【レビュー】期待の超新星・BANQ82Sがポップシークルーからリリース!【BANQ(バンク)】

2022年。

あるルアーメーカーからリリースされたルアーがSNSで話題になっています。

それがPOP SEA CREW(ポップシークル―)のBANQ(バンク)82S。

このページではBANQ82Sについてご紹介します。

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BANQ(バンク)82Sとは

82mm 14g シンキング

BANQ(バンク)82Sとは、2022年秋にPOP SEA CREWからリリースされたシーバス向けのシンキングペンシルです。

長年シーバスを追いかけているアングラーでも、POP SEA CREWというのは聞き慣れないメーカーではないでしょうか。

POP SEA CREW(ポップシークルー)は、湾奥のプリンスこと大野裕規氏(大野ゆうきさん)が代表を務める株式会社SEA SCAPEが展開するルアーブランドです。

そして、そのルアーブランドからリリースされた最初のルアーがBANQ82Sです。

ショーカラ
『湾奥のプリンス』っていわれるとなんかカッコイイよね。
『中海のプリンス』って呼ばれても、かなり田舎の響きがあるからね。

大野ゆうきさんといえばダイワバレーヒルマングローブスタジオアイマメガバスなどで数々のルアーをプロデュースしてきたシーバス業界を代表するプロアングラー。

その大野ゆうきさんが、2022年秋、満を持して自社ブランドからBANQ82Sをリリースされました。

2022年現在は10カラーがリリースされています。

ディテール

可愛らしいフォルム

おそらく、大野ゆうきファンであれば一目見ただけで

ファン
あ、これ大野さんのルアーでしょ

とわかるようなフォルム。

むしろ、「ガルバ(ダイワ)やグラバー(邪道)とどこが違う?」と間違い探しをしたくなるくらいに大野ゆうき色の強い外観になっています。

リップが付いている

こちらは、バンクに搭載されたリップ部分です。

リップ付シンキングペンシルの先駆けともいえるのがマリブ(マングローブスタジオ)。このマリブをプロデュースしたのも大野さんです。

そんなリップ付シンキングペンシルの第一人者ともいえる大野さんが、自社ブランドから初めてリリースしたのも、リップ付シンキングペンシルのバンクです。

このリップのおかげでルアーを巻いたときの浮き上がりを抑えることができます。

それと同時に、本来的に巻き抵抗を感じにくいシンキングペンシルでも、しっかりと水の流れを感じることができる設計になっています。

また、バンクのリップはマリブのリップとは異なり、くぼんだ形状になっています。

komomoコンケーブヘッドのような形状のリップです。

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これにより、従来のリップ付シンキングペンシルよりもさらに水を掴みやすく設計されています。

