シーバスフィッシングの20年選手以上になると、シーバスハンターを使ったことのない人はほとんどいないのでは?
そう思えるくらい、入門ルアーの代名詞として君臨するのがダイワのシーバスハンターです。
このページでは、ビギナーの強い味方であり、上級者も唸らせる【シーバスハンターZ】をご紹介します。
シーバスハンターとは
シーバスハンターとはダイワからリリースされているスタンダードミノーです。
初代シーバスハンターがリリースされたのは30年以上前です。
僕がシーバスフィッシングを始めた頃に中古釣具ショップで初代シーバスハンターを手にしたのが最初の出会いでした。
それからシーバスハンターⅡ→シーバスハンターⅢとモデルチェンジされ、その度に使用してきました。
そして、2021年、シーバスハンターはZの名を冠してフルモデルチェンジされました。
シーバスハンターZは、フローティングとシンキングがそれぞれ2サイズ展開されています。
・95mm 13g
・120mm 17.5g
・95mm 14.5g
・120mm 19.5g
です。
カラーラインナップは今風のカラーが多く、全10色で展開されています。
ディテール
一見すると普通のミノーです。
旧モデルと比べるとリップの形状がヘッドと一体化しています。
旧モデル(写真下)はボディ後方にいくにつれてボディ形状が徐々に細くなっています。
でも、シーバスハンターZ(写真上)はボディ後方部まで太くなっています。
これは、ウエイトボールが従来モデルよりも後方まで移動できる構造です。
このおかげで、飛行姿勢が安定し、飛距離が稼げる設計になっているのです。
シーバスハンターZの特徴
圧倒的な安さ
一昔前は、ルアーといえば1400~1600円くらいが普通でした。その頃、シーバスハンターは700〜800円ほどで買えました。
現在では普通のルアーでも2000円を超えるような超高級ルアーが続々と発売されています。
そんな中でも、シーバスハンターZは(やや値上がりしましたが)定価980円という驚きの価格設定。
アンダー1000円に設定したのはダイワの意地のようなものを感じます。
圧倒的な使いやすさ
シーバスハンターZは、価格設定からも分かるとおり、シーバスビギナーをターゲットに開発されています。
そのため、ルアーの性能としてはクセのない、とても扱いやすいものになっています。
飛距離は想定の遥か上
たとえば飛距離。
シーバスハンターZの重心移動システムはダイワ独自のオシレート機構ではありません。
昔ながらのウエイトボールが転がるタイプです。
オシレートシステムはウエイトの移動がスムーズで無駄がないため、安定して飛距離が出ると言われています。
というと、これが驚き、桃の木、山椒の木。
13gのフローティングモデルでも、予想以上にかなり飛ぶんです(゚ロ゚;)
空気抵抗に対するボディ設計が優れているというのが大きな理由(と思う)。
まったく不満のないレベルで飛びます。
アクションはやや強め
シーバスハンターZの使いやすい点の2つ目としてアクションが大きいことが挙げられます。
最近のミノーは超ローリング主体であまり動かないものが主流です。
そのため、ルアーの巻き抵抗がとても小さいものが多い。
ルアーの巻き抵抗が小さいのは必ずしも悪いことではありません。
でも、ルアーが動いている感触が小さいのは、ビギナーにとってはあまり歓迎されるものではありません。
たとえば、ビギナーでシンキングペンシルが苦手というアングラーは多いです。
これらのアングラーが口を揃えて言うのが
という理由。
ルアーのアクションって、動いている感触がアングラーに伝わらないと、アングラーがけっこう不安になるものなんですよね。
シーバスハンターZは、どちらかといえば最近の主流よりもやや強めのアクション設定になっています。
特にフローティングモデルはよく動きます。
シーバスハンターZはビギナーでも安心して使えるスタンダードアクションに設定されていて、とても使いやすいです。
総じて圧倒的なコストパフォーマンス
値段と使いやすさからいえば、シーバスハンターZは圧倒的なハイコストパフォーマンスを誇っています。
シーバスハンターZはただ単に安いだけではありません。
ビギナーが使っても普通に使える。
ビギナーが使っても普通に釣れる。
ビギナーをターゲットにしているからこその使いやすさを備えています。
こんな人におすすめ!
