
巷では最も難しいベイトの一つとされるサヨリ。
捕食音が鳴り響いているのにルアーにバイトしてこない、という状況も多いです。
しかし、アングラーたちから「サヨリパターンは難しい」と噂される反面、攻略方法や釣り方を理解すれば大きなチャンスのあるパターンです。
このページでは、サヨリパターンの特徴・難しさ・溜まりやすい場所から攻略法まで、サヨリパターンについて詳細に解説します。

最近の釣りメディアでは、釣りに関する情報がメーカーのために中・上級者目線で発信されるようになりました。ナチュラルリリースでは、ビギナー目線で語られることが少なくなった「釣りに関する『キホンのキ』」をビギナー目線で発信しています。
FAQ(よくある質問)
サヨリパターンとは?

サヨリは体長10〜15cm前後の細長いベイトです。
晩夏から初冬にかけて群れで回遊し、河口や港湾、サーフなどさまざまな場所で確認することができます。
シーバスはこの群れにつき、タイミングが合えば一気に捕食モードに入ります。
ただし、サヨリの群れは密集度が高く、泳ぐ方向が一定ではないため、ルアーを見切られやすい(別のサヨリに目移りする)のが特徴です。
なぜサヨリパターンは難しいのか?
ベイトの密集度が高い
ルアーフィッシングにおいて、ベイトの量が多いというのは歓迎される状況です。
でも、ベイトが大量に群れていると、ルアーがベイトに埋もれてしまい、存在感を出すのが難しくなります。
そのため、シーバスにルアーを狙って捕食させるのが難しくなります。
泳ぐ方向が一定ではない
イワシやアジといったベイトは、ほとんどの個体が同じ方向へ泳いでいます。
しかし、サヨリの群れは表層をあちこちへ散発的に動くため、シーバスが捕食する際に狙いを絞りにくくなります。
結果として、シーバスが泳いで行く方向が特定できず、アングラーもシーバスを狙い撃つのが難しくなります。
サヨリが溜まりやすいエリアは?
ベイトの密集度が高いと釣りにくいとはいえ、ある程度まとまった量がいなければ、そもそもパターン化して狙うのが難しくなります。
そこで、サヨリが溜まりやすいエリアは押さえておく必要があります。
サヨリは日中、沿岸から沖まで広く回遊しますが、夜になると行動パターンが変わります。
夜になると、サヨリは流れの緩やかなウィードのあるシャローエリアに集まる傾向があります。
シーバスもまた、サヨリが溜まりやすく捕食しやすいシャローエリアを回遊するするようになります。
そのため、サヨリパターンを狙う際には「夜のシャロー」「流れが弱まる場所」「岸際のウィード帯」が一級ポイントとなります。
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具体的には、この写真のような湾状(ワンド)になっている場所に溜まりやすいです。
サヨリパターンのシーバス攻略法(イージーパターン)

サヨリを捕食するシーバスを狙うパターンはいくつかあります。
その中で最もイージーにシーバスを釣ることができるのが下記のパターンです。
②捕食音を狙い撃つ
③捕食しやすいベイトを演出する
止水域で岸際にサヨリを追い詰めるシーバスを狙い撃つ
シーバスはサヨリの群れを岸際に追い込み、一気に捕食することがあります。
このときは捕食レンジが極端に浅くなるため、超シャローを通すことができるミノーやシンキングペンシルを岸際ギリギリに通すとかなり高確率でヒットに持ち込むことができます。

