【ゼロから始める】まずはワンタックル!冬のエンジョイライトゲーム!!―PEライン編―【第2回】

ワンタックルでお手軽に始められる冬のライトゲーム。

しかし、最近はアジングやメバリングというふうに強制的にカテゴライズされたため、タックル選びに迷うようになりました。

特に意見が錯綜(殺伐と)しているのがメインラインです。

このページでは、ワンタックルで始めるライトゲームのライン選び―PE編―についてご紹介します。

ライトゲームで使うメインライン

ライトゲームで使われるメインラインの種類は4種類です。

・ナイロン
・フロロカーボン
・PE
・エステル

シーバスやショアジギングではPEが100%に近いくらいのシェアを占めています。

でも、ライトゲームの世界では、好みによって4種類の中から選ばれ、使い分けられるのが一般的です。

ナイロン・フロロカーボン

言わずと知れたモノフィラメントラインの代表格がナイロンとフロロカーボンです。

ほとんどの釣りのメインラインとして使うことができます。

ライトゲームではナイロンよりもフロロカーボンを使う人の方が圧倒的に多いようです。

PEライン

ソルトゲームではもはや定番となった低伸度・高強度の撚り糸です。

極細糸を複数本束ねて一本の糸を作り上げているため、一本の糸というより一束の糸といえるのが特徴のラインです。

ライトゲーム用のPEは、15年くらい前から多くの釣具屋で見られるようになりました。

当時はとんでもなく高額でした。

でも、最近ではかなりリーズナブルな価格で手に入るようになりました。

エステル

ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)素材のモノフィラメントラインです。

ルアーフィッシングでは馴染みが薄いラインの代表格です。

エステルラインは吸水性がなく比重も重めのため、エサ釣りのハリスやエダスとして使用されています。

昔からホンテロンというハリス用のラインが有名です。

ライトゲームでは10年近く前からお目にかかるようになってきて、現在は定番化した素材のラインです。

PEかそれ以外かで区別する

ソルトゲームの定番となったPEですが、ライトゲームで使うにはややクセが強いラインといえます。

ショーカラ
クセが強いというのは「特性が尖っている」ということです

圧倒的な低伸度

ナイロン・フロロ・エステルといったモノフィラメントラインは、どれも伸び率が20%前後あります。

誤解をおそれずに言えば

1mのラインを引っ張ると、20cm前後は伸びる

ということです。

ちなみに、ラインが伸びるとどうなるか?といえば、伸びた分だけショック(魚のアタリ)を吸収してしまうということです。

つまり、アタリが伝わりにくくなるということです。

このモノフィラメントラインの伸び率に対して、PEの伸び率は3%ほどです。

1mのラインを引っ張っても、3cmしか伸びません。

PEは、モノフィラメントラインとは比べものにならないほどの低伸度を誇っています。

圧倒的な引張強度

PEは、モノフィラメントラインと比較すると、引張強度が2〜3倍ほどあります。

同じ太さのPEとモノフィラメントラインを比べると、PEの方が3倍くらい強いです。

そのため、「●ポンドくらいの引張強度がほしい」と思ったとき、PEだと、モノフィラメントラインよりもかなり細いラインを使用することができます。

ラインが細くなれば、飛距離が伸びます。

また、軽いルアーが扱いやすくなります(ルアーの操作性が上がる)。

水に浮く

モノフィラメントラインは、どれも海水より比重が重いため、ライン自体が沈みます。

沈む速度に違いはあれど、すべてのラインが沈みます。

これに対して、PEは水に浮きます。

PEの比重は海水より軽いため、ルアーの重みがラインに加わるまでは水に浮いています。

たるむと感度ゼロ

PEは圧倒的な低伸度のラインであるため、ラインが張っているときに手元に伝わるアタリの感触がケタ違いに素晴らしいです。

モノフィラメントラインのアタリは鈍いというか、ぼやけたような感触です。

これに対して、PEを通して伝わるアタリというのは手元に響く金属的な感触があります。

その反面、ラインの自重が軽すぎるためラインがたるんでいる時のアタリはまったくわかりません

アングラー
えっ、そんなことないけど…?

と思うアングラーもいるでしょう。

でも、当たり前の話ですが、「竿先や手元に伝わらないアタリ」がアングラーに伝わることはあり得ません。

ショーカラ
デイゲームでは、目視したラインの動きで手元に伝わらないアタリが取れることもあります

つまり、気付いていないだけです。

PEはラインがたるむとどれくらい感度が悪いか?

こちら↓は、PEとモノフィラメントラインで、ラインをたるませた時にロッドの先にどれくらいアタリが伝わるか、を実演した動画です。

ナイロンは、ラインがたるんでいてもラインにわずかに動きがあると、ほんの少し竿先が動きます。

でも、PEはラインをブンブン振り回しても、ラインがたるんでいると竿先にアタリは出ません。

ショーカラ
フロロとエステルはナイロンよりもさらに少しわかりやすいです
ショーカラ
まぁ、ここまで極端ではないですが、実際に使ってみるとわかります。
PEは、たるんでいるとリグをどう操作しているかがほとんどわからなくなります。

