【ゼロから始める】カラーセレクトで迷わないためのカラーの分類を考える!【第16回】

シーバス用のルアーには実に多くのカラーがラインナップされています。

そのため、ビギナーの頃には確実にカラーで迷うことがあるでしょう。

どのカラーが釣れるのか?

似たようなカラーでもいろいろ揃えた方がいいのか?

このページでは巷に溢れるルアーカラーの中から効率的にカラーを選ぶための考え方をご紹介します。

※この記事は以前ご紹介した記事をリライトしたものです

ルアーのカラーの重要性

そもそもルアーフィッシングにおいて、なぜルアーのカラーが重要なのか?

まず一つに「魚は色を識別できる」という理由が挙げられます。

第13回の記事でご紹介したとおり、以前は、魚は色盲(色が識別できない)と考えられていました。

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現在では、実験方法の改善などにより、魚も色を識別できるという考え方が一般的です。

さらに、魚の視細胞が人間よりも多いことから、魚類学の中には

魚には、人間が色として認識できない色も見えている

と唱える見解さえあります。

いずれにしても、多くの魚が色を識別できるということに異論はないようです。

もう一つの理由として「魚がルアーを発見するときに『視覚』が重要になる」という理由が挙げられます。

魚は目がとてもいい生き物です。

加えて、魚がルアーを発見するときにはどの器官よりも優位性があるのが『視覚』といわれています。

魚がルアーを発見するための器官には側線・内耳(耳)・視覚があります。

このうち、ルアーを発見するうえで最も効果的に機能するのが『視覚』です。

そのため、ルアーのカラーというのは、魚の視覚に働きかけるうえではとても重要なファクターになります。

カラーのセレクトには制約がある

ルアーフィッシングにおいて、ルアーのカラーというのはとても重要な要素です。

おそらく、マイワシカラーとマコイワシカラーとカタクチイワシカラーの違いくらい魚は容易に判別できるでしょう。

ルアーのカラーは多ければ多いほどいいといえそうです。

しかし、そうであったとして、アングラーがカラーを選ぶうえでは大きな制約も存在します。

それが持ち運べるルアーの数です。

多くのアングラーが一度の釣行で持ち歩くルアーの数は、せいぜいこれくらい↓のボックス1~2個が限界です。

このボックスに入れられるだけしかルアーを持ち歩くことはできません。

ゲームベスト着用のアングラーはだいたいボックス2個。僕のようにライフジャケット+バッグというスタイルはボックス1~3個ほどです。

サイレントアサシンの色違いを5~6色も持ち歩くアングラーはレアでしょう。普通は、同じルアーの色違いは~3色ほどです。

手持ちのカラーが多いに越したことはありません。

でも、おかっぱりアングラーは、持ち運べるルアーの数という制約のなかでルアーのカラーをセレクトしていく必要があります。

カラーの種類はシンプルにカテゴライズする

魚からすると、マイワシ・マコイワシ・カタクチイワシのカラーを見分けるのは簡単なことです。

日によって、マイワシカラーに反応がいいときもあれば、カタクチイワシカラーに反応がいいときもあるかもしれません。

しかし、これらを区別して持ち歩くことには限界があります。

そのため、無数にあるカラーのうち、必要なカラーを効率的にセレクトしなければなりません。

そこで、ルアーのカラーはシンプルにカテゴライズするようにしましょう。

具体的にはつぎのとおりです。

・シルバー
・ゴールド
・ホワイト
・ブラック
・+α

シルバー系

カラーの中でもっともバリエーションが豊富なのがシルバー系です。

マイワシ・カタクチイワシ・マコイワシ・シコイワシ・バーニングイワシ・サヨリ・ボラ・サッパ・アジ・サバ・コノシロ…

ショーカラ
とにかく釣り人を釣るためのカラーがたくさん!

