僕も歳をとってきたので、「釣り友の後輩」というような若い子からいろんな質問を受けることがあります。
その質問の中には、いろんな人から何度も聞かれる質問もあります。
そこでこのページでは、よく聞かれる質問に対して僕なりの回答をしてみます。
カラーローテーションどうしてる?
シーバスフィッシングのときに
Q)一番最初にどんなカラーを投げるか?
Q)状況に応じて最初に投げるカラーを変えるか?
という趣旨の質問をされることはけっこうあります。
いや、けっこうどころか、かなりあります。
そこで、僕なりの答えとしては
ほとんど気にしてない
テキトーにやってる
ってことです。
でも、これはなにも
ってことではありません。
むしろ、その逆。
ルアーフィッシングにおいてカラーの違いは釣果にすごく影響があるってのが僕の認識です。
それは、エリアトラウトやエギングやアジングをやったときに体感できます。
カラーによってアタリの数がまるで違うことがある。
だから、シーバスだってメバルだってカラーの違いで釣果に違いがハッキリと現れるだろうってのが僕なりの答えです。
じゃあ、なぜカラーを気にしないのか?
ということですが、理由は2つあります。
1つは、オカッパリでそんなにたくさんのルアーを持っていけないってこと。
僕のカラーローテーションの考え方からすれば、ひとつのルアーにつき最低3色(できれば最低4色)のカラーが必要です。
シーバス用のルアーには実に多くのカラーがラインナップされています。そのため、ビギナーの頃には確実にカラーで迷うことがあるでしょう。どのカラーが釣れるのか?似たようなカラーでもいろいろ揃えた方がいいのか?[…]
そうすると、10種類くらいルアーを持って行こうとすると30〜40個のルアーを持ち歩くことになる。
車に積んでおくだけなら全然問題ありませんが、釣り場で持ち歩く数としては、さすがに現実的ではありません。
なので、カラーの違いは重要と思いつつも、ローテーションを組めるほどたくさんのカラーを持ち歩けるわけではありません。
もう1つの理由はカラーローテーションの効果を確認できるほど魚影は濃くないということ。
エリアトラウトであれば目の前に豊富に魚がいます。
アジングであれば群れで回遊しています。
エギングであれば偏光グラス越しにアオリの反応を目視しながら釣ることができます。
これらの釣りでは、いずれも魚やイカの反応の違いを体感・目視しながら釣りをすることができます。
でもシーバスやメバルは違います。
今までルアーに反応しなかった理由が
・「魚は居たけどルアーに気付いていなかった」のか
・「ルアーには気付いていたけどカラーが合わなくてバイトまで持ち込めなかった」のか
アングラー側で特定することは困難です。
アタリを得られた理由を特定できるほどシーバスやメバルの魚影が濃くありません。
再現が困難と言い換えることもできます。
水中カメラの映像を見ていると、シーバスもメバルも水中には案外けっこうな数の魚がいるのがわかります。
とはいえ、エリアトラウトやアジの群れほど多くの魚が目の前にいるわけではありません。
カラーを変えたことが作用して魚が反応したのか、別のファクターが作用して魚が反応したのか…
魚が反応するファクターというのはカラー以外にも山ほどありますが(水温・天候・pH濃度・ルアーのサイズ・アクションetc…)、シーバスやメバルを狙うときは魚が反応したファクターを特定できるほど目の前に大量に魚がいるわけではありません。
また、エギングのようにエギのカラー違いによるアオリの反応を目視しながら釣りができるわけでもありません。
結局のところ、効果を実感できないであろうカラーローテーションために何十個もルアーを持ち歩くことはできません。
結局、質問に対する答えとしては、
でも、効果を体感できないカラーローテーションのために、色違いのルアーをたくさん持ち歩くのは現実的じゃないからカラーローテーションは気にしてない。
ってことです。
タイドグラフは気にしてる?
