毎年多くのルアーがリリースされては数年後には姿を消す…を繰り返すルアーフィッシング業界。
20年後に残っているルアーは今のラインナップのうち数%でしょう。
ラインナップからは消えていないけど、ほとんど手に入らないってルアーもある。
あるいは名前は同じだけど全然別のルアーになっちゃったり…ってのもある。
そんな諸行無常の激しいルアー業界の中で『もっと評価されてもよかったのに!!』ってルアーもたくさんあります。
その1つがレイジー(ダイワ)。
今は廃番になっていて中古でしか手に入りません。
なのでウェブサイト運営者的にはリンクを貼って稼いでやろう!ってこともできないから、レイジーについて語っても全然お金にならないんだけど…
でも!
それでも!!
ちょっとダイワ愛を語ってもいいですか?
ダイワのルアーのすごいところ
実はダイワのルアーって、大々的に宣伝されていないルアーの中に超絶釣れるルアーがたくさんある。
バス用でいえばTDペンシル・TDバイブレーション・ピーナッツⅡ
特にピーナッツⅡは「(とりあえず)バスフィッシングを始めてみたい」って人にマジで超オススメ。クランクに必要とされる基本性能の塊みたいなルアーだから。
TDペンシル・TDバイブレーションも言わずと知れた名作ルアーです。
シーバス用であればシーバスハンターⅢ。
初代シーバスハンター→シーバスハンターⅡ→シーバスハンターⅢと若干の形の変更を経て現代でも残っているダイワを代表するシーバスルアー。
それから、泣く泣く姿を消していったショアラインシャイナー。
今では全然違うルアーにショアラインシャイナーの名前だけ付けられちゃっていますが、最高のミノーのうちの1本だと思っているのがショアラインシャイナーR50。
ショアラインシャイナーR40やR55とかもあるけど一番ベーシックで使いやすかったのがR50。
ところでレイジーとは
レイジーとは以前ダイワから発売されていたシンキングペンシルです。
80mm、95mm、110mmというサイズ展開がありました。
ザ・シンキングペンシルというべきまったく特徴のない形がかえって特徴的なルアーでした。
シーバスフィッシング黎明期のシーバス用のシンキングペンシルといえば、バス用から流用したワンダー80(ラッキークラフト)でした。ワンダー80はレイジーよりも少しファットなデザインのボディです。
そのワンダー80。とにかく釣れる。メチャクチャ釣れる。
個人的にはレジェンド扱いのルアーです。
ワンダーが流行ってからだいぶ経った頃ですが、ダイワからワンダーよりもベイトっぽい形(bait like)のシンキングペンシルがリリースされました。
それがレイジーです。
なぜ同じ色が多いかといえば、サヨリパターンでなぜかこのIHバーニングイワシというカラーがぶっちぎりで釣れたからです。
レイジーの思い出
サヨリパターンで爆釣
今までシーバスを狙っていて一晩で3桁のシーバス釣ったことが二度ほどありました。
その3桁のシーバスのうち、二回とも6割以上のシーバスを釣ったのがレイジーでした。
季節はお盆前。
沖の方でサヨリ付のシーバスのボイルがバンバン聞こえてきますが、ワンダーを投げてもイマイチ反応が悪い。
3キャストして1バイトあるくらい。
当時は『シンペンといえばワンダー』だったので、状況的に3キャスト1バイトが少ないと思えるくらいワンダーに絶大の信頼を寄せていました。
ただ「実際、もっと釣れるんじゃない?」と感じるくらい捕食音がバンバン聞こえてきます。
そこでタックルボックスの片隅にそっと寝そべっていた、まだシーバスを釣ったことのないレイジーを投げてみたところ…
1キャストで3バイトくらいある(笑
まさに入れ食い
ワンダーだと3キャストで1バイト。レイジーだと1キャストで3バイト。
レイジーの方が10倍近く釣れるんじゃね?って勢いで一晩釣れ続いた。
あのままレイジーで釣り続けていたらあのエリアのシーバスは絶滅しただろう。
それほどサヨリパターンで効いた。
もはや『これはレイジーじゃなくてサヨリだ!』と自分に暗示がかかるほどにね。
約1年後のほぼ同じ時期、ほぼ同じエリアで3桁釣果を上げたときの竿頭(さおがしら)もレイジーでした。
サヨリパターンで一撃必殺
所変わって超シャローエリアでの釣行のことです。
その日は風もなく水面は鏡…というほどではないですが、穏やかな夜でした。
遠くの方で単発的にサヨリ付シーバスの捕食音が聞こえていました。
僕は車を横付けしてポイントに立ち、静かなシャローエリアで釣りを開始します。
釣りを開始して15分が過ぎた頃、突如、静寂を打ち破り僕の目の前で巨大な捕食音とともに水柱が上がりました。
距離にして立ち位置からロッド3本分くらい(立ち位置から7mほどの距離)。
僕はすぐさまリトリーブ中のルアーを回収し、自分の目の前にアンダーキャストでそっとルアーを送り込みます。
そしてルアーを魅せるようにゆっっっくりと巻いていると、根掛かりのような感触が!
