シーバスを狙っていて、「8月は時合が短い!」と感じたことはありませんか?



そんな“真夏あるある”の原因は、水温と魚の行動パターンにあります。
このページでは、8月にシーバスが釣れる“時間帯”と“時間帯ごとの狙い方”についてご紹介します。

最近の釣りメディアでは、釣りに関する情報がメーカーのために中・上級者目線で発信されるようになりました。ナチュラルリリースでは、ビギナー目線で語られることが少なくなった「釣りに関する『キホンのキ』」をビギナー目線で発信しています。
なぜ真夏のデイゲームは厳しいのか?
水温が高すぎる

8月になると、表層水温は30℃近くまで上がります。
シーバスは水温が30℃近くまで上がったところで、それほど深刻な状況にはなりません。
しかし、これによって影響を受ける魚たちがいます。
それは、ベイトとなるような体の小さな魚たちです。
水温が上がると水中の酸素は抜けやすくなります。つまり、水中の溶存酸素量が低下するということです。
また、水温が上がることでバクテリアなどの水中生物の活動量が増えるため、これに伴って水中の酸素の消費量も増えます。
この真夏のダブルパンチにより、水中は酸欠状態になりやすく、小魚の回遊が減ったり、最悪の場合は大量死を招くこともあります。
雨が少ない

7~8月になると、日本全体が高気圧に覆われ、降水量が少なくなります。
降水量が減ることで、水路や河川からの新鮮な水の流入が減ります。
また、降水量が減ると、水中への酸素の供給量も減ることになります。
結果として、酸素が供給されにくく、酸欠が深刻化しやすくなります。
ベイトの動きが減る

夏になると人間の活動量が減るように、魚の活性も落ちます。
魚は変温動物なので、急激な温度変化を嫌います。
特に、ベイトになるような体の小さな小魚は水温変化の影響を受けやすいといえます。
そのため、水温変化の少ない深場へ避難し、酸欠を防ぐために活動量を減らします。
ベイトの回遊が減ることで、シーバスと出会うチャンスも減ってしまうのです。
朝マヅメ・夕マヅメが釣れる理由とは?
ベイトが動く時間帯

明け方や日没前後は、イナッコ・サッパ・サヨリといったベイトが接岸するタイミングです。
これらのベイトは、夜になると浅場に集まって身を休め、夜が明ける頃から回遊を始めます。
イナッコやサヨリが接岸するタイミングは、シーバスにとって絶好の捕食のタイミングになります。
水温が安定するゴールデンタイム
朝マヅメ(夜明け前〜日の出後1時間)や夕マヅメ(日没前後)は、日射が弱わまって水温の上昇が抑えられます。
水温が安定することで、シーバスが表層に出やすくなり、捕食モードに入るタイミングになります。
水温が安定する時間帯が、真夏のシーバスフィッシングのゴールデンタイムです。
水中の酸素量が減少が抑えられる
高温になる夏の水中環境は、酸素が抜けやすく、小魚が酸欠になりやすい状況にあります。
これが、夕マズメになって水温が安定する時間帯になると、昼行性生物の活動が減り、酸素量の減少が抑えられるようにます。
結果として、夕マズメから朝マズメにかけて、シーバスが活動しやすい環境が生まれます。
光量の変化によってシーバスが動き出す
これは真夏に限った話ではありません。
シーバスは夜行性の魚といわれ、夜になると積極的に捕食活動を行うようになります。
もちろん、ベイトの量次第では昼に爆釣することもあります。
しかし、一般論として(夏に限らず)夕マズメ~朝マズメがシーバス本来の捕食活動の時間帯です。
アングラーの集中力問題

これは、ネタのようでけっこう大きな問題。
一番釣りをしたくない時間帯はどれ?
って聞かれたら、ほぼ100%が炎天下と答えるでしょう。
当然です。
真夏の炎天下なんて暑いもん。
真夏の釣りにおいて、アングラーが集中力を保てる時間帯が夕マズメ~朝マズメです。
マズメでも釣れない? もちろん“落とし穴”もある!
ベイトがいなければ成立しない
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これはルアーフィッシングの宿命です。
ルアーには、エサのように勝手にシーバスを惹きつける機能はありません。
シーバスに発見してもらって初めて、道具としての機能を発揮します。
そして、ベイトがいなければ、当然、シーバスが回遊してくる可能性も小さくなります。
マズメであっても、ベイトを探すことを怠ってはなりません。
マズメでも潮止まりと重なるとイマイチ
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せっかくのマヅメでも、潮が止まっていればベイトの動きが極端に鈍くなります。
特に、潮流の強いエリアでは 時間帯<潮 となることがあります。
つまり、水温よりも潮の強弱によってベイトの動きが左右されるエリアもたくさんあります。
潮位の変化の少ない日本海側であっても、潮は流れは常に意識しておきましょう。
8月のおすすめ時間帯・狙い方【実戦ベース】

【朝マズメ(3:30~7:00)】
明暗・シャロー・流れ込みを中心に、表層~中層でやる気のあるシーバスを手早く探る
【日中(10:00~14:00)】
日陰(シェード)や深場限定でボトム狙い
基本的には“釣りを避ける時間帯”
【夕マズメ(17:00~19:30)】
夜に備えてシャローに差してくるベイト絡みのシーバスを狙い撃ち
シャローへ上がってくる時間帯になるためシャローに決め打ちする
【ナイトゲーム(20:00~3:00)】
明暗・シャロー・流れ込みを中心に、表層~中層でやる気のあるシーバスを手早く探る
潮の流れの強いエリアでは底層でも回遊してくるシーバスも狙える
条件次第で“日中”でも釣れる!
8月だからといって「日中=釣れない」と決めつけるのはまだ早いです。
シーバスが狙えるエリアには、釣れる条件(水温・溶存酸素量)をピンポイントで満たす場所も存在します。
・濁りが入っている
・潮が効いている
・水路や河川の流れ込み
こうした場所には小魚が集まりやすいため、真昼間でも「ドカン!」と1本出ることもあります。
どうしても日中じゃないと釣りができない場合には、条件に合うエリアをピンポイントで狙ってみましょう。
朝夕がゴールデンタイム! でも、すべてじゃない!!

8月は高水温や少ない雨量が原因で、海の中が酸欠になりやすい傾向にあります。
そのため、水温の安定する夕マズメ~朝マズメにかけて釣果が集中しやすい季節です。
でも、潮・ベイト・地形といった条件が揃えば、昼でもシーバスが釣れる可能性は充分にあります。
夏にシーバスを狙ううえで一番大切なのは、水温に影響を及ぼす『時間帯』と、ベイトやシーバスが活動しやすい『場所』のマッチングです。
釣果も釣り人のモチベーションも落ちるこの時期こそ魚の行動を読む力が必要になります。
この夏は「短時間集中&的確な場所選び」で、一歩先の釣果を狙いましょう。