タイドグラフとは、潮の干潮・満潮の時刻やその潮位の変化などをグラフにしたものです。
太平洋側と違って日本海側は潮位差が少ないので、釣りを初めたばかりの山陰のアングラーはタイドグラフの使い方に迷うようです。
っていう疑問があるようです。
これに対する僕の答えとしては
ってことです。
いくら日本海側の干満差が小さいといっても、流れるときはかなりの速度で流れるし、流れが全然ないよりもやっぱり潮の流れはあった方が釣れます、明らかに。
見るべきポイントとしては「何時に干潮・満潮を迎えるか」ということよりも「どの時間帯に潮が動いているか」ということを重視しています。
太平洋側の場合、満潮になると足場がなくなるポイントや、逆に、干潮になると浅すぎて釣りにならないって場所があるので、太平洋側の場合には満潮・干潮の時刻を確認する意味は大きいです。
でも日本海側の場合、満潮と干潮で釣りができるポイントに大きな差はありません。
それよりも、満潮と干潮で12時間くらいかけて5cm分の潮位の変化しかないってときは、この間は潮の流れがとても緩いことが予想されます。
逆に5cmの潮位の変化でも6時間で5cm分の潮位の変化がある日は、12時間かけて5cmの潮位の変化がある日よりも(単純計算で)2倍の速さで潮が流れると考えられます。
僕が意識的に見るのは潮位の変化の周期を表した波グラフです。
周期の波グラフの角度が急であればあるほど潮がよく動くことが予想されるからです。
7.6ftでシーバスは短くない?
僕が中海~大橋川~宍道湖で多用するロッドの長さは7.6~8.3ftです。
大型のルアーを投げる機会が増える秋のハイシーズンには9ftくらいの長いロッドも使いますが、シーズンのほとんどは8ft前後です。
そこでよく聞かれるのが
って質問。
これに対する僕の答えとしては
てのが答えです。
この質問をされる方のほとんどが気にしているのは
短いロッドで飛距離は大丈夫か?
ってことだと思います。
確かに長いロッドと短いロッドとを投げ比べた場合、ロッドをシャープに振り切れるのであれば長いロッドの方が飛距離が出ます。
なので、釣りを開始した最初の数投~数十投であれば長いロッドの方が全然飛距離が出ますよ。
でも、長いロッドと短いロッドを比べると、長いロッドの方が重いうえにロッドを振り抜くときの空気抵抗がかなり大きいので、釣行開始から釣行終盤までずっと同じようにロッドを振り切れるアングラーってかなり少ないと思われます。
少なくとも軟弱な僕は長いロッドではすぐに疲れて、1時間も釣りをするとスイングスピードが落ちてきます。
でも、短いロッドであれば長いロッドほどの体力的な疲労はないので、長いロッドのスイングスピードが落ちてきた頃でも短いロッドではスイングスピードがそれほど落ちず、飛距離の差はほとんど気にならなくなります。
あとは、フルキャストして巻くだけの釣りなら、ある程度長さがあってもいいですが、ショートキャストとかピンを狙う場合には体力的な問題とは無関係に短いロッドの方がキャストしやすいです。
だから僕は8ft前後のロッドを多用しています。
古いルアーは見切られる?
これは超入門者に聞かれることがあります。
プロアングラーの中には
って感じで新製品を宣伝する人がいます。
…が、これはハッキリ言って雑音だと思ってもらっていいです。もしくは(一理あるとしても)誇大宣伝です。
確かにハイプレッシャーな閉鎖水域の野池でバスを狙うようなときには起こるかもしれません。
バス同士で
とか
みたいなやりとりがあったりなかったりするかもしれません…
でも、海の魚なんて周年で生息エリアも捕食しているベイトも変わるし、年中同じ場所に居着いているシーバスやチヌを狙わない限りは、古いルアーだから見切られるとか、新しいルアーだからまだ魚が見たことないってのをそれほど気にしなくてもいいです。
そうでなければ、カウントダウン(ラパラ)みたいな何十年も前から使われてるルアーで釣れ続けないと思いますよ。
というシーバス同士のやりとりはないと思います笑
ただ、新しいルアーは古いルアーにないアクションや性能を持っていることが多いので、古いルアーでは釣れないシーバスでも新しいルアーなら釣れるってことはよくあります。
もちろん、新しいルアーでは釣れないけど古いルアーだとよく釣れたってこともあります。
その時その時で状況は違うので、一概に新しいルアーの方がよく釣れるとか古いルアーの方がいいってことはありません。
古いルアーより新しいルアーの方が確実に優れているのは『飛距離』と『立ち上がりのレスポンス』くらいです。
釣獲力については、古いルアーが釣れるか新しいルアーが釣れるかは状況によって変わるので、古いルアーだからといってお蔵入りさせる必要はありません。
ベイトシーバスってどう?