つまり、PEラインはラインが張っているときにロッドまで伝わるアタリしかわからないということです。

PEを使用するメリット

引張強度が強くて飛距離も出る

ライトゲーム用のPEの引張強度は、モノフィラメントラインに比べると2~3倍の強度があります。

たとえば、PE0.3号は4~6ポンドくらいの引張強度があります。

これに対して、ナイロン0.3号は1.5ポンドくらいの引張強度くらいしかありません。

PEほどの強さのラインを選ぼうと思うと、ナイロンだと1号まで太くする必要があります。

PEはラインを細くしても引張強度が強いので、ラインを細くして飛距離を出すこともできるようになります。

ラインが張っているときの感度

上記のとおり、ラインにたるみができると感度ゼロのPEですが、ラインが張っているときに手元に伝わるアタリの感触は別次元です。

ナイロン、フロロ、エステルとは比較できるレベルではありません。別次元です。

ただ、「PEでしか取れないアタリがあるか?」といえば、そういうわけではありません。

たとえば、モノフィラメントラインでは4の強さしか伝わらない感触が、PEでは10の強さで伝わってくる、という意味です。

ショーカラ
どちらのラインを使ってもアタリは伝わります

PEを使用するデメリット

PEでは取れないアタリがある

ラインが張っていれば別次元の感度を誇るPE。

でも、ラインにたるみができると操作感がゼロになります。アタリの感度もゼロになります。

それがPEです。

そして、冬のライトゲームでは、ラインにたるみが発生しやすい原因がいくつか存在しています。

一つは、強い風です。

日本海側などは特にそうですが、冬はとにかく天気が悪くて風が強い日が多い。

気候が穏やかな地域であれば問題ありません。

しかし、住んでいる地域は荒天が多いという場合、ライトゲームでPEを使うときは要注意です。

もう一つのたるみの原因がリグの軽さです。

シーバスやエギングやショアジギングでは、使うルアーにある程度の自重があります。

そのため、ルアー自体がラインを引っ張って、たるみを解消してくれます。

しかし、ライドゲームでは、場合によっては1g未満のジグヘッドを使うこともあります。

このような超軽量のリグでは、風にあおられたPEラインのたるみを解消するのにとても時間が掛かります。

ショーカラ
基本的には、リグの重みに頼らずに、アングラー側でラインのたるみを解消することが必要になります

このようなPEの特性上、どうしてもPEでは取れないアタリというのが発生してしまいます。

ライントラブルが発生しやすい

PEをスピニングリールで扱うときのライントラブルとしてゴップエアノットと呼ばれる現象があります。

これらのライントラブルのほとんどは、ラインにテンションが掛かっていない状態でラインを巻きとった後の次のキャストで発生します。

そして、ウルトラライトゲームでは、使用するルアーやジグヘッドがとにかく軽いため、テンションが掛からない状態でラインを巻き取ってしまうことがけっこう起こります。

そのため、PE特有のライントラブルは、ライトゲームに慣れないアングラーがPEを使うと不可避的に生じてしまうことがあります。

リーダーの結束が必要

これも、PEを使うときの煩わしい点です。

PEはもともと擦れに弱く、結束強度もかなり低下します。

そのため、PEをメインラインに使用するときには、メインラインの先端部分にリーダーと呼ばれるラインを接続する必要があります。

通常はPEの先にナイロンかフロロをリーダーとして接続します。

このリーダーの接続が、PEを使用するときにはけっこう煩わしい作業になります。

こんな人にはPEラインがおすすめ!

PEでは取れないアタリを最初から無視できる人

ライトゲームでPEを使うのはデメリットがけっこう多いです。

その大きなデメリットの一つがPEでは取れないアタリがあることです。

しかし、PEでは取れないアタリをとにかく無視して、PEで取れるアタリだけで釣りができる人。

こういう人には、PEの引張強度・飛距離・感度はとても大きな武器になります。

このような言い方をすると皮肉なようにも聞こえるかもしれませんが、そもそも大きい魚しか狙っていないであれば、PEを使っていても多くの場合はアタリがわかるはずです。

ショーカラ
もちろん、わずかなアタリしか出ないような大型魚のアタリもありますが…

PEでは取りきれないアタリを無視してでも引張強度・飛距離・感度が欲しいという人にとっては、PEはとてもおすすめです。

プラグ使うことが多い人

昔はライトゲームのプラグといえばトラウト用のマイクロプラグを利用していました。

しかし、今ではライトゲーム用のプラグの種類もかなり豊富です。

そのため、プラグメインで釣りをしたいという人も多いです。

こういう人であれば、PEのデメリットはそれほど気になりません。

プラグであれば、ある程度の重さや引き抵抗があるので、プラグの抵抗が極細PEラインを張る手伝いをしてくれます。

表層メインの釣りをする人

PEの特徴の一つが水に浮くということです。

この性質を利用して、表層を軽いジグヘッドで狙う場合にはPEはとても使いやすいです。

ショーカラ
もちろん、アタリを取るためにはラインは張っておく必要があります

特性を理解して使えばPEは大きな武器になる!

ソルトルアーフィッシングでは定番となったPEライン。

しかし、PEにはPEのデメリットが存在します。

そして、そのデメリットが大きく現れるのがウルトラライトゲームです。

ただ、PEには、定番化するだけの大きなメリットも存在します。

それが、引張強度飛距離感度です。

PEのデメリットを理解したうえで、その特性とメリットを活かすことができれば、PEはウルトラライトゲームでもとても大きな武器になるでしょう。

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