釣りを始めて間もないルアーアングラーがベテランアングラーの釣りを見ると誰でも
「自分も早くああいう風になりたい」
と思うことでしょう。
でも
「釣りは経験が必要。一朝一夕で身に付くものではない。」
そう考えてはいませんか?
確かに一朝一夕では身に付かない経験もあります。
しかし釣りの動作の中には一朝一夕で身に付いてしまう技術というものもあります。
このページでは驚くほど簡単に釣りの技術が向上する方法をご紹介します。
エリアフィッシングのススメ
釣りを覚えたければエリアフィッシングにハマりなさい。
以上です。
特別難しいことをする必要はありません。
とにかくエリアフィッシングを1日中、3~5日程度やってみると釣りに必要な最低限の技術が驚くほど身に付きます。
簡単です。ただ楽しく釣りをするだけでいいのです。
これだけでは味気ないので、エリアフィッシングについてもう少しだけ掘り下げてご紹介します。
エリアフィッシングとは?
エリアフィッシングとは人口池や天然の川をせき止めて作ったフィールド(管理釣り場)で、養殖のマス類(トラウト)を餌やルアーやフライで狙うレジャーフィッシングです。
平たくいえば釣り堀に放されたトラウトを釣ることです。
「なんだ、釣り堀か。」
と侮るなかれ。
エリアフィッシングにはルアーフィッシングに必要な動作が凝縮されているので、エリアフィッシングを丸1日してみるとルアーフィッシングに必要な動作が驚くほど簡単に身に付きます。
管釣りで上達する技術
キャスティング回数が多い
エリアフィッシングをすると、とにかくキャストをする回数が多いです。
丸一日エリアフィッシングを楽しめば、ほかの釣りでは経験できないほど多くのキャスト数をこなすことができます。
ほとんど釣り経験のない人でも丸一日エリアフィッシングをすれば、だいたい最低限は投げられるようになります。
エリアフィッシングではスプーンと呼ばれる2~5gほどの沈むルアー(シンキングタイプ)をメインに使います。
5gのスプーンともなると(タックルバランスから考えると)比較的重い部類のルアーになるので、キャストを繰り返すうちに『ロッドが曲がる』という感覚を体感できるようになります。
この『ロッドが曲がる』という感覚が身に付いてくると、今度は軽いルアーをキャストするために『ロッドを曲げる』という技術ができるようになってきます。
重いルアーで『ロッドが曲がる』感覚を身に付けて、軽いルアーを『ロッドを曲げて』キャストする。
これを手っ取り早く身に付けることができるのがエリアフィッシングのオススメポイントです。
リーリングに集中する
スプーンをキャストすると着水後すぐに沈みます。
スプーンが沈んでしまうので、エリアフィッシングではトラウトが口を使うレンジを探るために、アングラー側で着水後のカウントをとったり、リトリーブスピードを調節するという技術が不可欠です。
またエリアフィッシングではロッドでアタリを取ること以上にラインでアタリを取ります(大袈裟にいえば、リトリーブ中のラインに全神経を集中させます)。
とにかくリーリングに集中するのがエリアフィッシングです。
エリアフィッシングを丸一日楽しむと、自然とリーリングに気を使うようになります。
ファイト(やり取り)が身に付く
エリアフィッシング最大のメリットは(ネイティブに比べると)
魚がとてもよく釣れる
こと。
キャストやリーリングという技術は魚が釣れなくても練習により上達することができますが、フッキングや魚とのファイト(やり取り)というのは実際に魚を掛けなければまったく経験することができません。
この点、エリアフィッシングは初心者であっても比較的容易に魚と対峙することができるので、ネイティブの魚を狙う以上の経験をすることができます。
魚とのファイトを覚えるための最短ルートはエリアフィッシングです。
ランディングが身に付く
これも魚を釣らなければ体験できない技術です。
ランディングとは掛けた魚を網(または素手)で取り込む動作です。
