【ゼロから始める】バイブレーションの特徴と使い方を理解する!【第10回】

第9回の記事ではバイブレーションの種類についてご紹介しました。

このページでは、【バイブレーション】の特徴と使い方についてご紹介します。

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バイブレーション共通の特徴

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圧倒的な飛距離

バイブレーションプラグ(以下『バイブレーション』)の大きな特徴の一つが

圧倒的に飛距離が出る

ということです。

バイブレーションはウエイトのわりにはボディのサイズがとてもコンパクトです。

なので、空気抵抗の少ないオモリのように投げることができます。

ビギナーが投げてもそこそこ安定した飛距離が出ます。

安定して飛距離が出るバイブレーションはシーバスフィッシングととても相性のいいルアーです。

アプローチできるレンジ幅が広い

バイブレーションは種類が多いだけではなく、同じルアーから多くの派生モデルが発売されています。

たとえばシーバスフィッシングでもっとも有名なレンジバイブ

45mm(6.3g) 55mm(10g) 70mm(15g)
80mm(23g) 90mm(28g) 100mm(33g)

と6モデルが発売されています。

各モデルのウエイトが違うということは、同じレンジバイブでもアプローチできるレンジが変わるということです。

ショーカラ
もちろん、45mmと100mmのレンジバイブを1本のロッドで扱うことはありませんが…

シーバスのオカッパリに関していえば

70mm(15g) 80mm(23g) 90mm(28g)

あたりを揃えておけばかなり広範囲のレンジをアプローチすることができます。

根掛かりしやすい

バイブレーションはシーバスととても相性がいいです。しかし、ビギナーにおすすめしにくいルアーの代表格でもあります。

その最大の理由が

根掛かりしやすい

ということ。

ビギナーの頃はルアーがボトムにあたる感覚を感じ取りにくく、着底したままルアーを放置してしまうケースがあります。

ルアーが着底したまま放置してしまうと、根掛かりが頻発します。

「着底を感じる」ことに慣れてくると極端に根掛かりは激減します。とはいえ、ビギナーの頃にはなかなか難しいものです。

エビ現象が発生!

