【19ストラディック】エントリーモデルの進化が止まらない!!

シマノからコスパ最強モデルである【ストラディック】のモデルチェンジが発表されました。

管理人もすでに注文したので、今年モデルチェンジされることとなったストラディックについてご紹介します。

ストラディックの歴史

シマノの初代ストラディックは、「永遠に変わらない巻きごこち」をキャッチフレーズに2015年に発売されました。 売値では20000円前後で、入門機の中では最上位クラスです。

入門機とはいえ、いわゆるエントリーモデルといわれるクラスのリールになります。

2014年までは、この価格帯を代表するシマノのリールに【バイオマスター】という機種がありました。

バイオマスターは1992年に初代機が発売され、20年以上もシマノのエントリーモデル代表として、その席を譲ることはありませんでした。

ところが、2015年にシマノがHAGANEコンセプトを立ち上げたのと同時に、バイオマスターがスピニングリールのラインナップから姿を消し、その代わりにストラディックがバイオマスターの席に突如として登場しました。

この出来事(2015事変)により、長年のバイオマスターファンの多くが涙を流したものです。

それと同時に、ストラディックは高いハードルを前にして、大変なプレッシャーを受けながら発売されることとなりました。

永遠に変わらない巻きごこち

ストラディック登場後はバイオマスターが生産されなくなったため、長年のバイオマスター愛好家もストラディックを買わざるを得なくなりました。

ストラディックを手にしたバイオマスター愛好家の評価はどのようなものだったのか…

それは…

おぉ…ストラディックすげぇいいよ!!!

ストラディックは、かつてのバイマスター愛好家を余裕で納得させるほどの出来だったのです。

使用感は、ハイエンドクラスと比べてもほとんど…いや、まったく違いが分からないほどの出来栄え。

そして、シマノの新設計思想であるHAGANEコンセプトを身にまとい、「永遠に変わらない巻きごこち」をキャッチフレーズにした耐久性。

かくしてストラディックは、瞬く間にコスパ最強リールの称号を欲しいままにしました。

一方、バイオマスターはひっそりと姿を消していきました…

ストラディックの進化は止まらない

2019年7月、そのストラディックがさらに進化して19ストラディックとしてモデルチェンジすることが発表されました。

ユーザー目線での大きな進化は、以下の点になります。

①マイクロモジュールギアⅡ

②サイレントドライブ

③Xプロテクト

④ロングストロークスプール

マイクロモジュールギアⅡ

マイクロモジュールギアとは、ギアの歯の部分を可能な限り小型化したギアのことです。

細かい歯を数多く密にかみ合わせて、強度を低下させることなく滑らかな動力伝達を実現したものです。

さらに、ギアの歯面ひとつひとつの設計を見直して軽やかで滑らかなギアフィールを徹底的に追求したのがマイクロモジュールギアⅡです。

マイクロモジュールギアⅡの技術面ももちろんすごいのですが、これがストラディックに搭載されていることそのものが驚くべき進化です。

2019年7月時点において、シマノのスピニングリールにマイクロモジュールギアⅡが搭載されている機種は、ステラ(コアソリッドシリーズのフラッグシップ)とヴァンキッシュ(クイックレスポンスシリーズのフラッグシップ)の2機種のみです。

その他の機種にはマイクロモジュールギアⅠすら搭載されていません。

ミドルクラスのリールを飛び越えて、一気にストラディックにマイクロモジュールギアⅡが搭載されることとなりました。

※これにより、ストラディック以上の価格帯のスピニングリール(SWシリーズを除く)にはマイクロモジュールギアⅡが搭載される流れになると思います。

サイレントドライブ

サイレントドライブとは、駆動関連部品のガタ、隙間、揺れを徹底的に排除することで滑らかでガタつきのないリーリングを可能にした設計のことです。

これは、テクノロジーの名前というよりも、「駆動関連部品の精度を上げてガタを排除しましたよ」というリール設計のことです。

このような設計にかっこいい横文字を名付けただけで、そんなに大袈裟なものではありません。

しかし、アングラー目線で見ると、リーリングのガタつきが抑えられることで、より正確な情報が手元に伝わるようになるため、大変ありがたい設計です。

コツコツコツというリーリングのノイズが排除されると、手元に伝わる情報の精度が格段に向上します。

サイレントドライブは18ステラで採用された設計ですが、19ストラディックに惜しげもなく採用してきました。

Xプロテクト

Xプロテクトとは、シマノが誇る鉄壁の防水機構のことです。

リールの最大の敵は塩噛みや汚れの付着です。

これらが原因で、駆動部分が正常に動作しなくなり、ノイズが発生したりジャリジャリゴリゴリと音が出始めます。

Xプロテクトはラビリンス(迷宮)構造によって水や汚れが侵入しづらい設計になっています。

管理人は18ステラを洗うときに実際に水を張ったバケツにドブ漬けしていますが、リール内部から気泡(空気)が出てくることはほぼありません。

逆に言えば、外からの水滴も入りにくい構造になっているということです。

ビックリするくらい空気漏れがないです。

ちなみに、古いリールをバケツにドブ漬けすると、リール内部から空気がけっこう出てきます。

永遠に変わらない巻きごこちを実現するためには不可欠な構造がXプロテクトです。

ロングストロークスプール

ロングストロークスプールとは、平たく言えばスプールの背丈が少し高いスプールです。

スプールの背丈を高くすることで、およそC3000サイズのリールで5%の飛距離アップに繋がります。

シマノのスピニングリールではステラだけに採用されていましたが、2019年7月時点では、ステラの他には19ヴァンキッシュと19ストラディックに採用されています。

ここでも、ミドルクラスのリールを飛び越えて一気に19ストラディックに採用されることになりました。

シマノは本気だ!

