バチ抜けパターンといえば、兎角、バチ抜けパターン対応のルアーがクローズアップされがちです。
もちろん「ルアーなんて何でもいい」というわけではありません。
でも、バチ抜けパターンではルアーと同じくらい…ともすればルアーよりももっと重要になるものがあります。
それがライン。
バチ抜けパターンではラインの選択一つで釣果にとんでもなく影響が生じることがあります。
このページではライン選びで釣果に差がつくバチ抜けパターンについてご紹介します。
コチラ↓もおすすめです。
冬から夏前にかけてのシーバスフィッシングのお祭りパターンといえば【バチ抜け】。この時期はビギナーでも比較的簡単にシーバスを釣ることができます。その反面、中・上級者アングラーであっても中級者バチパターンは苦[…]
バチ抜けパターンの釣りの特徴は?
バチ抜けパターンの釣りとは、表層付近を流れるバチと同じレンジを、極軽量のルアーをゆっくりとナチュラルに流す釣りです(もちろん、それだけではありませんが)。
7g前後の軽量なルアーを表層で扱うことも少なくありません。
そのため、バチ抜けパターンの釣りでは極軽量ルアーをナチュラルかつ繊細に扱う必要があるという点が他のパターンにない特徴といえます。
バチ抜けパターン向けのラインの特徴
バチ抜けパターンの釣りは数あるシーバスパターンの中でもかなり特殊な釣り方です。
超軽量ルアーを流れにナチュラルに漂わせる必要があります。
そのため、バチ抜けパターンではラインに次のような性能が求められます。
➋ルアーの動きを邪魔しないしなやかさ
バチパターン向けのラインに求められるファクターとして重要なのがアングラーにとってのラインの扱いやすさです。
バチ抜けパターンは夜の釣りです。
バチ抜けと呼ばれるゴカイ類の産卵行動は夜に発生するので、バチ抜けパターンも夜の釣りになります。
ナイトゲームで超軽量ルアーを細いPEで扱おうとすると、アングラーにとってはライントラブルとの戦いになります。
そのため、バチ抜けパターンをストレスなく攻略するためにはアングラーにとって扱いやすいラインである必要があります。
バチパターン向けのラインに求められるもう一つの重要なファクターがラインのしなやかさ。
バチ抜けパターンでは超軽量ルアーを流れに乗せてナチュラルに魅せる必要があるので、ルアーの動きをなるべく邪魔しない、かつルアーを繊細に操作できるしなやかなラインである必要があります。
バチ抜けパターン向けメインライン
メインラインは細PE
バチ抜けパターンではルアーを表層でナチュラルに漂わせる必要があります。
そのため、浮力的に水に浮くPEラインがバチ抜けパターンには適しています。
また、扱うルアーが軽量であることから、なるべく細いPEの方がルアー操作がやりやすくなります。
ラインが太くなればなるほど軽量ルアーは扱いにくくなります。
基本的には太くてもPE1.0号までです。
僕は普段のシーバスフィッシングでは(基本に忠実に)PE1.2〜1.5号を使います。
でも、バチパターンのときはPE1.0号まで細くします。
障害物がない場所であれば0.8号でもいいでしょう。
ただし、あまり細くしすぎると今度はライン捌きが難しくなってきます。
指の細い女性であれば0.6号でも難なく捌けるかもしれませんが、指の太い男性の場合には0.8号でも慣れていないと扱いにくく感じます。
ここらへんは自分のライン捌きの技術と相談になりますが、0.8〜1.0号を基準にするといいでしょう。
なお、バチパターンでは軽量ルアーをキャストするため細いラインの方が飛距離的には有利になります。
ただ、飛距離(ライン)が出れば出るほどライン捌きが難しくなってライントラブルの原因にもなるので、ラインの扱いに自信のないうちはそこまで「飛距離マンセー」って感じにならない方が無難です。
おすすめは4本撚り
PEラインというのは細糸を複数本より合わせて作られた撚り糸です。
撚る糸の本数によって4本撚り、8本撚り、12本撚りという種類があります。売られているPEのほとんどは4本撚りか8本撚りです。
大まかな特徴としては、撚る本数が少ないと1本あたりの原糸の太さが太いのでラインにハリが生まれます。撚る本数が多いほど1本あたりの原糸の太さが極細になるので、ライン自体がしなやかになります。
また、基本的には撚る本数が多いほど同じ号数のラインでもやや太くなります。同じ0.8号のPEでも、4本撚りより8本撚りの方がわずかに太いです。
…というわけではありません。
そこでPEの種類は4本撚りと8本撚りどちらがいいか…?ということですが、ビギナーにおすすめなのは断然
4本撚り
です。
バチ抜けパターンには、しなやかな8本撚りの方がいいんじゃないの?
という疑問があると思います。
確かに8本撚りPEはしなやかです。
でも、ルアーのアクションに最も影響を与えるのはルアー付近50~80cmくらいのライン、つまりショックリーダーを接続するあたりです。
要するに、しなやかなラインをメインラインに使用したところでルアーに近いラインが硬ければルアーのアクションに影響が出るということです。
極端にいえば
ワイヤーリーダーの影響を受けるでしょ、絶対。
って話です。
タックルバランスとはそういうものです。
ルアーがメインラインの影響を全く受けないか?といえば、そんなことはありませんが、メインラインよりもショックリーダーがしなやかかどうかの方がルアーのアクションに与える影響は大きいということです。
それよりも、バチ抜けパターンにおいてビギナーがメインラインに求める性能は扱いやすさです。
ナイトゲームにおいて超軽量ルアーを極細ラインで扱う場合、コシのないしなやかな8本撚りPEよりも、ハリがある4本撚りの方がビギナーがラインを捌きやすくライントラブルも少ないです。
圧倒的に。
なのでメインラインにはハリがある4本撚りPEを使用します。
逆に、ハリ・コシの強いものであれば8本撚りでも全然OKです。
しなやかな方が飛距離が出るんじゃね?
