近年シャローランナーの代名詞として不動の地位を確立したカゲロウ(メガバス)。
入手困難な状況が長く続いています。
シーバスにとってシャローランナーの潜行レンジはまさにスウィートスポットといえます。
そのため、多くのメーカーからほぼ必ずと言っていいほどシャローランナーがリリースされています。
そして2023年4月。
そのスウィートスポットを直撃できるスタンダードなシャローランナーが絶対王者ブルーブルーから遂にリリースされました。
このページではアイザー125Fについてご紹介します。
AIZER(アイザー)とは
アイザー125Fは、ブルーブルーからリリースされているベーシックなシャローランナーです。
サイズは1サイズ(2023年5月現在)。
です。
フックは#4を3フック搭載しています。
そこそこ大型のフックが3つも搭載されているので、フッキングの良さとバラシの軽減が期待できます。
潜行深度は5~30cmです(メーカー公式)。
カラーラインナップは、オリジナルのカラーが全12カラー(2023年6月現在)。
WEB限定カラーが2カラーです。
ディテール
アイザーはかなりオーソドックスなシャローランナーです。
ボディに凹凸はなく、ややファットな体型です。
アイザーはいわゆるリップレスタイプのルアーです。ヘッドの部分で水を受けることでアクションをします。
ヘッドの凹み部分はかなり浅いです。
使用感
ここからはシャローランナーマニアの僕目線の辛口評価です。
飛距離は充分!
最近はダイワやバスデイのオシュレート機構、シマノのジェットブースト、メガバスのLBO、imaのMDRなど、スムーズな重心移動システムが続々と登場しています。
そんな中で、アイザーはオーソドックスなタングステンボール移動機構。
オーソドックスな重心移動システムのため、やや飛距離に不安がありましたが…
まったく問題なし!
ルアーを振ってみた感じでは、かなり後方部まで重心が移動する機構になっているようです。
そのためか、他の最新鋭ルアーと遜色ない飛距離を(それなりに)安定して叩き出せます。
よほどの向かい風でなければ40m前後は問題なく飛びます。
飛距離の出しにくいシャローランナーですが、アイザーは飛距離の点で不満はまったくありません。
投げ慣れないと飛距離にバラつきがある
アイザーの重心移動システムはウエイトボール移動タイプなので、ジェットブーストやMDRと比べると飛距離にバラつきが生まれます。
キャストに手慣れたアングラーであれば、まったく気になることはないでしょう。
また、投げ慣れてくるとキャストミスも大幅に減ってきます。
とはいえ、キャストのときの気持ち良さはジェットブーストやMRDの方が良い感じですね。
アクションはやや弱め
アイザーは、特に人気のシャローランナーの中では巻き抵抗が小さく、アクションはやや弱めです。
巻き抵抗の大きさでいえば
komomo > カゲロウ > アイザー
という感じ。
カゲロウと使い分ける必要はありませんが、komomoと比べるとアクションの性格がけっこう違うので、使い分けることもできます。
アップに投げるとアクションを感じづらい
アイザーはロール主体のアクションのため、アップに投げてスローに巻くとかなりアクションを感じづらいルアーです。
シーバスを釣るという点では、それでもまったく問題ありません。
ただ、シンペンが苦手な人やビギナーにとって、アイザーをアップで使うときにはやや使いづらさを感じるでしょう。
逆に、ダウンに投げて巻いてくる分にはまったく問題なくアクションがわかります。
ウエイトの戻りがわずかに悪い
アイザーの重心移動システムは昔ながらのボール移動構造になっています。
そのためか、オートマチックにウエイトが戻るジェットブーストやMRDと比べると、ウエイトの戻りがやや悪いです。
『悪い』というより油断するとウエイトが戻っていないときがあるという方が適切かもしれません。
ジェットブーストやMRDに慣れている人は注意が必要です。
フックに妥協なし! 大型太軸フックが◎
アイザーは#4サイズが3フック搭載されています。
そのため、シーバスを掛けてからの安心感はかなり大きいです。
しっかりフッキングしていれば、ビギナーが強引にシーバスとやりとりしても、そうそう外れることはないでしょう。
しかも、防錆性能の高そうな、表面加工の綺麗なフックが搭載されています。
ルアーフィッシングをしていると、感覚的に『〇〇のフックは錆びやすい』とか、逆に『□□のフックは全然錆びない』ってありますよね?僕はルアーのアイに錆が移るのが嫌なのでフックが錆びたら基本的にはすぐに交換します。躊躇なく交換し[…]
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フッキング率アップのためにはラインシステムはやや太めが〇
僕がアイザーを最初に使ったときのラインシステムは、レクターに合わせたやや細めのものでした。
細めのラインシステムだと、ラインブレイクを警戒して、どうしてもフッキングのときに(心理的に)アワセが甘くなります。
そのため、アタリがあってもなかなかしっかりとフッキングすることができませんでした。
乗らない… 乗ってもバレる…
という繰り返し。
そこで、PE1.5号+ナイロン5号でアイザーを投げたところ…
一撃でした(๑•̀ㅂ•́)و✧
ただのメンタルヘルスのためですが、ラインシステムって案外大切です。
過度な期待は禁物!
