【ゼロから始める】冬のシーバスの特徴と行動を理解する!【第19回】

冬になるとシーバスアングラーの足取りはとても重くなります。

理由は単純明快。

ビギナー
寒い。釣れない。

確かに、そういった印象を持ってしまうのも理解できます。

でも冬の釣行は、冬のシーバスの行動を理解するのとしないのとで、驚くほど釣果に差が出ます。

このページでは冬のシーバスの特徴についてご紹介します。

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冬はシーバスが釣れにくい時期といわれます。実際にハイシーズンと同じような釣り方をしていると、まったくシーバスに出会えない日もたくさんあります。そのため、冬にはシーバス釣りに行かないというアングラーも少なくありません[…]

冬にシーバスが釣れない理由

多くのシーバスアングラーが「冬にはシーバスが釣れない」という偏った印象を持っています。

これはなぜか?

個体数が減る

たとえば山陰中央エリア(中海・大橋川・宍道湖)のシーバスは、冬に日本海の深場へ下って産卵をするといわれています。

そのため、産卵に絡む個体は冬場は境水道をとおって日本海へ出てしまいます。

産卵に絡む個体がいなくなれば、それだけシーバスの数が減るのは当然です。

これは、日本全国シーバスが釣れるエリアではどこでも同じような現象が起こっているといわれています。

水温が下がるとシーバスの活性が下がる

冬にシーバスが釣れにくくなる理由として、水温が下がるとシーバスの活性が下がるということがあります。

ただし、これは不正確な理解です(理由は後述)。

集中力が保てない

これは防寒対策を十分に理解していない人に起こる現象。

夏場であれば、脱水症状に気をつけていれば、かなり暑くても釣りは続けられます。

でも、冬場に防寒対策を怠ると指の先や耳の感覚がなくなったり痛くなったりします。

冬の防寒対策が不十分な人ほど集中力が保てず、正常な判断もままならなくなります。

正常な判断というのは、魚に合わせたポイント選びやルアー選びができなくなるということ。

ビギナー
あそこで釣りしたいけど駐車場から遠いから、車を横付けできるところに行こう

とか

ビギナー
ルアー交換したいけど、指先が冷たいからこのままでいいか…

みたいな感じ。

これでは、簡単に釣れる(かもしれない)シーバスを逃してしまうことになります。

まぁ、これは防寒対策をすればかなり解消できる問題だけど。

冬はシーバスの活性が下がる?

冬に釣れない人にありがちな誤解

とてもよくありがちな誤解として

冬は水温が低下するためシーバスの活性が下がる

といわれることがあります。

確かに、シーバスは変温動物なので、水温が下がると行動が鈍くなるというのは一理あるようにも思えます。

また、北海道のほとんどの地域にシーバスが生息していないということから、寒さには弱いとも考えられそうです。

ショーカラ
シーバスは沖縄にも生息していないから、暑さにも弱いのか…?

でも、実際には、そんなことはありません。

シーバスは表層水温が30℃近い真夏の宍道湖ではボコボコ釣れます。しかも、宍道湖は表層水温と底層水温の温度差がほとんどありません。

シーバスは、30℃近い水温でも平気で捕食活動を行ないます。

逆に、境水道では、2月頃になると産卵を終えてほっそりしたシーバスが境水道で釣れ始めます。

この時期、境水道では表層水温が10℃切るかどうかという時期なりますが、水温が10℃あれば全然問題なくシーバスは釣れます。

ちなみに、極端な経験ですが、真冬の水温4℃台の中海ナイトゲームでトップウォーターが無双したことがあります。

僕の感覚からすると

水温が低ければ活性が低いとは一概にいえない

と思っています。

鱸は日本の固有種

そもそも鱸(スズキ)は『ラテオ・ラブラクス・ジャポニクス』という学名のとおり日本の固有種です。

近縁種にヒラスズキやタイリクスズキがいます。

ショーカラ
ちなみにどうでもいい話ですが、朱鷺(トキ)は『ニッポニア・ニッポン』といいます

スズキは古くから本州・四国・九州に広く分布している魚です。

スズキの生息するエリアの水温は、夏は高くなるし冬は低くなります。

少々水温が高くても、ある程度低くても、スズキは普通に活動しています。

スズキは日本の四季に合わせて生きてきた魚なのです。

鱸とほかの固有種との違いは?

日本にはフナ・メダカ・在来鯉などの在来種もたくさんいます。

フナやメダカなどは水温が低下する冬になると冬眠状態になります。捕食もしないし動きもほとんどなくなります。

これらの魚を引き合いに、「シーバスも冬には活性が下がる」という意見もあります。

でも、これらの魚とスズキ(シーバス)とでは大きく異なる点があります。

1つは体の大きさ

魚は変温動物なので、基本的にどんな魚でも水温の変化の影響を受けます。

しかし、水温の変化の影響というのは、体が小さければ小さいほど影響を受けやすく、体が大きければ大きいほど影響を受けにくくなります。

フナやメダカなどの小型魚とスズキのような大型魚とでは、水温の変化による体への負担が同じということはありません。

もう1つは産卵時期

フナもメダカも在来鯉も産卵期は4~6月の頃です。つまり春から梅雨ごろまでです。

これらの在来種は冬に産卵をするわけではないので、寒い時期には冬眠状態になって越冬して体力を蓄えるというのは理解できる話です。

でも、スズキの産卵期は1~2月頃という真冬。

水温の安定した深場で産卵するとはいえ、産卵の準備に入るは水温がだいぶ下がり始める日本沿岸です。

このスズキが、水温が少々低下したからといって活動が少なるのか?ということです。

境水道では12月頃に日本海へ産卵に向かうシーバスの大群が通るため「雪が降る頃がハイシーズン」といわれることもあります。
そんな時期に産卵するシーバスが、水温が少々低下したからといって活性が下がるか?
といえば、中海アングラーにとってはピンとこないのが実情です。