PEはハリが強いラインよりもしなやかなラインの方がやや飛距離が伸びます。
風の影響なのか、ガイド抜けの影響なのかわかりませんが、しなやかな方が5%くらいは飛距離が伸びる感覚はあります。
なので、7gくらいの軽量ルアー40m近くキャストすると、しなやかなPEの方が1~2mは飛距離が伸びます。
その1~2mにどれだけこだわるか…っていう大きな問題があります笑
僕の場合は、不器用だしライン捌きも上手くないので、1~2mの飛距離の差を甘受してでもライントラブルの少ないハリのあるラインを選びます。
まぁ、この辺はお好みで…
バチ抜けパターン向けリーダー
基本はナイロン
繰り返しになりますが、バチ抜けパターンでは軽量ルアーをナチュラルに魅せるという繊細さが要求されます。
超軽量ルアーを繊細に操作するうえでは硬いラインは邪魔な存在になります。
ルアーに接続するリーダーはとにかくしなやかなものを選びたいところです。
そこで、ルアーに接続するショックリーダーにはしなやかなナイロンを使うのが基本です。
どれだけメインラインにしなやかなラインを使用しても、リーダーに硬いラインを使用してしまうと結局のところルアーの動きに影響を与えてしまうので、メインラインにしなやかなものを使った意味もなくなってしまうからです。
半世紀くらいの前の情報をもとに、フロロの方がナイロンより擦れに強いと誤解して、なんでもかんでもリーダーにフロロを使いたがるアングラーもいますが…
フロロの方がナイロンより強いってのは大昔の話だし、そもそもオープンエリアの表層をメインで攻めるのに根ズレなんてそれほど気にする必要はありません。
それよりもルアーにとっていかに邪魔な存在にならないか?という点から、しなやかなナイロンを使うのがバチ抜けパターンでは基本中の基本です。
フロロを使う場合
ただし、シーバス用のラインシステムにほぼフロロを使うことのない僕ですら、フロロを使う場合があります。
それがバチ抜けパターンのとき
矛盾しているようにも思えますが、実はバチ抜けパターンではフロロがとても活きる状況があります。
潮の流れの速い中でバチルアーのような細身・軽量のルアーを操作すると、どうしても流れに乗ってルアーが水面を滑ってきてしまうときがあります。
でも、流れが強いときって案外バチは水面よりもやや下にいることが多いです。
バチは泳ぐ力(泳力)が弱いので、流れのない場所では勢いよく水面を泳いでいても、流れが速い場所では基本的には流されるままです。
そうすると、潮の流れが速い場所を攻めるときは水面よりわずかにレンジを下げたいのに、バチルアーが水面を滑ってきてしまって釣りにならないっていう状況があります。
こういう状況のときは、ナイロンよりも比重の重いフロロリーダーをやや長めにして使用します。
ナイロンよりも比重が重くて水なじみのいいフロロをシンカー代わりに使用してルアーの浮き上がりを抑えます。
おすすめのライン
メインライン
驚異の耐摩耗性能を誇るダイワのPEラインデュラセンサーX4+Si2です。
価格も安いのでビギナーでもお求めやすいです。
×4はハリがあるので、軽量ルアーを扱うときでもトラブルレスでストレスフリーに使えます。
こちらは元祖コスパ最強PEのラピノヴァXです。
ハリが強くてトラブルレスです。
一つだけ欠点を挙げるとすると、デュラセンサーよりも毛羽立ちが早く、ハリが失われるのも早いです。
デュラセンサーよりも取り扱っているショップが多いので、デュラセンサーが入手しにくいようであればラピノヴァでも十分です。
ショックリーダー
僕が最近メインで使用しているリーダーがバリバスのシーバスショックリーダーナイロンです。
他のナイロンやフロロと比べると耐摩耗性能が極端に高いVEP製法で作られているナイロンリーダーです。
ナイロン素材なので、しなやかさは抜群なうえ、VEP-Fというフレキシブル加工が施されているのでとても扱いやすいです。
こちらはサンヨーナイロンのソルトマックスショックリーダーナイロンです。
こちらはVEPナイロンほどの耐摩耗性はなく、フロロと同程度の耐摩耗性能しかありません。
耐摩耗性能という点ではシーバスショックリーダーに劣りますが、このラインの特徴はとにかくしなやかであるということ。
今まで使用したリーダーの中ではしなやかさは抜群です。結束もとてもしやすいです。
バチ抜けパターンはラインにこだわれ!
ビギナーの頃は兎角ルアーにしか目がいかないことがあります。
バチ抜けパターンではどのルアーが釣れるか?
こんなことを悶々と考えながらバチパターンに挑みがちです。
でも、ルアーと同程度、もしくはそれ以上に大切なのがルアーをナチュラルかつ繊細に扱うためのラインです。
ルアーをナチュラルかつ繊細に扱うという点においてはラインは邪魔な存在になります。
どんなに優れたルアーを使ってもラインがしなやかでなければルアーの動きの邪魔をしてしまいます。
バチ抜けパターンを攻略するためには、ラインにこだわって、ルアーをよりナチュラルに魅せる工夫をすることが大切です。