こんばんは。ロッドを折る人に対して辛口のショーカラ(y_nax_ig)です。
この前、仕事で急用ができたので取引先の釣具屋さんにお邪魔したところ、店員さんが「ロッドが折れたと」いうお客様からクレーム的な文句を延々と聞かされていました。
横にいた僕は
という言葉が喉まで出かかっていましたが、大人なのでグッと堪えてその場を立ち去りました。
自他ともにロッドが折れたという経験が豊富なわけではありませんが、ロッドを折ってしまう人の中には一応の共通項があります。
このページではロッドを折ってしまう人の特徴と、ロッドを折らないための注意点をご紹介します。
ロッドを折る人に共通すること
・自分のやり方をロッドに押し付ける
・度胸がない
ロッドが折れてしまったアングラーとしては、ロッドが折れたことをメーカーやロッドのせいにしたい気持ちは理解できます。
でも、ロッドが折れたことをメーカーやロッドのせいにする前にもう一度振り返ってほしいのが上記のポイントです。
これらに一つでも心当たりがあれば、ロッドが折れたのは自分のせいかもしれません。
相手(ロッド)の性格を知らない
ロッドには1本1本…とはいいませんが、モデルごとにそれぞれ個性があります。
その個性の中でも、ロッドを折らないために特に知っておかなければならないのはロッドの『アクション(調子)』です。
ロッドにはそれぞれ『アクション(調子)』と呼ばれるそのロッドが持って生まれた『曲がり方のクセ』が存在します。
わかりやすいようにあえて『曲がり方のクセ』と表現していますが、実際には『クセ』ではなくロッドを製作する上で『緻密に設計された曲がり方』です。
ロッドは生まれながらにして『曲がり方』が決まっています。
たとえば45°の角度で固定して、1kgの重りをぶら下げたらロッドの真ん中あたりまで曲がる…とか、3kgの重りになるとロッドの下3分の1くらいまでしっかり曲がる…とか。
このロッドが持って生まれた性格を知らないと、とんでもない結果になるおそれがあります((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
自分のやり方をロッドに押し付ける
そこで問題になるのが、ロッドが持って生まれた『曲がり方』とは違う曲げられ方をしたときにロッドがどうなるのか?
思いもよらず簡単にポッキリと逝くことがあります。
もちろん少々の無理な曲げられ方に耐えることもありますが、いとも簡単にポッキリとなることも多いです。
ロッドというのはその設計上もともと曲がり方がある程度決められているので、その曲がり方を無視したような想定外の曲げられ方をすると、わずかな曲がりでも簡単に逝くことがあります。
人間の関節は内側には曲がるけど外側にはあまり曲がらないので、ちょっとでも無理をして外側に曲げようとすると簡単に関節を痛めてしまう…というのに近いイメージです。
ロッドは想定外の曲がり方にはとても弱いです。
にもかかわらず、魚とのファイト中や魚をランディング中に、相手(ロッド)の性格(曲がり方)を無視して自分勝手にロッドを曲げると、どれだけ強靭なブランクスのロッドでも簡単に折れてしまいます。
ロッドが折れないようにするためには、自分のファイトスタイルやランディングのやり方をロッドに押し付けるのではなく、ロッドの性格(曲がり方)に合わせて魚とのやりとりやランディングをする必要があります。
なので、そのロッドが本来どういう曲がり方をするのかを知ることはとても重要なことです。
ロッドの性格を理解してロッドの性格に自分を合わせる
そうすればロッドはちょっとやそっとの負荷が掛かっても簡単には折れません。
度胸がないと折れやすい
これはキャストのときの問題。
ロッドの適合ウエイトに迫るような重いルアーを投げるとき「ロッドが折れるんじゃないか?」ってビビッてしまって、おそるおそるキャストする方がいます。
これが
一番やってはいけない投げ方
です。
ロッドのパワーが一番強いのはロッドのベリーからバットにかけてのいわゆる『ロッドの胴部分』です。
この部分の反発を利用する限り、ロッドは簡単には折れません。
たとえばシーバスであれば~10kgくらいまでの魚は釣れる可能性があるので、シーバスロッドはそのくらいの魚の引きには十分に耐えられるようになっています。
ロッドのベリーからバットにかかる部分の反発力を使ってキャストする限り、たかだか数十グラムのルアーを投げたところでロッドが折れるわけありません。