数m先で掛けた魚を自分の手でキャッチするための最後の動作になります。
ネット(網)に入れればイイだけだろ?と思うかもしれませんが、ランディングの際にラインブレイクしたりロッドを折ってしまうというのは実はとても多い事故。
ロッドが折れて魚にまで逃げられてしまった日には涙で枕を濡らすことでしょう。
この点、エリアフィッシングではネイティブフィッシングと比べるとランディングする機会がとても多いので、ネイティブの魚を狙うよりもはるかに多くのランディングチャンスに接することができます。
魚の習性を体験できる
エリアフィッシングは目の間に魚がいるのが確実な状況で魚を狙います。
自然下で魚を狙っていると、不意に魚が釣れたときに『なぜ、いまのタイミングで釣れたのか?』ということを把握するのがとても困難です。
たとえば「ルアーの動きが変わった」から釣れたのか、「ルアーのカラーが変わった」から釣れたのか、「時合に突入した」から釣れたのか、「それまでは魚が全然いなかったのに回遊してきた魚に偶然アプローチできた」から釣れたのか…
自然下では水の中の状況が見えないので、どういう理由で食ってきたのかを特定するのは現実的に困難です(魚が群れていれば別ですが…)。
この点、管理釣り場は目の前に魚の群れがいることが確実(見えている)なので、どういう理由で魚が口を使ったのかを絞りやすくなります。
「ルアーのカラーを変えたから口を使った」のか「リトリーブスピードを変えたから口を使った」のか「レンジを変えたから口を使った」のか…特定がしやすくなります。
逆に自然下では、釣れなかった時間帯に魚が目の前にいたかどうかそもそもわからないことがほとんどなので、『釣れない時間帯になぜ釣れなかったのか?』という問題に対して『魚が居なかった』という可能性をどうしても排除できない。
魚が居るのに口を使わなかったのか、そもそも魚が居なかったのか…
わからない。
エリアフィッシングでは『釣れない時間帯になぜ釣れなかったのか?』という問題に対して『魚が居なかった』という可能性は排除できるので、釣れた要因(変化をつけた要因)を特定することが可能になります。
たとえば学校の問題で「次の1から5の選択肢の中から正しいものを選びなさい。」という問題があったとします。
1から5に確実に答えがあるのがわかっている場合には解ける問題でも、
「次の1から5の選択肢の中から正しいものを選びなさい。正しい選択肢がない場合には0を選びなさい。」
という問いに変わった途端に激ムズの問題へと変貌します。
ってなります、絶対に。
高校生のときにこの問題が好きな先生がいて、とても苦しめられました。
釣りも同じです。
「そもそもさっきまでは魚が居なかった」という選択肢が排除できないと、魚が食ってきた理由をどれだけ考えてみたところで特定するのは難しいものです。
そういう点で、常に魚が目の前にいる状況で釣りをしている管理釣り場では、魚の習性を体感しやすくなります。
まとめ
◆エリアフィッシングではキャスティング・リーリング・ファイト・ランディング・魚の習性など様々なファクターを凝縮して体験することができる
◆釣りを覚えたければエリアフィッシングにハマりなさい
エリアフィッシングは魚が確実にいる状況下で釣りをするので、釣りに必要な最低限のを一通り体験することができます。
キャスティング・リーリング・ファイト・ランディングなど…
自然下では魚が釣れなければ魚とのやり取りやランディングといった動作を体験することはありませんが、エリアフィッシングでは初心者であっても多くの人が最初の1匹を手にすることができます。
確かに、自然下でネイティブの魚を釣った時ほどの感動はありませんが、『魚を釣る』ために必要な動作を楽しく覚えることができます。
そういう意味で、初心者が手っ取り早く釣りを覚えるためにはエリアフィッシングは最適なレジャーといえます。
釣りを覚えたければエリアフィッシングにハマりなさい