
ナチュラルリリースではビギナー向けにシーバスフィッシングの初歩の初歩をご紹介しています。
その中で、何度も登場するのが
ということです。
これは釣り系メディアでは語られることがなくなりましたが、ルアーフィッシングの初歩の初歩です。
ところで、「ルアーを道具として使う」という意味が抽象的でわかりにくい、というビギナーもいることでしょう。
そこで、2回に分けて「ルアーを道具として使う」ことの意味についてご紹介します。

最近の釣りメディアでは、釣りに関する情報がメーカーのために中・上級者目線で発信されるようになりました。ナチュラルリリースでは、ビギナー目線で語られることが少なくなった「釣りに関する『キホンのキ』」をビギナー目線で発信しています。
道具としてのルアーに備えられた「機能」とは?

繰り返しになりますが、ルアーというのは魚を釣るための機能が備えられた道具です。
では、ルアーに備わっている「魚を釣るための機能」とは、具体的にどういうものが思い浮かぶでしょうか?
②魚に食いつかせる
③遠くのポイントまで到達する
④目標の深さへ到達する
⑤一定のレンジをキープする
⑥ルアーがきちんと泳ぐスピードの幅
といったことが挙げられます。
ルアーの各機能を具体的にみてみる
魚を惹きつける機能
ルアーに備わっている機能に関してビギナーが最も興味があるのが魚を惹きつける機能です。
ざっくりと魚を惹きつける機能といっても、これにはいくつもの要素が考えられます。
アクションの大小・アクションの強弱・カラー・音・泡・波紋・波動などが代表的なものです。
魚に食いつかせる機能
ビギナーが関心があるルアーの機能のもう一つが魚に食いつかせる機能(食わせの機能)です。
魚に食いつかせる機能としては、アクションの不規則性・アクションのふらつき・色・音・波動といったものが考えられます。
遠くのポイントまで到達する機能
ルアーに備わった遠くのポイントまで到達する機能とは、一言でいえばルアーの飛距離です。
特に最近のルアーの飛距離は、ルアーごとにかなり性能に差があります。
ルアーの飛距離というのも、ルアーに備えられた機能の一つです。
目標の深さへ到達する機能
ルアーに備わった目標の深さへ到達する機能とは、一言でいえばルアーのレンジです。
フローティングタイプであれば、ルアーごとに潜行深度が設定されています。
シンキングタイプであれば、(理論上は)深さに限界はありません。とはいえ、実際にそのルアーが得意とする深さというのはルアーごとに異なります。
ルアーのレンジというのも、ルアーに備えられた機能の一つです。
一定のレンジをキープする機能
一定のレンジをキープする能力というのも、ルアーごとに異なります。
もちろん、フローティングタイプとシンキングタイプではレンジキープのしやすさが違います。
また、シンキングタイプの中にも、ルアーによってレンジキープしやすいものとそうでないものがあります。
レンジキープ能力というのも、そのルアーに備わったルアーごとの機能といえます。
ルアーがきちんと泳ぐスピードの幅
ルアーがきちんと泳ぐスピードの幅も、ルアーごとに備わった機能(特性)です。
あるルアーは、速く巻いてしまうとバランスを崩して綺麗に泳がない、ということがあります。
逆に、あるルアーは、あまり遅く巻いてしまうとそもそもルアーが泳がない、ということもあります。
ルアーがきちんと泳いでくれるスピードの幅も、ルアーごとに備わったルアーの機能といえます。
ビギナーが着目すべきルアーの機能

では、ルアーを道具として使おうと考えたとき、ビギナーが重点を置くべきルアーの機能はどれでしょうか?
答えは③④⑤⑥です。
つまり、「魚を惹きつける機能」と「魚に食いつかせる機能」以外の機能に着目すべきということです。
これは、ビギナーにとっては意外かもしれません。
でも、ルアーフィッシングの本質を考えれば当たり前のことといえます。
魚を惹きつけて食いつかせる機能とは?

ルアーには魚を惹きつける機能と魚に食いつかせる機能が備わっているといわれます。
具体的には、上記のようなルアーの色・音・波動・アクションの不規則性…などが挙げられます。
では、ルアーの色や音や波動やアクションの不規則性というのは、本当に魚を惹きつけたり、魚に食いつかせたりするために有用なのでしょうか?
残念ながら「そう言われている」「経験則からそう考えられる」というくらいの理由しかありません。
すべてが経験則と想像です。
たとえば、ルアーに食いつかせるためには、ルアーの波動(水粒子の振動)がトリガーになっているといわれています。
しかし、その波動の周波数がどのくらいなのか、ということが語られることはありません。
それどころか、そもそもルアーが発生させる周波数が何hz程度か、ということもメーカーからは公表されていません。
つまり、ルアーに備わっているといわれている「魚を惹きつける機能」や「魚に食いつかせる機能」というのは、ぶっちゃけよくわからない機能なのです。
なので、機能を意図的に使ったり、使い分けたりということもできません。
そのため、ビギナーが重視すべきルアーの機能としては優先順位が低いのです。
飛距離やレンジはわかりやすい

遠くのポイントまで到達する機能(飛距離)や目標の深さへ到達する機能(レンジ)というのはビギナーでもわかりやすい機能です。
どこまでルアーが飛んだのか?ということは、着水地点を見れば明らかです。
また、どの程度ルアーが潜るのか?ということは、最近ではパッケージ等に記載されています。
遠くのポイントまで到達する機能、目標の深さへ到達する機能、一定のレンジをキープする機能、ルアーがきちんと泳ぐスピードの幅というのは、魚を惹きつける機能や魚に食いつかせる機能に比べると、はるかに客観的に判断しやすいルアーの機能です。
そのため、ビギナーがルアーを選ぶときに重点を置くべき機能は、客観的に判断可能なルアーの機能ということができます。
魚に食いつかせる機能は無意味なのか?
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では、魚を惹きつけたり、魚に食いつかせるというルアーの機能は意味がないのか?
といえば、そんなことはありません。
ルアーフィッシングを続けていれば、誰しも

というルアーに出会うはずです。
それが、波動の周波数によるものなのか、そのルアーの持つ独特のアクションによるものなのか…理由が明らかになることはないでしょう。
でも、「とにかくコレが釣れる!」というルアーに出会えたら、理由はともかくとして、その「釣れる!」という感覚を大切にするべきです。
そういうルアーは、今後のゲームの組み立てにおいて中心的存在(または切り札的存在)になってくれます。
ルアーを「道具として使う」ために明確な機能を重視する!

ルアーには魚を釣るために様々な機能が組み込まれています。
ビギナーの頃には「どのルアーが釣れる?」という感じで、「魚を惹きつける機能」や「魚に食いつかせる機能」に着目する場合がほとんどでしょう。
しかし、「魚を惹きつける機能」や「魚に食いつかせる機能」というのは、ほぼすべての場合において経験則と想像の上に成り立っています。
つまりは、客観的に判断できない機能ということです。
それよりも、飛距離やレンジといった客観的に明確なルアーの機能に着目してルアーを選ぶ方が、ルアー選択がシンプルになります。
もちろん、「このルアーが釣れる!」という経験が積み重なってくれば、その経験は大切にすべきです。
ただ、ルアーが道具である以上、意図して使える機能に着目してルアーを使い込んでみましょう。