釣り物が少なくなる冬。
寒さも加わってアングラーの重い腰は上がらなくなります。
でも、冬にこそハイシーズンを迎える魚もいます。
また、シーバスに関していえば、居る場所と居ない場所がハッキリと分かれるため、ポイントによっては、とてもイージーに複数釣果を狙うことも可能です。
このページでは、冬でも超快適に釣りができる釣り人の本気の防寒コーデをご紹介します。
防寒着にお金をかける理由
コスパの高い釣りの防寒着として近年話題なのがワークマンのイージス。YouTubeでもかなり多くのレビュー動画が投稿されています。
また、釣具屋で出会うほかのお客さんからも”高い防寒着って意味あるの?”って趣旨のことを聞かれることもあります。
確かに、”寒くない”という観点からイージスでまったく問題はないでしょう。
じゃあ、高価なアウトドア用の防寒着とリーズナブルな防寒着では何が違うのか?
もちろん防水性能や透湿性能といった細かい違いはありますが、基本的には
快適さ
もうね、これが一番大きい。
すげーおおげさにいえば、湯たんぽや灯油ストーブを持ち込んで釣りをするのと、電熱式のヒートベストを着て釣りをするのと、どっちが快適か?って話。
何度か湯たんぽと灯油ストーブを持ち込んでエサ釣りしたことありますが、全然暖かいです。
でも、ルアーマンは釣りにならないじゃん。その場所から動けないじゃん。
だったら、電熱式のヒートベストやヒートソックス履いた方が、移動もできるしランガンもできるじゃん。
ちょっとたとえが微妙だけど、要するに、
ってことです。
この「快適さ」という問題。意外と軽んじられることが多いですが、夏の夜釣りに半袖で釣りしてるのに、虫よけスプレーを持っていないことを考えてほしいです。
よっぽどアーバンサイドな釣り場じゃない限り、蚊がうっとうしくて釣りにならないですよね?
僕の場合、虫よけスプレーを忘れたら普通にその日は釣りをあきらめるって感じです。そこまでではないにしても、虫よけスプレーがあるだけでストレスフリーに釣りができるのが夏の釣りです。
じゃあ、冬の釣りの「快適さ」をどこに求めるか?
もう一言。
高価な防寒着
これに尽きます。
防寒着を揃えるときの注意点
防寒着って”暖かければいい”とか”重ね着すればいい”って思われがちですが、着かたに気を付けていないと防寒性能を最大限に発揮できなかったり、ストレスだったってことになりかねません。
防寒着を選ぶときに気をつけておかなければならないのが
・着る服はアウターを含めて3枚(+1枚)まで
・厚手の生地の防寒着は選ばない
これです。
まず、3レイヤー方式というの防寒着に関する基本的な重ね着方法です。
詳しくはコチラ
長時間冬の釣りを快適に楽しむために、服装はとても重要です。防寒着はそれ自体が暖かいので、着るだけで安心感があります。でも、防寒着にはそれぞれに最適な役割があり、その役割をこなすための機能が備わっています。防寒着に備[…]
そして3レイヤーの防寒着以外に必要なのが5種のアイテムです。
・ネックウォーマー
・タイタニュームグローブ
・防寒ブーツ
・カイロ
これらをキッチリと着用すると、まるでこたつです。少し動くと暑いくらい。
やり過ぎには注意が必要です。
やり過ぎ注意という点からいうと、5枚も6枚も重ね着をするのはNGです。やり過ぎです。着ぶくれの原因にもなります。
個人的にはベースレイヤー・ミドルレイヤー・アウターを各1枚が基本で、どうしても寒いときにミドルレイヤーに薄手のライトダウンベストを着ます。
そして、防寒着選びで重要なのが厚手のものを選ばないということです。
一見すると厚手の物の方が暖かそうですが、これがNGな理由はいたってシンプル。
動きづらくて快適じゃない
これです。
防寒着を着込んだ結果、動きにくくなってしまっては、湯たんぽを持って釣りするのと同じくらいストレスがあります。
大げさですが、とにかく動きづらくなる服装はNGです。
3レイヤーのおすすめコーデ
ベースレイヤー
ベースレイヤーは肌面に直接触れる防寒着です。
ベースレイヤーに求められる性能は吸水性・速乾性・保温性です。
ベースレイヤーとしてよく利用されるのがヒートテック。
ヒートテックはさすがに知名度があるだけあって、吸水性・保温性はかなり優秀です。
