
多くのルアーのパッケージに『#5』といったフックサイズが書かれています。
一見すると親切に見えますが、実は単純ではありません。
というのも、メーカーによって、同じ番号でもフックの大きさが微妙に異なるからです。
国内の代表的メーカー、オーナーとがまかつでも、#5のサイズ感が違います。
ルアーによっては純正フックの型番まで記載している場合もありますが、それはごく稀。
多くのルアーでは「サイズのみ」の表記で、交換時に「同じサイズで良いのか?」という疑問が生まれるのは必然といえるでしょう。
このページでは、ルアーのフックのサイズの選び方から、サイズ変更の影響と注意点についてご紹介します。

最近の釣りメディアでは、釣りに関する情報がメーカーのために中・上級者目線で発信されるようになりました。ナチュラルリリースでは、ビギナー目線で語られることが少なくなった「釣りに関する『キホンのキ』」をビギナー目線で発信しています。
フックサイズの変更で変わる3つのポイント
アクションが変わる
標準より小さいフック → ルアーの動きが大きくなる
たとえば、アクションの大人しいミノーのフックを#6→#4にしたところ、見た目にはアクションがさらに大人しくなるものがありました。
フックのサイズを変えるだけでアクションはけっこう変わります。
浮力が変わる
ソルト用ルアー → 塩分濃度により影響を受けるものがある
淡水用ルアーの中には、フックの重さを計算して浮力のバランスを保っているものがあります。
このようなルアーのフックを大きくすると、フローティングのはずがスローシンキングになってしまうことがあります。
これに対して、ソルト用ルアーは、そもそも塩分濃度の影響のほうが大きいです。
塩分濃度が低いエリアでフックを大きくすると、フローティング→シンキングとなってしまうものがあります。
逆に、塩分濃度の高いエリアでフックを大きくしたところで、浮力への影響はほとんどないでしょう。
たとえば、僕がよく釣りをする中海~宍道湖の塩分濃度は、外洋の半分以下です。
そのため、コモモ125Fのすべてのフックを大きくしたところ、スローシンキングになったことがありました。
ってパターンはたぶんないです(笑
飛距離が変わる
最近のルアーは、緻密に計算された空気抵抗によって飛距離を伸ばすタイプが多いです。
そのため、フックが大きくなることでキャスト時のバランスが崩れることがあります。
たとえば、固定重心のミノーのフックを#6→#4にサイズアップしたところ、飛距離が(平均的に)数メートル短くなったことがありました。
総じていうと、フックのサイズが変わると、ルアーは様々な影響を受けます。
そのため、フック交換のときにどのサイズのフックにするかは、けっこう大きな問題といえるのです。
釣果への影響は?
アングラーの一番の関心事は
フックのサイズが変わると釣果に影響があるのでは?
ということです。
この問題についていえば
気にするほどの影響ではない
というのが結論です。
シーバスが好むアクションは状況によって変わる

シーバスが好むアクションというのは、水温・水質・潮流・光量・時間帯・季節など…
様々な要因で変わります。
常に同じというわけではありません。
つまり
メーカー想定のアクション=常に最適とは限らない
ということです。
神経質に考える必要はない
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シーバスが好むアクションは状況によって変化します。
そのため、フックサイズを変えたことでアクションが変わってしまった結果、反応しなくなる魚もいるでしょう。
でも逆に、変わってしまったアクションだからこそ反応する魚もいます。
なので

と神経質に考える必要はありません。
フックサイズの変更が釣果に直結することは少ないといえるでしょう。
サイズ変更時の注意点

・背中に巻き付く:細身ルアーではフックが背中に回り込む
・前後が絡む:小型バイブレーションでは前後のフックが干渉する可能性
・ラインを拾う:ラインを拾いやすくなることがある
フックを大きくしすぎると、ボディの細いルアーでは背中にフックが回ってしまうことがあります。
また、小型のバイブレーションでは、フックの前後が絡んだり、フックがラインを拾いやすくなります。
大きくしすぎると釣りに支障があるので注意しましょう。
・フッキング率が下がる
・バレやすくなる
逆に、フックを小さくするのは、釣り自体に大きな支障はありません。
ただ、フッキング率の低下やバラシやすさに直結するという致命的なデメリットがあります。
極端に小さくするのは避けましょう。
結論:ルアーが泳げばOK

フックのサイズが変わることの一番の心配事は
釣果に影響あるのでは?
ということでしょう。
たしかに、フックのサイズが変わることで食いが悪くなることはあり得ます。
ただ、それと同じくらいの可能性として、食いが良くなることもあり得ます。
つまり、フックのサイズが変わることによる影響というのは、実際のところ判断できせん。
そのため、極端に大きすぎたり小さすぎたりしなければ問題ない、というくらいのマインドで問題ないでしょう。
ルアーが正常に泳ぎ、フックが機能するなら十分です。
フックサイズの固定観念に縛られず、いろいろ実践してみることで、フックサイズへの懸念は払拭されるでしょう。