

ルアーフィッシングを始めると、ルアーの使い方について誰もが一度は考えたことがあるでしょう。
そこで、多くのアングラーは、メーカーやプロの解説動画などを見て学びます。
そして、そのルアーの使い方について、ついついメーカーやプロの提唱する使い方に引きずられてしまいます。
その結果、「このルアーはこう使うべき」と固定観念に縛られてしまい、他の可能性を試せなくなります。
しかし、ルアーはただの『道具』です。
自由な発想で使うことで、新しい釣果や発見につながります。
このページでは、自由にシーバスルアーを使うことの重要性について紹介します。

最近の釣りメディアでは、釣りに関する情報がメーカーのために中・上級者目線で発信されるようになりました。ナチュラルリリースでは、ビギナー目線で語られることが少なくなった「釣りに関する『キホンのキ』」をビギナー目線で発信しています。
ルアーは『エサ』ではなく『道具』

ナチュラルリリースでは何度もご紹介してきたことの繰り返しです。
ルアー(lure)という単語は日本語で『疑似餌』と訳されます。つまり、ニセモノのエサです。
そのため「本物の餌に近づけて使うもの」と誤解されがちです。
しかし、実際のところ、ルアーをエサではありません。
ただのプラスチックの塊であり『道具』です。
そして、道具であるならば、基本用途以外に使うのも自由です。
目的を達成できるなら、自由に使えばいいのです。
たとえば「ポッパーはポコポコと音を鳴らす」「シンキングペンシルはスローなタダ巻き」といったルアーの基本的な使い方があります。
しかし、道具の本質というのは、目的を達成するために(本来の用途以外にも)自由に使えることにあります。(後述)
固定観念に縛られず、状況や目的に応じてルアーの使い道を工夫することで新しい釣果につながります。
近年、転売ヤーの暗躍によるルアーの価格高騰が問題になっています。小売価格2000円ほどのルアーが6000円とか…。それでも買おうと思うアングラーが居るからこそ成り立つ商売ともいえます。でも、本当にそんなにお[…]
心理学から読み解くルアーフィッシング
『機能的固着』という障害
心理学に機能的固着という概念があります。
これは、物の本来的な使用方法に縛られて、その他の使用方法による問題解決が妨げられる心理状態のことです。
機能的固着の有名な実験として挙げられるのがロウソク問題。

「ロウソク・マッチ・画鋲を使って、火をつけたロウソクを壁に取り付ける」
というシンプルな課題です。
多くの人は、画鋲でロウソクを壁に留めようとしたり、溶けたロウを使ってロウソクを壁に固定しようとします。
しかし、この場合のスマートな解答はそうでありません。
マッチ箱を画鋲で壁に固定して、燭台として利用し、マッチ箱の上にロウソクを立てる
というものです。

「マッチ箱はマッチを入れるための容器」という思い込みが、問題を解決するための障害になるのです。
ルアーの使い方も一つではない
ルアーフィッシングでも同じことがいえます。
SNSやYoutubeで見た「このルアーはこう使うべき」という使い方に縛られると、新たな使い方を知る機会や釣果を逃してしまいます。
しかし、ルアーというのは単なる道具にすぎません。
基本的な使い方と違っていたとしても、活用できるであれば自由に使えばいいのです。
シーバスのルアーをフル活用していくテクニックの元になるのは、固定観念に縛られない自由な発想ということができます。
固定観念に縛られないための考え方
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プロアングラーの使い方を学ぶことはとても大切なことです。
経験豊富なプロアングラーの基本をマネすることは、釣果を上げるうえでの第一歩ということができます。
しかし、それだけで終わると、自分の釣りの選択肢はその範囲に限定されてしまいます。
最初は「こう使わなければならない」という思い込みでもいいでしょう。
しかし、自分の頭の中で「(最初に学んだ選択肢を)こう使うのも一つの選択肢」と柔軟に解釈するできるようになると、釣りの楽しさが一気に広がります。
身近な例でいえば、マイナスドライバーがあります。
マイナスドライバーはマイナスネジを回す道具です。
しかし、プラスネジを回すのにも使えます。あるいは、固い瓶の蓋にねじ込んで、こじ開けるために使うこともあります。
当然、これはマイナスドライバーの本来的な使い方ではありません。
しかし、「マイナスネジを回すもの」という固定観念を取り払うことで、日常生活の問題を解決する手段としてマイナスドライバーがさらに役立ちます。
ルアーも同じです。
メーカーの公式Youtubeなどでは、ルアーの使い方が紹介されています。
ただ、その使い方に限定する必要はありません。
状況や目的に応じて自由に活用することで、新たな1匹につながっていくのです。
自由な発想でルアーを使ってみる

一つめの具体例は、ポッパーをスローリトリーブすることです。
ポッパーの基本的な使い方は『ポッピング』です。
そこを、あえて音を立てずにゆっくり水面を引くことで、小魚が無警戒に泳ぐ様子を演出し、プレッシャーの高いシーバスに口を使わせることができる…かもしれません。
音や水泡といった派手なアクションではなく、水面を引き波を立ててゆっくり引くことができるというポッパーの特性を利用するのです。
もう一つの具体例として シンキングペンシルを積極的にアクションさせることです。
シンキングペンシルといえば、通常はタダ巻きやスローリトリーブが中心です。
しかし、シンキングペンシルをトゥイッチやストップ&ゴーで小刻みに動かすことで、逃げ惑うベイトのような不規則な動きを演出できます。
このような不規則な動きで、食い気のないシーバスの捕食のトリガーを引くことができるかもしれません。
どちらの方法も、メーカーのYoutubeチャンネルや定番解説に登場することはほとんどありません。
だからこそ、固定観念にとらわれず自由な使い方を試みることで、思わぬ釣果につながることがあります。
このような発想こそが、シーバスルアーをフル活用していくテクニックの元になっていくのです。
ビギナーに伝えたい『遊び心』の大切さ
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釣りを始めたばかりの頃は、まず基本を学ぶことが大切です。
また、ステップアップの手段として、プロアングラーらが提唱するテクニックを試すのもいいでしょう。
しかし、それで学んだことがすべてと考えると、それ以上の釣果アップを望むことはできません。
ルアーの使い方に慣れてきたら、自分でも自由に試す『遊び心』を持つことが重要です。
自分なりの使い方を試すことで、新たな発見があり、経験値がグンッと上がります。
正解(と思われるもの)を追うよりも、「自分のスタイル」を試すことで、釣りの楽しさは倍増します。
使い方は1つじゃない!自由な発想のルアー活用術!!
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ルアーはエサではなく、単なる道具です。
道具として活用できる範囲であれば、その使い方はアングラーの自由です。
「このルアーはこう使うべし」という固定観念に縛られる必要はありません。
自由な発想でルアーを使ってみることで、新たな釣果につながり、釣りの楽しさも広がります。
一投ごとに、シーバスとの新しい出会いや発見を楽しみましょう。