ルアーが増えてくると頭を悩ませるようになるのが
という問題。
たくさんルアーが入っているのに、釣り場の状況に対応できない内容の人もたくさんいます。
持ち歩けるルアーの数には限界があります。さらに、一度の釣行で使い切れるルアーの数も、いつも同じような数におさまってきます。
そうすると問題になってくるのが「ルアーボックスにどれを入れよう?」ということです。
手持ちのルアーが少なければ全部入れておけば問題はありません。
でも、ルアーフィッシングを続けているとルアーの数は確実に増えてきます。
このページでは釣果に結びつけるための『釣れるルアーボックスの作り方』をご紹介します。
ルアーボックスに入れられるルアーの数を知る
釣れるタックルボックスを構築するために意識しておくべき前提条件があります。
②一度の釣行で使うルアーの数(だいたい〇個)
持ち歩けるルアーの数は、どんなルアーをメインで使うかによってかなり変わってきます。
70mmクラスのバイブレーションがメインの人と、140mmクラスのミノーがメインの人とでは、5~6倍以上の差があります。
通常のルアーボックスの場合、だいたい15~20個。深型のルアーボックスで20~25個くらいは入るはずです。
持ち歩けるルアーの数は、実際にボックスにルアーを入れてみればすぐにわかります。
問題は、一度の釣行で使うルアーの数です。これは人によって大きく異なります。
僕の場合は7個前後が多いです。
でも、頻繁にルアーを交換する人であれば僕の2倍以上使う人はたくさんいるでしょう。
当たり前の話ですが、①<②になることはあり得ません。必ず①>②になります。
この①>②の差をどう上手く使っていくかで、釣れるルアーボックスと釣れないルアーボックスの違いが現れます。
ルアーボックスに入れるルアーの種類を考える
ルアーボックスに入れるルアーはなにを選ぶ?
上記↑では、「そもそもルアーボックスに入れるべき(入れられる)ルアーの数」について取り上げました。
その次の問題として、たとえばルアーボックスに15個のルアーを入れられるとしたとき
どのようなルアーの構成にすべきか?
ということを考える必要があります。
トップウォーター〇個、ミノー〇個、シンキングペンシル〇個…というように。
ルアーボックスに入れられるルアー15個という枠をどのようにフル活用していくか?という振り分けが問題になります。
とにかく『レンジ』は重要
このときに必ず意識しておかなければならないのが『ルアーのレンジ』です。これはとにかく重要です。
ルアーのレンジのバランスが悪いと全然釣りになりません。
たとえば、水面でガンガンとボイルが発生しているのにVJ28とアイアンプレートしか持っていなかった場合、思うように釣りはできません。
上手な人であれば、VJ28とIPだけでも水面を意識したシーバスをなんとか釣ることができるかもしれません。
でも、普通はかなり苦戦するはずです。ビギナーにはかなりハードルが高いです。
レンジというのは魚釣り全般にとってとても重要な要素です。(実釣編第8回参照)
しかも、ルアーフィッシングでは、シーバスがいるレンジにきちんとルアーを通さないと、シーバスの方から寄ってきてくれることはありません。
魚のいないレンジでいくらルアーを泳がせても、それはただのプラスチックです。(第15回参照)
ルアーボックスに入るルアーの個数15個をどのように振分けていくのか?
これを考えるうえで、『ルアーのレンジ』というのはかなり優先順位の高いファクターになります。
ルアーの選定基準
↑の方法によって、自分のルアーボックスに『入れられるルアーの数』と『入れるべきルアーの種類や数』とがだいたい見えてきます。
次に、そこに入れるルアーをどのように選んでいくべきか?という問題です。
ルアーの選定基準についてはおおむね次のとおりです。
②投げやすい・狙ったレンジを通しやすいルアー
③魚に気づいてもらいやすいルアー
好きな(使いたい)ルアー
タックルボックスの中身というのは、メンタルヘルスケアのためにとても重要です。
絶大な信頼を置いているルアーを忘れると、メンタル的にかなりヤラレます。そのルアーを使う機会がなくても、です。
好きなルアーや信頼しているルアーがルアーボックスに入っているだけで安心感がまったく違います。
また、ルアー編の最初の記事で『行動非行動の法則』についてご紹介しました。(第1回参照)
人間は「やった後悔」よりも「やらなかった後悔」の方が、より大きく残るそうです。
仮に魚が釣れなかったとしても、人から勧められて半信半疑で使ったルアーよりも、自分の好きなルアーを使い切って華々しく散ったほうが明らかに達成感があります。
せっかく限られた時間を使って釣りに行く以上、まずは自分が納得できる釣りを目指しましょう。
投げやすい・狙ったレンジを通しやすいルアー