ただ、速乾性という点ではヒートテックを着るうえで一つだけ注意しておかなければならないことがあります。
ヒートテックはやや乾きにくいということ。
ヒートテックは「吸湿発熱インナー」と呼ばれ、水蒸気となった汗が水分に変わるときに発生する「凝縮熱」を利用して暖かさを生み出しています。
つまり、ヒートテックの生地には暖かさを生み出し続けられるように保水機能が備わっています。
なので、ペラペラな生地のわりには暖かいけど、やや乾きにくいといったイメージです。
ちなみに、僕は経験がありませんが、ヒートテックの生地は保水能力の限界を超えてしまうとインナー内部が蒸れて気化熱が発生し、かえって体温を奪う原因になるそうです。
基本的には、素材自体が暖かく、かつ、吸水性・速乾性の高いベースレイヤーが理想です。
僕が最近好んで使っているのがおたふく手袋のヒートブーストと呼ばれるシリーズ。
これは裏起毛で保温しつつ、適度な着圧感と素材の伸びがあるのでとても着やすいインナーです。吸水性・速乾性もまずまずです。
なお、ストッキングのほうはヒートブーストシリーズではなく、おたふく手袋のパワーストレッチサーモデオというシリーズを使用しています。
たいした理由ではありませんが、ヒートブーストシリーズのストッキングはなぜか股上が浅くてローライズ気味なので、おたふく手袋のサーモデオというシリーズを履いています。
ソックスは、実はかなり個人差の大きいインナーです。
足に汗をかきやすい人もいれば、乾燥気味の人もいます。
乾燥気味の人は厚手のアルパイン用のソックス+靴用カイロがおすすめです。
足裏乾燥気味の僕が愛用しているのがキャラバンのメリノウールソックスです。これは足の先まで暖かく、靴用カイロを併用するとまるでこたつです!
僕は経験がありませんが、足に汗をかきやすい人は1日釣りをすると靴下もかなりビショビショになるらしいので、薄めの速乾性の靴下の重ね履きがいいそうです。
どうしても足先が寒いときは靴用カイロも併用しましょう。
ミドルレイヤー
ミドルレイヤーはベースレイヤーのうえに着る防寒着です。
ミドルレイヤーに求められる性能は保温性・速乾性(通気性)です。
ミドルレイヤーでよく利用されるのはフリースで、フリースは安価で入手しやすいことからおすすめのミドラーといえます。
僕が長年愛用しているのはハヤブサのフリーノットというブランドのジップアップシャツです。
フリーノットのウェブサイトによるとジップアップシャツは「超厚手」と表示されています。
でもこれは、ベースレイヤーのようなインナーシャツ基準では「超厚手」といえますが、ミドラーとしては全然「超厚手」でもなんでもありません。
それどころか、フリースのようにダボッとしたシルエットではなくスリム系のシルエットなので、アウターを着用しても動きの妨げになるようなことはありません。
そして何よりも暖かく、速乾性も比較的高いです。
僕の妻はまったく釣りをしませんが、僕のジップアップシャツを着たところ、暖かくてとても気に入ってしまいました。
それ以来、僕のジップアップシャツを妻が普段着としてヘビーユースしています。
かなりボロボロになったので、二人して2年ほど前にジップアップシャツを買い替えたところです。
ここ10年くらい、ミドラーはフリーノット一択で冬の釣りを楽しんでいます。
ミドラーのパンツは保温性・通気性・ストレッチ性・軽さという観点から裏起毛のジャージ素材のものを愛用しています。
一応アウターを脱いでもスタイリッシュに活動できるようにナイキの裏起毛ジャージがメインです(笑
アウトレイヤー
アウトレイヤーとは、いわゆる「アウター」のことです。
防寒着=アウターと考える人も多く、防寒着として真っ先に注目を浴びるのがアウトレイヤーです。
アウトレイヤーに求められる性能は防風性・防水性・透湿性です。保温性は三の次、四の次です。
アウターは”とにかく暖かいもの!”と誤解しがちですが、アウターの一番の目的は衣類内部をドライに保つことです。
近年注目を浴びるアウトレイヤーはイージス(ワークマン)ですが、僕がおすすめするのは圧倒的にアウトドア用のゴアテックス素材のもの。
ゴアテックス素材のアウターは衣類の内側のサラサラ感がケタ違いに素晴らしい!!