ショーカラ
理屈云々ではなく、境水道では雪が降る時期にメッチャ釣れるからね

「冬は活性が下がる」は極論

こう考えると、「冬には水温が下がって活性が低くなる」というのは、(否定はしませんが)イメージが先行する極端な話だということが理解できます。

ショーカラ
もしくは、『活性の低い時期に効果的なルアー』を売るためのメーカーのイメージ戦略か…

もちろん、大型魚のスズキといえども変温動物なので、急激な水温の上下はシーバスの活性に影響を与えます。

ただ、水温が低下することで活性が下がるかどうかは別問題です。

水温が13℃から急に8℃くらいまで下がれば、それは活性に影響を与えても不思議ではありません。

でも、何日も前に水温が8℃まで下がって、その後は8℃で安定しているというのであれば、低水温による活性の低さを気にするほどではありません。

さらにいえば、表面水温は7℃でも底層水温は12℃くらいあることもあります。このような場合、ボトム付近までレンジが下がるかもしれませんが、シーバスにとっては活性が下がるほど低い水温とはいえないでしょう。

急激な水温の上下は気にするべきですが、日本沿岸部の水温であれば、年中通してシーバスを狙うのには十分な水温です。

というか、ぶっちゃけ理屈云々はどうでもよくて、真冬がハイシーズンになる海域でシーバス釣りをしているアングラーからすると

「冬は水温が低下するからシーバスの活性が低くなって釣れなくなる」

っていわれても全然ピンときません。

中海アングラー
むしろ真冬が一番釣れるけど??

て感じ。

むしろ、寒くなることで「シーバスより人間の活性が下がるから釣れない」という人さえいます

でも冬はやっぱり釣れない

シーバスの個体数が減る

ビギナー
じゃあ冬でも他の季節と同じようにシーバスが狙えるの?

といえば、そうともいえない。

冬は釣れない

やっぱり冬は釣りにくい

これが結論。

シーバスが釣れなくなるのは、シーバスの活性どうこうよりも人間の活性が下がるのと、もう一つはシーバスの絶対数が減ることに理由があります。

すでに述べたとおり、シーバスは古くから日本の四季の中で生息してきた魚です。シーバスは四季の変化にとても忠実です。

最近読んだ釣り雑誌によれば

「シーバスは水温の変化よりも日照時間の変化によって季節の変化を把握している」とさえいわれている

という趣旨のことが書かれていました。

確かに、日照時間ほど確実に四季の移り変わりを把握できるものは自然界にはありません。

冷夏、猛暑夏あるいは暖冬になると、平年とは違った気温や水温の変化が起こります。

でも、冷夏であろうと暖冬であろうと日照時間は定期的に移り変わります。

シーバスは、日照時間の変化や水温の変化など、季節の変化を敏感に感じながら規則的に回遊して生活しています。

そして産卵期が近づくと、申し合わせたように多数の個体が外洋へ向けて移動を始めます。

そのため、春~秋を過ごしたエリアからシーバスが居なくなってしまうのです。

水温の低下によってシーバスの活性が下がるというのもまったくないとはいいません。

しかし、冬にシーバスが釣りにくくなる理由の根本にあるのが、そもそもシーバスの個体数が減るという要因が大きいです。

ベイトの動きが鈍くなる

シーバスは真冬に産卵する魚です。大型魚であることからもすると、低水温には比較的強い魚です。

でも、シーバスのベイトになるような小魚までシーバスと同じように低水温に強いわけでありません。

体が小さく水温変化の影響を受けやすい小魚の中は、水温の変化の少ない場所でじっとしている魚もいます。

あるいは、春の産卵シーズンに向けて越冬する魚もいます。

そして、ベイトの動きが鈍くなると、それを捕食しているシーバスの動きも少なくなります。

これはどういうことを意味しているのか?

ベイトの動きが活発な時期は、それだけシーバスの移動も多くなります。

シーバスの移動が多ければ、『出会い頭の1匹』のような偶然釣れるシーバスも増えます。

でも、シーバスの移動が少なくなると出会い頭の1匹になかなか出会えなくなります。

つまり、「冬は釣れない」という印象を持ってしまいます。

さらには、ベイトの動きが鈍くなると、釣りをしていても「魚っ気がまるでない」という印象を受けます。

これが「冬は釣れない」という思考に拍車をかけます。

冬に釣れない理由を整理して対策を考える!

冬にシーバスが釣れない理由を深く考えることなく

ビギナー
冬は活性が下がるから釣れない

という紋切り型の理由で冬にシーバスを狙わないアングラーは少なくありません。

確かに、偶然の一匹が釣れにくくなることで「冬は釣れない」という印象を持ってしまうことも否定はできません。

また、急激な水温の低下によって一時的に活性が下がるということも当然考えられます。

ただ、水温が低いから冬の間ずっと活性が低いのかといえば、全然そんなことはありません。

シーバスは古くから日本沿岸に生息する日本固有の大型魚で、シーバスにとって冬というのは産卵を控えた大切な季節です。

シーバスにとってそんな大切な季節を、「水温が低いから活性が下がる」と一括りにしてしまうのは極論です。

ご自身のメインフィールドの状況が

ハイシーズンと冬では、なにが変わったか?

シーバスが釣れにくくなる理由を(ちょっとだけでいいので)緻密に検討すると、冬のシーバス釣行のヒントが見えてくるはずです。

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