寒い季節の定番といえばソルトのウルトラライトゲーム。
シーバスや青物などの釣り物が少なくなる冬でもお手軽にできる釣りがメバリングとアジングです。
装備品もコンパクトに収まるので防寒着の季節でも割とハードルが低く、始めやすい釣りとといえます。
でも、【メバリング】や【アジング】とカテゴライズされてしまうと

って戸惑う入門者も多いようです。
このページではワンタックルで始める冬のウルトラライトゲームをご紹介します。
冬のウルトラライトゲームの魅力

冬のウルトラライトゲームとは
冬はシーバスや青物が岸から離れて釣れづらくなる季節。
でも、冬だからこそ釣れ始める魚もいます。
それがメバルやアジといった小型のフィッシュイーター。
このメバル・アジを狙ったメバリングやアジングが冬のウルトラライトゲームです。
ウルトラライトゲームの魅力とは

と侮るなかれ。
使うロッドが柔らかく、使うラインが細いというのもあって、メバルでも30cmを超えるような魚(いわゆる尺メバル)になると釣りあげるのに一筋縄ではいきません。
アジであれば、時に40cm級の群れも回遊してくるエリアもあるので、それだけ大きなアジともなるとロッドは常にフルムーン状態です。
また、ウルトラライトゲームの面白さは魚の引きだけではありません。
一番の面白さは
ゲーム性の高さ
です。
シーバスや青物は、群れにさえ当たれば、並んで釣りをしているアングラーにバタバタと釣れ始めることがあります。
でも、アジングでは群れに当たったとしても釣果に歴然とした差が出ることがあります。
極端にいって10対0とか。
シーバスだと1対0~3対0くらいの差ならあり得ますが、さすがに10対0とかは聞いたことがない。ベテランと釣り初心者が並んで釣りをしていない限りそれだけ釣果に差がつくことはないでしょう。
でも、アジングは違います。
ウルトラライトゲームに手慣れたアングラーと(釣り歴の長い)アジング初心者が並んで釣りをすると10対0の差がつくことも珍しくありません。
釣り初心者じゃなくても、ウルトラライトゲームに慣れていないと釣果に大きな差が生まれます。
引き出しの多さや発想の豊かさの差が如実に現れるのがウルトラライトゲームのゲーム性の高さです。
メバル・アジはいつ釣れる?

わりと年中狙える
メバルが最も面白くなるのはほかの釣り物が少なくなる寒い季節です。
だいたい晩秋から初春にかけての季節が一番面白いです。

アジは真冬より春~秋の方が釣りやすいですが、ベイト次第では真冬でも群れで釣れるので、わりと年中狙えます。
釣りやすいのは夜
回遊性青物は夜になると極端に釣りにくくなるのですが、アジに関していえば夜でも普通に釣れます。
むしろ、常夜灯に集まってくるベイト(アジに捕食されるプランクトンやエビ・小魚)を追いかけて夜に港湾内に入ってくることも多いです。
メバルの場合、昼は海藻や岩陰に身を潜めて獲物を狙い、夜になるとアジと同じように常夜灯に集まるベイトを狙うようになります。
メバル・アジともに昼でも全然問題なく釣れますが、圧倒的に狙いやすいのはベイトが集合するナイトゲームです。
メバル・アジはどこで釣れる?
漁港

メバリングやアジングを始めるうえで最も確実でおすすめのポイントは漁港です。
漁港であればほとんどどこでも常夜灯が設置されています。
常夜灯周辺にはプランクトンや小魚・エビなどが集まりやすく、これらを捕食するメバル・アジにとっては絶好の捕食ポイントになります。
アングラーにとっては足場が良く、明るいので周りもよく見渡せてとても釣りのしやすいポイントといえます。
磯

主に大型メバルを狙うためのポイントです。
ガチの地磯である必要はありません。
漁港に隣接したアクセスしやすい磯でも大型のメバルを狙うことができます。
ワンタックルで始めよう!

