【ゼロから始める】デイでも釣りたい!『シーバスデイゲーム』のススメ!【第28回】

シーバスフィッシングといえばナイトゲームのイメージが強い釣りです。

でも、初夏から晩秋にかけてはデイゲームも熱い!

このページでは、シーバスデイゲームの基本についてご紹介します。

執筆者
ショーカラ(y-nax)
『釣り』の翻訳家
最近の釣りメディアでは、釣りに関する情報がメーカーのために中・上級者目線で発信されるようになりました。ナチュラルリリースでは、ビギナー目線で語られることが少なくなった「釣りに関する『キホンのキ』」をビギナー目線で発信しています。

シーバスフィッシングといえばナイトゲーム!

シーバスは夜行性といわれるが…

シーバスは「夜行性」と(おおざっぱに)表現されることがあります。

あるいは、「日中には底層や物陰に隠れてじっとしている」とさえ言われることがあります。

これは、シーバスの摂餌行動と関連しています。

シーバスは肉食性で、小魚・甲殻類・イカ・ゴカイ等を捕食しています。

このシーバスのターゲットの中には、日中は群れをなして回遊していて、夜になると浅場の藻場などに身をひそめるものがいます。

ショーカラ
つまり、小魚の中には夜になると浅場に集まって活動量が少なくなるものがいるということです

一方、シーバスは、この小魚が身をひそめる時間帯を狙って索餌活動を始めます。

つまり、シーバスはエサとなるターゲットの休息時間帯に合わせて索餌活動を行っているのです。

これが、シーバスが夜行性であるといわれる理由です。

実際にナイトゲームの方がイージーに釣れる

シーバスは夜行性であるといわれますが、実際も、ナイトゲームの方が釣りやすいのは確かです。

理由は2つあります。

まず1つが、シーバスは夜間の方が捕食に貪欲ということです。

シーバスは、ベイトの活動時間帯(休息時間帯)に合わせて索餌活動を行うので、ベイトの活動が停滞する夜間に索餌活動を活発化させます。

つまり、シーバスは、ベイトの活動が停滞する夜間に活発に捕食するようになるのです。

ショーカラ
夜間の方がルアーに対する警戒心が薄い、という言い方ができるかもしれません

もう1つの理由として、シーバスが岸から近い浅場を回遊するようになることが挙げられます。

日中は広く回遊している小魚も、夜になると浅瀬に集まって身を寄せるものがいます。

ショーカラ
沖と違って、岸に近い浅場は捕食者から狙われにくい場所といえます

逆にシーバスは、夜になるとこのような小魚を捕食するために、岸に近い浅場のエリアまで入ってきます。

つまり、アングラーの射程圏内に多くのシーバスが集まってくるのです。

これらの理由から、「シーバスフィッシングといえばナイトゲーム」というイメージが定着しています。

余談ですが…

魚種によっては、季節によって活動時間帯が昼夜逆転する魚もいるそうです。

これは、その魚がメインに捕食している餌が、夏と冬とで大きく変わることが影響しているようです。

つまり、餌を捕食しやすい時間帯が昼なのか夜なのかによって、同じ魚種であっても索餌活動の時間帯が変わり得る、ということです。

ショーカラ
「夜行性だから」とか「昼行性だから」いう単純な理由ではなく、自然界における生物の活動時間に合わせて摂餌行動をしているということです

デイゲームで釣れる条件

ベイトが豊富であること

上記のとおり、シーバスが夜間に釣りやすいのは、シーバスが夜行性だから…という単純な理由ではありません。

シーバスの夜間の活動は、ベイトの活動が停滞することに伴う摂餌行動です。

逆にいえば、日中であろうと、摂餌行動中のシーバスであれば狙って釣ることが可能になります。

そこで、デイゲームでシーバスを釣るためには、シーバスが索餌活動するくらいにベイトが豊富であることが条件になります。

初夏〜晩秋にデイゲームで釣りやすい理由

シーバスデイゲームの最盛期は初夏〜晩秋にかけてです。

5月中旬頃から海水温が20℃に達するようになり、プランクトンや微生物が爆増します。

これに伴って、プランクトンや微生物を捕食している様々な種類の小魚・エビ・カニ等が活動を始めます。

