
12月。
秋のハイシーズンが終わり、海は一気に冬の気配に包まれます。
冷たい空気。光量の少ない日差し。
そして何より、釣り人の間に流れる「冬は釣れない」という空気感。
釣具店でも、SNSでも、現場のアングラーとの会話でも
アングラー
アングラー
アングラーといったように、毎年冬になると同じフレーズを耳にするようになります。
しかし、これらはどれも半分正しくて、半分は誤解。
冬のシーバスが難しいのは確かです。
しかし、釣りにくい理由さえ理解してしまえば、アプローチ方法を組み立てやすい季節でもあります。
この記事では、冬のシーバスフィッシングの釣果を安定させるための考え方をご紹介します。

最近の釣りメディアでは、釣りに関する情報がメーカーのために中・上級者目線で発信されるようになりました。ナチュラルリリースでは、ビギナー目線で語られることが少なくなった「釣りに関する『キホンのキ』」をビギナー目線で発信しています。
FAQ(よくある質問)

しかし、産卵に関与しない居残り組が確実に存在します。
この個体を探すことが冬のシーバスフィッシングの基本になります。
しかし、その代わりにボトムに依存するベイトが捕食の中心になります。
ハゼ・カニ・小型甲殻類・虫系など、シーバスが捕食可能なエサは冬でも数多く残っています。
しかし、それは絶対条件ではありません。
実際は、リトリーブスピードよりもレンジを合わせられているか?ということのほうが重要です。
冬シーバスに関する5つの誤解と解決方法
冬はシーバスが産卵でいなくなるから釣れない

確かに減る。
ただし、産卵に絡まない個体が一定数必ず存在する。
この居残り組のシーバスを狙うのが冬のシーバスフィッシングの基本。
巷でよく話題になるのが「冬はシーバスが産卵でいなくなるから釣れなくなる」というもの。
たしかに、一般的には「シーバスは冬に外海の深場へ移動して産卵する」といわれています。
そのため、春~秋にシーバスが釣れた場所に冬に行ってみても全然釣れないってこともあります。
また、日本海と中海を繋ぐ境水道は、12月になると、日本海へ移動するシーバスが狙えるハイシーズンとなります。
気温が下がっても、境水道のシーバス熱はまったく冷えません。むしろ12月こそ、ベイトが流れに集まり、良型の群れが外海へ下っていく“超ハイシーズン”。産卵+澄み潮+強い流れという条件が整い、デイゲームの釣果が一気に伸び[…]
このことからも、冬になるとシーバスは産卵のために外海の深場へ移動して釣れなくなるというのは、間違いではありません。
また、個体数の減少に伴って「偶然釣れる一匹」に出会う確率も減少します。
そのため
アングラーと感じる人も増えるでしょう。
しかし実際には、産卵に絡まない個体が一定数必ず存在します。
・体力的に産卵に行かない個体
・水温が変動しにくいエリアに残る個体
つまり、冬のシーバスフィッシングは残っている個体の居場所を探す釣りに変わります。
この狙い方の変化に対応できるかどうかで、冬の釣果が変わります。
冬はベイトがいないから釣れない
回遊性ベイトは確かに減る。
しかし、ボトム系ベイトは種類が多いので冬の主役になる。
12月になると多くのアングラーが口にするのが
アングラーという言葉。
しかし、これは単にメジャーなベイトがいないだけで、実際、ボトムには豊富なベイトが存在しています。
・エビやカニなどの甲殻類
・ゴカイやイソメなどのバチ
・その他さまざまな底棲生物
つまり、カタクチイワシ・アジ・サヨリといったメジャーな回遊性ベイトが減り、シーバスの捕食対象が底棲生物に移行します。
そのため、秋のように表層~中層を泳ぐイワシ・アジ・サヨリなどを前提としたルアーでは、急激にシーバスの反応が薄くなったと感じてしまうことがあります。
●●パターンにあてはまらないような底棲性ベイトを常に意識しておくことが、冬の釣果を上げるためのポイントになります。
バイブレーションでボトムを引けば釣れる

冬はボトムが中心になる。
ただし、ベイトに依存する以上、“潮の流れ”という海の重要なファクターを無視することはできない。
冬はボトム系のベイトが中心になるため、ボトムを攻めることそのものは正攻法といえます。
ただ、よくある誤解が
という考え方です。
当たり前の話ですが、シーバスへのアプローチがベイトに依存している以上、底棲性ベイトの活性が悪ければシーバスの食い気も上がりません。
つまり
・ある程度水温が安定していること
という必要最低限の海の条件が揃わなければシーバスは捕食活動を行いません。
最低限の潮の流れと安定した水温があって初めて、ボトムにいるベイトが動くようになり、シーバスのトリガーが引かれます。
冬は「回遊待ち」の釣りになる
冬の回遊待ちは再現性が低い。
ボトム系のベイトが溜まるエリアを探すことで釣果が上がる。
秋のような高活性のベイトの群れが回遊する時期と異なり、12月中盤以降は回遊狙いは極めて再現性が低くなります。
もともと、底棲生物は大きな群れで移動する魚種は少なく、居心地の良いエリアにまとまって点在しています。
つまり、冬のシーバスは、ベイトの群れの移動に合わせて回遊する個体を狙うよりも、底棲性ベイトの居心地の良いエリアを探していくアプローチの方が釣果を上げやすいといえます。
したがって、冬のシーバスフィッシングは、「回遊を待つ釣り」から「エリアを探す釣り」へシフトする必要があります。
冬はデッドスローじゃないと食わない
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スローな方が効果的なケースは多い。
ただし、スピード以上にレンジが合っているかが重要になる
某プロこれは、非常によく語られる冬のシーバスの狙い方。
たしかに、スローに漂わせなければ食ってこない(と感じる)場合もあります。
しかし、これが絶対的な正義ではありません。
冬シーバスで最も重要になるのがスピードではなくレンジです。
例えば
といったように、シーバスがいるであろうレンジにしっかり合わせられることが最重要です。
繰り返しになりますが、そもそも冬はシーバスの個体数が減少します。
つまり、偶然出会えて釣れるシーバスが確実に減ります。
そのため、ルアーのスピード以上にレンジ(シーバスのいる層)にこだわる必要があります。
冬は「釣りにくい理由」を知れば釣果が変わる!
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冬のシーバスは、難しいといわれます。
しかし、裏を返せば「釣りにくい理由を知れば釣果を伸ばせる季節」ともいえます。
・ベイトがいなくなるわけではなく、見えないところに存在している
・ベイトに依存する以上、潮の流れは絶対的に必要になるファクター
・冬は回遊待ちより“エリアの狙い撃ち”が圧倒的に有利
・スピードよりレンジが重要
この5つを押さえるだけで、12月のシーバスフィッシングの釣果は大きく変わります。
冬でも、条件が揃った場所で適切なレンジにルアーを通すことができれば、シーバスはしっかりと口を使ってくれるでしょう。

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