ルアーフィッシングをしていると、感覚的に『〇〇のフックは錆びやすい』とか、逆に『□□のフックは全然錆びない』ってありますよね?
僕はルアーのアイに錆が移るのが嫌なのでフックが錆びたら基本的にはすぐに交換します。
躊躇なく交換します。基本的にはどんなフックでもいずれは錆びると思ってるので。
サビにくいフックなら交換しなくていいんじゃね?
ま、当たり前のことなのですが、改めて『錆びにくいフックはどのメーカーなんだ?』ってことでフックを海水に浸して錆が出るまでの経過を観察してみました。
このページでは、フックを1か月半ほど海水に浸してみたらどうなったか?についてご紹介しています。
準備するもの
フック
フックは、ソルトルアーでよく使われているメーカーのものをチョイスしました。
がまかつトレブルSP-MH
カルティバSTX-45ZN
fimoフックMH
以前興味本意で買ってみて使い切っていないfimoフックが個人的には最注目です。
海水
海水は境水道で汲んできたものです。
ま、はじめから水汲みバッカンを準備して行けばよかったんですけどね
仕切り付容器
実験方法
容器にフックを入れる
実験を始める前は同じ条件を維持したいと思って、フックごとに仕切ることなく1つのタッパーにすべてのフックを同時に入れることを考えていました。
ただ、心配な点が2つほどありました。
1つは、どのフックがどのフックかわからなくなるんじゃないか?ってこと。
STX-45だけは特異な形をしているので明らかですが、がまかつトレブルとfimoフックは形からはほとんど見分けがつきません。
fimoフックのアイの部分はがまかつトレブルほど親切設計にはなっておらず、普通のアイの形をしているので、簡単に見分けられました。
もう一つは、万が一どのフックかが早く錆びたときに、他のフックに錆が移らないだろうか?という心配です。
海水を注ぐ
海水を注ぐときには、フックが完全に水没してしまわないよう、フックの半分くらいの位置で海水の水位をキープします。
理由はコチラを参照してください
ひたすら待つ
ここからは海水の水位を注視しながら待つのみです。
思いのほか海水の蒸発が早かったので、けっこうまめに海水を足しました。
なので、容器内の海水の塩分濃度は徐々に高くなっていったと思われます。
実験スタート!!
どれも防錆性能を謳うフックたちなので、2週間くらいはまったく変化はないかな~という感じで実験を開始しました。
ところが…
実験開始翌日に早くも変化が!!!
それはカルティバSTX-45です。
このフックだけは海水の水面あたりにあった場所が黒ずんでいます。
他のフックは見た目では変化はありませんでした。
と、予期せぬ事態に実験現場では緊張が走りました。
しかし…
その後はそれ以上の変化が現れることなく日付が経過していきました。
カルティバの説明によれば
使用後はハリが黒く変色することがありますが、錆ではありません。
むしろ亜鉛(ZN)がハリ本体よりも先に酸化することでハリが錆から守られている証なのです。
だそうです。
フックが黒っぽくなるのは、錆を防止するための反応のようです。
と思いましたが…ま、すぐに錆びなかっただけ良しとして経過を見守ります。
実験経過観察中
2週間を過ぎたあたりから「何か変化がないだろうか?」と思って、毎日、どのフックもいったん取り出して観察してみましたが、これといった変化はありませんでした。
そのため、残すような記録もない日々が過ぎていきました…
ドラマチックな展開もドラスティックな変化も本当に何もありませんでした。
これは、ナイロンとフロロをペーパーで擦り切る実験以上に退屈なものでした。
…というよりも、95%くらいは放置だし。
でも、毎日観察してもドラスティックな変化はなにも起こらないので、1か月半くらい何もせずに待つことにしました。
結果発表
そして1か月半が経ちました。
実は1か月半後にフックを明るいところで観察してみたところ、どのフックも多かれ少なかれダメージを受けていました。
やべっ、サビサビになってる!!
ってフックは1本もありませんでしたが、どのフックもフック表面に多少の変化がありました。
ここから、結果発表です。
がまかつトレブルSP-MH
超優秀だったのががまかつトレブル。
フック全体が黒ずんではいたものの、いわゆる『錆びた!』といえるような茶錆は確認できません。
一つだけ気になるのは、「青サビ」(というのでしょか?)みたいな腐食を確認することができました。
銅が腐食したときにできる青銅っぽい感じ。
うーん…これを見つけちゃったら、即交換したくなるかなって感じ。
1か月半ほどノーガードで海水にさらされていたので、この程度の傷みはやむを得ないでしょう。
カルティバSTX-45
今回一番期待したのがSTX-45でした。
カルティバの売れ筋フックであるST-46はけっこうすぐに錆が出るので、市販品のルアーに標準装備されたST-46を一度も使わずに外して、がまかつトレブルに交換するというアングラーも少なくありません。
新モデルであるSTX-45では防錆の特殊加工が施されたそうなので、とても期待していたのです…
錆びてる!
フックの交差してる部分に茶色い錆がハッキリと確認できます!
ST-46と比べるとケタ違いに錆びにくい印象ですが、それでも錆てしまいました。
がまかつと違う点は、がまかつの場合には全体が黒ずんでいましたが、STX-45は、実験開始当初こそ黒ずみはしたものの、実験が終わる頃には全体的に白っぽくなっていました。
といわれれば、それ以上のことは特にありませんが、防錆加工といってもメーカーによってけっこう違いがあるだなぁと関心がでてきますね。
fimoフック
今回、個人的には最も注目していたのがfimoフックです。
期待というより『性能は如何ほど?!』という意味で非常に関心がありました。
そして、結果です。
想像以上にダメージに耐えてる!
これは「防錆」という点においては明らかにSTX-45よりも上をいっている!
その他の性能(刺さりやすさ・バレやすさ・針先のつぶれにくさ)はここでは触れませんが、とにかく錆びていない!
控えに目にいっても優勝候補筆頭だと思っていたのが、がまかつトレブルSP-MH。
それと同等か、むしろそれ以上。
しかもふっく1本あたりの値段は
がまかつトレブル 141円
STX-45 118円
fimoフック 85円
って感じでfimoフックはがまかつトレブルの6割ほどのお値段。
防錆という点ではfimoフックは明らかに群を抜いたコストパフォーマンスです。
傷み方はがまかつトレブルと同じように全体的に黒ずんでいく感じです。
がまかつトレブルは青銅のような腐食が見られましたが、fimoフックは全体的に塩の跡のように白っぽく腐食していました。
メンタル的にはfimoフックの腐食が一番ダメージが少なく、「これなら、まだ交換しなくてもイケるかも!?」と思えるものでした。
まとめ
今回は1か月半ほど海水に浸してフックの錆び方の実験を行いました。
今回の実験では、1週間以上経っても目に見えた変化がSTX-45の黒変だけだったので、2週間経過したあたりからは毎日少しの時間だけ空気に触れさせたり、時にはフック全体を海水に沈めてみたりと、いろいろなことをやってみました。
でも、STX-45にわずかに錆びが出ただけで、基本的にはすべてのフックがほぼ錆びなかったという結果でした。
何が言いたいかといえば、使用後すぐにルアーのメンテナンスをしている限り、フックに錆が出るよりも先に、フックの針先がつぶれたりフックが伸びたりしてフック交換することになるんじゃないかって印象です。
それくらい、どのフックも海水とのノーガードの打ち合いにほぼ耐え抜いたという結果でした。
使用後にきちんと水洗いするアングラーであれば、どのフックを使ってもらっても錆に悩まされる心配はほとんどないといえそうです。