多面形状

空気抵抗を抑制するためなのか、スイム姿勢の関係なのか、フラッシングのためなのか…

理由はわかりませんが、ボディの表面はかなり多面形状になっています。

BANQの特徴

移動重心構造により飛距離抜群

シンキングペンシルといえば固定重心タイプのものが一般的です。

固定重心と移動重心では、7:3くらいの比率で、固定重心タイプの方が多い印象です。

そもそもシンキングペンシルは、空気抵抗となるようなパーツがほとんどないので、固定重心でもわりと飛距離を出しやすいものが多いです。

これに対して、BANQは移動重心システムを採用しています。

そのため、BANQは、他のシンキングペンシルよりもさらに広範囲を探ることができるようになっています。

リップのおかげでレンジキープ力も抜群

大野さんの真骨頂ともいえるシンキングペンシルのリップ。

このリップのおかげで、シンキングペンシル特有の浮き上がりの早さを抑制し、一定のレンジをキープしやすいのも特徴です。

しかも、バンクのリップはくぼんだ形状で水を掴みやすくなっています。

そのため、タダ巻きの安定しないビギナーでも、レンジキープしやすくなります。

また、足場の高い場所でシンキングペンシルを使用するときでも、足元に近い場所までしっかりとルアーを引いてくることができるようになります。

高いフラッシング効果

写真で見たとおり、BANQのボディ表面は多面形状になっています。

見える角度によって光の反射が変わるので、大きなフラッシング効果が期待できます。

ショーカラ
フラッシング効果のために多面形状になっているかどうかはわかりませんが…

バンクの使用感

飛距離は〇

BANQ82Sは移動重心構造のため、基本的にはよく飛んでくれます。

82mmという長さのわりにはややファットなフォルムで、フォルムのわりには14gとなぜか軽め。

しかし、このファットなボディの空気抵抗を感じさせないくらい十分な飛距離を叩き出せます。

ただ、そこはやはりファットなボディのルアー。

キャスト時にスイートスポットを外すとバランスを崩しやすいです。

飛距離に過度な期待はしない方がいいでしょう。

とはいえ、ルアーのフォルムや14gという軽めのウェイトを考慮すると、とてもよく飛ぶ部類のルアーといえます。

また、投げ慣れてくるとバランスを崩すこともほとんどなくなり、綺麗に飛んでくれます。

立ち上がりの早さも〇

バンクは移動重心構造のためウエイトが前後します。

そのため、固定重心構造のルアーほどの立ち上がりの早さはありません。

しかし、移動するボールは一個だけで、さらにはルアー内部をまっすぐに移動します。

そして、前方部に到達するとウエイトが磁石で固定されるシンプルな構造になっています。

内部構造がシンプルなため、立ち上がりが早く、ウエイトが戻らないことによるアクションエラーもほぼ起こることはありません。

レンジは1~2枚下

バンク82Sによく似たルアーがガルバ87Sです。

このガルババンク

二つのルアーで決定的に違うのがレンジです。

バンクは、シンキングペンシルで一般的に使われるリトリーブスピードで使った場合、他のシンキングペンシルよりも1~2枚ほどレンジが下まで入ります。

リップによるレンジキープ力(浮き上がりにくさ)と相まって、40~50cmくらいのレンジをかなりしっかりとキープしてくれます。

ナイトゲームのように着水音を聞いてから巻き始める釣りでは、20cmよりも深いレンジで使う機会が多くなるでしょう。

他方で、ガルバは、バンクよりウエイトが重いにもかかわらず、バンクよりも浮き上がりやすい設計になっています。

そのため、バンクと同じスピードで引いてもバンクより上のレンジを引くことができます。

フォルムのよく似た二つのルアーですが、泳ぐレンジには明白な違いがあります。

ミノーの動きとはちょっと違う

youtubeのBANQの紹介動画で「ファーストリトリーブではミノーのように泳ぐ」旨が説明されていました。

通常、シンキングペンシルを早巻きすると、テールが左右に大きくスイングするものがほとんどです。

この点、たしかに、BANQで早巻きすると細かくてピッチの速いアクションを発生させます。

その意味において、BANQは、従来のシンキングペンシルとは一線を画しているといえます。

ただ、ミノーのピッチはウォブリング(+ローリング)。

これに対して、BANQの細かいピッチはあくまでテールスイングアクションの範囲内という印象です。

ショーカラ
目視で確認できる範囲の話ですけどね

「ミノーのように」というのはあくまで比喩的な表現かな、という感じです。

ただ、大野さんプロデュースのグラバー(シンキングミノー)とは明らかに差別化されています。

フックに妥協なし!

最近は、ルアーの価格高騰を抑えるために、安価なフックを標準搭載しているルアーが見られるようになりました。

そのようなフックは、細軸ですぐに開いたり、錆びたりするので、わりと早い段階にフックを交換する必要があります。

この点、バンクのフックは刺さりやすく、錆びにくく、細軸ではないフックが標準搭載されています。

そのため、標準フックから安心して使うことができ、自信を持って大物とやりとりすることができます。

汽水エリアの釣りにジャストフィット!!