ルアーは、魚がいる場所に投げて初めて、ルアーとしての第一歩を踏み出します。(第15回参照)
どれだけ艶めかしくアクションさせたところで、魚がいない場所では、ルアーはただのプラスチックの塊です。
そこで、ルアーを選ぶうえでは
- 狙った場所に投げやすい
- 狙ったレンジを通しやすい
という観点から選ぶ必要があります。
巷で「これは釣れる!」といわれていても、投げにくい(飛ばしにくい)ようであれば、そのルアーは選ばないほうが賢明です。
ウェブサイトや動画サイトのレビューで「クラス最大級の飛距離が出る!」と評価されていても、自分が飛ばしにくいと感じれば、そのルアーは選ばないほうがいいでしょう。
「飛ばしにくい」ルアーは、いずれ使わなくなります。
そうすると、タックルボックスを圧迫する原因にもなってしまいます。
魚に気づいてもらいやすいルアー
魚がルアーを発見するときに最も効果的に機能するのは『視覚』です。(第13回参照)
つまり、ルアーというのは、魚の目に留まってなんぼです。
魚に気づいてもらえないようでは、やはりルアーはプラスチックの塊です。
そこで、魚に気づいてもらいやすい大きな動きのルアーや、魚に気づいてもらいやすいカラーのルアーを選ぶことは重要です。
ただし、これはオマケみたいな基準です。
「魚に気づいてもらいやすい」というのは魚にしかわかりません。
人間に見えやすいカラーは、魚にも見えやすいのか?
それは、魚だけが知ることです。
あくまでオマケ程度に考えておきましょう。
タックルボックスの具体例をご紹介
まずは好きなルアーから選んでみる
最後に、僕がどういう基準でルアーボックスに入れるルアーを選んでいるのか?という具体例をご紹介しておきます。
これは僕が実際に普段持ち歩いているルアーボックスです。
ホームセンターでまとめ買いしたリングスターのスーパーピッチというシリーズです。
写真映えのため、傷の多いものは新品があれば新品と入れ替えていますが、入れているルアーの種類はこれです。
まず、メンタルヘルスケアのために必ず入れているルアーがこの3つ。
上から順にローリングベイト77・ゾンク120・ラトルトラップ
ローリングベイトは、使う予定がまったくないポイントに行く場合を除き、必ず入れています。一番釣れる気がするので。
ゾンク120は個人的に実績が高いのと、見た目が好きなので(笑
ラトルトラップはラトルがジャラジャラうるさいバイブレーションです。バイブレーションの中では個人的に一番たくさんシーバスを釣っているので、とりあえず入れています。それほど使いやすくはないです(笑)
レンジごとにルアーを選ぶ
あとは、レンジごとに、投げやすいルアー・レンジキープしやすいルアーを選んでいます。
こちら↓は水面~水深50cmくらいまでを想定したルアーたち。
レスポンダー115(シャローランナー)
レイジー95(シンキングペンシル)
こちら↓は水深50~150cmくらいを想定したルアーたち。
ジャークソニック90(シンキングミノー)
こちら↓は水深100~250cmくらいを想定したルアーたち。
ローリングスティック(ジグミノー)
最後↓が水深200cm~を想定したルアーたち。
TN65(バイブレーション)
ラトルトラップ(バイブレーション)
これらのルアーを持っていろんな場所へ出かけて行きます。
僕は初場所で釣りをするのが好きで、個人的に実績の全然ないポイントでもかなり投げ込むことがあります。
初場所であっても、だいたいこれらがあれば僕の場合は釣りが成立します。
もちろん
とか
と思うことは多々あります。
そういう時のために、サブボックスも用意しておくといいでしょう。
全然タイプの違うルアーや、よく使うルアーの色違いを持っておくとさらに安心です。
キャパシティと使用頻度から逆算してルアーボックスを構築する!
ビギナーアングラーにタックルボックスの中身を見せてもらうと、ルアーセレクトのバランスがとても悪い人がいます。
経験を積んできて
という状況判断に基づいたルアーセレクトであればルアーが偏ることもあるでしょう。
でも、ビギナーにその判断は難しいものです。
そこで、通常はバランスよくルアーを選んでおくほうがいいでしょう。
そのとき、自分ではバランスよく選んだつもりでも案外と偏っている…ということも少なくありません。
そのほとんどが、『普段使うルアーの数』を把握していなかったり、『レンジ』を大雑把に考えていることに原因があります。
ルアーボックスに入るルアーの数や普段使うルアーの数をきちんと把握したうえで、自分の好きなルアー、自分の投げやすい・使いやすいルアーをレンジに当てはめていくと、必ずバランスのとれたルアーボックスになります。
ルアーボックスの中身を少し緻密に考えるだけで、『釣れるルアーボックス』に格段に近づくことができるでしょう。