家に帰るまでが『遠足』であるとはよく言ったもんだ

2021年5月9日

今年もまた釣り人による悲しい水難事故が起きてしまいました。

事故の概要

2021年5月9日

香川県丸亀市にあるとあるため池(水深6m)で、33歳の父親と6歳の息子が溺死しているのが発見されました。

第一発見者は母親。

釣りに出掛けたまま帰らない2人を心配した母親が2人を探していたところ、水面に浮かんでいた息子を発見したそうです。

ここからは想像ですが…

2人とも溺れたということは、おそらく先に落水した子どもを助けようとして父親も池に飛び込んだ…ということではないかと思われます。

くしくも、この日は母の日。

母親にとっては悔やんでも悔やみきれない一日になってしまいました。

事故は誰にでも起き得るという認識を持て!

この手の水難事故のときにいつも取沙汰されるのが「ライフジャケットを着用していたのか?」ということ。

確かにライフジャケットを着ていれば必ず助かるというものではありません。むしろ、ライフジャケットを着ていても助からないという案件はたくさんあるでしょう。

特に海での船釣りの場合とか。

でも、香川県のため池ということを考えれば、おそらくは灌漑用の貯水池で、規模や大きさも天然池のような広大なものではないと考えられます。

たとえ水深が6mあったとしても浮いて待つことができれば助かる可能性はかなり高かったのではないかと考えられます。

オカッパリの釣りのときにライフジャケットを着用しない人の思考回路ってほぼ決まっています。

自分は落水することはない

落ちても足が届く場所だから大丈夫

です。ほぼこのどちらか。

「落ちたらやべぇかもしれないけど、ま、いっか」

こんな人はほぼいません。仮にこんな人がいたとしても、その根底には「落水することはない」っていう気持ちがあります。(↑と同じです)

ただ、よく考えてほしい。

落水による水難事故に遭った人がみんな「自分は落水するかもしれない」とか「むしろ、落水してやろう」って思っていて事故に遭ったのか?

そんなわけはありません。

誰もが「自分は大丈夫」と考えていた結果、事故に遭ったのです。

「自分は落水するかもしれない」とか「むしろ、落水してやろう」なんて思って事故に遭う人なんていません。

それでも事故に遭う可能性があるのです。

ライフジャケットの着用を見直してほしい

水難事故というのは、いつ何時、釣り人に襲い掛かるかわかりません。

どんな釣り人であっても、水難事故が起こってしまう可能性はあるのです。

「落水するかもしれない」と思いながら落水している人はいません。

誰しも「自分は大丈夫」と思いながら落水しています。

それが水難事故です。

最近では数千円からでも十分な性能をもったライフジャケットが売られています。

ルアー2,3個我慢すれば全然買える値段です。

ライフジャケット警察のようにはなりたくありませんが…

ライフジャケットの着用は他人のためではありません。

自分と家族のためです

今一度、水難事故に遭遇した人の思考をも考えて、自分のライフジャケットに関する認識を見直してみてはいかがでしょうか。

あなたの命はルアー2個分より価値が低いのですか??

家に帰るまでが『釣り』です

昔からよく言われたものです。

「遠足のバナナはおやつですか?」…ということではなく

家に帰るまでが『遠足』です」と。

釣りも同じです。

家に帰るまでが『釣り』です。

無事に帰宅することは『釣り』という『レジャー』に関わる人の責務だと思っています。

自分が水難事故に遭ったときに家族がどういう思いをするか。

母の日に、息子と夫の溺死現場を発見したお母さんがどんな思いだったか。

釣りに関わらない人の立場をよく考えてあげて欲しいです。