【ゼロから始める】ミノーの種類と特徴を理解する!(ミノー編①)【第4回】

第1回の記事ではシーバスフィッシングに使われるルアーの種類と、ルアーの選び方についてざっくりとご紹介しました。

このページでは、シーバスフィッシングで使われるルアーである【ミノーの種類】についてご紹介します。

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ミノーとは

ミノーとは、小魚の形を模したボディにリップの付いたルアーの総称で、主に水深の浅い場所~中層で使用します。

最近ではリップレスミノーというリップの付いていないものや、リップとボディの一体型のようなミノーも登場しています。

ビギナーが見たときに一番「おっ、釣れそう」と思うのがミノーではないでしょうか。

バスフィッシングにおいてはそれほど人気のあるタイプのルアーではありませんが、シーバスフィッシングにおいてはもっとも種類が多く、シーバスフィッシングの核となるルアーといえます。

ミノーは、一般的には「ジャークベイト」と呼ばれ、(タダ巻きでも使えますが)積極的にルアーを動かして使うことが想定されたルアーです。

以前、若いイケイケなアングラーから「ミノーって要らなくないですか?」って言われたことがあります。
その子がいうには「シーバスフィッシングはシンペンや鉄板が充実しているからミノーの出番が無い」そうな。特に、シンペンと比べるとシーバスがスレるからシンペンの方がイイということでした。
確かに、考え方の一つとしてはとても理解できました。(まぁ、ツッコミどころはけっこうありますが…)
ただ、超大手のメーカーでミノーをリリースしていないメーカーなんて一社もないですし、むしろミノーの種類が圧倒的に多いことを考えれば、一部のアングラーを除いて、多くのシチュエーションにおいてミノーがシーバスフィッシングの核となるルアーであることを疑う必要はありません。
逆に、コアマンのように、デイゲームで水深のある港湾や沖堤防を中心に活動しているメーカーは、深場で使うためのルアー開発に徹底しています。
ミノーがシーバスフィッシングの核になることを疑問視する必要はありませんが、状況によっては、↑の若い子のようにミノー(というか、ミノーに限らず特定のルアー)が無くてもまったく問題がないという考え方もあり得るということは覚えておいて損はありません。

ミノーの種類は多岐にわたる

ミノーは、リップの大きさや形状、ボディの大きさや形状、ウェイトの位置やウエイトが固定or移動、浮く設定or沈む設定…など、多くのファクターの組み合わせによって、ルアーの特徴にかなり幅を持たせることができるルアーです。

アプローチできるレンジ、効果的なアクション、そのアクションを出せるスピード領域といったミノーに備わっている機能は、多くのファクターの組み合わせによって生み出され、この組み合わせは多岐にわたります。

そのため、水深3mくらいまでであればミノーだけで攻略できるといっても過言ではないでしょう。

ショーカラ
快適かどうかはおいておくとして…

でも、そうなると困ったことになるのが、ルアーを選ぶ側のアングラー。

一般アングラーにとって、ルアーへの課金も限度があるし、そもそも釣行で持ち歩けるルアーなんてたかが知れています。

アングラー
(いろんな種類があるミノーの中から何を選べばイイのか…)

そんな悩みが常につきまといます。

多岐にわたる種類の中から、どんなルアーを選べばイイのか、ビギナーの頃にはとても頭を悩ませることでしょう。

そんなときにルアー選択の基本になるのがミノーがアプローチできる「レンジ」です。

ルアーのレンジというのは、シーバスフィッシングにおいては常につきまとう問題であり、シーバスに近づくためにもっとも重要といえるファクターです。

レンジを意識してミノーを選ぶのが、まずもってやるべき選択方法です。

なお、レンジに関する詳細は別記事にゆずることとして、以下では、それ以外のミノーの種類について簡単にご紹介します。

リップの形状

リップの形状の違い

ミノーにはルアーを動かす(アクションさせる)ために顔の部分にリップと呼ばれる突起がついています。

リップの最大の役割はルアーをアクションさせることです。

リップが水の抵抗を受けて、この抵抗を受け流すことでミノーにアクションが生まれます。

ミノーのリップには大きく分けて3つのタイプがあります。

1つは、ベロ(舌)のようにルアーにリップが取り付けられたタイプです。(写真上)

