冬はシーバスが釣れにくい時期といわれます。
実際にハイシーズンと同じような釣り方をしていると、まったくシーバスに出会えない日もたくさんあります。
そのため、冬にはシーバス釣りに行かないというアングラーも少なくありません。
しかし、冬の釣行はハイシーズンに向けてとても重要な意味を持っています。
このページでは冬にシーバスを狙いに行く意味についてご紹介します。
冬はシーバスが釣れない!?
実釣編の第19回、第20回の記事でも取り上げましたが、冬というのは年間を通してシーバスを釣りにくい時期になります。
「釣れない」ではありません。
「釣りにくい」のです。
釣れる日、釣れる場所によってはハイシーズン以上に釣れることもあります。
でも、冬全体をみると、やっぱり釣りにくい。
詳しくはコチラ↓
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それでもシーバスを釣りに行け!
シーバスが釣りにくいことがわかっているのに、なぜシーバスを狙いに行くのか?
シーバスフィッシングを始めた頃にはそんなふうに考えて、冬はシーバス釣りには行きませんでした。
ところが、ある日師匠から
といわれました。
って感じのやりとりをした記憶があります。
結局、師匠に付き合わされるように冬に夜な夜なシーバス釣りに出掛けて行ったところ…
まさかの効果が(笑)!
なぜ、師匠が頑なに冬のシーバス狙いを僕に勧めてきたのか、その時はわかりませんでした。
でも、ハイシーズンになった頃、その意味をようやく実感し始めました。
冬にシーバスを釣りに行く意味を考える
釣れない、釣りにくいとわかっていながら、なぜ冬にシーバスを狙いに行くのか?
これには、いくつもの重要な意味があります。
ハイシーズンに釣りができない場所で釣りができる
ハイシーズンになるとメジャーなポイントには連日アングラーが押し寄せます。
ポイントによっては、ナイトゲームのために朝から場所取りをしているというところさえあります。
ハイシーズンはメジャーポイントでは釣りがしにくいものです。
仮に、いざ釣りができたとしても、普段釣りができないので、そのポイントについて情報がほとんどないこともあります。
水深、ブレイクポイントの位置、地質、ベイトが溜まりやすい場所、流れが当たる場所など…
その点、冬というのはアングラーが少なくなる季節です。
超メジャーポイントが貸し切り状態ということも少なくありません。
メジャーポイントの情報を入手するためには、真冬というのは絶好の季節です。
真冬に知ることができた情報というのは、ハイシーズンにそのポイントで釣りをするときに大きな武器になります。
ハイシーズンに行くことのない場所で釣りができる
シーバスの釣果が連日聞こえてくるようになると
という思いから、実績のあるポイントにしか足を運ばなくなります。
人間の心理としてはとても自然なことです。
でも、海は繋がっているので、いつ、どんなところでシーバスが爆釣しても不思議はありません。
もちろん、実績ポイントには『釣れる理由』があります。
しかし、そこだけがポイントではありません。
そんな自分だけのポイントをいつ開拓するのか?
いま(冬)でしょ!
という思いがあるならば、思い切って『初めてのポイント』で釣りをしてみてはいかがでしょうか。
いままで気になっていたけど、ハイシーズンには時間が惜しくて立ち寄れなかったポイント
誰でも、そんなポイントがいくつかはあることでしょう。
釣れない時期に開拓してみると、思わぬ発見があるかもしれません。
・潮目がくっきりと現れて潮の流れがすごく効いていた
・目の前でシーバスがボイルしていた
といった場面に出くわすこともたくさんあります。
そうなると、ハイシーズンでメジャーポイントに入れないときでも
というポイント候補がたくさんできます。
いままで目ぼしいポイント候補が5か所くらいしかなかったのに、冬が明ける頃には100か所くらいポイント候補ができているかもしれません。
いままで見えなかった地形や地質が把握できる
これはなにげに重要。
夏と冬では潮位の高さが違うのはご存知ですか?