具体的な狙い方としては下記のとおりです。
②ストライクゾーンにサヨリが溜まるのを待つ
③サヨリを捕食するためにストライクゾーンに入ってきたシーバスを狙い撃つ
という流れです。
本命の食わせのポイントは黄色いストライクゾーンです。
このパターンでやや経験が必要なのが③です。
ナイトゲームの場合、シーバスが岸際に入ってきても魚が見えるわけではありません。
そのため、シーバスが岸際でサヨリの捕食を始めたことは音で察知する必要があります。
捕食音や、サヨリがシーバスから逃げるときの独特の音を頼りにストライクゾーンに入ってきたシーバスを狙い撃ちます。
タイミングが合えば、だいたい1~2投で食ってきます。
捕食音を狙い撃つ
サヨリパターンでは水面で捕食するときに「バシュッ!!」とか「パーン!」と派手な捕食音が鳴り響くのが特徴です。
これは、ボラが跳ねた時の着水音とは明らかに異なります。
この捕食音を手掛かりシーバスを狙い撃ちます。
ボイル撃ちのやり方は簡単です。
捕食音が聞こえたら、速やかに捕食が起こった周辺にキャストします。
『周辺』という大雑把な表現をしていますが、サヨリの群れは泳ぐ方向が一定ではないため、捕食をしたシーバスが次にどの方向へ泳ぎ出すか、特定することが難しいためです。
このパターンで気をつけることは
とにかく速やかに捕食が起こった周辺にルアーをキャストすること
です。
特に、流れの緩やかな場所で狙う場合には、捕食→キャスト→着水までの間隔が短ければ短いほど効果的です。
流れの緩やかな場所では、捕食行動をしたシーバスが次にどこへ向かうか一定ではないので、なるべくシーバスがその場を離れないうちにシーバスの居る場所までルアーを送り届ける必要があります。
捕食しやすい無警戒なベイトを演出する
岸際にサヨリを追い詰めるシーバスを狙うときも、捕食音を狙い撃つときも、ルアーを操作するときは
捕食しやすい無警戒なベイトを演出する
ということも重要になります。
サヨリパターンでは、あちこちへ散発的に逃げ回るサヨリの中でルアーを狙って捕食させる必要があります。
つまり、密集度の高いサヨリの中でルアーを目立たせる必要があります。
ルアーを目立たせる方法はいくつか考えられます。
ルアーを大きくする、カラーを派手にする、アクションを大きくする…
ただ、サヨリパターンのときはこのような目立たせ方ではありません。
パニックになったサヨリの群れの中でゆっくりと無警戒に泳ぐベイトを演出することで、逆に目立たせます。
ワンランク上のサヨリパターン攻略法
僕自身、サヨリパターンでは「群れが大きいほど釣りにくい」と感じたことが何度もあります。
シーバスの意識が分散し、ルアーへの反応が極端に薄くなる(ルアーを見つけてもらえない)のです。
そんなときでも少し経験を積んで、ある工夫をすることにより、ヒット率を格段に上げることができます。
それが
追われて逃げるサヨリの音
を聞き分けることです。
この音は単なるベイトのざわつきと異なり、水面の水を切るように「ススススーッ」と滑って逃げる音です
言葉で説明するほど簡単ではないかもしれません。
しかし、密集するサヨリの中から水面を逃げるサヨリを区別できるようになると、サヨリパターンでのヒット率は格段に上がります。
サヨリパターン攻略のためのおすすめルアー
動きの大きなルアーと動きの控えめなルアー
サヨリパターンを確実に攻略するためには
動きの控えめなルアー
の2種類を準備する必要があります。
いずれも水深~50cmくらいをメインで狙えるルアーが必要です。
ボイル撃ちのための動きの大きなルアー
沖のボイルを狙うときには、密集度の高いサヨリの中でルアーを目立たせる必要があります。
そこで、沖のボイルを狙うときには動きの大きなルアーを使います。
動きが大きければシンキングペンシルでもシャローランナーでも問題ありません。
さらに沖のボイル撃ちで重要なのが
回収→キャストをスムーズに行えるルアー
であることです。
たとえば、正面にフルキャストした直後に三時の方向でボイルが起こると、ルアーを素早く回収して直ちにボイル周辺を狙います。
この一連の動作をスムーズに行えるルアーが必要になります。
「食わせ」のための動きの控えめなルアー
岸際にサヨリを追い詰めて捕食するシーバスを狙うときには、捕食しやすいベイトをイメージしてルアーを操作します。
シーバスが岸際にサヨリを追い詰めて捕食した瞬間、岸際からサヨリが散っていきます。
この時に、ポツンと取り残されたベイトを演出するために動きの控えめなルアーを使います。
動きが控えめであれば、ルアーにボリュームがあっても問題ありません。
また、岸際にサヨリを追い詰めて捕食するシーバスを狙う場合、そもそもルアーはそれほど気にする必要はありません。
重要なのは、岸際にシーバスが入ってきた時に、根掛かりしないようにストライクゾーンをゆっくりと引けることです。
攻略方法を知ればサヨリパターンは難しくない!

巷では難攻不落といわれるサヨリパターン。
しかし、サヨリを捕食するシーバスは、パターン(釣り方)を知れば確実に1~2投で狙い撃つことができます。
問題は、そのパターンに当てはめられる状況を把握して素早く対応できるか、です。
ここでご紹介したパターンに当てはめられれば、ほぼ確実にシーバスを仕留められます。
それがサヨリパターンの攻略法です。
サヨリパターンは「シーバスの気配を察知して、そのシーバスを狙って釣る」というかなり面白い釣りともいえます。
ぜひ一度、難攻不落と呼ばれるサヨリパターンで「狙ってシーバスを釣る」悦びを味わってみて下さい。