ミノーの中では最もクラシカルな形状のリップです。

シーバスフィッシグでは、やや減少傾向にある形状です。

2つめが、ルアーのヘッドとリップが一体になったタイプです。(写真真ん中)

シーバスフィッシングでは流行りの形で、アムズデザインのsasukeシリーズはその先駆け的なルアーといえます。

最近はヘッドとリップが一体(または一体気味)となったミノーがとても増えてきました。

3つめが、リップが一切ないタイプ(リップレス)です。(写真下)

リップがないといっても、頭の部分が平面にカットしてあって、この頭の平らな部分が水の抵抗を受けることでリップと同じような働きをします。

リップの形状の違いとそれぞれの特徴

リップの形状の違いによってミノーの特徴に違いが現れます。

まず、ベロのようなリップが取り付けられたタイプのミノーは、ロッドアクションやリトリーブに対するレスポンスが良く、また、リップの大きさ次第で比較的深場までルアーを送り込むことができます。

これに対して、リップレスミノーは、リップが水を掴むようなキビキビとした動きではなく、ナチュラルに揺らめくアクションが特徴です。また、水を受ける面が小さいことからあまり潜らず、有効レンジは水面直下~浅めのレンジに設定されるものがほとんどです。

さらに、設計次第でベロ付きタイプorリップレスタイプのどちらにも性能を振ることができるのがヘッドとボディの一体型タイプです。

“ナチュラルな弱々しいアクションを基本としながらも、やや潜る”とか”浅いレンジをキビキビと泳がせる”とか。

いずれにしても、リップの形状の違いから、アクションやレンジに大きな影響が出るのがミノーです。

フローティングタイプとシンキングタイプ

フローティングとシンキングの違い

ミノーには、ルアーをキャストして放置していると水に浮くタイプ(フローティング)とどんどん沈んでいくタイプ(シンキング)があります。

フローティングタイプのミノーは、リールを巻くとルアーに付いたリップが水を受けて、このリップが抵抗になってルアーが潜っていきます。

一般的には、リップが大きければ大きいほど水を受ける抵抗が大きくなるので、ルアーがよく潜ります。

また、リップの角度が立っているほど水の抵抗が大きくなるので、ルアーがよく潜ります。

逆に、リップが小さかったりリップが寝ていると、水の抵抗を受けにくくなるので、ルアーが潜りにくくなります。

シンキングタイプのルアーは、放っておくとどんどん沈んでいきます。

そのため、シンキングタイプのルアーに付いているリップは、ルアーを潜らせるためというよりも、ルアーの浮き上がりを抑える役割を果たしています。

リップの役割の違い

上記のとおり、フローティングタイプのミノーのリップはルアーを潜らせるため、シンキングタイプのミノーのリップはルアーの浮き上がりを抑えるための役割を果たしています。

