釣りを始めると誰もが必ず一度は体験する初場所での釣りや ポイント開拓 。
限られた時間の中で右も左も分からない場所で釣りをすると、なかなか思うような展開に持ち込むことができないものです。
このページでは、初場所でも困らないルアーローテーションの考え方をご紹介します。
普段は何から投げる?
初場所じゃない通い慣れたポイントでは、いつも何のルアーから投げますか?
普通、通い慣れたポイントで一番最初に投げるルアーといえば
(自分的に)そのポイントで最も実績の高いルアー
でしょう。
これは全然当たり前の話です。
ていうか普通は実績の高いルアーから投げるはずです。
それが釣り人の心情です。
じゃあ、初場所じゃないし実績ポイントって聞いてるけど、自分的に「コレッ!」てルアーがない場合、どんなルアーから投げますか?
この場合、(決まりがあるわけではないですが)魚を惹きつける力の強いルアーで表層から探っていきながらレンジを下げていくというのが一般的なパターンです。
やる気のあるシーバスは下の方から上側を見ているので、シーバスの目線の先に惹きつける能力の高いルアーを通してみて、やる気のあるシーバスを探していくというのが一般的な釣り方です。
初めての場所では何から投げる?
じゃあ、Googleマップで面白そうなエリアを見つけたり、車で走っているときに良さそうなポイントを見つけて、そこで初めて釣りをしてみる場合、何から投げてどういう釣り方をするのがイイか?
これは答えがほぼ決まっています。
バイブレーション
これが答え。
右も左もわからないような初場所でポイント開拓をするときはバイブレーションで釣りを始めます。
ミノーでもシンキングペンシルでもジグヘッドワームでもありません。
バイブレーションです。
ただ投げて巻くだけじゃない!
入門者の頃には、水深もわからないようなポイントでいきなりバイブレーションを投げることには相当抵抗があることでしょう。
でも、まさにそこにバイブレーションを使う意味があるのです。
初場所でバイブレーションを使う理由は次のとおりです。
◆海底の把握
◆地形の変化の把握
これらの情報をいち早く確認するために最も効果的なルアーがバイブレーションです。
水深の把握
初場所でルアーをキャストするときには、とにかくいろいろな方向へキャストします。
正面、右、左、岸沿い…
このときに漠然と投げるのではなく、必ずキャスト毎に着底までのカウントを数えます。
別に「水深〇mくらい」という細かい数字まで把握する必要はありません。
水深〇mがわかれば理想ですが、カウントダウン(ラパラ)のようなルアーでない限り、1秒で〇cm沈むってのが普通はわからないので、細かく〇mを把握しようとする必要はありません。
その代わり、カウントを数える場合は1秒間1カウントにするのではなく、細かく刻む方がより具体的に水深の違いが把握できます。
たとえば、僕の場合1秒間に3カウントくらい数えています。10秒で30カウントくらい数えます。
そうすることで1秒1カウントよりも3倍細かく刻めます。
通い慣れたポイントでこんな釣り方をする必要はありませんが、初場所では、より具体的に水深を把握できるようにこれくらいのことをやってみた方がいいでしょう。
底質の把握
バイブレーションで底をとって巻いてきた感触で海底の情報を得ることもできます。
たとえば広大な砂地であればスローで巻いてもほとんどボトムでノックすることはありません。
でも、ところどころに石が沈んでいるような場所では、たまに「ゴッ!」と海底を叩きます。
あるいは海藻が茂っている場所に差しかかかるとバイブレーションは海藻を拾ってくれるので、「着底後20mくらいは砂地だけど、それより手前に来るにつれて海藻が生えている」ってことがわかることもあります。
他にも、着底後からすぐにゴツゴツボトムを叩くようであれば「このエリアは砂地ではない」っていう情報を得ることができます。
バイブレーションを使うことで、手元に伝わる感触やフックに引っ掛かってくる物から海底の情報を把握することができます。
地形の変化の把握
地形の変化とは主にかけ上がりのようなブレイクラインのことです。
シーバスは水の流れの変化や地形の変化などの「変化」につく魚なので、ブレイクラインはシーバスを狙ううえで重要なポイントになります。
バイブレーションでボトムをなめるように引いていると、それまでほとんどボトムの抵抗を感じなかったのに、突然激しくボトムを叩くようになる場所があります。
これがブレイクラインです。
沖から岸に向かって急にかけ上がっている場所です。岸から見れば、沖に向かって急に落ち込んでいる場所です。
シーバス(に限らず様々な魚)はこういう地形の微妙な変化にも敏感に居着くので、初めてのポイントでシーバスを釣るためにはとても重要な情報になります。
投げて巻くだけがすべてじゃない!
バイブレーションはもともと飛距離が出るので広範囲をサーチできるうえ、フォールスピードもそこそこ速いので水深などのバーチカル(立体的)な情報を得るためには非常に役に立つルアーです。
バイブレーションをこのような使い方をするときは、「いま投げているバイブレーションでシーバスを釣ってやろう」という目的のためではなく、その後にシーバスを釣るためにより適切なルアーを探し出すという目的のために使うのです。
なので、水中のわずかな変化などを敏感に捉えられるように1キャスト1リトリーブをキッチリと行うことが大切です。
漠然と投げて巻いていたのでは意味がないので注意してください。
遠征でも同じ釣り方?
