
秋が深まり、水温も落ち着くと、シーバスの反応が一気に変わります。
「昨日は爆釣だったのに、今日は無反応…」
そんな経験をしたアングラーも多いはず。
実はこの差は、“誘い方”の方向性が合っているかどうかが大きな要因になっていることがあります。
派手にアピールして「見せる」のが正解の日もあれば、
流れに任せて「流す」だけで食わせられる日もあります。
このページでは、「見せる釣り」と「流す釣り」の違いを整理し、状況ごとの使い分けについてご紹介します。

最近の釣りメディアでは、釣りに関する情報がメーカーのために中・上級者目線で発信されるようになりました。ナチュラルリリースでは、ビギナー目線で語られることが少なくなった「釣りに関する『キホンのキ』」をビギナー目線で発信しています。
FAQ(よくある質問)

「見せる」誘いが有効なシーン
2.jpg)
魚のスイッチを入れる「視覚刺激」
潮が動いてベイトが回遊している状況では、シーバスの活性も高くなっています。
ルアーをしっかり見せることでシーバスの興味を惹きつけます。
ミノーを横切らせたり、角度をつけて通すことで、シーバスの視界に長くルアーを入れることを意識しましょう。
「角度で見せる」コース設計
シーバスを含む多くの魚は、横方向に動く対象に敏感に反応する視覚特性を持っています(側方眼による捕食行動)。
これを利用したのが“角度で見せる”コースの設計です。
基本は、ルアーを真っ直ぐ引く通し方で充分です。
多くのシーバスは潮流の潮上に頭を向けて定位しています。
その潮流を横切るようにルアーを通せば、ルアーが自然とシーバスの前を横切ることになります。
つまり、シーバスの目線の先をルアーが横方向に動くことになるため、シーバスの視覚特性を刺激できます。
他方で、潮流が弱かったり、遊泳中(回遊)のシーバスにアピールするには、少し角度をつけたトレースを織り交ぜると効果的です。
・リトリーブ速度を変化させてクイックorスローな動きを演出
こうすることで、シーバスの視界にルアーを入れるチャンスが増えます。
・基本はまっすぐ投げてまっすぐ引く
・状況に応じて角度をつけた通し方を織り交ぜる
・横切る動きに反応するシーバスの特性を意識する
“角度で見せる”コース設計は、シーバスの位置が分からなくても成立するシンプルで理論的なアプローチ方法です。
「流す」優しさが効くシーン
釣り人4.jpg)
水の流れに同調する“ナチュラル演出”
潮が緩むとシーバスの食い気が落ちます。
また、プレッシャーが高い場所ではシーバスは神経質になります。
そんなときは、ルアーを目立たせずに流すことで食ってくることがあります。
ラインスラッグを利用して流れに乗せたり、わずかなテンションでラインを操作するだけで、ルアーが水に馴染んで違和感のない動きを演出できます。
違和感を消す=最強の誘い
ビギナーの頃は
ビギナーと思いがちです。
でも、シーバスに対しては「自然に流れてきたベイト」と間違えさせることが重要です。
そのためには、わずかにでも動いていれば、シーバスの捕食トリガーを引くことができます。
「流す」釣りは地味で不安感がある釣り方ですが、反応は確実に増えます。
「見せる」と「流す」の使い分け
・活性が高く泳ぎ回る=見せる
・潮流に定位している=見せる
・ストラクチャーに定位している=流す
・シルエットが見えにくい=見せる
・シルエットが背景に同調する(クリアな水質)=流す
・追うだけ=見せすぎ→優しく流す
・無反応=やる気なし→見せてリアクションバイトを狙う
釣れる人はシーバスの“気分”を読む
.jpg)
シーバスの気分=自然の情報の集まりです。
水温、潮流、ベイト、風、光量など…
これらを総合考慮してシーバスの状態を想像します。
潮が動くとシーバスも動きます。
水温が適水温で安定すると、やはりシーバスは動きます。
水の流れや温度が動くことで、シーバスも動いたり、逆に動きを止めたりします。
シーバスが動くときは「見せる」釣り。落ち着いているときは「流す」釣りが基本です。
どんな状況でも釣れる人は、直感ではなく、観察の積み重ねによって釣りのスタイルを自然環境に合わせることができます。
「見せる」か「流す」かの判断の前提には、自然環境をよく観察して記憶(記録)しておくことも重要になります。
「正解」はシーバスが決める!
1.jpg)
「見せる」釣りも「流す」釣りも、シーバスを釣るのにどちらも有効なアプローチ方法です。
「見せる」釣りでは、真っ直ぐ+角度を織り交ぜるという意識だけで釣果は変わります。
また、「流す」釣りは地味で不安感はありますが、できる限り違和感を排除することで確実に釣果に現れます。
ただ、どちらのアプローチ方法が正解かは、目の前の釣り場の環境に合わせるしかありません。
「見せる」釣りと「流す」釣りのアプローチ方法と合わせて、釣り場の自然情報も意識して観察しておきましょう。