バイオマスターに終止符を打ってまで登場させた15ストラディック。

長年のバイオマスター愛好家をも納得させなければならなかった15ストラディックは、エントリーモデルに搭載可能な(当時の)最新技術をふんだんに採り入れることで、コスパ最強リールの称号を手入れました。

そして、そこから更なる進化が求められる19ストラディックは、ミドルクラスのリールを遥かに超える性能をまとったエントリーモデルのリールとして2019年7月に登場することになりました。

19ストラディックには、エントリーモデルのコスパ最強を目指すシマノの本気度が、「これでもか!」というくらいに詰め込まれています。

ハイエンドモデルに迫るスペックをまとった19ストラディックをぜひ皆さまも手にしてみてください。

60時間使ってみた(追記)

1回の釣行で3~4時間程度、合計17回の釣行に19ストラディックを使用してみましたので、気付いた点や気になった点についてご説明します。

これさえあれば間違いなし!

まず、純粋に「シーバスを釣る」、「魚を釣る」ということだけを考えれば、19ストラディックにはまったく不満はありません。

というよりも、19ストラディックのみを使用していてこのリールに不満があるという人はほとんどいないと思います。

(強いていえば、デザインは好みではありません…)

投げる、巻く、掛ける、獲るという動作のすべてにおいてまったく不満な点はありません。

Xプロテクト最高!!

私はリールを洗うときには「バケツに水を張って、リールをドボンと浸けてバケツの中でハンドルをグリグリ回して、はい終了」という感じで洗います。

これが一番洗えているような感じがします。

いまのところ、すべてのリールにおいてこの洗い方で不具合が出たことはありません。

そして、Xプロテクトじゃないリールの場合、リールをドボンと浸けたときにリール内部から気泡が出てきます。

逆にいえば、この時にリール内部に水が侵入しています。

海水がリール内部に入ったままになるよりはマシだと思いますが、それでも、「このままにして大丈夫だろうか?」という不安がいつもありました。(結果的には大丈夫でしたけど)。

この点、Xプロテクトのリールは、リール内部の空気が出てこないため、バケツの水もほとんどリール内部に侵入していないと思います。

すごいです。Xプロテクト。

ステラと比べるのは無理があった…

19ストラディックは最新のシマノの技術をふんだんに取り入れて、コスパ最強リールの座を確実に狙ってきました。

同価格帯のすべてのリールを試したわけではないのですが、19ストラディックはコスパ最強リールの称号を十分に射程に入れているリールであることは間違いないと思います。

が、しかし!!!

ステラと比べた場合はどうか??

結論からいえばベツモノです。

たしかに、19ストラディックには、ステラやヴァンキッシュにしか使われていないシマノの最新の技術特性が取り入れられています。

しかし、だからといって「19ストラディックの使用感がステラになるのか?」といえば、答えは「ノー」です。

これは、本当に本当に小さな違いでしかありませんが、しかし、使い比べれば確実にわかる違いです。

目をつぶって巻き比べれば、100人中90人以上は、19ストラディックとステラの違いは分かると思います。

微妙なガタツキ(クリアランス)や、ギアの噛み合わせやノイズなど、わずかですが確実に差があります。

コスパ最強リールの一つ

問題は、その微妙な差のために4万円以上の大金を出せるかどうか?(4万円以上出す気があるかどうか?)です。

19ストラディックと18ステラを巻き比べて、その違いがわからない人はほとんどいないと思います。ステラの方が明らかに巻き心地がいいです。

だからといって、4万円以上も高い18ステラを簡単に「買います!」と言えるかどうかは、リールに対する価値観の違いによるところが大きいです。

私自身は、リールは可能な限り高性能なものがいいと思っているので18ステラを使っています。

しかし、お偉いさんからの指示で「今後は19ストラディックで釣りをするように」と厳命されれば、二つ返事で「はい、わかりました」と言って19ストラディックを使うことでしょう。それくらい、とても素晴らしいリールです。

あるいは、磯場やオフショアなんかでヘビーに、少々雑に使いたいというのであれば、まず間違いなく候補に入ってくるリールだと思います。

この価格帯でこの性能のリールが使えるのであれば文句が出ることはありません。

18ステラと巻き比べると確かに違いはありますが、20000円ほどのエントリーモデルということを考えると、これほど素晴らしいリールはなかなかないと思います。