「ロッドビルディングって何?」
「ロッドを作るんでしょ?なんだか難しそう…」
「ロッドなんてたくさん売ってるのに、そもそもなんで自分で作るの?」
そんなロッドビルディング初心者になるべく分かりやすくロッドビルディングについて説明します。
「ロッドビルディングって何?」と思っているアングラーや、「ロッドビルディングに興味があるけど何だか敷居が高そうだ」と思っているアングラーがロッドビルディングをなるべく簡単に始められるように、少しずつロッドビルディングについて書いていきたいと思います。
ロッドビルディングってなに?
長年釣りを趣味にしているアングラーでも
「ロッドビルディングって何?」
って思う人も多いと思います。
「ロッドを作る」と表現すると、なんだか難しそうに聞こえてしまいます。
しかし、実際のところロッドビルディングとは、ほぼ「ロッドを組み立てる」ことです。
市販されているロッドビルディング用パーツや、廃竿から取ったパーツを「組み立てる」。
これがロッドビルディングです。
「ロッドを作る」のではなく「ロッドを組み立てる」のです。
なぜロッドビルディングをするの?
バスでも、シーバスでも、エギングでも、メバリングでも、アジングでも、ジギングでも、世の中にはとても多くのロッドが販売されています。
バスやシーバスなんかだと、選ぶのに困るくらい多くの種類のロッドが販売されています。
にもかかわらず、なぜ、わざわざパーツを買ってきて自分で組み立てる必要があるのでしょうか。
体格の違い
世の中のアングラーには、185cmを超えるような体格のいい人から、私のような一般男性の平均くらいの人、あるいは160cmくらいの小柄な人まで、いろんな体格の人がいます。
身長185cmのアングラーと160cmのアングラーでは、片腕の長さでも10cm以上は違うはずです。
エキスパートアングラーが開発に携わった専用ロッドになると、その人の好みが色濃く反映されるので、そのエキスパートアングラーにとって最も使いやすいロッドができあがります。
しかし、体格の異なる他のアングラーにとってそのロッドが使いやすいとは限りません。
また、メーカーがロッド設計をするときに、どんな体格のアングラーを基準にロッドのバランスを設計 (ロッド全体の長さやグリップの長さ、リールシートの位置設定など) するかといえば、やはり平均的な体格が基準になります。
しかし、ロッドビルディングをすれば、自分の体格に合ったロッドバランスに設定することができます。
手の短い人であればグリップエンドを少し短めにして、体に当たらないようなロッドに仕上げることができます。
反対に、手が長くて、短いグリップのロッドではキャストしにくいという人であれば、グリップエンドを長く設定してキャストしやすいロッドを組み立てることもできます。
シマノのロッドに【スコーピオン】と【ワールドシャウラ(最上級機種)】というモデルがあります。
スコーピオンのロッドの中に5.8ftという長さのロッドがあります。
これに対してワールドシャウラのロッドの中では、まったく同じアクション・同じ硬さにもかかわらず、5.10ftという長さに設定されています。
ワールドシャウラの方が0.2ft(2インチ≒5センチ)長くなっています。
トップガイドからリールシートまでの長さは、どちらのロッドもまったく同じ長さです。
グリップエンドだけ、ワールドシャウラの方が5センチ長くなっています。
これには理由があります。
キャスティングの方法に「フリップキャスト(フリッピング)」という投げ方があります。
グリップエンドを肘に当てるようにロッドを下に向かって強く振ります。
下に振ったロッドが上に戻ろうとする反動で投げるキャスト方法です。
この時、グリップエンドが5センチ長いだけでずいぶん肘へ当てやすくなります。
ワールドシャウラは、あえてスコーピオンよりもフリッピングしやすい設計になっています。
グリップの長さが変わるだけでキャストのしやすさにずいぶん影響があります。
確かに管理人もそう思います(笑)
でも、そこには一応のシマノのこだわりがあるんです。
シマノのスコーピオンというシリーズは30年近い伝統のあるモデルです。
その中でも特に5.8ftという長さはスコーピオンを代表するロッドです。
伝統あるスコーピオンを代表するロッドだからこそ、5.8ftにこだわっているそうです。
力の違い
世の中には握力が80kgを超えるような力の強いアングラーから、私のようなひ弱なアングラーまでいろんな人がいます。
握力や手首の力が強い人は、リールシートの位置を低い位置に設定することができます。
しかし、私のように握力も弱くスナップの力も弱いアングラーはリールシートの位置が下の方にあると、ロッドがフロントヘビー(竿先が重く感じる状態)になって手首にけっこう負担がかかります。
スナップの強い人は気にならないと思いますが、フロントヘビーのロッドでは私は釣りをしていてかなり手首が疲れます。
ひ弱な私が自分のためにロッドを組むときは、平均的なリールシート位置よりも1~2センチくらいリールシートの位置を高い位置に設定します。
リールシートを高い位置に設定することで(てこの原理によって)手首への負担が軽くなります。
好みの違い
靴を買うときに、服とのコーデのしやすさは気にしますか?
私はあまり気にしませんがコーデを気にする人にはよくわかると思います。
一番コーデしやすい靴の色って【黒】なんです。
【黒】はとにかく無難な色で「外れない色」です。
その次が【白】です。
釣具屋で売られているロッドを思い出してみてください。
ロッドの色は何色ですか?
市販ロッドの99%以上が黒いロッドで、ガイド止めの糸(スレッド)の色まで黒です。
わずかにピンスレッドにゴールドやシルバー、赤や青のメタリックスレッドが使ってある程度です。
ロッドの素材となるカーボンの色が黒なので、塗装費用を省くことを考えればロッドが黒になるのは理解できます。
しかし、ガイド止めの糸(スレッド)まで黒である必要はありません。
世の中にはいろんな色のスレッドが販売されているのですから。
それにもかかわらず市販ロッドのスレッドカラーはほぼ【黒】です。
万人受けを考えたとき、とにかく【黒】は無難な色で「外れない色」なんです。
しかしアングラーの中には、
とか、
なんてアングラーもいます(と思います。いえ、きっといるはずです!)。
市販ロッドのコスメは、とにかく外れないように【黒】を基調とした味気ないカラーリングになっていますが、ロッドビルディングでは自分好みのコーデを楽しむことができます。
ロッドビルディングとロッドカスタム
ロッドビルディングというと、ロッドパーツを買ってきて一からロッドを自分で組み上げることをいいます。
これに対して、すでに出来上がっているロッドのコスメを変えたり、グリップを延長・短縮したり、グリップを交換したり、ヒビ割れたガイドを付け直したりすることを、ロッドビルディングとの対比でロッドカスタムと呼んでいます。
ロッドビルディングと比べると、ロッドカスタムは遥かに敷居が低くなります。
将来的にロッドビルディングをするにしても、ロッドカスタムはロッドの構造を知るうえで大変有意義です。
始めようロッドビルディング
ロッドビルディングやロッドカスタムの醍醐味は、なんといっても自分のためだけに、自分で考えて、自分で選んで、世界に1本だけのロッドを組み上げることができることです。
いままでロッドビルディングに興味がなかった人も、興味はあったけど敷居が高そうに思えていた人も、少しでもロッドビルデングに興味を抱けたなら、ロッドビルディングについて一緒に学んでいきましょう。
そして、ロッドビルディングで組み上げた世界に1本だけの自分専用ロッドで魚を釣りましょう。
きっと、いままで釣りをしていて味わうことのできなかった感動が待っているはずです。