さまざまな種類の道具が販売されている釣りというレジャー。
といった感じで、狙う魚種ごとに道具を揃えるなんてことは釣り人の日常的な光景です。
でも、経験を重ねていくと、そこからさらに踏み込んで
という感じで、細かい違いに着目して使い分けを模索するようにもなってきます。
その使い分けを模索するのも釣りの面白さの一つです。
でも、ビギナーの頃に、プロアングラーが説明するような使い分けを意識すると、おそらく迷走することでしょう。
また、使い分けをしようと思うと、その前提として「どのような基準で『使い分け』を考えるか?」という思考も必要になります。
このページでは、釣りにおける使い分けの前提になる『合理的思考』についてご紹介します。
最近の釣りメディアでは、釣りに関する情報がメーカーのために中・上級者目線で発信されるようになりました。ナチュラルリリースでは、ビギナー目線で語られることが少なくなった「釣りに関する『キホンのキ』」をビギナー目線で発信しています。
使い分けは明確な違いに着目してシンプルに考える
釣道具において選択・区別・使い分けが求められる場面では
分かりやすい違いに着目してシンプルに考える
というのが基本的な思考方法です。
たとえば9.6ftのMクラスのロッドが欲しいと思った時。
長さ、硬さのどちらも必須条件だとします。
下記の3本のロッドから購入を検討する時、どのロッドを検討すべきでしょうか?
・A社の9.0ft Mクラスのロッド
・B社の9.6ft MLクラスのロッド
・C社の9.6ft MHクラスのロッド
答えはもちろんB社とC社のロッドです。
9.6ftというのは、どのメーカーでも9.6ftです。S社とD社で9.6ftの長さが違う…ということはあり得ません。
でも、MとかMLという硬さの基準は、メーカーによって異なる場合があります。
D社のMLクラスはS社のMクラスに相当する…ということは普通にあり得ます。
そのため、B社のMLとやC社のMHがどれくらいの硬さか…ということは、実際に触ってみなければわかりません。
判断基準の明確なロッドの長さに着目して9.6ftのロッドに絞ったうえで、好みの硬さのロッドを選ぶ、というのが合理的な判断方法です。
このように、何かを選択したり、区別したり、使い分けたりするにあたっては、明確な違いに着目すると合理的でシンプルに思考することができます。
ナイロンリーダー or フロロリーダー
釣り人の間で派閥の分かれる三大原因の一つがリーダーです。
ナイロン派? フロロ派?
と議論が分かれるところです。
この選択において、ビギナーが最も体感しやすい違いが結束のしやすさです。
そして、結束のしやすさにおいてはナイロンの方が明らかに結びやすいです。
ノットに不慣れな人であればあるほど、ナイロンの方が結束しやすく感じるでしょう。
また、どんなノットを組んだ時もナイロンの方が結束強度(結び目の強度)が強いです。
ちなみに、ラインの伸び率というのも、両方を引っ張るとナイロンとフロロでは明らかに違います。
でも、伸びやすいナイロンと伸びにくいフロロでどれほど釣りに影響があるか…を考えると、正直なところ、体感できる違いはほとんどありません。
擦れ耐性も同じです。
そもそも、今までの釣り人生の中で、魚が掛かってからリーダーの途中から切れたという経験は一度しかありません。
ラインが切れるとするなら、ほとんどの場合、スナップやノットの結束部分、またはメインラインの傷んだ箇所です。
すなわち、擦れ耐性の効果を体感できること自体がかなりレアケースといえます。
そのため、ビギナーの頃には、明らかに結束しやすいナイロンを選ぶといいでしょう。
シーバスフィッシングを始ようと思って釣具屋の店員さんにリーダーの選び方を聞くと店員フロロカーボンでいいんじゃね?という感じでテキトーな理由でフロロを薦められることがあります。リーダーの扱いに慣れているなら[…]
フローティングミノーとシンキングミノーの使い分けは?
このテーマは、ビギナーであればけっこう頭を悩ます問題です。
たとえば水深80cmくらいのレンジを攻めたい場合、フローティングミノーとシンキングミノーのどちらを使うのが良いでしょうか?
この点については、下記の記事に詳細を譲ります。
ミノーにはフローティングタイプとシンキングタイプの2つの種類があります。この2つのタイプのミノーを明確に使い分けられるビギナーはほとんどいないでしょう。ほとんどのビギナーがなんとなくで使い分けをしていることと思われます[…]
平たく言えば、狙える水深で区別するのが基本中の基本です。
そのうえで、フローティングとシンキングのどちらでも狙える場合、細かい違いに着目して使い分ける方法もあります。
あるいは、面倒くさいので使い分けないをしない…というのも選択肢です。
とにかく、自分でも整理しきれないような細かい区別はせずに、分かりやすい違いに着目して使い分けるのがベターです。
リールはダイワ派?シマノ派?
釣り人の間で派閥の分かれる三大原因のトップがリールのメーカー選び。
どちらも使う…という人もいますが、ダイワ派とシマノ派はけっこう分かれます。
では、何に着目してリールのメーカーを選べばいいのでしょうか?
答えは簡単です。
明確で分かりやすい違いに着目すればいいのです。
そう。
値段と見た目
これまで、リールに関するダイワ派とシマノ派の双方の言い分を見てきましたが、どの言い分もビギナーにとって実のある理由ではありません。
使用上ほぼ体感できないような違いか、気にするレベルではないような違いしかありません。
そこで、どこまでお金を出せるか、ということと、好きな見た目で選べばいいでしょう。
釣り具は明確な違いに着目して合理的かつシンプルに使い分ける!
僕の経験上、ビギナーの頃に
みたいな細かい使い分けを考え始めると、不必要な使い分け沼にハマります、間違いなく。
そもそも、(実釣では)違いがまったくわからないという誤差しかない場面もたくさんあります。
このような重箱の隅を爪楊枝でほじくるような些細な違いは無視しても問題ない…ということは多々あります。
そのため、釣り道具を使い分ける時は、なるべく明確な違いに着目するようにしましょう。