最近はメバリングもアジングも、その釣りのために最適化されたタックルが簡単に入手できるようになってきました。
裏を返せば、それだけ選択肢が増えてユーザーとしては選択に迷うことにもなります。
でも、『アジング』なんて言葉が生まれる前は、アジを狙うウルトラライトゲーマーはメバルタックルでアジを狙っていました。
かつてエリアトラウトにハマっていた僕は、エリアトラウトロッドでメバリングを始めました。もちろん『アジング』なんて言葉はない時代です。
冬にメバルを狙っていると、けっこう頻繁にアジが釣れました。
そして、30cm級のアジともなると小メバルよりもはるかによく引いて面白いものでした。
この当時はいずれもエリアトラウトロッドでの釣果です。
細かいことを言い出せばキリがありませんが、お手軽に始められるのがウルトラライトゲーム最大の利点です。
変にタックルを細分化(専門化)してハードルを上げるより、ワンタックルで始められるということをまずは理解してください。
これだけは押さえたい!~ロッド編~
チューブラーとソリッド
ウルトラライトゲームのロッドティップ(竿先)には2種類あります。
通常のルアーロッドのロッドティップの内側は中空(空洞)になっています。
これをチューブラーティップと呼びます。
ほとんどのルアーロッドがチューブラーのロッドです。
でもウルトラライトゲームにはチューブラーのほかにソリッドティップと呼ばれる竿先のロッドが存在します。
ソリッドティップとは竿先の内側までカーボンが詰まっているロッドです。
ソリッドティップのメリットは、竿先の内側が全部カーボンで詰まっているため、竿先を細くしても強度を出すことができ、竿先を細くしても折れにくいということが挙げられます。
竿先を細くする理由は『食い込み』が良くなるためです。
魚のアタリに竿先が追従してオートマチックでフッキングすることができるのがソリッドティップの最大のメリットです。
おすすめはチューブラー
ワンタックルだけ揃えるときはチューブラーティップのロッドを準備しましょう。
ソリッドロッドのオートマチックフッキングは確かに魅力的ですが、ソリッドティップはあまりにも竿先が柔らかいのでジグヘッド以外のルアーの扱いがかなり難しいです。
でも、メバリングやアジングではジグヘッド以外にもプラグやマイクロメタルジグやスプーンなんかも使ったりするので、ソリッドティップのロッドでは扱えるルアーの幅が狭くなりすぎます。
ワンタックルだけ揃えるときは必ず汎用性の高いチューブラーティップのロッドを選びましょう。
長さは6ft半(6ft後半)
最近のアジングは感度・感度・感度…といってロッドがとても短くなる傾向にあります。
ロッドが短くなれば確かに操作性は上がりますが、体感的にそれほど感度に影響はありません。
逆にメバルロッドでは7ft後半から中には8ft台のロッドまで販売されています。足場の高いオープンエリアのみで釣りをする場合は長くてもいいですが、船が係留されている漁港で釣りをするときは7ftすら長く感じることもあります。
長すぎず短すぎず、ちょうどいい長さは6.6ft+αくらいです。
おすすめロッド
これだけは押さえたい!〜リール編〜
糸巻き量は5lb100m
リールを選ぶときの一つめのポイントは糸巻き量です。
ウルトラライトゲームで最も多く使用されるラインの太さは3lbです。
なので「3lbラインが100mほど巻けるリールであれば大丈夫」といえそうです。
…が、そこは相手が海の魚。
まれに60~70cmクラスのシーバスがヒットしたことがあります。
また、40cmクラスのチヌがヒットしたこともあります。
どんな魚が掛かるかわからないので、釣れる可能性のある魚に合わせて、なるべく強いライン(〜5lbクラス)が100m巻けるリールを選びましょう。
ギア比はハイギア
ウルトラライトゲームでは超デッドスローでリールを巻くことも少なくないのでギア比の低いリールが勧められがちです。
でも、ウルトラライトゲームでは扱うルアーが軽い分、ルアーを通して得られる水中の情報もかなり繊細な情報になります。
そんな釣りでローギアのリールなんて使った日には得られる情報も得られなくなってしまいます。
確かにハイギアのリールで安定したスローリトリーブをするには少々慣れが必要ですが、それはあくまで慣れの問題です。
でも、リールから得られる感度というのは慣れればどんなリールを使っていても水中の情報がビンビン伝わってくる…というものではありません。
そこはリールの仕様に頼った方がいいでしょう。
感度の良さはリールに任せて、アングラー側は巻きスピードの調整に全力を注いだ方がよっぽど生産的です。
ウルトラライトゲームでは水中のわずかな情報を見逃さないためにもハイギアのリールが断然おすすめです。
ボディは樹脂製
手元に伝わる小さな情報を頼りにゲームを組み立てるウルトラライトゲームに使うリールは、ノイズの少ないリールがおすすめなのはいうまでもありません。
シマノであればステラ。ダイワであればイグジスト。
でも、冬に釣りをすることを考えれば、もう一つ重要なポイントがあります。
それはリールのボディが冷たくならないこと。
アルミボディやマグネシウムボディのリールは冬に釣りをするとリールフットが冷たくなってリールを持っている手がつらくなってきます。
でも、樹脂製(ci4+ ザイオン)ボディのリールは、軽いだけではなくリールが冷たくならないので、冬の釣りにはかなりおすすめです。