ついでにホログラムの種類までたくさんあります。

ノーマル・レンズ系・レーザー系・クラッシュ系・マグマ系・狂鱗…

あるいはホログラムのないメッキ系など。

何イワシであっても、ボディの大部分がシルバー系のカラーは全部シルバーとカテゴライズします。

もちろん赤腹のイワシも背黒のイワシも、ボディの大部分がシルバー系であれば同じシルバーにカテゴライズします。

たしかに、お腹や背中の色で釣果に差が出ることもあるでしょう。

でも、レアケースに対応するために色んなカラーを揃えるとタックルボックスはパンパンになってしまいます。

ボディの大部分がシルバー系のルアーは、何イワシであろうと全部同じ『シルバー』です。

ゴールド系

ゴールド系は濁りに強いアピールカラーとして、昔から存在しているカラーです。

背中が黒いクロキン、背中が赤いアカキン、背中が緑のミドキンなど。

あるいは、背中がチャート系のゴールドチャート(ゴルチャー)、背中がピンクのピンクゴールドなどがあります。

最近ではあまり見かけなくなりましたが、全身ゴールドのフルゴールドなんていうのもありました。

ゴールド系は濁った水の中ではシルバー系よりも目立ちやすいといわれます。そのため、タックルボックスに必ず一つは入れておきたいカラーとして昔から人気があります。

また、クリアウォーターで使うと意外に目立ちます。魚を惹きつけるためのカラーとしても人気です。

人間の視覚的にも見えやすく、使いやすいカラーです。

ゴールド系にもいろんな『〇〇キン』が存在しています。

状況次第によっては、背中の色が黒か赤か緑かで釣果に差が出ることもあるでしょう。

しかし、カラーセレクトに迷うくらいなら、すべて『ゴールド』と統一してカテゴライズします。

ホワイト系

ホワイト系は膨張色といわれ、暗くても目立ちやすいカラーです。そのため、ナイトゲームではとても人気のあるカラーです。

特に、魚がルアーを見つけるのには視覚が優位に機能するため、暗闇でも目立つというのは大きなアドバンテージになります。

ナイトゲームの盛んなシーバスフィッシングでは必携のカラーです。

また、海外製のルアーにはホワイト系のルアーがけっこう存在しています。

日本の淡水の釣りでは「見切られる」という理由で敬遠されがちなカラーです。でも、海外では淡水の釣りでもメジャーなカラーの一つです。

ホワイト系のカラーも背中がチャートのチャートバック、背中がピンクのピンクバックなどがあります。

また、お腹が赤いレッドベリー、お腹がオレンジのオレンジベリーなどもあります。

あるいは、ボディに青・赤・黄色の飴玉のようなアクセントの入った『キャンディ』と呼ばれるカラーもあります。

これも、背中やお腹がどんなカラーでも、ボディの大部分がホワイトであればすべて『ホワイト』と統一してカテゴライズします。

ブラック系

ブラックは(人間の目からは)ナチュラル系にもアピール系にも見える不思議なカラーです。

ソルトシーンでは、月夜のナイトゲームではルアーのシルエットがハッキリ見えると説明されます。このような状況下では、ブラック系はアピールカラーとして語られます。

しかし、デイゲームのときに水中に落としてみると、意外に目立ちにくく、自然環境に溶け込むカラー(ナチュラル)でもあります。

ブラック系はシルバー系やゴールド系と比べると圧倒的に種類が少ないです。

売れないから。

釣れないからではなく、売れないから。

種類は少ないですけど、魚を釣るうえではかなり効果的なカラーです。

自分のよく使うルアーのカラーラインナップにブラック系がないときには

塗装の剥がれてきたルアーを、黒の油性マーカーで塗ってしまう

という方法もあります。

+αのカラー

ルアーのカラーは大きく分けると上記の4色にカテゴライズできます。

ただ、ルアーの中には上記4色とはかけ離れたカラーもけっこう存在しています。

メジャーどころでいえばクリアカラーというのがあります。色の塗っていない透明なカラー(背理)のことです。

これ↓は全身ほぼチャートリュース(チャート)系のカラーです。

チャートは、ホワイトと同様に膨張色です。そのため、ナイトゲームで好んで使われるカラーです。

しかし、水の色がグリーン系のエリアでは、チャートというのは意外に自然に溶け込みます。

ホワイト系をデイゲームで好んで使う人はそれほど多くはありません。でも、チャートはデイゲームでもごくごく普通に使われています。

もちろんクリアウォーターでのアピール系カラーとして使うこともできます。

チャートリュースは奇抜に見えてけっこう万能に使えるカラーといえます。

ショーカラ
チャートは近年の流行りカラーです

具体的なカラーの考え方

ここでカラーのカテゴライズに関する具体例をご紹介します。

たとえばコチラ↓のルアー。

いずれのルアーも、ボディ大部分がフラッシング効果の高いシルバー系のカラーです。

これらのルアーはいずれもシルバー系として考えます。

では、コチラ↓のルアーはどうか?

上のルアーはボディの大部分がシルバー系のルアーです。でも、下のルアーはボディの大部分がフラッシング効果の弱いパールホワイト(膨張色)です。

つまり、これらは別々のカラーと考えます。

カラーの揃え方

ルアーのカラーは4色+αに大別して揃えると効率的です。

シルバー系であれば何イワシであってもシルバー。ホワイト系は背中やお腹がどんなカラーでもホワイト系として考えます。

イワシの他にサヨリやボラやコノシロを揃える必要はありません。

シルバー系であれば、どれか1匹いれば十分です。イワシカラーを持っているなら、サヨリやボラなどのシルバー系はとりあえず保留にします。

ほかのシルバー系を揃えるよりも、ゴールド系やホワイト系などを揃えた方がルアーのカラーにメリハリが生まれます。

カラーはシンプルにカテゴライズしてメリハリをつける!

◆ルアーは全部で4色+α
◆同系のカラーに偏らない

釣具屋に並ぶルアーのカラーは、細かく見ていくと無数にあるように感じます。

しかし、シンプルにカテゴライズしてみると、実は4色+αほどに分類することができます。

ボディの大部分がシルバー系であれば、イワシもサヨリもボラも全部同じシルバーと考えます。

同系統のカラーは1色にまとめて考えたほうが、カラーローテーションにメリハリが生まれます

また、ルアーを買い揃えるときも、カラーはシンプルにカテゴライズした方がお財布にも優しいです。

ビギナー
あれやこれや買ってみたけど、ざっくり見てみると、どれもシルバー系だった

というリスクを防ぐことができます。

魚は目のいい生き物です。カラーの違いも識別できます。

少ないバリエーションでも魚の好みに柔軟に対応できるように、カラーはシンプルに区別・整理しておきましょう。

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