前回の記事でリールのギア比の違いによる釣りへの影響についてご紹介しました。
リールの感度がギア比の影響だけなら前回の記事で完結するのですが、実はリールの感度に影響を及ぼす要素がギア比以外にもあります。
それが
ハンドルの長さ
このページではギア比とハンドルの長さの微妙な関係についてご紹介します。
ハンドルの長さでなにが変わる!?
リールを選ぶときにギア比を気にする人はたくさんいますが、ハンドルの長さを気にする人ってなるとギア比を気にする人ほど多くはありません。
でも実はハンドルの長さってギア比を選ぶのと同じくらいリーリングに重大な影響を及ぼします。
◆長い:パワーがある 感度が悪い
◆短い:パワーがない 感度がイイ
結論からいえばハンドルの長短によってこのような違いが出ます。
長いハンドルはローギアと同じような効果を発生させます。
短いハンドルはハイギアと同じような効果を発生させます。
小学校の物理でてこの原理って習いますよね?
【力点から支点までの距離】と【支点から作用点までの距離】の長い短いによって、同じ重さの物を動かすのに必要な力が変わるというアレです。
それに近いイメージを持ってもらえればOKです。
支点から力点までの距離が短い(ハンドルが短い)と、物(スプール・ローター)を動かすのに大きな力が必要になります。
つまりこの場合は巻き重りを感じます。
支点から力点までの距離が長い(ハンドルが長い)と、物(スプール・ローター)を動かすのに小さな力で動かすことができます。
この場合は巻きが軽く感じます。
オフショアのゴツいリールに『なんじゃ、そりゃ』っていう大きさのハンドルが付いていたり、超ハイスピードギアのリール(1:10くらい)に超長いハンドルが付いているのはそういう理由です。
重いジグや重いカゴ仕掛けの巻き抵抗を少しでも軽く感じさせたり、超ハイギアのリールの初動の巻き重りを少しでも軽減するために、長くて大きなハンドルが標準装備されています。
リール選びはギア比×ハンドル長
リールの感度や巻き重りに影響を及ぼすのはギア比だけではありません。
ハンドルの長さを変えることでギア比の違いよる効果と同じような効果が得られます。
ギア比とハンドルの組み合わせを変えると(大きく分けて)次のように考えることができます。
◆Lギア×ハンドル短:【巻き心地○】【感度○】
◆Hギア×ハンドル長:【巻き心地○】【感度○】
◆Hギア×ハンドル短:【巻き心地△】【感度◎】
ハンドルの長いローギアのリールは、腕の力をスプール(ローター)に最も伝えやすい組み合わせになります。
しかし感度という点においては最も悪影響がある組み合わせです。
反対にハンドルの短いハイギアのリールは感度という点では最も優れた組み合わせです。
しかし巻き心地(巻き重り)という点では最も巻きが重くなる組み合わせです。
リール選びはギア比のほかにハンドルの長さも考えて選ぶ必要があります。
あとで変更することも可能
リールのギア比やハンドルの長さは、リールを購入したあとでも変更することが可能です。
ギア比についてはリール内部のギアを交換しなければならないので、自分で分解できない場合には専門のショップに依頼する必要がありますが、パーツ代+工賃程度で引き受けてくれるショップが多いです。
ハンドルはリールのカスタムショップで通販で購入することができます。
ハンドルは取り外して交換するだけなので特別な知識や技術がなくても交換することができます。
ギア比の変更はリールをバラさないとできないというデメリットがありますが、自分でバラすことができる場合にはパーツ代(ギア代)のみでローギア←→ハイギアの変更ができます。
ハンドルの変更は誰にでも簡単に行うことができますが、カスタムハンドルってけっこうイイお値段なのでハードルは低くないといえます。
どちらの変更も一長一短です。
リール選びのポイント
◆ハイギア:パワーがない 感度がイイ
◆短い:パワーがない 感度がイイ
◆Lギア×ハンドル短:【巻き心地○】【感度○】
◆Hギア×ハンドル長:【巻き心地○】【感度○】
◆Hギア×ハンドル短:【巻き心地△】【感度◎】
リールの感度とパワーの関係にはギア比だけではなくハンドルの長さも影響します。
キャスティングの釣り(巻きの釣り)ではとにかく感度は重要なので、基本的には可能な限り感度の良いセッティングが求められます。
とはいえ、始終リールのハンドルを巻いているので、巻き抵抗がありすぎて釣りにならないというレベルでは話になりません。
巻き感度を維持しつつ巻き抵抗を軽減できる自分好みのセッティングを見つけられるようにギア比とハンドルの組み合わせを試してみましょう。