高水温による海水体積の増加や大気圧による海面への圧力の影響から、夏から秋にかけては潮位が高く、冬から春にかけて潮位が低くなる傾向にあります。
中海では、潮汐の変化以上に夏と冬では潮位が変わります。
夏場はいつも水に浸かっている足場が、冬場になると大きく露出します。
左が夏、右が冬です。
太平洋側では潮汐の変化でもこれ以上の潮位差がありますが、日本海側では潮汐の変化だけでこれだけ潮位が変わることはありません。
でも、冬になるとこれほど潮位が低くなるのです。
また、冬は夏に比べると海水の透明度が上がります。これは、水中のプランクトンが減るからだといわれています。
つまり、冬になると、夏には見ることのできなかった水中の地形や地質を確認できるようになります。
夏には見ることができなかったブレイクラインがハッキリと見えたり。
砂地だと思っていた場所に砂利が広がっていたり。
あるいは、こんなところまで砂地が広がってたの!?って感じで驚くこともあります。
冬にしか見ることのできないポイントの状況というものがあるのです。
ポイントを「見切る」ことを覚えられる
実釣編第20回の記事でご紹介したとおり、冬のシーバスフィッシングはベイトの存在というのがとても重要になります。
冬は、『出会い頭の一匹』のような偶然釣れるシーバスが少なくなるため、ヒントのない状態で回遊待ちをするのはとても効率が悪いです。
そのため、ベイトを探してアングラーが回遊する必要があります。
この
釣りをする→ベイトがいない→移動
を繰り返しているうちに、ポイントを見切るということを当たり前にするようになります。
シーバスアングラーの中には、ヒントがなにもない状態で1時間も2時間も同じ場所で粘る人もいます。
冬の釣りではこういう場合、出会い頭の一匹に偶然遭遇できない限り、何かが起こることはほとんどないでしょう。
というのであれば、それで構いません。
でも、ルアーフィッシングはエサ釣りとは違います。
待っていても魚の方から寄ってきてくれることはほとんどありません。
釣り人の方から魚を探して、魚に近づいて、魚に気づいてもらう必要があります。
僕の場合、20分くらい釣りをしてノーヒントであれば場所を移動します。
魚が居そうな場所を探して移動します。
その「ポイントの見切り」はアングラーごとに違います。
正解はありません。
ただ、そもそもポイントを見切れずに延々と同じ場所で釣りをしてしまう場合。
こういうときは、冬の釣りにくい時期に「魚を探して移動する」というルアーフィッシング本来のスタイルを一度体感しておくといいでしょう。
釣りが丁寧になる
ベイトの動きが鈍くなり、釣り場から得られる情報が少なくなってくる冬。
そんな冬に釣りでは、周囲の音や波紋、ルアーに何かが当たる感触など…。少しでも多くの情報を得ようと周囲に目を配り、耳を澄ませ、ラインやロッドに集中するようになります。
このような情報の入手方法というのは、今後、どんな場所で釣りをするにも必ず役に立つ方法です。
「釣りにくい」シーバスを冬の間に狙うと、それだけで自分の釣りのスタイルが磨き上げられ、研ぎ澄まされていきます。
冬の釣りは『ブートキャンプ』
SNSなどでは
というつぶやきとともにシーバスの写真が掲載されることがよくあります。
と思うこともありますが(笑
そういう意味においては、冬にシーバスを狙うというのは、ハイシーズンに向けた練習という意味合いもあります。
ビギナーにとってみれば『ブートキャンプ』のような位置づけといえるかもしれません。
それだけ、冬にシーバスを狙うことで得られるものは大きいです。
(野球に興味のない人もいると思いますが)プロ野球では2月1日から各球団が一斉に春季キャンプ・インです。
この時期は6か月間に及ぶペナントレースを戦い抜くための体力づくりやスキルの習得のための大切な期間です。
春季キャンプの仕上がりがペナントレースの成績に大きな影響を与えます。
シーバスフィッシングにおいてもまったく関係ないとはいえません。
冬の間に得られた情報や磨き上げられた自分のスタイルは、ハイシーズンになると驚くほどに効果を発揮します。
おそらく
冬の釣りがハイシーズンの釣果に結び付かなかった…|•́ω•̀ )シュン
というケースの方が少ないでしょう。
それくらい、シーバスフィッシングにおいて冬の釣りは重要な意味を持っています。
冬の釣行がハイシーズンの釣果を激増させる
冬はシーバスが釣りにくい時期といわれます。
そんな時期だからこそできること、むしろ、そんな時期にしかできないこともたくさんあります。
その一つがメジャーポイントの情報収集です。
また、ハイシーズンには時間が惜しくてできない、目ぼしいポイントの開拓もその一つ。
「釣りの時間がもったいないから、ハイシーズンにはとにかく実績のあるポイントに行ってみる」というのは当然の心理です。
だからこそ、『今まで気になっていたけど釣りをしたことがない場所』で釣りができるチャンスは冬しかありません。
さらに、潮位の下がる冬にしか見られないポイントの状況もあります。
冬は、釣果こそなかなか上げづらいですが、得られるものもとても多い季節です。
ぜひ、ステップアップのために釣りに出掛けてみてはいかがでしょうか。