【ゼロから始める】間違いだらけ!マッチ・ザ・ベイトを理解する!!【第25回】

釣り全般において、使用するエサ(またはルアー)を対象魚が食べているエサに近づけることは重要です。

これをルアーフィッシングでは マッチ・ザ・ベイト と呼んでいます。

ルアーフィッシングにおいては、特にマッチ・ザ・ベイトが強調される傾向にあります。

でも、最近のルアーフィッシングでは、この『マッチ・ザ・ベイト』という言葉が独り歩きしています。

プロアングラー
とにかくベイトにルアーを合わせるべし

という風潮が広まっています。

でも、このマッチ・ザ・ベイトという考え方は、ただ単にベイトに似せればいいわけではありません。

このページでは、間違いだらけの【マッチ・ザ・ベイト】について紹介します。

マッチザベイト攻略法とは

マッチザベイトとは、ルアーのサイズ・カラー・アクションをターゲット(対象魚)のエサとなるベイトに合わせてルアーをエサに近づけるアプローチ方法です。

魚には偏食傾向があり、いま捕食しているエサ以外のエサにはあまり見向きもしない、といわれることがあります。

そのため、ターゲット(対象魚)となる魚が、今どんなエサを捕食しているのかを知り、捕食しているエサに近いルアーを使うことが有効であると考えられています。

マッチザベイトのよくある間違い

一般的にはこのように考えられているマッチ・ザ・ベイト

でも、マッチザベイトが語られるときに起こる誤解というのも少なくありません。

マッチザベイトが語られるときによく起こる誤解は次のとおりです。

とにかくベイトに似せればいいと思っている
似せたあとは投げて巻くだけ
魚の個体差を考えない
似るはずもないベイトに似せようとする

似せることが至上命題ではない

ベイトに似すぎると惹きつける能力が低下する

もっとも多い誤解がベイトに似せるだけでいいと考えているパターンです。

魚のサイズにルアーのサイズを合わせる。

できればカラーも合わせる。

可能であるならばアクションも近づける…

でも、よく考えたいのが、このとにかくベイトに近づけるということ。

実は、一般的にはルアーがベイトに似れば似るほど魚を惹きつける能力が低くなると言われています。

これは、下記の記事でご紹介しました。

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極論ですが、ベイトとルアーの区別がつかなくなってしまうと、ルアーを狙って食いつかせることが難しくなります

そのため、ただルアーがベイトに似ていればいいというわけではありません。

なぜベイトに似せるのか?

ルアーをベイトに近づけすぎると逆に惹きつける能力が下がってしまいます。

では、それにもかかわらず、なぜルアーをベイトに似せる必要があるのでしょうか?

それは

違和感の排除

です。

しつこいようですが、ルアーはエサではありません。(このウェブサイトでは何度もご紹介してます。)

ルアーはただのプラスチックの塊です。

それ以上でもそれ以下でもありません。

もともと魚にとっては異質な存在です。

それがルアーです。

魚から無視される異質の存在であるルアーから、少しでも違和感を排除してルアーに興味を持ってもらう必要があります。

そこで、異質感をルアーから排除するために「ルアーとベイトが極端に違う」という状況を避ける必要があります。

ベイトに似せつつもアピールが必要

ルアーの異質感を和らげるために、ルアーをベイトに寄せる必要があります。

ただ、ルアーをベイトに近づけすぎるとルアーの惹きつける能力が下がります。

じゃあどうすればいいのか?

この場合、ベイトに寄せつつあえてベイトと違うポイントを作るといった方法があります。

たとえば、サヨリパターンでよく使われる動きの弱い細身のシンキングペンシル。

マッチザベイトを意識してサヨリカラーを選ぶ人もいます。

それ自体がおかしいわけではありません。

でも、それでは釣れないこともあります。

その時はカラーをチャートパールホワイトに変えてみましょう。

サイズ感や動きをサヨリに近づけつつ、サヨリの群れの中でルアーの存在に気づかせるために、あえてカラーをサヨリから遠ざけてみるのもマッチザベイトというアプローチ方法の一つです。

ルアーをベイトに似せた後に、どうやってルアーに惹きつけるか。

ここからがマッチザベイトの奥の深いところです。

ベイトに似たルアーをただ投げるだけではない

ベイトによって捕食方法が違う

たとえば、シーバスが30cmクラスのコノシロを捕食しているときと、2~3cmのハクを捕食しているとき。

この2種類のベイトに対して、シーバスは同じ捕食方法をしているのでしょうか?

シーバスがコノシロを捕食するときは、捕食の瞬間、1匹のコノシロに狙いを定めてバイトします。

30cmクラスのコノシロが何匹も口の中に入るわけありません。

なので、シーバスは、捕食の瞬間は特定のコノシロに狙いを定めます。

では、ハクを捕食する場合はどうでしょうか?

