【ゼロから始める】リールの基本!リールの種類と基本的な機構を理解する!!【第1回】

ロッドとリールは釣り道具の花形です。

ロッドと異なり、リールは機械製品であり、専門的な機構の呼称が多いです。

このページではリールの種類とリールの各機構についてご紹介します。

リールの種類

ルアーフィッシング用のリールには大きく分けて

・スピニングリール
・ベイトキャスティングリール

の二種類があります。

こちらがスピニングリール。

河川や海のオカッパリでの釣りにおいて主流になるリールです。

こちらがベイトキャスティングリール。

河川や海のオカッパリで使用する場合、スピニングリールほどメリットは大きくありません。

でも、ベイトキャストにはスピニングにない特有のメリットも存在しています。

リールの見分け方

ロッドと異なり、リールの見分け方は明らかです。

市場に出回っているすべてのリールがこの↓どちらかの形をしています。

左がスピニングリール。右がベイトキャスティングリール。

大型釣具店やバスフィッシングの盛んな地域の釣具店であればどちらのリールも売っています。

それ以外の店舗や地域では、圧倒的にスピニングリールの方が種類が豊富です。

リールは、ロッドと違って、形で間違える心配はありません。

リールメーカーは(ほぼ)2社

ロッドはかなりいろいろなメーカーから発売されています。

自社では製造せずに、OEMによって他メーカーで製造してもらったものを自社ブランドとして販売しているメーカーもたくさんあります。

たとえば、ルアーメーカーなどが販売しているロッドはほぼOEMです。

では、リールはどうか?

現在、日本で容易に入手できるリールメーカーはほぼ2社です。

ダイワシマノです。

ほかにも、わずかですがアブガルシアというメーカーもあります。スウェーデンの老舗のリールメーカーです。

アブガルシアに特別な思い入れがない限り、ダイワかシマノのどちらかを選べばいいでしょう。

ダイワでもシマノでも。お好きなメーカーを選んで問題ありません。

たとえば、近くの釣具屋で品揃え豊富なメーカーを選んでもいいでしょう。

ほかにも、デザインで選ぶ、というのもいいでしょう。

どちらのメーカーのリールを選んでもまったく問題ありません。

スピニング・ベイトに共通の機構

スプール

スプールとは糸が巻いてある部品のことです。

スピニング、ベイトキャスティングとも、糸の巻いてある部品がそれぞれスプールと呼ばれています。

スプールはリール用語としては登場頻度がとても多いので、『スプール』がどの部品か覚えておいたほうがいいでしょう。

ドラグ

ドラグとは、ラインに負荷が掛かったときに、スプールを逆回転させて魚の引き(負荷)に合わせてラインを送り出すための機構です。

つまり、ライン切れを防止するためのシステムです。

ドラグノブを締めたり緩めたりすることでスプールが逆回転するときの負荷の程度を調整します。

スピニングリールのドラグノブはリールの頭頂部にあります。

ベイトリールのドラグノブはハンドルの横にあります。星型のパーツがドラグノブです。

ベイトリールのドラグノブは星型なのでスタードラグと呼ばれることもあります。

ベイトリール特有の機構

メカニカルブレーキ

ベイトリールはトイレットペーパー?

メカニカルブレーキとは、ルアーをキャストするときのスプールの回転を制御するための機構です。

スプールの回転を制御するという点ではドラグと同じです。

しかし、ドラグは、魚とのやり取りのときに機能するのに対し、メカニカルブレーキはルアーをキャストするときに機能する機構です。

ベイトリールのラインが放出される構造というのは、トイレットペーパーと同じです。

トイレットペーパーは、紙を引っ張るとトイレットペーパーの芯が回転して紙が引き出されます。

ベイトリールの構造もまったく同じです。

ラインを引っ張ると、スプールが回転してラインを放出します。

このキャスト時のラインの放出をコントロールするのがメカニカルブレーキです。

アングラーの大敵!バックラッシュ!!

ところで、トイレットペーパーを勢いよく引っ張るとどうなるか、ご存知ですか?

