シーバスの狙い方にランガンというアプローチ方法があります。
ランガンとは
投げて・巻いて・移動する
を繰り返すシンプルなアプローチ方法です。
でも「ランガンしながらどんなことを考えたり、どんなことをやっているのか?」というイメージを持つのはなかなか難しいものです。
そこで、このページではランガンの方法についてご紹介します
そもそも何故ランガンが必要なのか?
回遊待ちは難しい
シーバスを狙うためのランガン以外の方法として回遊待ちというアプローチ方法があります。
回遊待ちというのは、同じ場所に留まって、ルアーチェンジを繰り返しながら、ルアーの届く範囲に回遊してくるシーバスを狙うアプローチ方法です。
シーバスフィッシングにおいては、とてもメジャーな狙い方です。
でも、ビギナーにとって、回遊待ちでシーバスを狙うのには難しい理由があります。
回遊待ちはポイントの情報がすべて
ビギナーにとって回遊待ちが難しい理由の一つとして目の前のポイントの情報を何も知らないということが挙げられます。
シーバスが、その時期・その時間帯・その場所に回遊してくるのには理由があることが多いです。
その回遊してくる場所とタイミングを知り、回遊の期待や確信を持てるからこそ、そこで粘って釣りを続けられるのです。
しかし、ビギナーの場合、目の前のポイントに関する情報を持っていないことがほとんどでしょう。
そのポイントに通い込んで、釣れる時期・釣れるタイミング・釣れる場所などの情報を自分の中に積み重ねなければなりません。
そうでなければ、シーバスが回遊してくる『偶然』を、ただただ待つことになります。
そのため、情報の少ないビギナーが回遊待ちで安定してシーバスに出会おうと思うと、なかなかハードルが高くなります。
経験値も少ない
プロアングラーくらい経験豊富になれば、目の前のポイントの情報がなくても、自分が今まで釣りをしたことがある似たようなポイントの経験を当てはめて、シーバスにアプローチすることができます。
でも、ビギナーアングラーはこのような経験値も多くはありません。
そのため、ビギナーが、知らないポイントで回遊待ちでシーバスを狙うのはとても難しいといえます。
ランガンの必要性
ランガンというアプローチ方法
回遊待ちの悩ましいところは、ルアーが届く範囲しか狙えないことです。
ルアーが届く範囲にシーバスが回遊してこなければ、シーバスを釣ることはできません。
そこで、ビギナーでもシーバスに近づくために効果的なアプローチ方法がランガンです。
シーバスの回遊という偶然を待つのではなく、自らシーバスに近づいて偶然を掴みにいくスタイルがランガンです。
ランガンは、歩けば歩くほど広範囲を探ることができます。
回遊待ちのように、ルアーの届く範囲にシーバスが回遊してきてくれる偶然を待つのではなく、自ら歩いて偶然を探すのがランガンです。
ランガンは特別なテクニックは不要
回遊待ちの場合、同じ範囲にルアーを何度も何度もキャストするので、シーバスに警戒心を与えてしまいます。
そこで、警戒心を与えないようにするため、ルアーのアクションに強弱をつけたり、ルアーの大きさやカラーを変えたりしながら、シーバスが反応してくれるのを待ちます。
あるいは、シーバスが捕食しているベイトの挙動に合わせたリトリーブ方法やルアーの流し方も重要になります。
しかし、ランガンの場合、そもそもシーバスを探す範囲がケタ違いに広いです。
ランガンは、ルアーのアクションの細かい違いや、カラーの違い、ルアーの大きさの違いにとらわれることなく、ルアーに反応してくれるシーバスを積極的に探していきます。
そのため、ランガンの場合は経験に基づいたテクニックは必要ありません。
また、ルアーのカラーやアクションの細かい違いにこだわる必要もありません。
いま投げているルアーに反応してくれるシーバスを探してとにかく歩きます。
これが、ランガンがビギナーにオススメと言われる理由です。
ランガンのときに意識すること
投げて巻いて移動するだけといっても
といえば、そういうわけではありません。
ランガンの動作だけをピックアップすれば、「投げて・巻いて・移動する」だけです。
でも、投げて巻いて移動する中で、実際には次のようなことを常に意識しています。
・潮の流れの変化や強弱
・地形の変化
・魚の気配(生命感)
これらの情報に常に気を配りながら釣り歩いていきます。
ベイトの存在
ベイトの存在というのは、そこにシーバスが居そうかどうかの重要な指標です。
デイゲームであれば、目視できるベイトの有無や、ベイトの波紋などを常に探します。
ナイトゲームであれば、ベイトの波紋やベイトの跳ねる音に意識を集中します。
