
2025年の夏は7月から猛暑日が続き、釣り場に立つだけでも体力を削られる厳しいシーズンでした。
そんな環境下でのシーバスゲームは、例年通りとはいかず、多くのアングラーが試行錯誤を重ねたのではないでしょうか。
このページでは、2025年夏のシーバスフィッシングの傾向を振り返ってみます。

最近の釣りメディアでは、釣りに関する情報がメーカーのために中・上級者目線で発信されるようになりました。ナチュラルリリースでは、ビギナー目線で語られることが少なくなった「釣りに関する『キホンのキ』」をビギナー目線で発信しています。
高水温とベイトの動き

真夏の日中は水温が30℃近くまで上昇し、シーバスとベイトの動きは大きくズレていました。
ベイトは確認できても「シーバスの気配がない」という状況が続き、日中は厳しい時間帯が目立ちました。
それでも、ベイトの動きとシーバスの動きがリンクする時間帯に立ち会えれば、わずかながらのチャンスはありました。
夜になって、水温が落ち着いたシャローエリアにはベイトが集まってきて、短時間ながらベイトを捕食するシーバスの気配を感じられました。
お盆前頃からはサヨリの姿も見られ、一瞬の時合いをものにできるかどうかがカギになるといった感じ。
ナイトゲームの方が釣果が安定

かつては、夏といえば夕マズメ~朝マズメが本命です。
ただ、今年のように日中の水温が上がると、夕マズメの水温が下がりきらず、夕マズメの反応は限定的のように感じました。
むしろ深夜~朝マズメのほうが安定して釣果につながった印象です。
流れ込みのあるエリアで流れに乗せてシンペンを乗せて流すと、小型ながらもシーバスが立て続けにヒットすることもありました。
シャローエリアではトップウォーターに豪快なバイトもありました。
真夏の夜ならでは、といった光景です。
釣り人にとっても夜は比較的過ごしやすく、結果的に「ナイトゲーム優勢の夏」だったといえるでしょう。
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サイズは小型が中心

タイミングが合えば立て続けにシーバスが釣れることもありました。
とはいえ、全体的に小型が多く、40〜50cm級が中心といえます。
大型シーバスにはなかなか出会えず、高水温下では動きが鈍かった印象です。
朝マズメは短時間勝負
もちろん、マズメに全く可能性がなかったわけではありません。
お盆前頃から、毎朝マズメ頃になるとマイクロベイトが一斉に逃げ惑うシーンがありました。
青物の幼魚がベイトを追いかけていると思っていたところ、青物の幼魚に紛れてマイクロベイトを追うシーバスの姿が見られました。
ただ、その時合いはわずか数分です。
青物の足は速く、あっという間にナブラは沖の方へ行ってしまう感じでした。
オカッパリからの射程圏内にナブラがあるときだけがチャンスでした。
外道としてチヌがよく釣れた

今年の夏を語るうえで欠かせないのがチヌ(クロダイ)の多さです。
シーバス狙いでルアーを通すと、ズッシリとした手応え。
かなりの重量感はありますが、まったくエラ洗いをしません。
このような場合、姿を現すのはだいたい良型チヌでした。
シーバスが沈黙しても、チヌがロッドを曲げてくれることが度々ありました。
シーバスの釣果はゼロでも、“ありがたい外道”としてチヌが存在感を放った夏でした。
猛暑下では安全対策がより求められる

今年は7月上旬から30℃を超える日が続き、釣行時の安全対策の重要性を改めて実感しました。
安全対策というのは、もちろん、落水やケガだけの話ではありません。
夜でも気温が高く、常に熱中症のリスクと隣り合わせでした。
また、蚊やマダニといった虫対策も欠かすことはできません。
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他方で、今年の山陰の夏はゲリラ豪雨や雷などは少なく、天気の急変への対応を迫られることはありませんでした。
ただ、河川の釣りの場合は上流での降雨により水位が急変することもあります。
危険を感じたら早めに撤収する
釣りは安全であってこそのレジャーです。
決して無理はしないようにしましょう。
過酷な季節からハイシーズンの入口へ

8月全体でみると、今年の特徴は「ナイトゲーム優勢」「チヌの多さ」「小型主体」の三点がキーワードといった感じでした。
厳しい条件の中でも、この傾向を踏まえて対応できたアングラーほど釣果を手にできたのではないでしょうか。
まもなく秋を迎えます。
気温と水温の低下とともにシーバスは活性を取り戻し、大型も姿を現します。
夏のシーバスとベイトの動きと比較しながら、これから迎える“秋爆”シーズンに備えたいところです。
待て! 次回!!