これをもうちょっと突っ込んでみてみると、下記のようなイメージになります。

まず、フローティングミノーは、ルアー自体に浮力があるため、アングラーが何もしなければ浮き上がろうとする力が生まれます。

この浮き上がろうとする力に、さらに前方に引っ張られる力が加わると、ルアーは斜め下に向かって引っ張られます(青い矢印)。

そうすると、フローティングミノーは、やや前傾姿勢になって引っ張られるため、リップが水を掴むように水の抵抗が加わるため、ルアーが潜ろうとする力が発生します。

これに対して、シンキングミノーは、ルアー自体は放っておくと沈んでしまうため、下向きの力が生まれます。

この下に向かおうとするルアーに対して前方に引っ張る力が加わると、ルアーは斜め上へ向かって引っ張られます(青い矢印)。

そうすると、シンキングミノーはわずかに頭を持ち上げる姿勢になって、斜め上方向に引っ張られることになります。

斜め上方向にルアーが引っ張られると、ルアーが浮いてきてしまうため、これを抑えるためにリップが水を抵抗として受け止めてレンジをキープすることになります。

ルアーのリップというのは、ルアーを動かす(アクションさせる)以外にも重要な役割を果たしています。

ただ、その役割というのは、フローティングミノーかシンキングミノーかによって、意味合いが若干変わってきます。

飛距離とアクションの違い

フローティングミノーかシンキングミノーかでルアーの飛距離とアクションにも影響がでます。

フローティングミノーは、(シンキングミノーと同じボディだったとしても)浮力を持たせるためにシンキングミノーより軽く作られます。

そのため、同じボディのシンキングミノーよりも飛距離が出にくい傾向にあります。

その反面、リップが積極的に水を掴むので、同じボディのシンキングミノーよりも動きがキビキビと大きくなります。

シンキングミノーは、フローティングミノーよりも飛距離が出しやすい傾向にありますが、重量が重くなると動きが鈍くなります。

ルアーが前傾姿勢になるフローティングミノーと違って、シンキングミノーは頭を持ち上げるため、シンキングミノーのリップはどうしても水の抵抗を掴みにくい角度になってしまいます。

そのため、シンキングミノーは重量が重くなるほどアクションしにくくなってしまいます。

なお、同サイズのボディでフローティングとシンキングでこれだけアクションに違いがある、というのがとてもわかりやすいので、コチラの動画を参考にしてみてください。

ちなみに、イワシカラーがフローティング

レッドヘッドがシンキングです。

フローティングとシンキングの見分け方

1つのモデルにフローティングとシンキングがラインナップされているミノーでは、ほとんどの場合【】か【】という表記で区別されています。

・ブローウィン!125F
・ブローウィン!140S

といった感じ。

Fがフローティング、Sがシンキングです。

サスペンドというのものある

ほとんどのミノーはフローティングかシンキングかで区別されますが、まれにサスペンドと呼ばれるタイプのミノーが存在します。

サスペンドタイプのルアーは、フローティングのように浮いてはきませんが、シンキングのようにどんどん沈んでいくわけでもなく、一定のレンジまで沈むとそれ以上は沈まずに水中に漂うという特徴があります。

サスペンドタイプのルアーは淡水のバスルアーではけっこうメジャーなセッティングです。

でも、海で使用することが前提となるシーバスフィッシングの場合、塩分濃度による浮力の違いのため、ルアーが漂うレンジが微妙に変わってくるので、サスペンドタイプのミノーというのはそんなに多くはありません。

使い慣れたフィールドでなければ使いにくさがあることから、敬遠されがちなのかもしれません。

固定重心と移動重心

固定重心と移動重心の違い

フローティングミノーにせよシンキングミノーにせよ、ほとんどのミノーにはルアーのバランスをとるために鉛やタングステンのウエイト(オモリ)が搭載されています。

このオモリのセッティングには大きく分けて2タイプ存在します。

1つはルアーにウエイトを固定した固定重心タイプです。

もう1つは、ルアー内部でオモリが前後に移動する移動重心タイプです。

なぜ、ルアーのバランスをとるためのオモリが移動する必要があるのか?といえば、ルアーの飛距離に関係があるからです。

ルアーには、糸を結ぶ「アイ」と呼ばれる部分があります。

このラインアイは、ほとんどのミノーがルアーの顔の先端の部分についています。

そのため、ルアーにラインを結んだ状態でルアーをぶら下げると、当然、ルアーのお尻が下向きになる形でルアーがぶら下がります。

この状態でルアーをキャストしたとき、ルアーは必ずお尻の方から前方に向かって飛んでいきます。

お尻の方からルアーが飛んでいくときに、ルアーのどこに重心があれば綺麗にルアーが飛んでいくか?

勘の鋭い人はわかるかもしれませんが、ルアーのお尻にルアーの重心があるときに、最もスムーズにルアーが放出されます。

お尻側からルアーが飛んでいくのにルアーのヘッド部分に重心があると、ルアーが飛んでいくときにバランスを崩してしまいます。

ルアーはお尻側から飛んでいくので、ルアーの重心が後方であればあるほど、ルアーはバランスを崩すことなくスムーズに放出されていきます。

じゃあ、ミノーの後方に重心を固定すればイイじゃないか?といえば、そういうわけにもいきません。

ミノーの後方に重心があると、ミノーは立ち泳ぎのような姿勢で水に浸かります。

でも、ミノーは、リップが水を受けることでアクションしたり、潜ったり、浮きが上がりが抑えられたりするのに、ミノーが立っている状態だとリップが上手く水を掴むことができません。

