プロアングラーの動画を見ると、PEラインの管理やその交換時期の見極めは、とても難しそうに思えます。
僕も15年以上はPEラインを使っていますが、正直に言います。
でも、PEラインの特性を考慮して、自分なりに出した結論はあります。
このページでは、PEラインの寿命(交換時期)についてご紹介します。
最近の釣りメディアでは、釣りに関する情報がメーカーのために中・上級者目線で発信されるようになりました。ナチュラルリリースでは、ビギナー目線で語られることが少なくなった「釣りに関する『キホンのキ』」をビギナー目線で発信しています。
PEラインの特性と問題点
PEラインは自然劣化しにくい
ナイロンやフロロと異なり、PEラインは自然劣化しにくいラインです。
PEラインは、ナイロンのように、ラインの素材が水を吸水することはありません。
また、PEラインは、ナイロンやフロロのように紫外線による強度の低下もありません。
そのため、PEラインは吸水や紫外線による強度低下を気にする必要はありません。
PEラインの問題点
上記のとおり、PEラインは吸水や紫外線によるダメージを考慮する必要はありません。
その代わりに気にしておかなければならないのがラインの傷です。
PEラインは細糸であるため、ラインに傷が入ると簡単に切れてしまいます。
ただ、ここでひとつ問題があります。
実は、PEラインの傷というのは目視ではとても分かりにくいのです。
PEラインは、ナイロンやフロロのように、ラインの表面がわかりやすく傷つくわけではありません。
そのため、PEラインは、ライン表面の傷に気づく前にラインが切れてしまうことがほとんどです。
という感じの基準を説明することができません。
PE1号くらいの細さであれば、ザラザラになる前に切れることが多いです。
そこで、PEラインは交換時期がよく分からない…ということになるのです。
ライン表面が毛羽立ったら交換する?
PEラインの交換時期について、釣具店の店員から最も推奨されるタイミングは
です。
おそらく、10人の店員に聞くと、8人はこう答えるでしょう。
しかし、こう割り切ってしまうのはちょっと早計です。
というのも、PEラインは、商品によってはそもそも毛羽立ちやすいものがあります。
3回くらいの釣行で毛羽立ち始めるラインもあります。
じゃあ、「その3回の釣行でラインを交換するのか?」というと、そんなことはあり得ません。
(商品名は伏せますが)僕は3回くらいの釣行で毛羽立ち始めたPEラインを、1年以上快適に使っていたこともあります。
実際に、現場で釣りをするアングラーで「ラインが毛羽立ったら交換」ということを推奨する人はかなり少数だと思われます。
釣具屋で語られるPEの交換時期と、現場のアングラーの交換時期にはズレがあるように感じます。
ラインの寿命(交換時期)の目安は?
では、寿命の分かりにくいPEラインは、どのタイミングで交換するのが良いのでしょうか?
ライン交換の目的はラインブレイクのリスク抑制
まず、そもそもライン交換は何のために行うのでしょうか?
ラインが短くなって足りなくなった場合、ライン交換が必要になるのは当然です。
問題なのは
ラインのキャパシティは充分だけど、このまま同じラインを使い続けてもいいのか?
という状況です。
ラインのキャパシティが充分なのにライン交換をする最大の理由は
ラインブレイクのリスクを減らすこと
です。
つまり、不意にラインが切れるのを防ぐことです。
ラインは、使い続けているうちに、どうしてもライン表面に傷が入ってきてラインの強度が下がっていきます。
そうなると、魚とのやりとりや、ルアーをキャストしたとき、思わぬタイミングでラインが切れることがあります。
このような不意に起こるラインブレイクのリスクを減らすために、ラインキャパシティが充分であっても、一定のタイミングでライン交換が必要になります。
ラインの傷みやすい箇所はカットする
ラインが傷んできた頃に交換をするとしても、PEラインの傷は目視ではなかなか判断しづらいものです。
では、ラインの傷にどう対処すれば良いのか?
ということですが、一番簡単な方法が
ルアーに近い場所を釣行毎にカットする
というものです。
ラインの寿命を考える前に、まずは釣行毎に、ラインが傷ついていそうな箇所をカットします。つまり、日々のラインメンテナンスが重要です。
そして、特殊な使用環境でない限り、ラインは、ルアーに近い場所ほど傷みやすいです。
そこで、釣りが終わった後に、PEラインのルアーに近い場所は切ってしまいます。
僕の場合、リーダーとの結束部分から2mくらいPEをカットします。
こうすることで、まずはラインを交換する前に、ラインブレイクのリスクを抑えます。
ラインの残りが少なくってきたら交換する
釣行→カットを繰り返すことで、ラインの残りがどんどん少なくなります。
釣行毎にラインを2mほどカットすると、20回の釣行で50mくらいはラインが減ります。
そこで、ラインの残りが少なくった段階で、ラインを全部交換します。
ここで「少なくなった」という状況はアングラーごとに異なります。
オープンエリアやサーフのようにロングキャストを多用する人は、残りのラインが100mくらいあっても不安を覚えるかもしれません。
逆に、僕のようにショートキャストを多用する人は、100mもあれば充分釣りになるという場合もあります。
あるいは、キャストのたびに放出されるラインがスプールに当たって、気になってしょうがない、という人もいるでしょう。
ご自身のスタイルに合わせて「ラインが少ない…」と感じた頃にラインを交換しましょう。
ビギナーには適度なコシのあるPEがオススメ!
最後に、ライントラブルのリスクを回避しやすいラインをご紹介します。
というのも、PEラインにエアノットと呼ばれるコブができてしまうと、10~20mくらいラインをカットしなければならないということがあります。
そのため、ライン交換の時期を少しでも遅らせるためには、可能な限りライントラブルは避けなければなりません。
そこでオススメなのが、適度なコシ・張りのあるPEラインです。
適度なコシ・張りのあるラインの方が、ビギナーにとっては圧倒的に扱いやすいです。
僕のおすすめのラインはラピノヴァX(ラパラ)です。
発売された当時は激安PEとして人気がありました。
しかし、人気の理由は価格だけではありません。
ラピノヴァXはコシ・張りの強さが絶妙で、かなり適度に設定されていて、ビギナーでもとても扱いやすいラインです。
毛羽立ちやすい商品ですが、上記のとおり、毛羽立ちはそれほど気にする必要はありません。
僕の中ではかなり名作と呼べるPEラインです。
釣行毎にカット→短くなったら交換しよう!
PEライン(メインライン)を定期的に交換する目的は、ラインの劣化によるラインブレイクを防ぐことです。
ラインは、日々の釣行によって、ルアーに近いところから傷んできます。
そこで、日頃のメンテナンスとして、釣行後にはメインラインを1~2mほどカットして、ラインを新鮮な状態に保つように心掛けましょう。
そして、ラインメンテナンスの結果、ラインの残りが少ないと感じるようになったときにライン交換(ラインの巻き替え)を意識すると良いでしょう。