でも、「折れるんじゃないか?」ってビビってしまっておそるおそるキャストすると、ロッドのベリーからバット部分までルアーの重みが十分に伝わらず、ロッドの中で一番パワーの弱いティップ部分(ロッドの先の方)で弾くようにキャストすることになってしまいます。
そうすると、キャストした瞬間、乾いた音とともにロッドの先の方がポッキリと逝くことがあります。
どれだけ重いルアーであっても、適合ウエイトの範囲内であればキャストするときにビビッてはいけません。
キャストのときは、
です。
おそるおそる振りかぶったのではルアーの重みがしっかりとベリーからバットに乗らず、ロッドの中で一番パワーの弱いティップ部分でキャストすることになってしまいます。
すると、ロッドは乾いた音とともに先の方がポッキリと…
適合ウエイトを超えるルアーを投げる場合には、なおさらロッドのティップでキャストしてはいけません。
重いものをキャストするときこそ、ビビらずに思い切りロッドを後方へ曲げて、ベリーからバットの反発力を活かして前方へキャストします。
キャストをするときには絶対にビビってはいけません。
ロッドを折らないために気を付けること
ロッドの曲がり方を知る
人との付き合いもそうですが、まずは相手の性格を知る必要があります。相手のことをよく知らずに上手く付き合っていけるはずがありません。
ロッドも同じです。
まずは自分のロッドがどのくらいの重さでどんな曲がり方をするかを知ることが必要です。
これを知ったうえで、ファイト中やランディング中にロッド本来の曲がり方を超えるような曲げ方をしないようにしなければなりません。
ロッドの曲がりを知るための一つのやり方としてはロッドを45°くらいに構えてウエイトをぶら下げる方法があります。
45°以上にロッドを立てるとロッドが想定していない曲がり方になってくるので、無理はせず、45°以上にロッドを立てないようにしてください。
ロッドを45°に構えてウエイトをぶら下げたときに曲がったロッドの曲がり方が設計上想定されているロッド本来の曲がり方です。
これ以上ロッドを立てて『し』の字(『つ』の字でもいいけど)になってくるとロッドの想定を超える曲がり方になるので気を付けてください。
ルアーロッドが『し』とか『つ』のように曲がるとかなり危険ゾーンです。
『胴を曲げる』感覚を覚える
ルアーのキャストはロッドの反発を利用して投げます。
手の力や勢いで投げるのではありません。
ロッドをしっかりと後方へ曲げて、前方へ返るときの反発力を利用して飛ばします。
これは一長一短で身に付くものではありませんが、とても参考になる動画があるので見てみて下さい。
この動画の中で11:11~くらいからです。
サムネイルのとおりキング・ジム(村田基)のキャスティング動画です。
言葉を選ばずにズケズケと口に出すので、ジム信者とアンチ・ジムとの闘いは今でも続いていますが、キャスティングに関しては本当に初心者にとって参考になる。
釣りウマの人にとっては別に参考にならない動画かもしれないけど、『ロッドを曲げる』という動作を初歩の初歩から教えてくれている動画です。
さすがに8ftを超えるようなロッドを使ってこの動画と同じような練習はできませんが、『ロッドを曲げる→返す(反発する)』という動作をイメージするのにはとても参考になります。
とにかくビビるな!
キャストのときにロッドが胴部分までしっかりと曲がっていれば、少々ウエイトオーバーしたからといってロッドは簡単には折れません。
これを頭の片隅に置いて、とにかくビビらずにキャストをすることが大切です。
おそるおそるキャストをするとティップ(竿先)で弾くように投げてしまいます。
軽いルアーであればこれでOKですが、重いルアーをロッドの中で一番反発力の弱い部分であるティップで弾くように投げてしまうと、ティップがルアーの空気抵抗や重さに耐えられず、ポッキリと逝ってしまいます。
しっかりと胴までロッドを曲げるつもりでビビらずにキャストすれば、めったなことではロッドは折れません。
まとめ
ちなみにロッドが限界値を超えて折れるときって1カ所で折れるわけではなく、ロッドが3~4分割されて折れるそうです。
要するにロッドがバラバラになるそうです。
逆にいえば、1カ所で折れたロッドってのは限界値を超えて折れたわけではなく、その折れた箇所に想定外の負荷が掛かって折れたということがほとんどです。
でも、ロッドの曲がりを知り、ベリーからバットの反発力を使って思い切りキャストすればロッドは簡単には折れません。
とにかくビビらずにキャストしよう!