ランガン中は、投げて・巻いて・移動しながら、常にベイトを探します。
潮の流れの強弱や変化
潮の流れに変化がある場所というのは、小魚のエサとなるプランクトンが集まりやすい場所です。
プランクトンは泳力が弱いため、潮の流れの強い場所や潮の流れが大きく変化している場所に流されて集まります。
そのため、ベイトの存在が視覚的・聴覚的に確認できなくても、潮の流れが強い場所や流れの変化の大きい場所にベイトが溜まっていることもあります。
そこで、ランガンしながら、潮の流れの強い場所、流れの変化の大きい場所、潮目などは探すようにしましょう。
地形の変化
極端に深くなっている場所や、逆に、極端に浅くなっている場所などは、シーバスが身を潜めやすく、ベイトを捕食する絶好のポイントになり得ます。
そのため、このような地形の変化の大きい場所の周辺は、シーバスがウロウロしていることがあります。
そこで、地形の変化の大きい場所も積極的に探してみましょう。
魚の気配
ベイト以外の魚(例えば大型のボラ)の気配は、シーバスを探すうえでそれほど重要ではありません。
でも、ランガンしながらひたすら釣り歩いていくうえでは、けっこうメンタル的に作用します。
魚の気配というのは集中力を保つうえでは欠かせない存在です。
積極的に探してみましょう。
具体的なランガンの方法
水深を確認する
目の前に広がる海の情報がまったくないと、すべてを手探りで始める必要があります。
そこで、まず最初にやるべきことは水深の確認です。
水深が把握できることで使えるルアーの範囲が狭まります。
水深が浅ければ浅いほど、使えるルアーは限定されていきます。
そこで、まずはバイブレーションを使って水深を確認します。
バイブレーションをキャストしてボトムまで沈めます。
そして、そのままボトムに沿うようにルアーを引いてきます。
これを右へ左へ2~3投ほど繰り返します。
ルアーを選択する
目の前の水深が大まかにわかったところで、ルアーを選択します。
水深が浅ければ、浅いレンジを引けるルアーを中心に選びます。
水深が深ければ、あらゆるルアーの選択肢があります。この場合には、深いレンジを探るか浅いレンジを攻めるかを決めます。
浅場か深場のどちらから探るべきか?という点に決まりはありません。
自分の中で初めから決めておいてもいいです。あるいは、その場の雰囲気で決めても問題ありません。
投げて 巻いて 移動する
ランガンに使うルアーが決まったら、ここからはひたすら投げて巻いて移動することを繰り返します。
僕の場合は1~2投くらいで移動します。
移動距離も特に決まりはありません。
僕の場合はだいたい10mくらいずつ移動してキャストします。
すごく広い範囲を歩くときは、移動の間隔をもっと広げます。
情報を収集する
「投げる・巻く・移動する」を繰り返しながら海の状況は常に確認しておきます。
ベッドが溜まっていないか?
潮の流れに変化がないか?
地形に目立った変化がないか?
このような情報を常に意識して探します。
実はランガンで大切なのはこの情報収集です。
気になる場所は重点的に探る
広範囲をランガンしていると、他とは違った気になる場所を見つけることがあります。
他の場所よりもベイトの気配が多かったり、潮の流れがきつかったり。
こういう気になるポイントがあったときは少し粘ってみましょう。
そこは粘る価値のあるポイントかもしれません。
気になる場所をすぐに見切る必要はありません。
僕の場合は、だいたい4~5投ぐらいは粘ります。
折り返し
当たり前の話ですが、ランガンをしながら釣り歩いていくと、どこかで折り返す必要があります。
往路で反応がなかった場合、復路では大きく変化をつけてみましょう。
狙うレンジを変えてみたり、ルアーを動かすスピードを変えてみたり。
機動力を活かして広い範囲を探っていきましょう。
実釣編
ここからは、実際にランガンでシーバスを狙ってみたときの実釣動画です。
ナイトゲームのため景色や動作はあまり映っていませんが、何をやっているかわかるようにできる限り映像に字幕を入れてあります。
ランガンで広範囲を探ってシーバスにアプローチする!
回遊待ちというスタイルで安定してシーバスを釣ろうと思うと、それなりの情報や経験が必要になります。
情報や経験なくシーバスに出会えたとすれば、それはほとんどの場合が偶然といえるでしょう。
もちろん、ランガンであっても偶然の要素は大きいです。
でも、ルアーの届く範囲だけで偶然を待つのと、広範囲を歩いて偶然を追いかけるのでは釣れる可能性も異なります。
ビギナーの頃で情報や経験の少ない場合、積極的に歩いてシーバスを探してみましょう。