【ゼロから始める】スピンテールジグの特徴と使い方を理解する!【第11回】

第1回の記事ではシーバスフィッシングに使われるルアーの種類と、ルアーの選び方についてざっくりとご紹介しました。

このページでは、シーバスフィッシングで使われるルアーである【スピンテールジグ】についてご紹介します。

スピンテールジグとは

スピンテールジグとは

スピンテールジグとは、小魚の形をしたコンパクトな金属の塊の後部にブレードが装着されたルアーの総称です。

テイルスピンと呼ばれることもあります。

意味は同じです。

スピンテールジグ(以下『スピンテール』)は、バスカテゴリーでは古くから存在していました。

日本におけるスピンテールの元祖と呼ばれるのが写真↑のスピンソニックウォーターランド)です。

ボディの後ろにはフックではなくブレードが装着されています。

形状はバイブレーションに似ているものが多いです。

シーバスフィッシングにおける歴史はそれほど古くありません。

かつてシーバスフィッシングでは、スピンテールといえば湾ベイトベイトブレス)くらいしかありませんでした。

その後、デイシーバスの分野でパワーブレードコアマン)が大ヒットしました。

その結果、現在ではシーバスフィッシングにすっかりと定着しました。

バイブレーションとの違いは?

スピンテールとバイブレーションはボディの形状がかなり似ています。

また、アプローチできるレンジも同じような深いレンジです。

そのため「スピンテールはバイブレーションの一形態」として語られることがあります。

しかし、スピンテールに組み込まれた機能はバイブレーションとはずいぶん違うものです。

バイブレーションはボディが振動することでシーバスにアピールします。

これに対して、スピンテールはブレードの動きでシーバスにアピールします。

また、スピンテールのブレードは水を動かすだけではありません。フラッシングによる光の明滅(キラキラとした光)でもシーバスにアピールします。

スピンテールの機能はバイブレーションの機能とはまったく異なる別のルアーです。

スピンテールジグの特徴

飛距離が抜群

スピンテールはバイブレーション以上に小粒です。

でも、バイブレーションよりもかなり重いルアーです。

しかも、スピンテールの重さの公表値はほとんどのメーカーがボディだけです。ブレードの重さは含まれていないことが多いです。

ブレードを含めた重さはさらに重いです。

小さくて重いのでとてもよく飛びます。

ただ、ブレードの空気抵抗があるため、飛距離は想像の8割5分くらいになると思っておいて下さい

徹底したボトム攻略ルアー

スピンテールの特徴の一つは

ボトムを舐めるようにアプローチできる

ということです。

スピンテールは小さくて重いので、とても沈みやすく、浮きにくいルアーです。

そのため、ボトムを攻略するためのアドバンテージがとても大きいです。『ボトム特化』といってもいいくらい。

バイブレーション以上にボトムを丁寧に攻めることができます。

ショーカラ
もちろん、レンジコントロールに慣れてくればボトムより上のレンジも引くことができます

スローに引いてもアピール力が高い

スピンテールとバイブレーションの大きな違いの一つがアピールできるスピードの幅の違いです。

バイブレーションはボディが振動するスピードで使う必要があります。(当たり前の話ですが)

これに対して、スピンテールは、ボディの振動ではなく、ブレードが動くことでシーバスにアピールします。

どちらもボディまたはブレードが動くスピードで使う必要があります。

でも、スピンテールのブレードはかなりスローに引いてもよく動くようになっています。

さらに、スピンテールのブレードは水の動かすだけでなく光の明滅も発生させます。

スローに引いてもシーバスに強烈にアピールできるのはスピンテールの大きな特徴です。

根掛かりしやすい

これは「ボトムを丁寧に探れる」という性能の裏返しといえる特徴です。

とにかくバレやすい。

スピンテールは沈みやすく浮きにくいため、ボトムを丁寧に探るのに適しています。

その反面、少し油断をすると根掛かりをしてしまいます。

これはボトムを攻めるうえでは避けては通れないデメリットといえます。

バレやすい

これは小さくて重いルアーの宿命といえるデメリットです。

スピンテールはフッキングしたあとでもルアーがシーバスの口の周りでブンブン動くので、テコの原理でフッキングポイントに大きな力が加わります。

その結果、シーバスの口の周りにある薄い膜の穴が広がります。フックポイントの穴が広がることで、フックが簡単に外れてしまうことがあります。

これはバイブレーションやスピンテールのようなルアーであればどんなルアーでも起こり得る現象です。

ブレードの種類と特徴

スピンテールのブレードには大きく分けて2種類あります。

一つは丸型のコロラドと呼ばれるタイプです。そして、もう一つが細い葉っぱの形をしたウィローリーフと呼ばれるタイプです。

コロラドはブレードの立ち角度が大きく、よく水を動かすブレードです。(よく暴れます)

ウィローリーフはブレードの面積が広いので、フラッシング効果が高いです。ウィローリーフは暴れずにその場でクルクル回ります。そのため、ブレードの大きさから想像するほど水の動きは大きくありません。

