imaのルアーを代表する超人気ルアー【sasuke120 裂波】。
ファットなボディに似合わず、とんでもない飛距離を叩き出す『釣れるルアー』としてシーバスシーンでは大人気です。
最近は後発の長距離砲によって存在感がやや薄くなってきていました。
しかし、ima独自の最新重心移動システム【MRDシステム】を纏って【サスケ120 裂空】としてモデルチェンジしました!
このページではMRD化が待ち望まれた【sasuke120 裂空】をご紹介します。
sasuke120 裂空とは?
sasuke120裂空とはimaの代名詞ともいえるimaを代表するリップレスミノーsasuke120裂波のモデルチェンジルアーです。
imaはsasukeとkomomoでリップレスミノーというジャンルを開拓したといっても過言ではありません。
そのリップレスミノーのうち、シャローエリアを攻略するためのkomomoに対し、汎用レンジを攻略するためのルアーがsasukeです。
サスケは汎用性が高いルアーであるうえ、裂波はリップレスミノーでありながら水掴みの良さから少々の荒波にも負けないので、外洋やサーフでも使いやすいルアーとして多くのシーバスアングラーから高い支持を得ていました。
その裂波が、今回新たにima独自の重心移動システムであるMRDシステムを纏ってフルモデルチェンジしました。
それが【sasuke120裂空】です。
MRDシステムとは?
imaのMRDシステムとはMagnetic Rebound Driving(マグネティック・リバウンド・ドライビング)の略で、キャスト時に後方へ移動したウェイトを磁力の反発力で強制的に前方へ戻す重心移動システムです。
MRDシステムはルアーのウエイトの移動がスムーズであるため従来の重心移動システムよりも飛距離が出るうえ、キャスト時に後方に移動したウエイトを磁力の反発力で強制的に前方へ戻すため、ウエイトが後ろに残ってしまってアクションエラーを起こる…というリスクがほぼありません。
その点では初心者にも非常に扱いやすい重心移動システムといえます。
2019年に発表されたimaルアーの新重心移動システムであるMRDシステム立ち上がりの早さを売りにした重心移動システムとして世に登場しましたが、思わぬほどに飛距離が!このページではimaのMRDシステムについてご紹[…]
ディテール
見た目は完全に裂波です。
正直、パッと見では裂波と裂空を区別することはほぼできないでしょう。
少なくとも僕には区別できません。
よーく見比べると微妙〜な違いが…あるかな…??
ほんの気持ちだけ裂空の方がファットかな?という程度。
ウエイトは17g→20gにアップしています。
大型のウエイトを積めるMRDシステムの恩恵といえます。
リップの形状はリップレスミノーの先駆けともいえるアイマお得意のレードルリップ形状です。
一晩投げ倒してみた
キング・オブ・シーバスミノーといえる裂波のモデルチェンジということもあり、嬉しさのあまり一晩投げ倒してきました。
裂空と裂波だけ持ってね。
とりあえずロッドは2本準備。
1本目はワールドシャウラ2752R-2
僕が中海〜大橋川〜宍道湖で一番よく使う7.6ftのロッドです。適合ルアーウエイトは〜21g
2本目は9.0ftの少し強めの自作ロッド。
適合ルアーウエイトは〜30gですが、メタルジグなら60gくらいまではいつも投げているロッドです。
ロッドをチェンジしながら、投げやすさや手元に伝わる振動、見た目の動きの違いなんかを裂波と比べてみました。
すると、思いもよらぬ結果が…
良くなった点
フックが大きくなった
裂空のフックは大型の#3(ST-46)が2つ。
裂波のフックは#6が3つ付いていました。
裂波のようにフック3つだとフッキング率は上がりますが、1つあたりのフックが小さいため、大型シーバスが掛かった場合にはフックがしっかり刺さっていないとエラ洗いでバラす原因にもなっていました。
フックが大きくなったことで大型シーバスとのやり取りも安心してできるようになりました。
まぁ、これは投げなくてもわかってたし、ある意味一番嬉しい変更点かも。
超絶投げやすい+飛距離も出る
みんなが一番関心ある部分といえば、やはり飛距離だと思う。
裂波も相当な飛距離の出るルアーですが、裂波のような従来型の重心移動システムではファットボディのミノーってかなり投げにくい。
上手くキャストできたときには気持ちよく飛んでいきますが、そもそもミノーって飛ばしにくいルアー。
そのうえ、裂波のように空気抵抗とボディバランスで飛距離を稼ぐタイプのルアーになるとほんの少しのリリースポイントのズレがモロに飛距離に影響を与えるので、初心者が安定して飛距離を出すのがかなり難しいです。
飛んだり飛ばなかったり…
なので、裂波はとてもよく釣れるルアーなのに、ちょっと初心者には勧めにくいルアーでもありました。
ところが、この裂空。
マジで気持ちイイくらいにスコーーーーーンと飛んでいく。
これはけっこう感動を覚えますよ。
飛距離もまあまあ伸びています。
MRDの最大の売りは基本的に立ち上がりの早さという点にあるのですが、なぜか飛距離にも超絶な気持ち良さがある。
裂波が投げにくいなぁ…って感じていた人にはマジで使ってほしい。
裂空は本当に投げやすいので。
