【ステップアップ】夏攻略!シーバスルアーのカラー選びは『フラッシング』で決まる!!【第3回】

夏のシーバスゲームでは、光の強さや水質の変化によってルアーの見え方が大きく変わります。

特に、『フラッシング』を意識したカラー選びは釣果を左右する重要なポイントになります。

このページでは、夏の光量と水質に合わせたルアーカラーの選び方をご紹介します。

執筆者
ショーカラ(y-nax)
『釣り』の翻訳家
最近の釣りメディアでは、釣りに関する情報がメーカーのために中・上級者目線で発信されるようになりました。ナチュラルリリースでは、ビギナー目線で語られることが少なくなった「釣りに関する『キホンのキ』」をビギナー目線で発信しています。

夏シーバスは『光』×『水の色』で攻略する

夏は日照時間が長く、日中は強烈な日差しが海面を照らします。

また、ゲリラ豪雨がもっとも発生しやすいのも夏の特徴です。

河川や湾奥では、ゲリラ豪雨によって河川から水が流入し、水の濁りが目まぐるしく変化します。

こうした状況でシーバスを狙おうとすると、ルアーのカラーセレクトは大きな差を生むポイントになります。

そこで重要になるのがルアーの明滅効果、いわゆる『フラッシング』です。

ルアーが泳ぐたびにボディが光っては消える。

この光の変化が、小魚の群れを演出し、シーバスの捕食のトリガーを引くきっかけになります。

フラッシングがシーバスに与える影響

フラッシング(明滅効果)とは?

ルアーは、ボディの表面にホログラムが張られていたり、ホログラムのプレートが内部に組み込まれていたりします。

そして、ルアーが動くたびにホログラムが光を反射して『』となったり、角度が変われば影のように『暗(滅)』となります。

この明暗の切り替わりが『フラッシング』と呼ばれる明滅効果です。

フラッシングが効果的な理由

シーバスは日中でも夜でも獲物の動きを捉える力に優れており、特に「動く光の変化」を感知する能力が高いといわれています。

ルアーのフラッシングは、シーバスのこの視覚特性に強く働きかける刺激となります。

また、カタクチイワシやサッパなどの小魚は、群れで泳ぐと鱗が光を反射して点滅して見えます。

自然界でシーバスは、これを捕食対象のサインとして認識しています。

視覚主導型のシーバスは、こうした変化にとても敏感なため、「ただの色」よりも「動きによる光の変化」に強く反応するとされています。

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夏の光量とフラッシングの関係

晴れた日の日中

夏は太陽の強いが真上から差し込み、ルアーのフラッシングが最大限に活きるタイミングです。

ホログラム系のルアーは、動かすたびにギラッと光り、シーバスの視覚特性に強く働きかけます。

曇りや朝夕マズメ

曇りや朝夕マズメのときは光が弱まり、フラッシングの効果がやや落ちます。

このタイミングはブラックゴールド(黒金)、ブラックシルバー(黒銀)、ブルーシルバー(青銀)のように「光る部分」と「沈む部分」がはっきり分かれるカラーが効果的です。

満月や常夜灯周辺

ナイトゲームでも、満月時や常夜灯周辺はフラッシングが効果的なシチュエーションです。

光る部分」と「沈む部分」が分かれるカラーのフラッシングは、暗闇の中でベイトを探すシーバスの視覚を強く刺激します。

また、ブラック系は『滅』を強く演出できるカラーです。

月や常夜灯の光を『明』、ブラック系のルアーを『滅』とすることで、ブラック系ルアーに見え隠れする月や常夜灯の光をフラッシングとして利用することができます。

光量の少ないナイトゲーム

月も常夜灯もないナイトゲームは最も光量が少ない状況です。

このような状況下でフラッシング効果は弱まります。

ここでは、ホログラム系よりも、パールホワイトやチャート系といった膨張色の方が有効です。

とはいえ、シーバスは古来より、このような状況下でもベイトを捕食してきているので、ホログラム系が使えない…というわけではありません。

 
ショーカラ
効果が弱まる、というだけで普通に使えます

水質別のおすすめカラー

フラッシングの見え方は、水質(水の濁り具合)によっても大きく変わります。

澄み潮

澄み潮はもっともフラッシングが見えやすい状況です。

それゆえ、不自然に強いフラッシングはシーバスが嫌がることがある…ともいわれます。

 
ショーカラ
本当かどうかはシーバスに聞いてみないとわかりませんが…

背中とお腹部分がクリア系になっているホログラムなど、自然でナチュラルな明滅

弱濁り

濁り気味のときは、濁りの粒子によってホログラムの反射が散ってしまい、フラッシングの効果がやや弱まります。

そのため、黒金、黒銀、チャートホロといった「光る部分」と「沈む部分」がはっきり分かれる派手めのフラッシンングが○

強濁り

強濁りのときはフラッシング効果がかなり弱まります。

ルアーの明滅効果よりも、チャート、パールホワイト、オレンジといった膨張色による視認性を重視した方が効果的です。

フィールド別のカラーの使い分け

港湾部

常夜灯や建物など、人工的な明かりが多いのが港湾部の特徴です。

ナイトゲームにおいてフラッシング効果が最も活きるシチュエーションです。

アピールしたい場合には通常のホログラム。

ナチュラルに見せたいときは透け感のあるホログラムが有効です。

河川

流れのある河川では、ルアーをゆっくり引いてもローリングが発生しやすく、フラッシングを発生させやすいシチュエーションです。

光量や水質(水の濁り具合)に合わせてホログラムのカラーを選ぶといいでしょう。

なお、雨後のように濁りが入るような状況ではチャート系やパールホワイトが効果的です。

サーフ

人口構造物のないサーフでは、太陽や月の光が頼りになります。

また、波と泡でルアーが隠れやすいのが特徴です。

そのため、強いフラッシングで存在感をアピールできるようなホログラムがおすすめです。

なお、月明かりのないナイトゲームではチャート系やパールホワイトのように視認性を重視した方が効果的です。

時間帯によるカラーの使い分け

同じルアーでもホログラムとパール(チャート)系であは見え方がガラリと変わります。

光量の少ない朝夕は、「光る部分」と「沈む部分」がはっきり分かれるカラー
太陽光が降り注ぐ日中は、フラッシングがもっとも効きやすいため、あらゆるホログラムが有効
 他方で、曇天の日中は光量が少ないため、「光る部分」と「沈む部分」がハッキリ分かれるカラー
ナイトゲームでは月や常夜灯の有無でホログラムかチャート(パールホワイト系)の使い分け

大雑把にこんな感じで使い分けると迷うことが少ないでしょう。

夏の光量と水質に合わせてルアーのカラーを選ぼう!

夏のシーバス攻略では、光量と水の濁り具合を意識したフラッシング効果の活用が釣果の分かれ目になります。

光が強いとき → ホログラムでギラッとフラッシング
濁りが入ったとき → 黒金のホログラムやチャート系で存在感アップ
ナイトゲーム → 月明かりや常夜灯の有無、水の濁り具合で使い分け

ルアーボックスには「フラッシング強め」と「フラッシングがハッキリ分かれるタイプ」を揃えておけば、どんな状況でも対応可能です。

また、水の濁り具合がキツイときなど、フラッシングよりも膨張色の方が効果的なシチュエーションもあります。

を読むことが、夏のシーバスを制する第一歩になるでしょう。

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