シンキングペンシルといえばナイトゲームのイメージの強いルアーです。
プロアングラーの中にも
と言い切るアングラーもいます。
でも、実際にはデイゲームでも普通に釣れます。
むしろ、デイゲームでも、シンキングペンシルの独壇場になるタイミングもあります。
このページではデイゲームでのシンキングペンシルの使いどきについてご紹介します。
最近の釣りメディアでは、釣りに関する情報がメーカーのために中・上級者目線で発信されるようになりました。ナチュラルリリースでは、ビギナー目線で語られることが少なくなった「釣りに関する『キホンのキ』」をビギナー目線で発信しています。
なぜシンキングペンシルはナイトゲームなのか?
実際のところ、かなり多くのアングラーにとって、シンキングペンシルはナイトゲームに出番が多いルアーでしょう。
あるいは、プロアングラーと同じく、デイゲームではほぼシンペンを使わない、というアングラーも少なくないでしょう。
これには、主に2つの理由があります。
「デイゲームは速巻き」がかつて通説だった
20年くらい前から盛んに語られるようになった話です。
ルアーを巻くスピードについて、かつて「デイゲームは速巻き」「ナイトゲームはスローに」と言われていた時代があります。
そして、シンキングペンシルは、どちらかといえば「スローに巻いてフラついたアクションで魅せて食わせる」というタイプのルアーです。
そのため、以前は、シンキングペンシルをデイゲームで使うという風潮はありませんでした。
速巻きすると浮いてくる
シンキングペンシルというのは、リップがないという特性上、速巻きすると浮いてきます。
つまり、かつては「速巻きが正義」とされていたデイゲームにおいて、浮き上がりやすいシンキングペンシルは表層しか狙うことができないルアーでした。
でも、シンペンを速く巻くと浮いてきて表層しか狙えない
ということから、シンキングペンシルは、デイゲームで好んで使われることが少なかったのです。
デイゲームでシンペンを多投する釣り
シーバスフィッシングの中には、デイゲームでもシンキングペンシルを多投する釣りがあります。
それがサーフのシーバスゲームです。
風が強く、飛距離が必要とされるサームゲームにおいて、シンキングペンシルは飛距離に関して圧倒的なアドヴァンテイジを与えてくれます。
サーフアングラーにとって、シンキングペンシルというのは、むしろデイゲームで釣れるルアーです。
このように、かつてはナイトゲームが主戦場だったシンキングペンシルも、現在ではデイゲームで活躍するルアーとして広く認知されています。
シンキングペンシルのメリット・デメリット
デイゲームでシンキングペンシルを使い切るためには、シンキングペンシルのメリットとデメリットを知っておく必要があります。
メリット
飛距離抜群
デイゲームでシンキングペンシルを使用する大きなメリットの1つが飛距離です。
シンキングペンシルで攻略できる水深は、ミノーの水深とかなり重なります。
しかし、飛距離に関していえばシンキングペンシルの方が圧倒的に有利です。
最近ではミノーの飛距離が大幅に伸びたものの、やはりミノーは向かい風や横風に弱いという弱点があります。
この点、シンキングペンシルはミノーよりも空気抵抗が小さいため、向かい風や横風を気にせずに使用することができます。
飛距離や投げやすさという点で、シンキングペンシルには大きなアドヴァンテイジがあります。
食わせの能力が超一級
デイゲームでシンキングペンシルを使用するメリットの2つめは食わせの能力です。