まさに『空(くう)を切り裂いて飛んでいく』という感触を味わうことができます。
重心戻し不要でストレスフリー
初心者の頃に僕がとても面倒に感じていたのは
『重心移動システムのウエイトを戻す作業』
です。
移動重心ルアーはキャスト時にウエイトが後方に移動するので、リトリーブ時には最初にワントゥイッチしてウエイトを前方に戻してやらないと、ウエイトが後方に残ったままになって全然アクションしないってことがあります。
もちろん裂波でもそういう事象はありました。
でも裂空は磁石の反発力でウエイトが勝手に前方に戻るので、アングラー側でウエイトを戻してやる必要はありません。
これはAR-Cシステム(シマノ)にもいえることですが、余計な作業が要らないなのは本当にストレスがなくて使いやすいです。
改悪じゃないの?…という点
泳ぎが弱い
これは本当に残念でならない点ですが、アクションのパラメーターをロールに振りすぎじゃない?…ってくらいロールが強い。
リップレスミノーなのにブリブリ泳ぐ裂波に対して、かなり大人しめのアクションなのが裂空です。
裂波はアクションのときの横への振れ幅(左右への倒れ込み)がわりと大きめでしたが、裂空は最近流行りのルアーのようにかなり大人しめのアクションになっています。
一番よく分かるのが、潮の流れに対してダウンクロスで投げたとき。
裂波は巻き抵抗(リトリーブ振動)がかなり大きめでしたが、裂空は潮の流れを受け流すというか、必要以上に水を掴まないってイメージ。
流行りのアクションといえばそれまでですが、そこは裂波のアクションを踏襲してほしかった。
(ほぼ)タダ巻き専用
リップが水を受け流しやすいためか、急激なスピードの変化(トゥイッチ)やストップからの急なロッドアクション対して、ルアーのファーストアクションがやや鈍いように見えます。
なので、基本的に裂空はタダ巻き専用といってもいいくらいに動きのキレは良くないです。
動きのキレが良くないというよりヌルヌル動く感じです。
ただし、最近は投げてタダ巻き…という釣りが基本で、アクションもタダ巻きスタイルに合わせた弱い動きが流行りなので、メーカー的には改良点といえるかもしれません。
遊び要素が減った
裂波が初登場した15年くらい前は、海外にも持って行ってジャーキングの釣りに使ったり、シーバスを狙うのにも橋脚際で細かい連続トゥイッチやストップ&ゴーで誘ったりと、タダ巻きだけじゃない色んな釣りを楽しめました。
モデルチェンジして裂空になってからは、そういう『いろんな釣り方に対応』したルアーというよりは、シーバスやヒラメの実釣力を重視したセッティングになっています。
まぁ、シーバスはタダ巻きが一番釣れるっていう真理からすれば今回のモデルチェンジは王道といえますが、いろんな使い方ができた裂波からすると少し面白さがトーンダウンした印象です。
総じて言うと…
新たに搭載されたシステムや裂波からの変更点を加味して裂空について表現するとすれば…
これは同じ形の別ルアー
辛口でゴメン。
でもこれが裂空を使ってみたファーストインプレッション。
という認識はちょっとズレていました。
裂空はアクションを現代風に味付けした(裂波の形をした)新たなルアーって考えてもらった方が裂波ファンからするとダメージが少ないです。
裂波と裂空の使い分けは?
じゃあ裂波と裂空は別物ということを前提に、どういうふうに使い分ければいいか?ということが問題になります。
これについて僕なりの結論からいえば
裂空のみ。使い分けイラネ。
という感じ。
というより好きな方でいいんじゃね?という方が適切かも。
『実釣』という観点からいえば、動きが弱いとかタダ巻き専用で遊び要素がないってのは(あくまで個人的に残念な点というだけで)全く無意味です。
ロール主体の動きの弱いルアーが現在の主流であり、それでシーバスもヒラメもバンバン釣れるんだから、あえて使い分ける必要はありません。
「投げやすい」「使用感がストレスフリー」という恩恵のために裂空だけ使ってもまったく問題ありません。
逆に裂波のアクションが好みという人は相変わらず裂波を使ってもらっても、まず間違いなく釣れ続けるでしょう。
それだけ裂波の基本性能は高いので。
好きな方を使えばOKです。
ただし、どちらが好みかは使い比べて見た方が明らかなので一度使ってみられることをオススメします。
個人的には、裂空の登場によって裂波の生産数が減って裂波が手に入りづらくなるかもしれないので、新しい裂空を基軸にして裂空の性能をなるべく早く把握して、裂空の性能を活かした釣りができるようにしておいた方がいいかな?って思いがあります。
新システム搭載の新たな裂波
…という思いで裂空に手を出すと、新システム以外の変更点にビックリします。
裂空は新システムを搭載した新たな裂波という位置づけよりも裂波のフォルムに新システムを搭載して、アクションを現代風に味付けして誕生した新たなルアーといえます。
裂空の投げやすさとMRDのストレスフリー感は格別です。
「裂空は裂波のモデルチェンジ版」という先入観を捨てて新たなルアーとして捉えれば、ゲーム組み立ての強力な駒の1つとして超戦力になってくれるルアーということができます。
ぜひsasuke120裂空を一度手に取って使ってみてください。