おすすめリール
初めての場合、リールはけっこう番手に迷うかもしれないので、↑の番手に絞ってしまえば問題ありません。
これだけは押さえたい!〜ライン編〜
ナノダックス一択
ウルトラライトゲームで使われるラインは、ナイロン・フロロ・PEです。
それに加え、エステルラインというラインがおすすめされることがあります
…が、とりあえずこれは置いといてください。
通常であればナイロンかフロロから選択することになります。
水中から得られる情報が小さいことを考えれば、ナイロンよりフロロがおすすめです。
ただ、フロロはライントラブルが少なくないのと、引張強度がナイロンより弱いので、ナイロンと同じポンド数のラインにするとどうしてもフロロの方が太くなってしまいます。
なので、入門者にはナイロンの扱いやすさとフロロ並の高感度を兼ね備えたナノダックスが最も扱いやすいラインといえます。
強さは3〜5lb
ウルトラライトゲームで使われるラインの強さの基本は
3lb
と考えて下さい。
特に意味はありませんが、通常はそれくらいの強さがあれば十分です。
僕みたいにビビりの人や、リールのドラグ性能に不安がある人は4lbでもOKです。

もっとビビりの人や、セイゴやチヌが不意に混ざるから、こういう魚も獲りたいという人は5lbくらいまで強くしても全然問題ありません。
というか15年くらい前は5lbってけっこう普通でした。昔は5lbで釣っていました。
おすすめライン
これだけは押さえたい!〜ルアー編〜
まずはジグヘッド単体1.5g
最近ではウルトラライトゲーム用のプラグ・メタルジグ・スプーンからスピナーまで様々なルアーが販売されています。
これに加えて、フロートと呼ばれる遠投用のウキまで販売されています(フロートを使ったリグはメバリング黎明期からありました)。
こまごましたものを準備するとかなりの種類の道具になってしまいますが、ウルトラライトゲームをお手軽に始めるのであればジグヘッド単体で大丈夫です。
重さは1.5gの1種類だけでまずはOKです。
波動の強弱で2種類のワーム
ワームは何でも構いませんが、これもこまかいものを揃え出すとキリがないので、波動の強弱で区別して2種類を準備すればとりあえずOKです。
波動の弱いもの:ピンテール(orストレート)系
カラーの違いで2種類のワーム
正直なところカラーはその日その日で正解が違うのでたくさんあった方がいいですが、お手軽に始めるのであればまずは2種類。
・蛍光(orグロー)系
目立つカラーと目立たないカラーの2種類を準備します。
蛍光系にもピンクやオレンジやイエローがありますが、とりあえずどれでもいいので気に入ったカラーを1つ準備しましょう。
クリア系は水の透明度が高いポイントで威力を発揮するので必ず準備しましょう。
ワームは2×2で4種類
ウルトラライトゲーム入門では波動の強いワームの2カラーと、波動の弱いワームの2カラーの4種類からスタートします。
ちなみに、ワームの長さは2インチが基本ですが、最近はワームの種類が増えすぎて、〇インチって表すのが適切じゃないようなヒョロヒョロの長いものがあったりします。
なので、細かい長さにはそれほどこだわらなくても構いません。
2インチ前後です。
少し大きいと感じればカットすればいいので、1.5インチを選ぶよりも2インチの方が応用が効きます。
おすすめジグヘッド+ワーム
はじめよう冬のウルトラライトゲーム

寒い冬場。
釣り物が少なくなり、オフシーズンと考えるアングラーもたくさんいます。
でも、冬だからこそ熱くなれる釣りもあります。
まずはワンタックルを揃えてウルトラライトゲームの世界へ足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。