シンキングペンシルは、ゆっくりタダ巻きするだけで、流れの変化に応じて不規則にアクションが入ります。
ヒラ打ちしたり、大きく蛇行したり。
このようなシンキングペンシルのアクションはシーバスを惹きつけて食わせるうえで非常に効果的といわれています。
シンキングペンシルに備わった食わせの能力をデイゲームで使わない手はありません。
バイブレーションとの差別化
シンキングペンシルを使用するメリットの3つめはバイブレーションとの差別化です。
デイゲームにおいてシンキングペンシルと同じくらい(または、それ以上に)出番が多いのがバイブレーションです。
バイブレーションの特徴を端的にいえば
②レンジは中層~底層
③スピードはやや速め
といったところです。
このうち、シンキングペンシルと決定的に異なるのがレンジ(②)とスピード(③)です。
バイブレーションは沈みやすく浮き上がりにくいという特性上、バイブレーションで攻めることのできるレンジは中層~底層です。また、根掛かりしやすい場所では、やや速めに巻くことで根掛かりを回避する必要があります。
つまり、バイブレーションは中層~底層を中速~高速で使用することが最も多いルアーです。
これに対して、シンキングペンシルは浮き上がりやすいという特性上、攻めることのできるレンジは表層~中層です。
また、オートマチックな食わせのアクションを演出するために、シンキングペンシルの速度は低速~中速くらいに抑えることが多くなります。
このように、シンキングペンシルは、デイゲームで使用頻度の多いバイブレーションと明確に差別化をすることができます。
デメリット
シンキングペンシルの最大のデメリットは浅いレンジ中心にしか攻められないということです。
これは、シンキングペンシルの特性上、どうしようもないことですが…
日中のシーバスで表層を意識している個体は、夜間ほど多くは居ません。
もちろん、表層にベイトの群れが溜まっていれば、日中でもシーバスのナブラが頻発するときがあります。
しかし、表層のベイトがまばらでシーバスがボトムを意識しているときは、シンキングペンシルはあまり出番がありません。
浅いレンジ中心にしか攻められない(攻めにくい)というのは、シンキングペンシルの弱点といえます。
シンキングペンシル活用の幅を広げる!
サーフゲーム向けのシンキングペンシルを使おう
デイゲームでも、ナイトゲームと同じようによく釣れるシンキングペンシル。
シャロー帯にシーバスの気配がないから、シンキングペンシルが使えない!
という感じで、以前は、表層にシーバスの気配がないときにはシンキングペンシルの出番はあまりありませんでした。
しかし、最近では、より深いレンジに対応できるシンキングペンシルも登場しています。
それがサーフゲーム向けのシンキングペンシルです。
サーフゲーム向けのシンキングペンシルは、外洋の向かい風や横風に負けないように、一般的なシンキングペンシルよりもウエイトが重いものが多いです。
ウエイトが重めに設定されているため、沈下速度も速く、通常のシンキングペンシルよりも深いレンジを攻めることができます。
このように、サーフゲーム向けに開発されたシンキングペンシルを使用することで、従来よりも幅広いレンジをシンキングペンシルで攻めることができるようになりました。
デイゲームでのシンキングペンシルの使い方
デイゲームでシンキングペンシルを使用するときに特に注意しなければならないのがレンジを強く意識することです。
水面直下なのか? それよりも少し下の表層なのか?
水深1m前後なのか? それよりもさらに深いレンジなのか?
