僕は、リールと違ってあんまり頻繁にロッドを買う方ではありません。
ただ、釣具屋で何となく手にとったスコーピオン1653RS-2。
このロッドのフィールド適応能力がとてつもなく高く、隠れた名番手でした!!
このページではスコーピオン1653RS-2のインプレをご紹介します。
スペック
スコーピオン1653RS-2のスペックはコチラ↓。
アクション:レギュラースロー
継数:2本
仕舞寸法:130cm
自重:132g
ルアーウェイト:10~40g
ライン:14~30ポンド
スペック的には(大雑把にいえば)MH〜Hクラスのようにも見えます。
でも、実際に使ってみるとスペックからは窺い知れない、ずば抜けた適応能力を持った超優秀なロッドでした。
ディテール
ブランクスはスコーピオンレッドではなく、ブラックを基調とした地味な仕上がり。
ただし、リールシート部分が鮮やかなスコーピオンレッドになっています。
今まではスコーピオンといえばワインレッドの尖ったデザインでしたが、ちょっと守りに入った感じの落ち着いたデザインです。
メーカーの意向かデザイナーの考えか分かりませんが、どちらかといえば可もなく不可もない感じが万人に受け入れられそう。
リアグリップ部分に(コルクグリップの費用を抑えるための)アルミリングがワンポイントで入っています。
スコーピオンMDと合わせるとこんな感じ。
赤いグリップにスコーピオンMDのワンポイントのスコーピオンレッドが映えます。
というより、スコーピオンMDはおそらくスコーピオンロッドに合わせるためにデザインされているような印象さえ受けます。
スコーピオンは「メイド イン インドネシア」のようです。
適応能力がすばらしい!!
下は1/4オンスくらいまでがストレスなし
僕が投げたルアーで一番軽いのがスーサン。
シーバスをしないアングラーからすると「なにそれ?」って感じですが、シーバス用の小型リップレスミノーです。
サイズは75mmで7g
ストレスを感じずに普通に投げられた下限はこのあたりでした。
メーカー公式のスペックでは10g〜となっています。
でも、理由は後述しますが、軽いルアーが思った以上に投げやすい!!
上は3オンスくらいは普通にいける(と思う)
たぶんスコーピオン1653が気になってる人の多くが
ビッグベイトだとどのくらいの重さまで投げられる?
ってことだと思います。
いや、絶対に間違いない。
メーカー公式のスペックだと〜40gってなってるので、言うても、そんなに重いモノは投げられなさそうな気もするし…
ということで、スコーピオン1653RSでの第1投目には、いきなりオーバースペックのルアーをフルスイングで投げてみました笑
スコーピオン1653での第1投目に選んだのハドルジャック150S。
ジョイント系の大きめのプラグです。
スペック的にはフックを入れると53gから54gって感じ。
ビッグベイトというほど大きくはありませんが、オーバースペックのルアーです。
だいたい2オンスくらい。
で、投げた感触なんですが…
これがスゲー気持ちいいの!
むしろ、このあたりの重さのルアーがベストウェイトじゃないの?って思えるくらいにブンブン振り回せる。
実際に投げてないので何ともいえませんが、ジョイントじゃないペンシル系のビッグベイトであれば3オンスくらいは普通に問題ないレベルだと感じます。
思っていた以上にロッドが曲がる
スコーピオン1653RSで軽量ルアーのキャストを可能にしているのがティップの曲がりです。
RS(レギュラースロー)アクションに設定されているだけあって、思っていた以上にティップがしなやかです。
このティップのしなやかさのおかげで軽量ルアーでもしっかりとロッドが曲がってくれるので、3番という番手からは想像できないくらいに軽量ルアーがストレスなく投げられます。
3/8オンスくらいから使った方がやっぱり使いやすいとは思いますが、「1/4オンスが投げられるか?投げられないか?」でいえば、まったく無理なく投げられます。
巻物にもおすすめ
スコーピオン1653はレギュラースローアクションなので、1652Rや1703Rと比べると、巻物を使うときの使用感がかなり気持ちいいです。
もちろんグラスロッドのような曲がりではありませんが、1653というパワーからは想像できないくらいにティップが追従してくれます。
巻き抵抗のあるクランクやスピナーベイトなんかにはピッタリではないでしょうか。
特に1/2〜5/8オンスのスピナーベイトあたりはド真ん中って感じです。
スコーピオン1653の使用上の注意点
スコーピオン1652Rがクセのないバーサタイルロッドなら、スコーピオン1653RSはティップ部分に(いい意味で)クセのあるバーサタイルロッドといえます。
しかも、リフトパワーや重いモノを投げることに関していえば1653RSの方が明らかに安心感があります。
3番パワーにしてはティップが良く曲がるので、ヘビーバーサタイルというよりはマッスルバーサタイルという表現の方が合っている感じです。
ただし
と聞かれると、そこは微妙。
というのも、たとえ7g〜100gまで投げられロッドだとしても、当然のことながらラインは選びます。
10g前後のルアーをメインで使おうと思うとラインは12〜16ポンドあれば十分すぎるくらいです。
でも、2オンスくらいのモノを投げようと思うとラインは最低20ポンド以上が必要でしょう。
そうすると、たとえスコーピオン1653が1本のロッドで7g〜100gまで投げられるとしても、リール1台ではどうにもならないというもどかしさがあります。
結局、スコーピオン1653RSを使う用途は、
②25ポンド前後のラインで2~3オンスくらいのルアーをメインに使う
ってところに落ち着くんじゃないでしょうか。
1本で①にも②にも使えるということを考えるとフィールド適応能力は非常に高いロッドといえます。
ただ、釣りのタックルバランスの難しいところって、いくらロッドの適応能力が高くてもラインに適応能力がないんですよね笑
重いモノを投げようと思えばラインを太くしないといけないけど、ラインが太いと軽量ルアーがまったく快適じゃないっていう矛盾に直面します。
そういう点では、スコーピオン1653RSは、非常にフィールド適応能力の高いロッドですが、同一釣行で使える範囲には限度があるので注意が必要です。
隠れた名番手!でも…
スコーピオン1653RSはインプレが少ないので、スコーピオン1652やスコーピオン1703と比べると圧倒的に使用者が少ないと思われます。
ただ、それは、1652とか1703という名番手に隠れているだけで、1653は適応範囲がとても広いロッドです。
マッスルバーサタイル
こういう表現がピッタリくるくらい、しなやかで、かつ、パワーのあるロッドです。
これ1本あれば、3/8オンスクラスの巻物から2オンス超えのビッグプラグまで幅広く使うことが可能です。
また、不意の大型魚が掛かる可能性のあるソルトシーンでも大いに活躍が期待されるロッドといえます。
ただ、注意しなければならないのがライン。
ラインは、ロッドと違って、1/2オンスのルアーと2オンス超えのビッグプラグが同じラインでいいというわけにはいきません。
つまり、同一釣行内では、どうしてもラインのために使えるルアーの範囲に制限がかかってしまいます。
その点さえ意識しておけば、ロッド自体は超絶優秀で使い勝手のいいロッドです。