この小魚・エビ・カニ等のベイトを求めて、日中でもシーバスが活発に索餌活動を行うようになるのです。

そのため、ベイトの種類・量ともに増える初夏〜晩秋にかけて、日中のシーバスの活動が活発化するのです。

また、初夏から晩秋にかけては、日中でも岸に近い場所に溜まるベイトが増えるため、アングラーの射程圏内に索餌活動中のシーバスが入ってきやすくなります。

これらの理由から、初夏~晩秋にかけては日中でもシーバスを狙いやすくなるのです。

ショーカラ
なお、冬のボートシーバス(ジギング)からも明らかですが、ベイトさえいれば、シーバスは冬でも日中に積極的に索餌活動を行います

デイゲームでのシーバスの狙い方

ベイトを意識して探す

某プロ
ベイトが重要

どんなプロアングラーであっても、また、どんな状況であっても必ず言われることです。

ルアーフィッシングにおいて、ベイトの存在は超重要事項です。

でも、ナイトゲームの場合だと、ベイトが確認できなくても案外釣れてしまうことがあります。

ビギナー
ベイトは…
見えないけど、夜だしどうせ探しても見えにくいから、とりあえずこの辺りで釣りをしよう

という感じで何となく釣りを開始した結果…

そんなポイントでも釣れてしまう、なんてことはよくあります。

しかし、デイゲームはちょっと勝手が違います。

ベイトが見えているか否かで、釣れる釣れないに大きく影響します。

シーバスの索餌活動という観点から考えると、デイゲームでは、とにかくベイトの存在を意識しましょう。

ボトムを攻める

ベイトが重要だからといって、いくら探しても目視できるベイトがいないということもあります。

そんなときは迷わずボトムを狙うようにしましょう。

理由は2つあります。

1つめの理由は、思っている以上にボトムはベイトの種類が豊富ということです。

エビ・カニ・ザリガニなどの甲殻類、ハゼ・ヨシノボリ・チチブ・キス・ヒイラギ・コチなどの底棲ベイトフィッシュ、さらにはゴカイやユムシといった環形動物まで。

シーバスの口に入るサイズであれば様々な生き物がベイトになり得ます。

日中のシーバスの索餌活動という観点から考えると、ボトムはシーバスにとってかなりおいしいレンジになります。

2つめの理由が中層を狙う難易度の高さです。

中層というレンジは、表層や底層と比べると狙う難易度が格段に上がります。

ビギナーアングラーで「(5m水深のエリアで)いま3mくらいのレンジを引いてる」というのが分かる人はほとんどいないでしょう。

表層を攻めたいのであれば、ルアーに設定されている潜行深度に頼ることができます。

底層を攻めたいのであれば、ルアーがボトムに当たる感触に頼ることができます。

でも、中層は違います。

中層は、表層や底層と違ってノーヒントです。

中層を攻めるときは、経験と感覚だけが頼りになります。

それだけ攻める難易度が高いレンジ中層です。

このように、「ベイトが豊富であること」と「攻めやすさ」という観点から、目視できるベイトがいないときは積極的にボトムを狙ってみましょう。

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デイゲーム攻略におすすめのルアー

最後に、僕がデイゲームでよく使う実績ルアーをご紹介します。

トリックアッパー105F

デイゲームの醍醐味であるトップウォーターゲーム。

でも、「トップウォーターってなんだか難しそう…」と思うビギナーも多いはず。

そんなトップウォーターゲームのハードルを下げてくれるのがトリックアッパー105Fダイワ)です。

小刻みにロッドティップを振るだけで、誰でも簡単にドッグウォークをさせることができます。

また、ラトル入りなので集魚効果が高く、広範囲を素早くサーチすることができます。

ショーカラ
音は、水中では空気中の4倍の速度で、かつ、空気中よりも遠くまで伝播します

さらには、小沼プロ監修とあって飛距離も抜群です。

ビギナーには超おすすめのイージーペンシルベイトといえます。

サイレントアサシン129S(99S)