一言で「初場所」で釣りをするっていっても、それには主に2通りの場合があります。
1つは「ポイント開拓」の場合です。
もう1つは「遠征」の場合です。
遠征の場合も初場所で釣りをすることが多くなるので、同じようにバイブレーションから投げた方がいいのか?ということが問題になります。
これは僕の考え方ですが、基本的には遠征のときもバイブレーションから投げるのは〇です。
…でも、たくさんのポイントを釣りをしながら転々と回ってみたり、手っ取り早くシーバスに出会いたいってときはトップウォーターから投げるのも〇です。
遠征って期待に胸を膨らませて行く場合が多いですが、実際はかなり難しくて、要所要所でいろんな決断を迫られます。
その中でも重要な決断になるのが「ポイント選び(移動)」です。
遠征先では基本的に右も左も分からないので、釣具屋の情報やSNSやGoogleマップを頼りに良さそうなポイントで釣りをします。
このときに難しいのが「そのポイントでどれくらい粘るか?」ってこと。
「今の時期なら時間を掛けてでも粘った方がいい」ってのが分かっていればバイブレーションから投げて、目の前に広がるポイントの情報を素早くサーチした方がいいしょう。
でも、「(そもそも)ここで粘ってもいいのだろうか…?」て疑問を抱くことの方が多いのが遠征釣行です、マジで。
その場合、すばやくポイント移動を決断して、気になるポイントを次々と撃っていくというのも遠征先での釣り方の1つです。
ポイントを次々と撃っていくという釣り方を選択する場合、地形を把握するよりも目の前にいる(かもしれない)シーバスを手っ取り早く釣っていくことが目的になるので、バイブレーションよりも魚を惹きつける力の強いルアーから投げます。
たとえばトップウォーターやウェイクベイトのようなサブサーフィスミノーのような表層系ルアーです。
(別に決まりがあるわけではないですが)シンキングペンシルから投げることはほとんどありません。
遠征釣行での「初場所」の場合、どういう釣り方を選択するか(粘るor気になるポイントをたくさん巡る)によってバイブレーションから投げるかどうかが変わります。
そのポイントで粘ると決めている場合にはバイブレーションから投げることは効率的といえます。
逆に1つのポイントに時間を掛けずに、より多くのポイントで釣りをしたい場合にはアピール力の強いルアーから投げます。
「遠征」の場合には自分の釣りのスタイルに合わせて最初に投げるルアーを選択しましょう。
どんなバイブレーションでもOK?
基本的にはどんなバイブレーションでも大丈夫です。
でも、個人的におすすめなのはバス用の樹脂(プラスチック)製バイブレーションです。
メタルよりプラスチック
ソルトでは大人気のメタルバイブレーション。
「手持ちがたくさんあるからメタルバイブじゃダメ?」って思うかもしれません。
鉄板しかなければ別に構わないですが、鉄板だとフォールスピードが速すぎてカウントダウンがやりにくいので初心者にはあまりおすすめできません。
同じ重さのバイブレーションなら、メタルバイブよりも樹脂製のバイブレーションの方が断然おすすめです。
ソルト用よりバス用
これはソルトアングラーはあまり手持ちの弾がないかもしれませんが、水中のサーチ用に使う場合はソルト用よりバス用のほうがおすすめです。
なぜかというと、サーチするときのスイミング姿勢がバス用のバイブレーションの方が適しているからです。
ビギナーがポイント開拓をするうえで一番やりたくないのが地形サーチ中に根掛かりをしてルアーをロストすることです。
これが頻繁に起これば「ポイント開拓マジめんどい」ってことになります。
いや、これはビギナーでなくてもポイント開拓のたびにルアーを失くしていては、やる気までなくなってしまいます。
そこで、根掛かり回避のためにどうすればいいか?という問題があります。
この点については、実はバス用のバイブレーションは非常に根掛かり回避率が高いルアーが多いです。
バス用のバイブレーションってリトリーブ中のスイミング姿勢がかなり前傾姿勢になるものが多く、ボトムをノックするときはほぼルアーの口か頭がボトムに当たります。
これに対してソルト用のバイブレーションはスイミング姿勢が水平に近い状態になるものが多いので、スローリトリーブしていると普通にフックがボトムに当たってしまいます。
バス用のバイブレーションの方が根掛かり回避率という点でビギナーにも扱いやすいので、バス用のプラスチック製バイブレーションを1個くらい持っておくといいでしょう。
おすすめルアー
僕も最近はバスフィッシングにのめり込んでいるわけではないので、どんなルアーがいいか?って聞かれると難しいところですが…
手に入りやすさからTN70(ジャッカル)かTDバイブレーション(ダイワ)が良いでしょう。
ちなみに僕はいつもラトリンソニック(ウォーターランド)を使っています。
…が、手に入りづらいのでTN70かTDバイブレーションがおすすめです。
釣るため以外の使い方を学ぶ
最近のソルトシーンでメジャーな釣り方は
とにかく飛距離の出るルアーをブン投げてゆっくりとタダ巻きをする
ってのが多いです。
その筆頭ルアーがバイブレーションでありメタルバイブ。
こういう釣り方でも普通にシーバスは釣れるので、バイブレーションといえば、フルキャストして巻いてくるだけ…という使い方しかわからないビギナーアングラーも少なくありません。
でもバイブレーションはサーチベイトとしてとても優秀なルアーです。
ここでいうサーチとは、魚をサーチするためだけなく、水中の情報をサーチするためにも役立つルアーという意味です。
バイブレーションで水中の状況をサーチして、そのあとに適切なルアーで魚を釣る
バイブレーションはそういう使い方もできるルアーです。
サーチベイトとしてのバイブレーションの使い方を覚えて、自分のマイポイントを見つけてみましょう。