アウターは衣類の一番上に羽織るので、できればデザイン性も重視したいところです。
快適に釣りができるゴアテックスのアウターでデザイン性を考えると従来はダイワ一強という感じでした。
ただ、最近はシマノのゴアテックス採用の防寒着もスリムシルエットになり、けっこうスタイリッシュになってきました。
ニットキャップ・ネックウォーマー
ニットキャップとネックウォーマーは釣りのみならず冬のお出かけには必須のアイテムです。
ネックウォーマーは意外と忘れられがちですが、いわゆるスリーネック(首・手首・足首)が冷えると体全体の運動機能が低下するので、ネックウォーマーは忘れずに着用しましょう。
アウターを準備するときは、ネックウォーマーの着用も想定して、首元に充分に余裕があるものを買いましょう。
ニットキャップは何でも構いませんが、着用するときは必ず耳が隠れるものにしましょう。
タイタニュームグローブ
冬の釣行におけるマストアイテムがタイタニュームグローブです。
ウィンタースポーツと違って、釣りはラインを結んだりルアーを交換のためにスナップを開閉したり、なにかと細かい作業が多いです。
ただ単に暖かければいいというわけではありません。
釣りには釣りに適したタイタニュームグローブというものがあります。
タイタニュームグローブはクロロプレン素材の内側にチタン合金フィルムがインサートされているものが多く、とにかく断熱性・保温性・伸縮性に優れています。
防寒ブーツ
僕が近年になってようやくその良さに気づいたのがボア付きの防寒ブーツ。
もうね、メチャクチャ暖かいのにスゲー軽いのよ、これが。
ハッキリ言おう。
メリノウールソックス+防寒ブーツ+靴用カイロがあれば冬の釣りで無双できるわ。
冗談抜きにいえば、正直なところトップスとかボトムスって(快適かどうかはともかく)着込めばなんとでもなるんですよ。
でも、デスクワークもそうですが、つま先の冷えって本当に集中力が奪われるんですよね。
足首より下の部分が暖かいかどうかというのは、釣りの集中力、ひいては釣果も左右するとても重要なポイントなのです。
そんなに高いものでものないので、ボア付きの防寒軽量ブーツは騙されたと思って一度使ってみてほしいです。
マジで快適だから。
カイロ
以上の防寒着を揃えれば、基本的には0℃前後でも全然いけます。
ただ、”3枚だけじゃ心配!”と思ったあなた。
最後に頼るのは防寒着の重ね着ではありません。
アナログですが、貼るタイプの使い捨てカイロです。
カイロを使うときのポイントは貼る場所です。
貼った場所をピンポイントに温めようとするのではなく、ピンポイントで貼りつつ体全体を温めるように貼ります。
具体的には
・お腹
・鼠径(そけい)部
です。
肩甲骨の間は首にも近く、また、背中は面積が広いので寒さを感じやすいため、この部分に貼ります。
お腹は、女子に”お腹に貼るのがいいらしいよ”って教えられたことがあるので鵜呑みにしてそのまま貼っています。
鼠径(そけい)部は股関節の近くの場所で、大腿動脈という大きな動脈が通っています。体を流れる血流を温めることで手足の先の方まで温まりやすくなると病院で教えられたので、これを実践して鼠径部を温めるようにしています。
本気の防寒で冬のこたつフィッシング
最近ではリーズナブルな防寒着がお手軽に買えるようになってきました。
その反面、暖かさだけがクローズアップされるようになり、それぞれの防寒着の役割や機能が正確に伝えられにくくなってきました。
冬は人間が活動するには少々億劫な季節といえます。
でも、冬だからこそ釣れるという魚種もたくさんいます。
また、冬は他人と競合する機会も減り、魚や釣り場のことをよく知る絶好のチャンスです。
防寒着の効果的な着かたを覚えて、快適な冬のフィッシングライフを送りましょう。