説明不要の定番ぶっ飛びミノーがサイレントアサシンシマノ)です。

最近ではサイレントアサシンと同等かそれ以上の飛距離を叩き出すミノーが登場してきました。

でも、サイレントアサシンの大きな強みは、飛ばしやすさアクションエラーがないことです。

シマノのジェットブーストはとにかく投げやすい。

他の重心移動よりもはるかにキャストミスが少なく、安定した飛距離を叩き出せます。

また、バネの力で自動的にウエイトが戻るので、アングラー側でウエイトを戻す必要はありません。

そのため、「ウエイトが戻ってなくてちゃんと泳がなかった(;´・ω・)」というアクションエラーは起こりません。

ストレスなく使えるミノーの代名詞がサイレントアサシンです。

なお、対岸やベイトとの距離が近いときはサイレントアサシン99S。

それ以外ではサイレントアサシン129Sが使いやすいでしょう。

ヘビーショット105

遠くのベイトや流れを狙いたいときにおすすめなのがヘビーショット105DUEL)です。

僕が投げても80m近く飛ぶので、ロングキャスターであれば90mは超えるでしょう。

ビギナーでも(向かい風でなければ)70mラインは狙える圧倒的な遠投性能です。

また、105が投げにくいのであれば、ヘビーショット85もおすすめです。

85は小規模河川や港湾部でも使いやすいサイズ感なので、対応エリアの汎用性も高いサイズといえます。

ショーカラ
(個人的には)ストライクイワシという謎の名称のカラーが、圧倒的にデイゲームでの実績が高いです

パワーブレード

デイゲームはコアマンだ!

というキャッチフレーズが流行語大賞にノミネートされるのか、されないのか。ドキドキしたコアマンファンも少なくないでしょう。

そんなデイゲームに自信のあるコアマン創立の初期頃からあるルアーで、ブレード系ルアーの代表格。

それがパワーブレードです。

ボディがコンパクトなので、沈下速度はそこそこ速く、ブレードの明滅によってボトムエリアで強烈にアピールできます。

水深が3m程度であればPB20。5m以上であればPB30が使いやすいでしょう。

水深3~5mの範囲はPB20・PB24レアメタル・PB30の中から使いやすいものを選びましょう。

アイアンプレート

またまた

デイゲームはコアマンだ!

と叫びたくなるくらいに出番が多いのがアイアンプレートです。

ルアーのフラッシング(明滅)という点ではパワーブレードに劣りますが、ブレードがない分、アイアンプレートの方が横風や向かい風に強いです。

風が強い日にはパワーブレードよりも出番が多くなります。

また、パワーブレード・アイアンプレートともに、ナイトゲームでも使える万能なルアーです。

タックルボックスに3つずつくらい入れておいても損はないルアーです。

ショーカラ
根掛かりするので…ね

VJ22 / VJ28

ビギナー
どれだけコアマンが好きなんだよ!

とツッコまれるかもしれませんが…

「スズキのエサ」とまでいわれ、デイゲームで圧倒的釣果を叩き出せるのがVJ22VJ28です。

ショーカラ
ナイトゲームでも抜群の釣果です

もちろん、他のジグヘッドワームでも構いません。

でも、釣具店での手に入りやすさと圧倒的な釣果を考えると、VJ以外のジグヘッドワームを推す理由はありません。

飛距離や沈下速度という点ではパワーブレードやアイアンプレートに劣るので、飛距離と水深で使い分けるといいでしょう。

なお、ウェブショップよりリアル店舗の方が圧倒的に入手しやすいです。

デイゲームの醍醐味を堪能しよう!

デイゲームでしか味わうことのできない醍醐味といえば…

それは、なんといっても目で見えるということでしょう。

水面を割ってトップウォーターを喰い上げるシーン。

ファイト中のエラ洗い。

デイゲームならではの大迫力シーンです。

デイシーバスについて

ビギナー
デイゲームってナイトゲームより釣りにくい

と感じるビギナーも少なくありません。

しかし、シーバスの索餌活動の日周期性は、ベイトの活動時間帯に依存しています。

このシーバスの日周期性を正しく理解すれば、決して難しい釣りではありません。

デイゲームのキモさえ押さえれば、ビギナーでも普通にデイシーバスを釣ることはできます。

今年の夏は、ぜひシーバスのデイゲームにチャレンジしてみましょう。

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