バイブレーション特有の現象として後ろのフックがラインを拾ってしまう

エビ現象

というものがあります。

ルアーがエビってしまうと、そのキャストは捨てキャストになってしまいます。すぐにルアーを回収しなければなりません。

慣れてくるとエビ現象はほぼ防ぐことができます。でも、完全に防ぐことはなかなか難しいです。

一つの解決策としてフォール中のラインの放出を止めてしまう方法があります。

つまり、ルアーが着水すると同時にリールのベールを戻してしまう方法です。

実はこれでかなりの確率でエビ現象を回避することができます。

ただ、フォール中のラインの放出を止めてしまうということは

ルアーが海底へ沈下しながら自分の方に寄ってきてしまう

ということにほかなりません。

ラインを放出したままルアーを沈下させると、ルアーは着水地点からそのまま真下に落ちます。

ショーカラ
もちろん潮の流れの影響は受けます

しかし、ルアーが着水したと同時にラインの放出を止めてしまうと、それ以上ラインが出て行かないので、ルアーは自分の方に向かって引っ張られながら沈下していきます。

自分の方に引っ張られながら沈下していくということは、それだけ飛距離が無駄になるということです。

水深が深くなればなるほど飛距離の無駄が大きくなります。逆に、水深が3m程度であれば、さほど気になる問題ではありません。

いずれにしても、(解決手段はあるものの)バイブレーション特有のエビ現象という問題が起こり得るということです。

バイブレーションのタイプごとの特徴

クラシックタイプの特徴

このタイプのバイブレーションの特徴は、水中の変化を感じ取りやすいということです。

クラシックタイプはヘッド部分の水を受ける面がとても広いです。それだけ、水の抵抗や流れの変化を感じ取りやすいという特徴があります。

また、水を受ける面が広いので、水中でより多くの水を動かすことができます。これはアピール力が高いということです。

さらには、クラシックタイプには『ラトル』と呼ばれる音でアピールする機能が搭載されているものもあります。

クラシックタイプは、水をよく動かして、音でも魚を惹きつけられるアピール力の高さが特徴です。

シャープなタイプの特徴

レンジバイブのナイフエッジ構造に代表されるのがシャープなタイプ。このタイプのバイブレーションは、シーバスではもっともスタンダードなタイプです。

シャープなバイブレーションは、飛距離が出しやすいという特徴があります。

シャープライプはクラシックタイプと比べると体高もボディの厚みも控えめです。

そのため、空気抵抗が少なく、安定して飛距離を出すことができます。

その反面、ヘッド部分は水の抵抗をあまり受け止めません。そのため、水の抵抗や流れの変化を感じ取る能力はやや劣ります。

また、シャープタイプにはラトル機能が搭載されているものはほぼありません。

シャープタイプは、よく飛んで広範囲を探れるけどアピール力がやや控えめという特徴があります。

メタルバイブレーションの特徴

シーバスフィッシグで大人気のメタルバイブレーション(写真下)。アイアンプレートなどがその代表格といえます。

メタルバイブレーションには大きな特徴が二つあります。

一つは圧倒的な飛距離です。

メタルバイブレーションは

重い小粒空気抵抗が少ない

という飛距離を伸ばすために必要な要素が高次元で備わっています。

そのため、どのタイプよりも圧倒的な飛距離を叩き出すことができます。

もう一つは強波動によってアピール力が高いということです。

メタルバイブレーションはボディが薄いので、クラシックタイプのようにヘッド部分で水を受けるわけではありません。

でも、ボディからお尻にかけて薄い鉄板になっていて、この部分が少しの水流でも大きく動く構造になっています。

言葉で説明するのもわかりにくいですが…

ブルブルとルアー全体が小気味良く振動するクラシックタイプに対し、

ラインアイの部分を支点にしてルアー後方部がバタバタと暴れるのがメタルバイブレーションです。

メタルバイブレーションはボディの薄さに反して、とても巻き抵抗の強い(水押しの強い)ルアーです。

さらに、ボディの抵抗が少ないので、同じウエイトであればどのタイプよりも素早く沈みます。

圧倒的によく飛んで、縦にも横にも立体的にも素早く広範囲に探れるのがメタルバイブレーションの特徴です。

バイブレーションが釣れる理由

立体的かつとても広範囲に探れる

シーバスフィッシングは、ストラクチャー(障害物)を狙うよりもオープンエリアで回遊性シーバスを狙うことの方が圧倒的に多い釣りです。

探れる範囲が広ければ広いほどシーバスに出会える確率が高くなる

と一般的には説明されています。

バイブレーションは飛距離が出るうえに幅広いレンジをアプローチすることができます。

立体的にも広く探ることのできるバイブレーションはシーバスととても相性のいいルアーなのです。

アピール力が抜群で勝負が早い

バイブレーションはルアーサイズのわりにはアピール力の高いルアーです。

また、モデルによってはラトルが搭載されており、音でもシーバスにアピールできます。

バイブレーションは、やる気のあるシーバスに見つけてもらいやすいルアーです。

シーバスはボトムをけっこう意識している

『シーバスの捕食』といえば

表層や中層で小魚のようなベイトを追いかけ回わす

というイメージがあります。

でも、シーバスが吐き出すベイトを見てみると、意外に多いのが底棲生物

ハゼ・ヒイラギなどの小魚のほか、甲殻類を吐き出すこともかなり多いです。

このボトムを意識したシーバスにアプローチするにはバイブレーションが最も効果的です。

水深が浅ければシンキングミノーでも対応できます。でも、水深3mくらいになればバイブレーションのほうがはるかにアプローチしやすくなります。

ボトムを意識したシーバスは意外に多いので、バイブレーションはシーバスに効果的なのです。

各タイプごとの特徴の比較

各タイプごとの特徴を主だった機能について比較すると次のような感じになります。

飛距離・沈下スピードについては

メタルバイブ > シャープタイプ > クラシックタイプ

という感じ。

アピール力については

クラシックタイプ ≒ メタルバイブ > シャープタイプ

という感じ。

シーバスのスレやすさ

クラシックタイプ ≒ メタルバイブ > シャープタイプ

という感じです。

メタルバイブレーションは、とてもよく飛んで、素早く広範囲に探れてアピール力も高いですが、魚がスレやすいといわれています。

逆にシャープタイプは、よく飛んで、探れる範囲もけっこう広いですが、アピール力は控えめです。

クラシックタイプは、よく飛びますが、ルアーによってはバランスを崩しやすいものもあります。また、アピール力については、ボディの形状やラトルの有無・ラトル音の大きさや質によって変わります。

