【ステップアップ】パリパリ系?フニャフニャ系?どちらのPEがライントラブルが起こりにくい?【第1回】

PEラインには、ライン表面にコーティングされた張りの強いパリパリ系と、ラインに張りのないフニャフニャ系のラインがあります。

以前からライントラブルに関して

アングラー
張りの強い方がライントラブルが少ない!

とか

アングラー
フニャフニャな方がライントラブル起こりにくくね?

と意見の割れる問題がありました。

このページでは、パリパリ系とフニャフニャ系のPEについて掘り下げてご紹介します。

ショーカラ
ちなみに、個人的にはパリパリ系のPEの方がライントラブルが少ないように感じています
執筆者
ショーカラ(y-nax)
『釣り』の翻訳家
最近の釣りメディアでは、釣りに関する情報がメーカーのために中・上級者目線で発信されるようになりました。ナチュラルリリースでは、ビギナー目線で語られることが少なくなった「釣りに関する『キホンのキ』」をビギナー目線で発信しています。

パリパリ系PEの特徴

細いラインはトラブルが発生しにくい

パリパリ系PEの1つの特徴が細いラインではトラブルが発生しにくいことです。

PEであれモノフィラメント(ナイロン・フロロ)であれ、細いラインはそもそも扱いにくいものです。

そのうえ、細いラインを使う場合、軽量ルアーを扱うことがほとんどなので、ラインにテンションが掛かりにくい状態です。

このようなシチュエーションでフニャフニャのラインを使うと、とにかくライントラブルが増えます。

この点、パリパリ系のPEだと、扱いにくいながらもラインに復元力があるため、フニャフニャ系の細糸よりもライントラブルが発生しづらいです。

太いラインはトラブルが発生しやすい

パリパリ系PEのもう1つの特徴が太いラインではトラブルが発生しやすいことです。

パリパリ系の太いPEになると、ラインの復元力がかなり強くなります。

ラインの復元力が強いとどうなるのか?

それは、スプールの内側からスプールの外側へ向かってラインが広がろうとする力が強いということを意味します。

スプール内のラインが外側に向かって広がろうとする力が強いと、キャストした瞬間に、まとまったライン(ラインの塊)がゴボッと出てしまうことがあります。

そのため、パリパリ系の太いラインを扱うときは注意が必要です。

フニャフニャ系PEの特徴

細くても太くてもライントラブルが発生する

フニャフニャ系PEの1つの特徴がラインが細くても太くてもライントラブルが発生しやすいことが挙げられます。

フニャフニャ系PEはラインに復元力がない(自立しない)ので、ちょっと油断するとラインに弛みができてしまいます。

この弛みが、ライントラブルの元になります。

また、フニャフニャ系PEは、ラインが太くなったところでやはりフニャフニャです。

PEの扱いに慣れないうちは、フニャフニャ系PEは特にライントラブルが起こりやすいです。

扱いに慣れるとライントラブルが激減する

フニャフニャ系PEは、慣れないうちはライントラブルが起こりやすいですが、扱いに慣れてくるとライントラブルが激減します。

特にわかりやすいのが太いラインを扱うときです。

フニャフニャ系PEは、スプールの外側に向かって広がる復元力がないので、太いラインでもライントラブルが発生しくくなります。

ショーカラ
もちろん、ラインに弛みができないのが大前提です

そのため、PEラインの扱いに慣れている人にとっては、フニャフニャ系PEの方がライントラブルが少ないと感じることがあります。

どっちのラインがおすすめ?

では、ビギナーにとってパリパリ系とフニャフニャ系のどちらのラインがおすすめでしょうか?

ビギナーにはパリパリ系がおすすめ

まず、ビギナーアングラーの場合、迷ったら、とりあえずはコーティングのあるパリパリ系のラインから使ってみることをおすすめします。

釣りに不慣れなビギナーアングラーがフニャフニャ系のラインを扱おうとすると、エアノット以外にもライントラブルの嵐になります。

ラインの取り扱い(所作)に慣れるまでは、ラインの感触がしっかりと手に残るパリパリ系のPEがおすすめです。

ショーカラ
なお、2号以上のPEであればフニャフニャ系がいいでしょう(後述)

1.0号未満はパリパリ系がおすすめ

ビギナーがシーバス狙いで0.8号や0.6号を使うことはほぼないと思います。

ただ、仮に08や06のような細いPEを使うときは、パリパリ系のコーティングPEの方がおすすめです。

細糸+軽量ルアーの組み合わせの場合、適度なテンションを常にラインに掛けた状態で釣りをするのはかなり難易度が高いです。

これがフニャフニャ系PEとなると、さらに難易度が上がります。

ちょっと気を緩めると、ラインまで緩んでしまいます。

そのため、ビギナーが08や06といった細糸を使うときは、パリパリ系PEが断然おすすめです。

2.0号以上はフニャフニャ系がおすすめ

2.0号以上の太いPEになると、張りの強いパリパリ系PEはラインの復元力によって膨らみやすくなります。

この復元力のために、ルアーの巻取り(回収)のときにテンションが緩みやすくなります。

そして、緩みが原因となってライントラブルが発生しやすくなります。

そのため、2号以上の太いPEを使うときは、フニャフニャ系PEの方がライントラブルのリスクを抑えられます。

1.0~1.5号はどっちもあり得る

シーバスフィッシングにおけるメインラインのボリュームゾーンは1.0~1.5号です。

シーバスフィッシングでは、PE1.0、1.2、1.5号を使う人が全体のおよそ90%を占めます(ナチュラルリリース調べ)。

じゃあ、このボリュームゾーンのPEラインは、パリパリ系とフニャフニャ系のどちらがいいのか?

