンと真冬では釣れる魚種が変わります。冬にならないと狙いにくい魚種もいます。
そのため、メインターゲットにとらわれず、狙いやすい魚種を狙ってみるようにしましょう。
ライトゲーム(メバル・カサゴ)
メバルやカサゴは冬のライトゲームの定番のターゲットです。
特にメバルは、比較的低い水温を好むため、オカッパリで狙う場合は晩秋以降に釣果が上がってきます。
また、カサゴはメバリングの代表的な外道ですが、小気味いいアタリがあるので狙っても面白いターゲットです。
クロソイ・アイナメ
冬のルアーフィッシングの代表的なターゲットがクロソイやアイナメといったロックフィッシュです。
いずれも40cmオーバーとそこそこ大型になるので、冬にオカッパリで狙える魚としてはかなり楽しむことができます。
ナチュラルリリースでも冬にクロソイ釣り大会を開催しているので、冬の釣りに興味がある方はクロソイを狙ってみてはいかがでしょうか?
シーバス
釣り物が少なくなる冬でも楽しめるのがシーバスフィッシングの魅力の一つです。
シーバスは真冬に産卵するため、寒い冬でも狙うことができます。
産卵前と産卵後では回遊ルートや捕食行動が変わるため、やや釣りにくくはなりますが、早い地域では1月下旬からバチ抜けパターンのシーバスが狙えるようになります。
ブッコミ釣り(カレイ・アイナメ)
冬のブッコミ釣りの代表的なターゲットがカレイやアイナメといった底物です。
ブッコミ釣りの場合、車が横付けできる釣り場なら、待ち時間に車で待機することもできます。
雨や雪でも関係なく釣りができるので、ルアーフィッシングメインのアングラーも、冬にブッコミ釣りに挑戦してみるのもいいでしょう。
万が一に備えた安全対策
冬こそライフジャケット!
日本では、オカッパリで釣りをする限り、ライフジャケットを着用する義務はありません。
そのため、(あった方がいいのは言うまでもありませんが)ライフジャケットの着用は個々人の判断に委ねられます。
でも、せめて冬ぐらいは、万が一の落水に備えてライフジャケットを着用するようにしましょう。
冬の水温が低いのは言わずもがな…
それよりも注意しなければならないのが防寒着の動きづらさです。
軽装の夏と違って、とにかく動きづらい。
夏にはヒョイっと登れた堤防の段差も、冬にはヨイショっと一苦労する場合もあります。
せめて冬だけでもライフジャケットを着用するようにしましょう。
水筒に温かい飲み物を持参
冬に落水した経験のある釣り人が、皆、口を揃えていう言葉があります。
なんだと思います?
ということ。
落水経験のあるアングラーの話では、本当に辛いのは海から上がった後らしいです。
ずぶ濡れになった全身が外気によって冷やされて、一気に体温を奪われるそうです。
万が一のときに暖を取れるように、保温性の高い水筒に温かい飲み物を準備しておきましょう。
工夫次第で冬の釣りは楽しめる!!
アングラーの多くは、冬になると引きこもりがちになります。
しかし、適切な防寒着の着用・天候調査・ターゲットの選択次第で、冬でも釣りを楽しむことができます。
また、冬ならではの魚が釣れると、趣味を通じて日本の四季を体感することもでき、喜びも格別です。
しっかりと準備をして、ぜひ、寒い冬でも釣りに出掛けてみてください。