レンジを意識しつつ、かつ、そのレンジをキープすることが重要です。
なんとなく…で巻くよりも、レンジを意識しながらレンジをキープしてくるほうがヒット率は格段に上がる傾向があります。
なお、かつては「デイゲームは速巻き」と言われていましたが、速巻きにこだわる必要はありません。
速巻きがいいか、遅巻きでもいいのかは、日によって異なります。
また、狙いたいレンジによっても変わります。
速巻きにこだわると、なかなか中層より深いレンジを狙うのが難しくなります。
巻きスピードに関しては速巻きに固執しないほうがいいでしょう。
デイゲームにおすすめのシンキングペンシル
ここでは、より深いレンジを狙えるシンキングペンシルを厳選してご紹介します。
これらのルアーは、サームゲーム向けに飛距離を求めて開発されたものです。
しかし、ウエイトが重いので、通常のシーバスゲームでも飛距離+深いレンジを攻略するために活躍できるルアーです。
スイッチヒッターDH(ダイワ)
言わずと知れたダイワのぶっ飛びシンキングペンシル。
それがスイッチヒッターDHです。
ノーマルのスイッチヒッターよりもさらにウエイトを重くして、飛距離に特化したモデルがDHです。
97サイズは30gほどあって、慣れていないと(重くて)投げにくいかもしれません。
76(20g)でも十分に深いレンジをトレースできるので、店頭で持ち比べて、投げやすそうなサイズを選ぶといいでしょう。
ウェッジ95(DUO)
日本が誇るルアーメーカーのデュオからリリースされているのがウェッジ95です。
『ビーチウォーカー』というサーフゲームカテゴリーに属するシンキングペンシルですが、オープンエリアであればサーフでなくても活躍できるヘビーウェイトシンキングペンシルです。
低速であれば水深1~2mくらいを攻略することができます。
また、中速以上であれば水深1m未満でも使用することができる万能なシンキングペンシルです。
ビームドリフト97(シマノ)
シマノのサーフゲームカテゴリー『熱砂』からリリースされているヘビーウェイトシンキングペンシルがビームドリフト97です。
今までは125mm(40g)というシーバスフィッシングではやや使いづらい大きさでしたが、2024年9月に97mm(30g)というシーバスフィッシングで使いやすいサイズが登場することになりました。
フラッシュブースト搭載のため、光量の多いデイゲームでは効果抜群のシンキングペンシルです。
モンスターショット80(デュエル)
今回ご紹介するシンキングペンシルの中で最も中層攻略に活躍するのがモンスターショット80です。
他のシンキングペンシルが90mmクラス(30g)であるのに対し、モンスターショットは30gで80mmです。
そのため、沈下スピードが速く、浮き上がりも抑えられます。
なお、モンスターショットのサイズ展開は非常に豊富ですが、95mm以上のサイズは通常のシーバスロッドでは扱いにくいので、80mmサイズ以下がいいでしょう。
フリッド90(ブルーブルー)
ニッチなルアーを数多くリリースするブルーブルーのシンキングペンシルがフリッド90です。
一見して「ナニコレ?」って感じのフォルムですが…
この謎の2つのリップが水の抵抗を手元までしっかりと伝えてくれくれることで、シンキングペンシルの中では流れの変化が格段にわかりやすい部類のルアーになっています。
そして、飛距離に関しても妥協はなく、リップが2つも付いているにもかかわらず、想像を絶する飛距離(これマジ)。
後方重心の影響でしょうが、いい意味で期待を裏切られます。
なお、低速域ではかなり尻下がり気味なので、中速以上でやや表層よりのレンジをトレースするのに活躍します。
ぶっ飛び君95S(ジャンプライズ)
ぶっ飛びシンキングペンシルの定番といえるのがぶっ飛び君95(ジャンプライズ)です。
最近ではサーフゲーム特化型のシンキングペンシルが増えたため、飛距離に関しては存在感がやや薄れてきています。
ただ、ぶっ飛び君が差別化できる点はラトル入りバージョンです。
ラトルを搭載したぶっ飛びのシンキングペンシルというのはほとんど存在しません。
そのため、ぶっ飛び君ラトルSPは濁り潮やローライト時に効果を発揮します。
タックルボックスに1つは入れておきたいヘビーシンキングペンシルといえます。
注意点としては、浮き上がりやすいため、ストレスなくトレースできるのが表層~1mくらいまでのやや浅めのレンジということです。
シンキングペンシルはデイゲームでも大活躍!
ナイトゲームのイメージが強いシンキングペンシル。
でも、それは過去の話。
現在では多様なシンキングペンシルがリリースされています。
そのため、デイゲームでも活躍できるシンキングペンシルはたくさんあります。
それぞれのシンキングペンシルの特性を活かせば、デイゲームでも大きな武器になります。
デイゲームにシンキングペンシルを加えるとシーバスゲームの選択肢がさらに広がるので、これまで敬遠してきたアングラーは是非一度チャレンジしてみて下さい。