『湾奥のプリンス』と称される大野さんのプロデュースするルアーなので、「港湾エリア向け」という印象を持つ方も多いでしょう。

でも、このBANQ。

僕の使用感としては、中海や宍道湖などの汽水エリアにかなりジャストフィットしています。

まず、中海や宍道湖などの汽水エリアは、オカッパリから狙えるラインがかなり浅いです。

そのため、ナイトゲームであれば、中海と宍道湖の8割くらいのエリアで、これ1本でシーバスを狙うことができます。

ショーカラ
BANQだけあれば他のルアーは必要ない…という意味ではありません。
中海や宍道湖の「多くのエリアでかなり効果的に使える」という意味です。

また、中海や宍道湖は水際に立つことができる場所が多く、BANQはレンジキープ力が高いので、ルアーをやや沈めてからロッドティップを下げれば、~1mくらいのレンジまでは狙うことができます。

さらには、中海や宍道湖などの汽水エリアは、港湾エリアと異なり、ほぼオープンエリアです。

そのため、移動重心システムの搭載されたBANQの飛距離はとても魅力的です。

一般的なシンキングペンシルとフローティングミノーで探るようなレンジを、BANQだけで探ることができます。

港湾や干潟だけではなく、シャローの多い汽水エリアでもかなり幅広く効果的に使えます。

BANQの使い方

基本はタダ巻き

BANQの最も基本的な使い方はコンスタントリトリーブ。

つまり、タダ巻きです。

これ以外の使い方を考える必要はありません。

ショーカラ
タダ巻き以外では使えない…というわけではありませんので、悪しからず
ただ、ロッドワークに対するレスポンスは悪くありません。また、多面ボディによるフラッシング効果も期待できます。
そこで、デイゲームであればトゥイッチで使うのも面白いでしょう。

タダ巻きの速度の変化でヒットゾーンを調整する

バンクは、一般的にシンキングペンシルと同じ速度で巻くと、やや下のレンジを泳ぎます。

そのため、激浅のシャローレンジを泳がせようと思うと、やや早めに巻く必要があります。

しかし、早めに巻いてもリップがしっかりと水を掴むため、水面に顔を出したりスイムバランスが崩れることはありません。

そして、やや早巻きでも、通常の速度(スロー気味)でも、いずれでもよく釣れます。

反対に、ややスローに巻けば50~60cmのレンジをきっちりキープしてくれます。

つまり、スピードを調整することで探れるレンジ幅が、通常のシンキングペンシルよりも広めです。

使用方法は変幻自在

浅いシャローエリアをスピーディーに手広く探るには、やや早巻きで使うことができます。

シャローレンジに入ってきたシーバスは食い気が立っているので、ナイトゲームでも早巻きに反応します。

あるいは、シャローレンジをスローに引きたいとき。この場合は、着水直後からルアーを巻いてくる必要があります。

BANQにはリップが付いているので、いったんレンジが下まで入ってしまうと下のレンジをキープしてしまいます。

反対に、沖の流れの変化などをじっくりと狙うときは、少し沈めて、やや下のレンジをスローに探るといいでしょう。

BANQは、スピードを変えることで複数のシチュエーションや狙い方に対応することができるので、スピードとレンジを変えながらコンスタントリトリーブで使うのが最も使いやすいでしょう。

通常、シーバスは、地域・エリア・水の色・水温・光量などの条件により、釣れる最適なスピードは微妙に変わります。

その適応できるスピード幅が広いのはBANQの特徴の一つです。

シーバスがボトムにベッタリ付いているときや、大型のベイトを捕食しているときのような極端な状況でない限り、いつでも使える可能性のあるルアーです。

タダ巻きのスピードをいろいろと変えてみて、状況にあったスピードを見つけてみましょう。

揺るぎない釣獲力

実はBANQ82Sは、僕にとって、とても思い出に残るルアーになりました。

初めてBANQを使った日の2投目でランカーシーバス

いつもツイッターでいろんな情報をくださるフォロワーの方から

フォロワーさん
●●(近くの釣具店)にバンク入ってますよ

というDMをいただきました。

ショーカラ
人生の大先輩からこんな情報をいただけるなんて、大変光栄です!

