シーバス用のルアーには実に多くのカラーがラインナップされています。
そのため、ビギナーの頃には確実にカラーで迷うことがあるでしょう。
どのカラーが釣れるのか?
似たようなカラーでもいろいろ揃えた方がいいのか?
このページでは巷に溢れるルアーカラーの中から効率的にカラーを選ぶための考え方をご紹介します。
ルアーのカラーの重要性
そもそもルアーフィッシングにおいて、なぜルアーのカラーが重要なのか?
まず一つに「魚は色を識別できる」という理由が挙げられます。
第13回の記事でご紹介したとおり、以前は、魚は色盲(色が識別できない)と考えられていました。
第12回までの記事でルアーの基本的な種類や特徴、使い方をご紹介しました。このページでは、魚が水中においてどのようにルアーを感知・認識しているのか?「魚がルアーを見つける方法」についてご紹介します。なお、この[…]
現在では、実験方法の改善などにより、魚も色を識別できるという考え方が一般的です。
さらに、魚の視細胞が人間よりも多いことから、魚類学の中には
魚には、人間が色として認識できない色も見えている
と唱える見解さえあります。
いずれにしても、多くの魚が色を識別できるということに異論はないようです。
もう一つの理由として「魚がルアーを発見するときに『視覚』が重要になる」という理由が挙げられます。
魚は目がとてもいい生き物です。
加えて、魚がルアーを発見するときにはどの器官よりも優位性があるのが『視覚』といわれています。
魚がルアーを発見するための器官には側線・内耳(耳)・視覚があります。
このうち、ルアーを発見するうえで最も効果的に機能するのが『視覚』です。
そのため、ルアーのカラーというのは、魚の視覚に働きかけるうえではとても重要なファクターになります。
カラーのセレクトには制約がある
ルアーフィッシングにおいて、ルアーのカラーというのはとても重要な要素です。
おそらく、マイワシカラーとマコイワシカラーとカタクチイワシカラーの違いくらい魚は容易に判別できるでしょう。
ルアーのカラーは多ければ多いほどいいといえそうです。
しかし、そうであったとして、アングラーがカラーを選ぶうえでは大きな制約も存在します。
それが持ち運べるルアーの数です。
多くのアングラーが一度の釣行で持ち歩くルアーの数は、せいぜいこれくらい↓のボックス1~2個が限界です。
このボックスに入れられるだけしかルアーを持ち歩くことはできません。
ゲームベスト着用のアングラーはだいたいボックス2個。僕のようにライフジャケット+バッグというスタイルはボックス1~3個ほどです。
サイレントアサシンの色違いを5~6色も持ち歩くアングラーはレアでしょう。普通は、同じルアーの色違いは~3色ほどです。
手持ちのカラーが多いに越したことはありません。
でも、おかっぱりアングラーは、持ち運べるルアーの数という制約のなかでルアーのカラーをセレクトしていく必要があります。
カラーの種類はシンプルにカテゴライズする
魚からすると、マイワシ・マコイワシ・カタクチイワシのカラーを見分けるのは簡単なことです。
日によって、マイワシカラーに反応がいいときもあれば、カタクチイワシカラーに反応がいいときもあるかもしれません。
しかし、これらを区別して持ち歩くことには限界があります。
そのため、無数にあるカラーのうち、必要なカラーを効率的にセレクトしなければなりません。
そこで、ルアーのカラーはシンプルにカテゴライズするようにしましょう。
具体的にはつぎのとおりです。
・ゴールド
・ホワイト
・ブラック
・+α
シルバー系
カラーの中でもっともバリエーションが豊富なのがシルバー系です。
マイワシ・カタクチイワシ・マコイワシ・シコイワシ・バーニングイワシ・サヨリ・ボラ・サッパ・アジ・サバ・コノシロ…
ついでにホログラムの種類までたくさんあります。
ノーマル・レンズ系・レーザー系・クラッシュ系・マグマ系・狂鱗…
あるいはホログラムのないメッキ系など。
何イワシであっても、ボディの大部分がシルバー系のカラーは全部シルバーとカテゴライズします。
もちろん赤腹のイワシも背黒のイワシも、ボディの大部分がシルバー系であれば同じシルバーにカテゴライズします。
たしかに、お腹や背中の色で釣果に差が出ることもあるでしょう。
でも、レアケースに対応するために色んなカラーを揃えるとタックルボックスはパンパンになってしまいます。
ボディの大部分がシルバー系のルアーは、何イワシであろうと全部同じ『シルバー』です。
ゴールド系
ゴールド系は濁りに強いアピールカラーとして、昔から存在しているカラーです。
背中が黒いクロキン、背中が赤いアカキン、背中が緑のミドキンなど。
あるいは、背中がチャート系のゴールドチャート(ゴルチャー)、背中がピンクのピンクゴールドなどがあります。
最近ではあまり見かけなくなりましたが、全身ゴールドのフルゴールドなんていうのもありました。
ゴールド系は濁った水の中ではシルバー系よりも目立ちやすいといわれます。そのため、タックルボックスに必ず一つは入れておきたいカラーとして昔から人気があります。
また、クリアウォーターで使うと意外に目立ちます。魚を惹きつけるためのカラーとしても人気です。