ここ数年メチャクチャよく質問されるのが
ってこと。
たぶん
ってことだと思います。
これについては、限定的なメリットはありますが、必要性を感じていない限り、わざわざベイトキャスティングタックルでシーバスゲームをする意味はありません。
よく語られるベイトキャスティングタックルのメリットとしては、スピニングタックルよりもコントロールしやすいということが挙げられます。
確かに僕の場合もスピニングタックルよりもベイトタックルの方がコントロールしやすいです。
でも、ベイトタックルのコントロールじゃないとダメなほど緻密なコントロールが要求されることってシーバスゲームでは稀です、特にオカッパリの場合は。
シーバスフィッシングは90%以上は「待ちの釣り」なので。
あとはスピニングタックルの扱いが上手くなれば上手くなるほどベイトタックルでできるようなコントロールはスピニングタックルで全然できる(らしい)のです。
僕はその領域にはありませんが、スピニングタックルに不便さを感じていなければあえてベイトタックルを使う必要はありません。
もう1つのベイトタックルの利点として巻き抵抗が重いルアーをリトリーブしやすいということが挙げられます。
これはスピニングタックルでは補えないベイトタックルの利点です。
重いメタルバイブレーションを中心に釣りをするような場合にはスピニングリールより明らかにベイトリールの方が巻きが楽です。
ベイトリールはハンドルを巻く方向とスプールの回転方向が同一方向の軸で巻くことができます。
でもスピニングリールはハンドルを巻く方向とローターの回転方向の軸が90°異なるので、リールをリトリーブするときにパワーロスが生じます。
通常なら気になるほどのパワーロスではありませんが、巻き抵抗の重いルアーを中心に釣りをするときはハンドルを巻く方向とスプールの回転方向が同一方向の軸にあるベイトリールの方が楽に巻けます。
さらにベイトタックルの利点として重いルアーをキャストしやすいということが挙げられます。
スピニングリールでキャストする場合、人差し指の腹にラインを引っ掛けてキャストするので、スピニングリールで重いルアーを投げようとすると人差し指にかなり負荷が掛かります。
PEを使うときは人差し指の腹がラインで切れることもあります。
でもベイトリールでキャストする場合、親指の腹全体でラインを押えるので、人差し指に引っ掛けるときみたいに指の特定の場所にピンポイントで負荷が掛かることはありません。
なので、重いルアーをキャストするときは圧倒的にスピニングリールよりベイトリールの方がキャストが楽といえます。
だいたい30gオーバーのルアーをスピニングタックルでバンバン投げるようになると人差し指が痛くなってきます。
ただ、30g前後のルアーを多用するアングラーでもラインの太さをPE1.5~2号くらいにすれば人差し指にそれほど大きな負担は掛かりません。
あるいはリーダーをリールに巻き込む長さにすればリーダーを指に引っ掛けることもできます。
そもそもオフショアでは100gくらいのビッグペンシルでも通常はスピニングタックルでキャストするので、使用するルアーが重いという理由だけでベイトタックルに換える必要はないでしょう。
僕の場合、もっとも多用するルアーのウエイトは15g前後です。10gくらいから20gくらいのルアーが圧倒的に使用頻度が高いです。
だから僕の場合、最近はシーバスでベイトタックルを使うことはありません。
昔、ビッグベイト…というほど大きくはありませんが、60gくらいのビッグプラグで遊ぶときにベイトタックルを使っていました。
でも、普通にシーバスを釣るためだけであれば特にベイトタックルは必要ありません。
…という場合には別に止めませんけどね笑
あるいは、『釣り』という趣味の中に魚を釣ること以外のアソビ要素を求めたいのであればベイトタックルを使うのは全然アリです。
まとめ
プロアングラーやメディアの情報は、いろんなシチュエーションに幅広く対応できるような当たり障りのない説明が多く、個別のシチュエーションで考えてみると、どうしてもプロの説明が当てはまらないってことも少なくありません。
プロアングラーやメディアという立場上、それはそれで当然あり得る話です。
ですが、右も左もわからない初心者にとってはどんな情報を取り入れて、どんな情報は聞き流せばいいか判断に迷うところです。
ってことはいくらでも起こり得ます。
それは、〇〇プロの説明が間違っているわけではありません。
幅広いシチュエーションに対応できるように抽象的に説明したとしても、個別のシチュエーションを見てみると、どうしてもその説明が当てはまらないようなシチュエーションも存在します。
そんなときは、ぜひ身近な釣り友や先輩アングラーにどんどん質問をぶつけてみましょう。
きっとプロとは違った回答が返ってくることもたくさんあることでしょう。