そこで

「(バンクを買って)バンクでシーバスを釣ってこい」

と解釈した僕は、翌日に別の釣具店(その日に●●に行けなかった)でバンクを購入して、そのまま釣り場に向かいました。

常夜灯のある場所でスイムチェックした後、ポイントを移動して釣りを始めました。

その二投目。

ゴチンというアタリがあったので、フッキングをした後、足場のいい場所にシーバスを誘導しました。

フッキングしたときはそれほど重量感はありませんでしたが、誘導中に、ややキツめに締めたドラグがジリジリと出されることがありました。

そして、岸にズリ上げてみると、80cmを超えるランカーシーバスでした。

まさにビギナーズラック(笑

翌日は粘った末のランカーシーバス

翌日、改めてBANQを実釣で試すべく、シャローエリアのランガンから始めました。

ショーカラ
二匹目のドジョウ…ではなく、二匹目のシーバスを狙います

800mほどの砂浜を往復して5回ほどバイトがありましたが、いずれも魚が乗るには至りませんでした。

そこで、場所を変えて前日にランカーが釣れたエリアでの回遊待ちにシフト。

ここでも、2回ほどバイトがありましたが、いずれも魚は乗りませんでした。

焦るショーカラ

そして、そろそろ納竿が頭をよぎった頃、ほぼ足元で、コチンというバイトとともに激しいエラ洗いが起こりました。

(魚が乗ったのに)焦るショーカラ

ショーカラ
釣れても釣れなくても焦るのがショーカラスタイルです

上がってきたのは、前日よりやや太い(長さはわずかに短い)ランカーシーバスでした。

揺るぎない釣獲力

結局、BANQ82Sを開封してからの二日間、釣れたのはランカーシーバスだけでした。

二日目にはいろんな釣り方を試しましたが、二日間で確信したのが

揺るぎない釣獲力

です。

実は、最初のランカーシーバスを釣ったときは、BANQが「シンペンなのか、シンキングミノーなのか」「重さは何gなのか」「固定重心なのか、移動重心なのか」という情報は何もわかっていませんでした。

フォロワーさんからの指令を実現するために、夜遅い時間に釣具店に行って、並んでいたBANQの中から好みのカラーをチョイスして、そのまま釣り場に向かいました。

そのため、「大野ゆうきさんが自身のブランドからリリースした第一弾ルアー」という情報以外、BANQに関する情報は一切調べていない状態で釣りに臨みました。

事前に確認したのは簡単なスイムチェックのみ。

つまり、前情報がほとんどない状態で釣りを始めて、まさに「投げたら釣れた」というビギナーズラックでした。

ショーカラ
それでも釣れる

また、二日目は、釣れたランカーシーバス以外にも何度かバイトを得ることもできました。

この段階で、BANQ82Sの釣獲力に関しては疑いようのないものでした。

メモリアルルアーとして御守りにしました

ここはおまけです。

個人的に、事前情報のない下ろしたてのルアーで、わずか数投でランカーシーバスが釣れたのは初めての経験でした。

そして、二日間で釣れたのはランカーシーバスのみ。

サイズ的には自己記録には全然及びませんが、バンクは、とても記憶に残る船出になりました。

そこで、最初に開封したバンクは、フックを外して、ランカーシーバスを祈願した御守りにすることにしました(笑

メモリアルフィッシュをアナタに!!

超有名シーバスプロアングラーの大野ゆうきさんが満を持してリリースしたBANQ82S。

発売直後はSNSで大変話題になりました。

でも、使ってみると…

話題だけではありません!

そこには、大野ゆうきさんの経験を詰め込んだ使いやすさ汎用性釣獲力が凝縮されています。

また、ガルバグラバーとは似て非なるレンジとアクション。

まだまだ話題沸騰中で、釣具屋の店頭に並んでもすぐに売り切れになってしまうようです。

店頭で運良く出会えたときは手に取ってみてください。

そして、BANQに秘められた圧倒的な釣獲力を、ぜひ体感してみてください。

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