KRコンセプト(マイクロガイド)にメリットはある??

最近だいぶ巷に浸透してきたKRコンセプト設計のロッドですが

「そもそもKRコンセプトにすると何のメリットがあるんだよ?」

とガイド設計を気にしているアングラーってどのくらいいるでしょうか?

正直なところほとんどいないと思います。

ところ、このKRコンセプト。

このガイドコンセプトを採用することでロッドに劇的な変化が生まれます。

ちなみに管理人はKRコンセプトが発表された年にKRコンセプトでロッドを組んで、そこからあれやこれやと見えてきたことがあります。

そこでこのページではKRコンセプトについてご紹介します。

KRコンセプトとは?

KRコンセプトとはバット側の高足ガイド(下から3つのガイド=チョークガイド)でラインのブレを急速に収束させて、ベリーからティップにかけては小口径の同一サイズのガイドでラインを直線的に誘導・放出するシステム

です。

言葉で説明するのに非常に難しいのですが、要するにバット寄りに付いている下から3個のガイドには高足ガイドを使い、ベリーからティップにかけては小口径ガイドを並べたガイドシステムです。

詳細はコチラ(富士工業HP)

下の方に取り付けられた大きなガイド3つ利用して螺旋状に放出されるラインのブレを一気に収束させ、それより上の方のガイドに同一小口径のガイドを並べてラインを直線状に放出させようとしたものです。

このガイドコンセプトの特徴は

ティップからベリーにかけて非常に小口径の小さいガイドが使われている

ということです。

下3つの大きなガイドでラインのブレはおおよそ収束されているので、ベリーからティップにかけてのガイドが小さかったとしてもラインがロッドに接触して飛距離ロスにつながることはないという発想です。

メリットはなに?

普通はガイド設定のメリットなんて考えることはありません。

ただしロッド選びには少し関わってくるのでご紹介します。

そもそもKRコンセプトに限らず「なぜマイクロガイドシステムが存在しているのか?」ということなのですが…

これはひとえに

感度に超絶な影響がある

からです。

実は意外と知られていないことですが、どれだけ柔らかく良く曲がるロッドであっても、ガイドが付いていない状態(=ブランクスのみの状態)のロッドってかなりキンキンでとんでもなくシャッキリとしているものなんです。

4000円くらいのブランクスでもとんでもなくシャッキリしています。

ちょっとティップに触っただけでもすごく振動を感じます。

ところが、この超絶感度のブランクスにガイドを取り付けていくとアラ不思議。

釣具屋でよく手にする普通のロッドに変わってしまいます。

ショーカラ
あの感度はどこへ行った?

と行方不明になった感度を探したくなるくらい普通のロッドに成り下がってしまいます。

でも実際は感度がなくなってしまったわけではなく、ブランクスに取り付けられたガイドが感度の良さを消してしまっているのです。

(なのでガイドを取り外せばまたキンキンのロッドになります)

では、ロッドが本来持っているこの感度の良さを活かすためにはどうしたらイイのか?ということなのですが…

ここで登場するのが小さくて軽いマイクロガイドシステムです。

ロッドの感度の邪魔をする原因になるガイドをできるだけ小さいものにして、本来の素のブランクスの感度に近い状態を作り出すとともにロッドのブレも軽減されることになります。

誰が考えたのかわかりませんが、このガイドの小口径化はとんでもなく効果的で、安いブランクスでもKRコンセプトのようなマイクロガイド仕様にすることでとんでもなくキンキンの高そうなロッドに仕上がります。

デメリットはある?

マイクロガイドシステムにデメリットはあるか?ということですが、残念ながらデメリットはあります。

細糸仕様ロッドになってしまってロッドの汎用性がなくなるということが挙げられます。

KRコンセプトのようなマイクロガイド仕様のロッドは細糸を使用する限りは普通のロッドとほとんど同じように使えますが、ナイロンなどの太糸を使うとかなり飛距離が落ちます。

もちろん投げるルアーにもよりますが、太糸にすると目に見えて飛距離が落ちます。

要するにPEや細糸しか使えないロッドになってしまいます。

PEしか使わないというアングラーにとっては特にデメリットはありません

注意すべき点

これはあまり語られることのない話ですが、実はマイクロガイドシステムはメーカーにとって非常に都合の良いシステムなのです。

というのも、たとえ普通のロッド(ブランクス)であっても、従来のガイドコンセプトからKRコンセプトにするだけで感度が劇的に変化します。

つまりメーカーとしては安っっっすいブランクスにKRガイドを乗っけることで感度がキンキンのいかにも高そうなロッドに仕上げることが可能になります。

しかし、それはあくまで『高そう』というだけでその内実は「従来からある普通のロッド」ということもあり得ます。

ブランクスの価格は普通はユーザーにはわからないので、安いロッドを高く売りつけられる可能性があります。

ショーカラ
そういう悪どいメーカーがないことを願ってます
見方を変えれば『ガイド』という存在はそれだけブランクスの感度やロッドのブレにとって影響が大きいということです。
このガイドの影響を極力少なくしようという点にKRコンセプトの意義があります。

まとめ

感度やロッドのブレという面から見ると『ガイド』はとても邪魔な存在
この邪魔なガイドの存在感を少しでも小さくしてロッドの持つ感度やシャッキリ感を最大限に発揮できるのがKRコンセプトのメリット
KRコンセプトにすると感度が超絶に向上する
その反面、太糸ではラインの抜けが悪く飛距離に影響がある
主に細糸仕様のロッドになる

KRコンセプトはロッドのブレの軽減や感度の向上に絶大な影響を与える素晴らしいガイドシステムといえます。

その反面、太糸が使いにくくなるなど使用の幅が限られてしまうこともあります。

適材適所でロッドを使い分ける前提であれば、超絶な感度のロッドとしてアングラーの頼もしい味方になってくれます。

ショーカラ
安いブランクスにマイクロガイドを乗っけて感度良好なロッド作って、高級ロッド風に仕上げて、高価な値段をつけるメーカーがでてこないことを願っています…