ミノーを使うすべてのビギナー
ミノーを投げることがないアングラーを除き、ほぼすべてのビギナーにおすすめできます。
ビギナーが投げても普通に飛びます。
ビギナーが巻いてもアクションがよく伝わります。
ビギナーが使っても普通に釣れます。
中・上級者にも普通におすすめ
シーバスハンターZはビギナーをターゲットとしているため、良くも悪くも「クセのない普通のミノー」です。
しかし、見方を変えれば、ビギナーでも使いやすいからこそ、中・上級者が使えば、ビギナー以上に使いこなして、使い切ることができるという言い方もできます。
て誤解されることがよくあります。
でも、これは、ルアーに対する考え方に偏見があります。
ビギナーでも使いやすいということは、中・上級者が使えば、もっともっとルアーの性能を引き出して、ルアーを使い切ることができるかもしれない、ということです。
ビギナーが45m投げられるなら、中・上級者が使えば55mくらい投げられるかもしれません。
ビギナーが5匹釣れるのであれば、中・上級者が使えば15匹くらい釣れるかもしれません。
たしかに、シーバスハンターZはクセや尖った性能はありません。そのため、刺激的なルアーとは言い難いです。
でも、ビギナーの使いやすさを追求した「使い勝手の良さ」こそが、シーバスハンターの尖った性能といえるかもしれません。
シーバスハンターZの使い方
シーバスハンターは水噛みが良くロッドアクションに対するレスポンスもけっこういいです。
ただ、ビギナーをターゲットにしていることを考慮すると、基本はタダ巻きがおすすめです。
徹底的にタダ巻きをすることで、ロッドに伝わる「ルアーがアクションする感触」を身体で覚えていきましょう。
さらに、タダ巻きのスピードに変化をつけることで、いろんな「タダ巻きの感触」を体感することができるようになります。
ビギナーがタダ巻きを覚えるのにこれほどコストパフォーマンスの優れたルアーはほかにはありません。
シーバスハンターZの不満点
ほぼすべての性能において及第点を大きく超える点数を付けることのできるシーバスハンターZ。
ですが、一つだけ不満点が…。
もう、これだけ。
これはシーバスハンターZに限った話ではありませんが…。
ダイワのルアーって、アカキンやクロキンみたいなベーシックでスタンダードなゴールド系のカラーがないんですよね。
ダイワ的に「売れない」ということでしょう…
ベーシックなシーバスハンターには、ベーシックカラーをラインナップしてほしいな(切望)
シーバスハンターZの使用上の注意点
シーバスハンターZを使ううえでの注意点らしい注意点は特にありません。
が、強いて挙げるとすると、シンキングモデルでも沈み方が遅いということです。
どちらかといえばスローシンキングという感じ。
ビギナーにとっては根掛かりしにくいというメリットはあります。
でも、シーバスハンターZのシンキングモデルで1.5mとか2.0mラインを引いてこようとすると、やや手返しが悪くなります。
期待の遥か上をいくキング・オブ・ベーシック
シーバスハンターZを最初に使用した感想としては
という驚きでした。
それほど完成度が高く、ビギナーでもとても使いやすいルアーです。
かつては、シーバスハンターといえば、ほとんどのシーバスアングラーが使ったことのあるくらい、入門ルアーの代名詞的存在でした。
最近ではビギナーでも2000円を超える品薄のルアーを探し求めるようになり、シーバスハンターの存在意義が薄らいできました。
ところが、Zの名を冠して新たにアップデートされたシーバスハンターZは、かつてのシーバスハンターのイメージを大きく変える、超有能ルアーです。
「ビギナーでも使いやすい」をとことん追求することこそ、シーバスハンターZの尖った性能といえるかもしれません。
また、ビギナーのみならず、中・上級者でも安心して使える超ベーシックルアーが新生シーバスハンターZです。