トイレットペーパーを瞬間的に勢いよく引っ張ると、ホルダー内に、引き出し切れなかったトイレットペーパーがグチャっと溜まってしまいます。

紙を引き出す速度と、芯が回転する速度が一致している限り、紙がホルダー内でグチャっとなることはありません。

でも、紙を引き出す速度よりも芯が回転する速度の方が速いと、ホルダー内に紙が詰まってしまいます。

ベイトリールでも、これとまったく同じ現象が起きます。

ルアーが飛んでいく速度と、スプールが回転する速度が一致している限り、ライントラブルは起こりません。

でも、ルアーが飛んでいく速度よりスプールが回転する速度のほうが速いと、スプール内に放出し切れなかったラインが溜まってしまいます。

これをバックラッシュと呼んでいます。アングラーの大敵です。

このバックラッシュを防ぐためにmキャスト時のスプールの回転を制御する機構がメカニカルブレーキです。

ちなみに、スピニングリールは、キャスト時にスプールは回転しないのでメカニカルブレーキはありません。

遠心(マグネット)ブレーキ

遠心ブレーキも、ルアーをキャストするときにスプールの回転を制御するための機構です。

ハンドルと反対側のカバーをパカッと開けると、謎の機構が組み込まれています。

これが遠心ブレーキです。

遠心ブレーキの仕組みについては細かい話になるので割愛します。

メカニカルブレーキでスプールの回転を制御しても、ルアーの空気抵抗や向かい風などの具体的な状況には対応できないことも少なくありません。

そこで、遠心ブレーキは、メカニカルブレーキで制御したスプールの回転を、さらにルアーの空気抵抗や風の有無に合わせて微調整するためのブレーキです。

シマノのベイトリールには遠心ブレーキ

ダイワのベイトリールにはマグネットブレーキが採用されています。

遠心ブレーキとマグネットブレーキはブレーキの仕組みがまったく違いますが、どちらもスプールの回転を微調整するための機構です。

ちなみに、リョービのベイトリールには遠心ブレーキとマグネットブレーキの両方が搭載されたキャスプロメタルというモデルがありました。

スピニングリール特有の機構

ローター

ローターとは、スプールにラインを巻きつけていく機構です。

ハンドルを回したときに回転する部分のことです。

ベイトリールは、ハンドルを巻くとスプールが直接回転してラインを巻き取ります。

でも、スピニングリールはハンドルを巻いてもスプールは回転しません。

スピニングリールはハンドルを巻くとローターが回転します。そして、回転するローターがスプールにラインを巻きつけていくことでラインを回収します。

ベール

ベールとは、ローターと一体となって、スプールにラインを巻きつけていく機構です。

このベールは開閉式になっていて、ベールが開いている状態ではラインが放出されます。

ベールが閉じている状態でハンドルを回すとラインを回収できます。

開いている状態のベールを反対の手で閉じる人もいます。

でも、ベールにはオートリターンと呼ばれる機構が備わっています。

開いたベールはリールのハンドルを回すことで元の状態に戻ります。

ただし、ベールを開くときには、空いている方の手でベールを開く必要があります。

キャストのたびにベールを開く必要があるため、この動作を敬遠してスピニングリールを使わないアングラーもいます。

ラインローラー

細かいパーツですが、ラインを引っ掛ける部品をラインローラーと呼びます。

このラインローラーの溝にラインを引っ掛けます。

スプールにラインが直接巻き取られるベイトリールと異なり、スピニングリールではラインローラーを経由してスプールにラインが巻き取られます。

リールは専門用語が多くて大変

ロッドと異なり、リールは100種類以上のパーツから成る精密機械です。

また、ルアーフィッシングで使われるリールにはスピニングとベイトキャスティングの二種類あり、それぞれのリールに特徴があります。

その特徴の違いから、重要な機構も異なっています。

もちろん、リールの機構に詳しくなくても釣りをすることはできます。

しかし、リールについて詳しく知ろうと思って動画やウェブサイトを検索すると、必ず機構に関する専門用語が出てきます。

そこで、リールに関する代表的な機構の呼称は覚えておくといいでしょう。

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