ここは一番重要。
アイザーは、ブルーブルーとしては過去最高の初回出荷数だったようです。
また、アイザーに限らず、ブルーブルーのルアーはどれも入手困難で、思うように釣具屋の店頭で買うことができません。
そのため、アイザーは発売前からとても話題になっていました。
そして、いざ使ってみたところ…
実に使いやすい!
ほぼストレスフリー!!
昔から、シャローランナーというのは、何かの性能を犠牲にしてシャローに特化したルアーが多いです。
浮力だったり、飛距離だったり、アクションの安定性だったり…
この点、アイザーは超有能です。
普通に飛ばせて、アップでもダウンでも一定のレンジをきちんとアクションして、普通に釣れます。
ほぼストレスフリーに使えるアイザーですが…
辛口ごめん
それ以上ではありません
どんな状況でも、誰でも簡単に魚が釣れる魔法のようなルアーではありません。
とにかく誰にでも扱いやすくて良く釣れる、超有能な(ごく普通の)シャローランナー。
それがAIZER(アイザー)125Fです。
使い方
シンプルにタダ巻き
アイザー125Fの使い方はとってもシンプルです。
投げて巻くだけ
アクションを入れたりストップアンドゴーのような操作をする必要はありません。
むしろ、ロッドワークによるアクションをしようと思っても、レスポンスはそれほど良くありません。
とはいえ、動かすスピードによって潜行レンジとアクションの大きさが変わるので、リトリーブスピードは何パターンか試してみた方がいいでしょう。
流れに乗せて流す
アイザーをアップに投げて、流れに乗せてゆっくり巻くとテロテロテロテロ…と、まるで弱った小魚のようなアクションをします。
これがけっこうハマったことがあります。
ポイントとしては、アクションを感じるか感じないかくらいのゆっくりとした速度で巻くことです。
流れに乗せて流すというのはシャローランナーの典型的な釣法で、言うまでもなく、アイザーでもとても効果的です。
アイザーが有効なシチュエーション
ナイトゲームは抜群!!
アイザーは水面直下~30cmを狙うシャローランナーなので、シーバスが水面付近を意識しているときに出番の多いルアーです。
つまり、アイザーはナイトゲームの河川やシャローエリアで抜群の強さを発揮します。
飛距離も十分なので、ナイトゲームのパイロットルアーとして活躍できます。
また、弱った小魚を演出できるため、「捕食音が聞こえているのになかなかルアーに反応しない!」というときに、食わせのルアーとして使うこともできます。
ナイトゲームであればかなり出番の多いルアーといえるでしょう。
デイゲームでも大活躍
シーバスは、日中でも水面付近のベイトを狙っている個体はたくさんいるので、よく晴れたド日中でも、トップウォーターやシャローランナーに反応することが少なくありません。
アイザーは少し早く巻くとウォブリングアクションが大きくなるので、視覚的なアピール力が上がります。
そこで、デイゲームでも、手早くやる気のあるシーバスを探すためにアイザーは有効といえます。
アイザーが少し大きめにアクションするスピードで巻いてあげるといいでしょう。
過度な期待は禁物! だけど使いやすさは抜群!!
発売前からとても話題になっていたアイザー125F。
発売当初から売り切れ続出で、5000円以上の高値で販売しているえげつないオンラインショップも多数あります。
しかし、勘違いしてはならないことが一つ。
アイザーは魔法のルアーではありません。
普通のシャローランナーです。
普通…とはいえ、その基本性能は磨き抜かれています。
キャスト・アクション・フッキング。
シーバスフィッシングにおけるあらゆる面でストレスフリーの使いやすさを備えています。
誰が投げてもそこそこ飛びます。
アップに投げてもそこそこ動いて、よく釣れます(動きは伝わりにくいですが…)。
ダウンに投げるとしっかり泳いで魚を惹きつけます。
#4の3フックは、ガツンとアワセるとしっかり掛かり、そうそうバレることはありません。
それがAIZER(アイザー)です。
買えるチャンスがなかなかありませんが、店頭で出会うことができれば、ぜひ手に取って、使ってみて下さい。
シャローランナーが苦手なアングラーでも、充分に満足のいく使い心地と使い勝手の良さを実感できるでしょう。