バイブレーションの使い方

常にレンジを意識する

バイブレーションを使うときにもっとも意識しなければならないのが

レンジ

です。

ビギナー
俺は漢らしくボトムしか攻めない!

というのであれば別です。

でも、レンジごとに細かいアプローチをしたい人は、レンジを意識した使い方をしなければなりません。

具体的には、最初のキャストでいったんボトムまで沈めます。このときにカウントアップします。

カウントアップのテンポは好みでかまいません。

ショーカラ
1・・・・2・・・・3・・・・

でもいいし、

ショーカラ
1・2・3・4・5

でもOKです。

個人的には細かいテンポの方がレンジがコントロールしやすいです。

1秒1カウントである必要はまったくありません。自分の数えやすいテンポでカウントアップしましょう。

ボトムに着底するまでのカウントを数えたらレンジを刻めるようになります。

カウント20で着底するエリアで、カウント10で巻き始めます。そうすることで、そのエリアにおける真ん中のレンジを引くことができます。

カウント15で巻き始めると真ん中よりやや底層よりを引くことができます。

あるいは、バイブレーションの重さで微調整することもあります。

たとえば、中層を引きたいのに沈むのが速すぎるということもあります。この場合には、少し軽めのバイブレーションを試してみましょう。

幅広いレンジでアプローチできるのがバイブレーションのメリットです。常にレンジを意識して使ってみましょう。

タダ巻き

バイブレーションの基本的な使い方はタダ巻きです。タダ巻きでも十分アピール力が高いです。

逆に、細かいロッドワークに対するレスポンスはあまり良くないものが多いです。

バイブレーションにはリップが付いていないため、細かいアクションを加えたところで

ブルブルッ

と強めに震えるだけ、というバイブレーションが普通です。

最近のルアーのなかには、細かいロッドワークで横に飛び跳ねたりするものもあります。

モンキー69バイブとか。ライキリとか。

こういうルアーはアクションさせて使ってみるのも面白いでしょう。

ただ、多くの場合はタダ巻きが超基本的な使い方になります。

リフトアンドフォール

バイブレーション特有のアクションとして

リフトアンドフォール

という使い方があります。

ロッドをあおるように持ち上げて、その後ロッドを下げる。ルアーを「持ち上げてから落とす」というアクション方法です。

ルアーのアクションのイメージとしてはこんな感じです↓

バイブレーションは沈んでしまうのでストップアンドゴーはできません。また、細かいロッドワークによるアクションには不向きです。

そこで、ロッドを大きく上下に動かして縦の動きでアクションさせるのが一般的です。

バイブレーションの使いどき

表層に目に見えるヒントがないとき

シーバスフィッシングにおいてもっともシンプルに釣れるシーバスは、表層付近を意識して捕食モードに入ったやる気のある魚たちです。

このやる気のある魚たちは、目線の先を泳ぐルアーであれば、それほどシビアにならなくてもルアーを食ってきてくれます。

でも、(当たり前の話ですが)こんなやる気の魚にいつも出会えるわけではありません。

場合によっては

ビギナー
表層にまったく何の気配も感じられない…

という状況もたくさんあります。当たり前のようにあります。

そんなときはバイブレーションを沈めてボトム付近を探ってみましょう。

上記のとおりシーバスは意外にも底棲生物をけっこう捕食しているものです。

表層や中層を泳ぐ群れた小魚だけを捕食しているわけではありません。

表層にシーバスの手がかりがないときにボトム付近を探ってみるのは、とても効果的なアプローチ方法です。

サーチルアーとして

水深もわからないような初場所で釣りをする場合。まずはバイブレーションから使ってみるのも選択肢の一つです。

ミノーやシンキングペンシルよりも効率的に水深を把握することができます。

目の前のポイントの状況をテンポよく把握していくには、飛距離が出て素早く沈んでくれるバイブレーションが有効です。

また、バイブレーションを沈めている途中にベイトの群れにルアーが当たる感触が伝わってくることがあります。