ハクの場合も、捕食の瞬間に1匹のハクに狙いを定めるのでしょうか?

言うまでもなく、そんなことはありません。

ハクのようなマイクロベイトを捕食するときは、特定の1匹ではなくハクの群れに襲い掛かります。

この捕食方法の違いから、ルアーのアクションやスピードも変わってきます。

群れに同調させるor群れから外す

ベイトがハクの場合、シーバスはハクの群れに襲い掛かります。

そのため、ハクの群れが散ってしまうようなルアーのスピードやアクションを控えなければなりません。

つまり、ルアーをベイトに同調させるイメージで誘います。

これに対して、ベイトがコノシロやサヨリの場合。シーバスは、コノシロやサヨリの群れの中の1匹に襲い掛かります。

そのため、群れの中でも襲いやすそうなベイトを演出します。

ベイトの泳ぐスピードから外してみたり、ベイトの泳ぐレンジから少し外してみたり。

アプローチ方法は様々ですが、いずれにしても、ベイトに寄せたルアーをただ単に投げて巻けばいい…というわけではありません。

捕食対象になっているベイトを把握したうえで、そのベイトにルアーのどんな要素を近づけて(サイズ・カラーなど)、どんな要素を遠ざけるのか。

これを探っていくのがマッチザベイトのアプローチ方法です。

シーバスの個体差も考慮する

人間が十人十色であるように、魚も千差万別です。すべての個体が同じ行動をしているわけではありません。

目の前にいるコノシロだけをターゲットにしているシーバスもいれば、目の前のコノシロ以外にもその周辺にいるベイトにも狙いを定めているシーバスもいます。(…と思われます)

正直なところ、これは魚に聞いてみなければわかりません。

でも、魚を飼育した経験がある人であれば、魚の性格の違い(個体差)というのを体感したことがあることでしょう。

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アングラーは、とにかく〇〇パターンのように、パターンをカテゴライズしたがります。

でも、その枠からはみ出る個体も必ず存在します。

ベイトに近づけても、何をやっても魚の反応がない場合。

あらゆるファクターを、あえてベイトから遠ざけてみるのも、マッチザベイトのアプローチ方法です。

ショーカラ
あらゆる要素をベイトから遠ざけてしまうと、マッチ・ザ・ベイトと無関係のようにも思えます
ショーカラ
でも、目の前のベイトのことをよく理解していないと、「あえてベイトから遠ざける」こともできません
ショーカラ
マッチ・ザ・ベイトの裏返しのアプローチ方法という意味では、これも立派なマッチザベイトの考え方です

マッチさせるファクターを取捨選択するのがマッチザベイトの奥の深いところです。

似るはずもないベイトには似せようとしない

これもよく見られる間違いです。

ショーカラ
ベイトがハクだから3cmくらいのルアーを使う…とか

まぁ、これ自体は間違いとは言い切れないかもしれませんが…

姿かたちを似せることがマッチザベイトと考えると、なかなか釣果は伸びません。

ショーカラ
アミエビとか絶対にマッチできないからね

さらにいえば、ルアーというのは、そもそもエサではありません。

ただのプラスチックの塊です。

極論をいえば「シーバスが違和感を覚えなければそれでいい」くらいに考えましょう。

ショーカラ
エサと間違えてくれることを期待するくらいなら、初めからエサを使いましょう

重要なのは

プラスチックの塊の違和感を抑えつつ、どうやってプラスチックの塊に対してバイトを引き出すか

ということです。

エサではないプラスチックの塊でバイトを引き出すことにルアーフィッシングの面白さがあります。

「エサと間違えてくれることを期待する」というような消極的な目的で、似るはずもないベイトに無理やりルアーのサイズやカラーを近づける必要はありません。

意外に奥が深いマッチ・ザ・ベイト

最近では

ルアーのサイズやカラーをベイトに似せて、あとは投げて巻くだけ…

という中途半端なマッチザベイトの考え方が広まっています。

ルアーフィッシングで求められるファクターは、ルアーのサイズ・カラー・シルエットだけではありません。

時にはフィッシュイーターの捕食方法をも考慮してルアーを選択する必要があります。

それは、与えられた選択肢の中からパズルを組み上げていくようにファクターを取捨選択していきます。

そして、目の前の魚に近づくために必要なピースは常に変わります。

その場その場によって一様ではありません。

ベイトに近づけるファクター。ベイトから遠ざけるファクター。

マッチさせるファクターを選び抜き、マッチザベイトというアプローチ方法を駆使してシーバスに近づきましょう。

決して単純ではありません。

むしろ、奥が深く、味わったことのない釣りの面白さを体験できるでしょう。

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