このような『ブレードの機能』はバイブレーションにはまったくない要素です。

このことからも、スピンテールとバイブレーションが異なるジャンルのルアーであることが明らかです。

スピンテールジグが釣れる理由

シーバスはボトムをけっこう意識している

『シーバスの捕食』といえば

表層や中層で小魚のようなベイトを追いかけ回わす

というイメージがあります。

でも、シーバスが吐き出すベイトを見てみると、意外に多いのが底棲生物です。

ハゼ・ヒイラギなどの小魚のほか、甲殻類を吐き出すこともかなり多いです。

このボトムを意識したシーバスにアプローチするにはスピンテールは最適なルアーです。

水深が浅ければシンキングミノーでも対応できます。でも、水深が深いほどスピンテールのほうが圧倒的にアプローチしやすくなります。

ボトムを意識したシーバスは意外に多いので、スピンテールはシーバスに効果的なルアーです。

アピール力が絶大

ブレードはフィッシュイーターを惹きつけるのにとにかく効果が絶大です。

最近ではメタルジグにブレードを付けたものもあります。

あるいは、もはやネタのような多数ブレードルアーまで登場しています。

ほかの記事でご紹介しますが…

実はフィッシュイーターがベイトを発見するためには『視覚』という要素がとても重要だそうです。

光の明滅はフィッシュイーターの本能を直撃する重要なファクターなのです。

スピンテールジグの使い方

ボトムまで沈めてからのタダ巻き

スピンテールの基本的な使い方はボトムまで沈めてからのタダ巻きです。

タダ巻きで十分すぎるほどのアピール力があります。

タダ巻きで浮いてきてしまうときは、巻くスピードが速いか、潮の流れに対してルアーが軽いか、です。

この場合には、巻きスピードを遅くしたり、もっと重いスピンテールを使います。

あるいは、巻くのを止めていったんボトムを取り直すのも効果的です。

いずれにしてもレンジをしっかりとコントロールしましょう。

リフトアンドフォール

バイブレーションやスピンテール特有のアクションとして

リフトアンドフォール

という使い方があります。

ロッドをあおるように持ち上げて、その後ロッドを下げる。ルアーを「持ち上げてから落とす」というアクション方法です。

ルアーのアクションのイメージとしてはこんな感じです↓

スピンテールは沈むのが速いためストップアンドゴーはできません。また、ボディではなくブレードの動きでアピールするので『細かいロッドワークによるアクション』という概念がありません。

そこで、ロッドを大きく上下に動かして縦の動きでアクションさせるのが一般的です。

スピンテールジグの使いどき

表層~中層にヒントがないとき

シーバスという魚は、昼夜問わず、底棲生物を常に捕食対象としています。

たしかにナイトゲームではシーバスは浮いていることも多いです。

しかし、そうはいっても、シーバスが浮いているか沈んでいるかはベイトの存在や水温や水質が大きく影響します。

ボトム付近にベイトが集まっていれば、夜であろうと、当然シーバスもボトムを意識しています。

こんなときはスピンテールの出番です。

ボトムを意識したシーバスにスピンテールでアピールしてみましょう。

光量があるとき

水中では、魚の目は、人間の目よりもはるかによく見えているといわれています。

そのため、人間にはまったく見えないような真っ暗闇でも、シーバスの目からはルアーがしっかりと見えています(と思われます)。

とはいえ、ブレードの光の明滅によるアピールということを考えると、光量がないよりは光量があったほうがはるかに効果的です。

ド日中のデイゲームはもちろんのこと、朝マズメや夕マズメ。

ナイトゲームであれば外灯月明かり自動販売機やコンビニの光も効果的です。

スピンテールジグ使用上の注意点

リアフックに過度に期待しない

かつてスピンテールといえば、トリプルフックが1個だけ装着されているものがほとんどでした。

(おそらく)パワーブレードの発売以降、リアフックにブレードを装着したタイプのスピンテールを見かけるようになりました↓。

このタイプのスピンテールは従来のものと比べると、たしかにバラシが減ったように感じます(体感では)。

とはいえ、これでも普通にバレます。

関係なくバレます。

ブレード付きのリアフックに過度な期待はしないようにしましょう。

バラシはあきらめる気持ちが必要

後部にフックが付いていようと、スピンテールはバレるときはバレます。

バレやすいです。

そういうルアーです。

これは小さくて重いルアーの宿命といえる現象です。

もしバレたとしても、そういう(バレやすい)ものだと思って次のシーバスを狙いましょう。

スピンテールジグはボトムでスローにハイアピールできる必釣ルアー!

スピンテールは形状がバイブレーションに似ているため、バイブレーションと一括りにされることがあります。

しかし、ルアーに組み込まれた機能はまったくの別物です。

ブレードによる光と水の動きはバイブレーションにはまったくない要素です。

また、スピンテールは、バイブレーション以上に沈みやすいので、レンジコントロールが難しい反面、ボトムでアプローチしやすいルアーです。

バイブレーションとの機能の違いを意識しつつ、スピンテールで積極的にボトムを攻めてみましょう。

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