つまり、バイブレーションはベイトの存在を把握するためにも使えるのです。

広範囲を立体的に素早く探れるバイブレーションは、目の前のポイントをサーチするためのルアーとしても大活躍してくれます。

バイブレーションの使い分け

基本的な使い分け

バイブレーションには大きく分けて

クラシックタイプシャープなタイプメタルバイブレーション

の3タイプがあります。

この使い分けを気にするアングラーも少なくないようです。

これについては、特に決まりはありません。

上記のような各バイブレーションの特徴を活かせる使い方がいいでしょう。

広範囲を立体的に素早くサーチしたい場合には、メタルバイブレーションだけを投げることもあります。

ボトムに絞ってシーバスを探したときは、ラトル音のあるクラシックタイプから投げることもあります。

音に反応がないときは、一番アピールが控えめのシャープタイプで『食わせ』を意識することもあります。

各バイブレーションの特徴をしっかりと理解したうえで、特徴に合った使い分けをしましょう。

役割の違い(アピールの強弱)は明確に区別する

バイブレーションをローテーションするときの注意点があります。

それはバイブレーションの役割の違いをハッキリと意識することです。

役割を明確に区別したほうが、釣果があったときに釣れた仮説を立てやすいです。

たとえば、シャープタイプのバイブレーションからラトル入りのクラシックタイプに変えてシーバスが釣れたとします。

このとき

ビギナー
音が効いたのかな?

と考えることができます。

でも、シャープタイプの微波動のバイブレーションから、別のシャープタイプの微波動のバイブレーションに変えてシーバスが釣れた場合。

どんな機能が作用してシーバスが釣れたのか?という仮説がとても立てにくくなります。

ビギナー
釣れはしたけど、なんで釣れたんだ…

バイブレーションはタイプによって組み込まれた機能が明確に異なるので、機能の違いを意識したローテーションをした方が経験値として活きてきます。

バイブレーション使用上の注意点

ビギナーがバイブレーションを使用するときに一番気になるのが根掛かりです。

慣れないうちはバイブレーションがボトムに着底した感触はわかりづらいものです。そのままボトムに放置してしまって根掛かりする…ということもよくあります。

これを恐れて、しっかりとボトムを取らなかったり、そもそもバイブレーションの使用を避けるというビギナーもおられます。

でも、これではバイブレーションプラグの使い方を覚えることはできません。

根掛かり回避におすすめなのが、バイブレーションのフックをトリプルフックからダブルフックに変更することです。

これをすることにより、根掛かり率が(体感で)半分くらいまで減ります。

ビギナー
フッキング率も下がるんじゃないの?

という心配もあるかもしれません。

確かに、トリプルフックよりもダブルフックの方がフッキング率は下がるのが普通です。

でも、フッキング率を気にしてバイブレーションをしっかりと使えないというデメリットを考えると、フッキング率には多少目をつぶってでもバイブレーションをしっかり使えた方がよっぽど有益です。

さらには、バスカテゴリーに多い前傾姿勢のバイブレーションを使うという選択肢もあります。

前傾姿勢のバイブレーションを使うことで、リトリーブ中の根掛かりをさらに減らすことができます。

根掛かりが心配な場合は、バスカテゴリーのバイブレーションをダブルフックにして使ってみましょう。

バイブレーションはサーチルアーの代表格!

バイブレーションは広範囲を立体的に素早くサーチできる、シーバスフィッシングに欠かすことのできないルアーです。

その反面、根掛かりを恐れるあまり、ビギナーの頃には、そもそもバイブレーションを使わなかったり、使ったとしてもルアーをボトムにしっかりとコンタクトさせるのを避けたりしがちです。

でも、バイブレーションの根掛かりはフックを交換するだけで格段に減らすこともできます。

根掛かり防止対策をしつつ、バイブレーションをしっかりと投げ込んでみましょう。

今まで出会うことのできなかったシーバスに出会えるようになります。

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