ゆっくり巻きすぎたか?…と考える間もなくひったくられるロッド。
立ち位置から5歩程度後ろに下がり、大きな魚体を岸へズリ上げます。
自己記録には及びませんが、上がってきたのは91cmのパンパンのシーバス。
そのシーバスの口の横にはしっかりとレイジーがフッキングされていました。
こんな浅いところで、こんなアンダーキャストで、これだけ立派なランカーが狙えるんだということを僕に教えてくれた釣行でした。
その後はサヨリパターンの先発完投型ルアーに
この釣行以降10年以上にわたり現在までも僕の中でサヨリパターンの先発完投型ルアーとしてエースたる存在なのがレイジーです。
スターターもセットアッパーもクローザーも必要ない。先発完投型。
アンダーキャストで釣ったシーバスも数知れず。
さすがにキューマルは最初の1本だけですが、サヨリパターンのボイル撃ちで「レイジーをアンダーキャストしてゆっくり見せて釣る」という釣り方でナナマル、ハチマルを複数本ずつ釣っています。
これはサヨリパターン攻略法において鉄板中の鉄板でした。
もうレイジーだけあれば一晩釣り通せると思えるくらいに。
2つの日本記録を樹立
サヨリパターンでブイブイいわせていたレイジーですが、僕がサヨリパターンでブイブイいわせる前から実はレイジーは偉業を成し遂げていました。
それがJGFAの日本記録の樹立です。
レイジーが発売された当時、JGFAの2部門においてレイジーで釣った魚が日本記録魚として登録されていました。
警戒心が強いといわれるランカーサイズでも容赦なく食ってくるのがレイジーです。
レイジーのスゴイところ
基本性能
シンキングペンシルの基本性能といえば
といったことが挙げられます。
レイジーは15年も前のシンキングペンシルにもかかわらず、これらの基本性能をすべて最高レベルで満たしたキング・オブ・シンキングペンシルといえるような存在でした。
タダ巻きを教えてくれる
シーバスフィッシングの基本的なアクションはタダ巻きです。
タダ巻きがどれだけ正確にできるかによって釣果が左右されます。
レイジーはタダ巻きについてもすごく素直で、いい加減(テキトー)にタダ巻きをしていると案外釣れない(笑)
人によっては
というかもしれません。
でも、市場で手に入るルアーってそういう『テキトーにタダ巻きしても釣れるルアー』ばかりじゃないし、タダ巻きでこそ食わせられるという点においてもレイジーは基本に忠実でした。
とにかくスタンダードなシンペン
レイジーはあらゆる面でシンペンの王道中の王道といえるような存在でした。
ペンシルの基本形がザラスプークなら、シンペンの基本形はレイジーといえるほどシンペンのど真ん中をいくシンキングペンシルでした。
ダイワにフラれた俺
これだけダイワ愛、レイジー愛が溢れる僕ですが
ダイワにフラれたよね
ダイワは7~8年前から『●●監修』と銘打ったプロアングラーが全面的に開発に携わったルアーを猛プッシュするようになって、ザ・スタンダードというべきルアーがだんだんと姿を消していきました。
まぁ確かに何の変哲もないシンキングペンシルよりも、『●●プロ監修』って書いてあるような独特なフォルムのルアーの方がユーザーは釣れるかもね。
って心の中で何度叫んだことか。
しかし僕はダイワに容赦なくフラれ、レイジーは人知れずダイワのカタログから姿を消しました。
在庫を抱えている釣具屋さんへ
もし、まだ在庫を抱えてて売れなくて困っている釣具屋さんがあれば相談に乗りますよ?
マジで。
レイジーの手持ちの在庫がなくなったら僕のシーバスフィッシング人生は終了するんじゃないかと思っている。
それくらい危機感をもってヤフオクとメルカリを覗いている。
まぁこの廃番ルアーがヤフオクで1000円くらいだったら買うのか?っていわれたら微妙だけどね(笑)
でも800円+郵送料くらいなら買うよね、たぶん。
最後に
廃盤になったルアーの記事を長々と書いてまで訴えたいことがある。
ダイワさん、レイジー再販して
マジでこれはここ数年、ずっと思ってる。
これがないとサヨリパターンで釣れる気しないもん。
巷では最も難しいベイトの一つとされるサヨリ。捕食音が鳴り響いているのにルアーにバイトしてこない、という状況も多いです。でも、真に『サヨリパターン』としてパターン化できる状況であれば、実はかなりイージーなベイトといえ[…]
もし「サヨリパターンは難しい!」って世間で言われてるのであれば、レイジー再販してみて?
釣れるから。
ダイワ愛溢れる釣り人からの投稿