人間の視覚的にも見えやすく、使いやすいカラーです。
ゴールド系にもいろんな『〇〇キン』が存在しています。
状況次第によっては、背中の色が黒か赤か緑かで釣果に差が出ることもあるでしょう。
しかし、カラーセレクトに迷うくらいなら、すべて『ゴールド』と統一してカテゴライズします。
ホワイト系
ホワイト系は膨張色といわれ、暗くても目立ちやすいカラーです。そのため、ナイトゲームではとても人気のあるカラーです。
特に、魚がルアーを見つけるのには視覚が優位に機能するため、暗闇でも目立つというのは大きなアドバンテージになります。
ナイトゲームの盛んなシーバスフィッシングでは必携のカラーです。
また、海外製のルアーにはホワイト系のルアーがけっこう存在しています。
日本の淡水の釣りでは「見切られる」という理由で敬遠されがちなカラーです。でも、海外では淡水の釣りでもメジャーなカラーの一つです。
ホワイト系のカラーも背中がチャートのチャートバック、背中がピンクのピンクバックなどがあります。
また、お腹が赤いレッドベリー、お腹がオレンジのオレンジベリーなどもあります。
あるいは、ボディに青・赤・黄色の飴玉のようなアクセントの入った『キャンディ』と呼ばれるカラーもあります。
これも、背中やお腹がどんなカラーでも、ボディの大部分がホワイトであればすべて『ホワイト』と統一してカテゴライズします。
ブラック系
ブラックは(人間の目からは)ナチュラル系にもアピール系にも見える不思議なカラーです。
ソルトシーンでは、月夜のナイトゲームではルアーのシルエットがハッキリ見えると説明されます。このような状況下では、ブラック系はアピールカラーとして語られます。
しかし、デイゲームのときに水中に落としてみると、意外に目立ちにくく、自然環境に溶け込むカラー(ナチュラル)でもあります。
ブラック系はシルバー系やゴールド系と比べると圧倒的に種類が少ないです。
売れないから。
釣れないからではなく、売れないから。
種類は少ないですけど、魚を釣るうえではかなり効果的なカラーです。
自分のよく使うルアーのカラーラインナップにブラック系がないときには
塗装の剥がれてきたルアーを、黒の油性マーカーで塗ってしまう
という方法もあります。
+αのカラー
ルアーのカラーは大きく分けると上記の4色にカテゴライズできます。
ただ、ルアーの中には上記4色とはかけ離れたカラーもけっこう存在しています。
メジャーどころでいえばクリアカラーというのがあります。色の塗っていない透明なカラー(背理)のことです。
これ↓は全身ほぼチャートリュース(チャート)系のカラーです。
チャートは、ホワイトと同様に膨張色です。そのため、ナイトゲームで好んで使われるカラーです。
しかし、水の色がグリーン系のエリアでは、チャートというのは意外に自然に溶け込みます。
ホワイト系をデイゲームで好んで使う人はそれほど多くはありません。でも、チャートはデイゲームでもごくごく普通に使われています。
もちろんクリアウォーターでのアピール系カラーとして使うこともできます。
チャートリュースは奇抜に見えてけっこう万能に使えるカラーといえます。
具体的なカラーの考え方
ここでカラーのカテゴライズに関する具体例をご紹介します。
たとえばコチラ↓のルアー。
いずれのルアーも、ボディ大部分がフラッシング効果の高いシルバー系のカラーです。
これらのルアーはいずれもシルバー系として考えます。
では、コチラ↓のルアーはどうか?
上のルアーはボディの大部分がシルバー系のルアーです。でも、下のルアーはボディの大部分がフラッシング効果の弱いパールホワイト(膨張色)です。
つまり、これらは別々のカラーと考えます。
カラーの揃え方
ルアーのカラーは4色+αに大別して揃えると効率的です。
シルバー系であれば何イワシであってもシルバー。ホワイト系は背中やお腹がどんなカラーでもホワイト系として考えます。
イワシの他にサヨリやボラやコノシロを揃える必要はありません。
シルバー系であれば、どれか1匹いれば十分です。イワシカラーを持っているなら、サヨリやボラなどのシルバー系はとりあえず保留にします。
ほかのシルバー系を揃えるよりも、ゴールド系やホワイト系などを揃えた方がルアーのカラーにメリハリが生まれます。
カラーはシンプルにカテゴライズしてメリハリをつける!
◆同系のカラーに偏らない
釣具屋に並ぶルアーのカラーは、細かく見ていくと無数にあるように感じます。
しかし、シンプルにカテゴライズしてみると、実は4色+αほどに分類することができます。
ボディの大部分がシルバー系であれば、イワシもサヨリもボラも全部同じシルバーと考えます。
同系統のカラーは1色にまとめて考えたほうが、カラーローテーションにメリハリが生まれます。
また、ルアーを買い揃えるときも、カラーはシンプルにカテゴライズした方がお財布にも優しいです。
というリスクを防ぐことができます。
魚は目のいい生き物です。カラーの違いも識別できます。
少ないバリエーションでも魚の好みに柔軟に対応できるように、カラーはシンプルに区別・整理しておきましょう。
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