ってことですが、正直なところ、このボリュームゾーンこそ

どっちもあり得る

という、判断に困るような答えになってしまいます。

それくらい、意見が割れるのがこの太さのラインです。

結論からいえば

どっちも使ってみろ

ってことになります。

なぜボリュームゾーンは意見が割れるのか?

問題の捉え方を変えてみる

今まで、PE1.0~1.5号の太さのライン使う多くの人に色んな意見を聞きました。

しかし、「パリパリ系PEとフニャフニャ系PEのどちらがライントラブルが少ないか?」という問いに対しては意見が拮抗しています。

おそらく、ガチで半々くらいの割合のような印象です。

ショーカラ
どちらも決め手がない、という言い方もできます

そこで

パリパリ系とフニャフニャ系のどちらのPEがトラブルが少ないか?

という問題を

なぜ、意見が割れるのか?

という視点から考えてみると、僕の中で一つの可能性が見えてきました。

それがラインを取り扱うときの動作のクセです。

釣りの動作は単純ではない

ルアーフィッシングというのは、動作を単純化すれば

テイクバックキャスト着水リトリーブフッキングランディング

という流れになります。

しかし、釣り場に到着してから、納竿するまでのすべての動作を考えると、上記以外にも

ルアー交換ランガンによる移動休憩 etc…

など、あらゆる動作の中でラインに触れる機会があることがわかります。

そして、このルーティンのいたるところに、ラインの取り扱いについてアングラーごとのクセが現れます。

このすべての動作の中にあるアングラー個々のクセが、どちらのPEに適しているかで、トラブルになりやすい(または、トラブルになりにくい)かどうか分かれるのではないか、と考えています。

撮影中に度々ライントラブルが発生!

ここで僕の経験を一つ。

去年から、ビギナー向けに実釣動画の撮影を始めました。

撮影時はナイトゲームで手元を映しているため、カメラに手元が映るように四苦八苦しながら釣りをしています。

そうしたところ、撮影中に限って、何度かライントラブルが発生することがありました。

ショーカラ
映像もラインも、編集でカットしてあります

原因を特定するのは難しいですが、一つの可能性として

カメラに手元が映るようにするために、撮影していないときには行わないような動作をすることがあった

ということが挙げられます。

カメラに手元が映るように、普段の実釣ではしないような動作を何度も挟むことがありました。

このように、実釣中のなにげない動作のクセが、結果としてライントラブルに繋がっている可能性は充分に考えられます。

そして、これはアングラー個々の動作のクセに依存しているため「意見が割れる」ということになるのだと思われます。

決めつけずにいろんなラインを使ってみよう!

巷では、PEラインについて

アングラー
パリパリ系の方がトラブルが少ないよ!

とか

アングラー
フニャフニャ系の方がトラブルが少なくない?

という感じで、意見が割れています。

確かに、かなり太いPEとかなり細いPEでは、それぞれのPEの特性によってトラブルの多い・少ないがあります。

しかし、シーバスフィッシングのPEのボリュームゾーンは1.0~1.5号。

このあたりの太さのPEラインについては、パリパリ系とフニャフニャ系で意見が真っ二つに割れています。

そして、意見の割れる大きな原因の一つにアングラー個々の動作のクセがあります。

ルアーフィッシングの動作は、キャスト~ランディングまでの動作だけではありません。

ルアー交換移動休憩に至るまで、およそラインに触れる可能性のある動作の全てについて、ライントラブルの原因が存在し得ます。

そして、これらの細かい動作一つ一つに気を配るのは、とても大変な作業です。

そこで、どちらのラインでもトラブルが起こり得ることを前提に、いろいろなメーカーのPEラインを使ってみましょう。

近年では、安価で良質なPEラインが、様々なメーカーから数多く販売されています。

パリパリ系とフニャフニャ系のどちらかに決めつけるのではなく、いろんなラインを試してみて、自分の釣りのスタイルにあったPEラインを探してみましょう。

おすすめのPEライン

パリパリ系のおすすめPEライン

パリパリ系のPEラインで一番のおすすめがよつあみエックスブレイドアップグレードX4です。

02や03といったかなり細い番手からラインナップされています。

ビギナーがシーバス用で使うには、特に08と1.0がおすすめです。

コーティング系ではありませんが、ラインに確かな張りとコシがあるので、人差し指でラインに触れている感触がわかりやすく、ビギナーにとてもおすすめです。

1300円前後で買える価格も魅力的です。

フニャフニャ系のおすすめPEライン

フニャフニャ系のPEラインで現在イチオシなのがシーガーPE X8です。

良い言い方をすると、とにかくクセがない!

悪い言い方をすると、普通。

特筆すべき点はその価格です。

8本編みのPEなのに1100円ほどで購入できます(Amazon)。

とにかくフニャフニャ系のPEに迷ったらコレ!といえるくらいコストパフォーマンスが高いPEです。