なので、ミノーは泳ぐときには水平気味の姿勢になるようにバランスをとる必要があります。

そこで考え出されたのが移動重心というシステムです。

ルアーをキャストする瞬間にはルアー内部でウエイトが後方に移動し、着水後の泳ぎ出しのときにはウエイトが前方に戻るような仕組みになっているのが移動重心タイプの特徴です。

それなら、すべてのミノーが移動重心タイプにすればイイんじゃないか?という疑問もあります。

確かに、最近のミノーは移動重心タイプのルアーが圧倒的に多いです。とにかくよく飛ぶので。

でも、移動重心タイプには大きな欠点があります。

それは泳ぎ出しのときに重心が前方に戻らないことがあるということです。

多くの重心移動タイプのミノーが、着水後にアングラー側でウエイトを後方から前方へ強制的に戻す作業が必要になります。

これを怠ったり、あるいは、自分ではウエイトを戻したつもりでもウエイトがきちんと戻っていない場合には、ミノーは泳ぎません。

泳ぐときの安定感とバランスの良さという点では、移動重心タイプは固定重心タイプには敵いません。

とはいえ、最近では各メーカーが自動的にウエイトが戻るためのアイデアを生み出してきているので、ルアーが泳がないというリスクはずいぶん減ってきました。

固定重心と移動重心の見分け方

固定重心タイプのミノーか移動重心タイプのミノーか。

これを見分ける方法は基本的にはありません。

特に、パッケージに入って売られている状態で固定重心か移動重心かを見分けるのは至難です。

唯一の見分け方として、ルアーの頭部分をしっかりと握りしめて、ルアーを強く1回だけ振ってみるという方法があります。

重心移動システムのルアーであれば、ルアー内部でウエイトが動く音や感触を感じ取ることができます。

ただ、この方法もけっこう微妙です。

ルアーがすっぽ抜けて飛んでいったりすることもあります。

あるいは、そもそも手で振った程度ではウエイトがなかなか動かないルアーもあります。

一番確実な見分け方はメーカーのウェブサイトで確認する方法です。

曲面ボディと平面多角ボディ

ミノーの中には、ボディが局面になっているものと、平面多角になっているものがあります。

もしかしたら設計上の問題もあるのかもしれませんが、アングラー側で気にしておくべきなのは光の反射です。

ルアーは、アクションしたときにボディが平面であるほど光の明滅効果が大きく現れます。

フラッシング効果と呼んだりします。

明滅がハッキリしているほどシーバスへのアピールは大きくなります。

ただ、アピールが大きい方が常にイイとは限らないので注意が必要です。光の明滅によって、かえってシーバスが警戒してしまうこともあります。

平面多角ボディのルアーでもマット系のカラーであれば明滅効果が生じないので、同じ平面多角ルアーでカラー違いを揃えて、フラッシングの強弱でルアーを使い分けるという方法もあります。

いずれにしても、曲面ボディと平面多角ボディで光によるシーバスへのアピール力が変わります。

ミノーの可能性は設計次第で大きく広がるが…

ミノーというカテゴリーのルアーは、リップの形状や大きさ、フローティングかシンキングか、固定重心か移動重心か、曲面ボディか平面多角ボディか…といったファクターの組み合わせによって、設計次第で様々なルアーを生み出せるのが特徴です。

その反面、ルアー市場には数多くのミノーが存在し、その中には「これとこれは何が違うん?」という、アングラーには違いがほとんどわからないようなミノーもたくさんあります。

また、ミノーを選ぶ側のアングラーにとっては選び切れない数のミノーがあるため、「どれを選べばいいんだ…?」という悩ましい問題が常に起こります。

結論から言えばどれを選んでもOKです。

ただし、ミノーに組み込まれる機能の組み合わせは無数にあること前提に、その機能を明確に意識してミノーを選択していくことが重要になります。

ここでご紹介した機能をそなえたミノーすべてを揃える必要はありません。

でも、リップの形状や大きさ、フローティングかシンキングか…といった違いから生じる機能の違いはしっかりと理解しておくことが必要になるでしょう。

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